コンピュータ室運営日誌


5月後半のできごと


削除できない事件(5/16)
ATOKの相性(5/17)
中学校への新機種導入(5/22)
社会科指導法(5/26)
研修の内容(5/27)
提案−第2回研修会−(5/29)
ワープロ遊び(5/30)

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 削除できない事件(5月16日)
 理科の授業で,ベ××セの学習指導用ソフト「マ××××ク」を使いました。

 使用したプラグラムは「太陽高度と気温」です。このプログラムは,自分で調べた観察結果(天気,気温,太陽高度)を入力することにより自動的にグラフが作成され,1日の気温の変化や天気による気温の違い,太陽高度と気温の関係などを調べることができます。

 某CAIソフトだと,実際に観察を行わなくても,プログラムに従って学習を進めていけば知識が身に付くようになっているのですが,このプログラムでは,観察した結果をグラフ化し他のデータと比較表示する機能しかありません。

 コンピュータはあくまで,日頃の学習を手助けするための一つの道具ということで,グラフは自動作成されても,考察するのは子どもたち自身が行わなければならないし,誤ったデータを入力すると誤った結果が導き出されます。それが,このプログラムの最大の長所だと思います。


 さて,この「マ××××ク」ですが,授業を行っている最中に困ったことが起きました。先日(4月28日)職員の研修会を行ったのですが,そのときのネットワーク関連のデータが残ったままなのです。

 「マ××××ク」のネットワーク機能の一つに,「メモツール」というものがあり,「メモツール」で作成したメモはネットワークで接続された他のコンピュータの「掲示板」に表示できるようになっています。前回の研修会で職員が適当にメモを書き,送信しあっていたのですが,そのメモが「掲示板」に残ったままだったのです。

 授業そのものには影響ありませんが,これはかなり恥ずかしい事態です。
 画面を見渡しても,掲示板に貼り付けられたメモを削除するボタンがありません。マニュアルを見ても,メモを削除する方法が書いてありません,というか,マニュアルを一生懸命読んでみましたが,削除する方法を見つけることができませんでした。サーバーを見れば何とかなるかもしれないと思い,一応サーバーのフォルダも見てみましたが,何がなんだかさっぱり分かりませんでした。

 それから,もう一つ困ったことがありました。「メモツール」で作成したメモは一時的に自分のパソコンの作業用画面に貼り付けておくこともできるのですが,2台のパソコンでは,そのメモが画面に表示されたまま(もしかしたらバグかも)になっていたのです。そのせいで画面の一部が隠れてしまい,作業ができませんでした。ドラッグしてどかすこともできず,こちらも削除する方法がマニュアルに記載されてなかったので困ってしまいました。

 5月2日に来ていただけるはずだった業者の方はまだ来校していません。早く何とかしてほしいです。




 ATOKの相性(5月17日)
 日頃お世話になっている地元の業者さんが来校しました。すっぽかしの業者さんとは別の方です。(私の学校では地元の業者をはじめとして3社の業者さんにお世話になっています。)

 ベ××セ「マ××××ク」と「ATOK9」との相性が悪いので,ATOK9を「MS−IME」に変更するとのことでした。私の学校では,昨年「キッドピクス」とATOK9との相性が悪いとのことで,すでにMS−IMEを使用していたので,結局業者さんは何もせずに帰っていきました。

 ATOKとソフトウェアの相性の問題は,時々耳にするような気がするのですが,どうしてこのようなことが起こるのでしょうか。相性とはいったい何なのか,不思議です。どなたかご存知の方がいらっしゃたら教えていただけませんか。


 それから,シャープの学習指導用ソフト「スタディタイム」は,WINDOWS版がうまく動作しないとのことで,DOS版が導入されていたのですが,近々WINDOWS版が正式にリリースされるようです。私の学校では,WINDOWS版を無料でインストールしていただけることになりました。ありがたい話です。

 でも考えてみれば,もともとWINDOWS版が導入されるはずだったわけですから,タダなのは当然かも知れません。何しろスタディタイムは,教材ソフトの「スーパーCAI」を含めて,一台あたり十数万円もするのです。開発の遅れが原因でDOS版を導入したのに,このままずっとDOS版を使わなければならないというのは理不尽です。業者さんありがとう。

 あれっ,この件は内緒の話だったかな?

 DOS版「スタディタイム」を導入している学校の先生方,この日誌はフィクションですので,「無料」という話は信用なさらないようお願いいたします。

追記:
ATOKの相性の問題は,遠藤さんのプロクラ日記(5/20)にて,解説していただきました。




 中学校への新機種導入(5月22日)
 野外学習に行っている間に本年度第1回のコンピュータ研究委員会が開かれました。この研究会は,各学校のコンピュータ担当が参加し,コンピュータ室の運用や教員の研修について検討する事を目的として活動しています。

 代理で出席した先生からいただいた要項と資料に早速目を通しました。

 ビッグニュースは中学校に新機種が導入されることです。

 私が勤務する地区の中学校には,8年ほど前にコンピュータ(PC9801VM2,HDなし)が導入され,おもに技術家庭科の授業で,BASICの簡単なプログラムを組んだり,FD版学習指導用ソフトや一太郎3などを使って学習していたのですが,本年度から新システムが導入されることになりました。

 コンピュータ室だけでなく,特別教室にもコンピュータが設置され,それらが校内LANで結ばれます。また,インターネットへの接続環境も整うようです。


 それから,本年度の活動計画の中で目立っているのは,教員向けの研修会が充実してきたことです。

 基本操作の習熟が十分でない教員を対象とした初級コースから,コンピュータ室の管理運営責任者を対象とした上級コースまで,全5コースが設けられ,今後5年間のうちにどれかのコースを受講するよう呼びかける計画になっています。

 一昨年と昨年の2年間で,地区の全小学校にコンピュータが導入されたのですが,おそらく,教員が十分に使いこなすことができない実状が大きな問題点として浮かび上がってきたための対策だと思われます。

 5年計画というのは,ずいぶんのんびりした話のような気もしますが,研修の機会が増えるのはとにかくありがたいことです。

 本年度は1校あたり5名の教員が参加することになっています。それらの先生方の取り組みが良い刺激となって,本年度あまり活用されなくなった私の学校のコンピュータ室に活気が戻るとよいのですが...。




 社会科指導法(5月26日)
 今週の木曜日に行われる校内コンピュータ研修の準備を進めています。

 今回は社会科指導法というテーマです。コンピュータを活用した学習指導のアイディアをいくつか提案しようと考えています。できれば社会科だけでなく他の教科にも活用できそうなアイディアをと考えているのですが,さてどうなることでしょうか。

 まず真っ先に取り組んでいることは,インターネットの活用です。ネット上には社会科で役に立つ資料(HP)がたくさんあります。これを使わない手はありません。

 私の学校では,まだインターネットに接続されていませんので,オートパイロットツール「WebWhacker」を使ってダウンロードしたHPを,コンピュータ室のサーバーにインストールして,児童用パソコンのブラウザから閲覧できるようにしようと考えました。

 ところがいざ作業を始めてみると,HPのダウンロードがちっともうまくいきません。

 「WebWhacker」は,ダウンロードする階層の深さや,外部のリンクまで追いかけるかどうかの指定ができるのですが,これが一見便利なようで,実はなかなかの曲者でした。

 階層レベルの方は,何階層まで収集するか指定できますが,リンクがはられていれば下位の階層だけでなく上位の階層へも追いかけていってしまうのです。(考えてみると当たり前ですね。)

 そして,外部のリンクまで追いかけるかどうかの設定については,外部のリンクを追いかけないように指定しても,同じサーバー内のHPは追いかけてしまうのです。

 例えば,私のHPをダウンロードしようとすると,bekkoameとかso-netのHPは収集しないのですが,私と同じdtiのHPなら,リンクがはられていれば他人のHPであっても追いかけてしまいます。これがどこかの大学とか研究団体のHPだと悲惨です。お目当てのHPからトップページにリンクがはられていると,そこを経由して同じサーバー内にあるすべてのHPを収集しようとしてしまうのです。

 空き容量80メガの私のパソコンと大学のサーバーでは器が違いますから,何度試みても結局メモリ不足で強制終了です。

 その上,この「WebWhacker」は,大量にメモリを消費するようで,わずか7メガほどのHPですらダウンロード作業の途中でメモリ不足となってしまいました。強制終了した直後のHDの空き容量を調べてみると,わずか8メガほどしか残っていません。

 そしてこの状態になると,ダウンロードしたデータをhtml形式に変換することも,削除することもできなくなり,お手上げ状態(何をやろうとしても強制終了!)になってしまいました。

 エクスプローラからは削除できそうなのですが,「WebWhacker」では,ダウンロードしたすべてのデータを,一つのファイルとして管理しているので,削除してしまうと以前ダウンロードしたデータも一緒に消えてしまいます。この中には例えば私のお気に入りだった「お針子YOKOの女工愛史日記」(ご存知ですか?)など,もう二度と手に入らないデータも混じっているので途方に暮れました。

 色々悩んだ挙げ句,HD内のいくつかのソフトを削除して,少しだけHDの空き容量を増やしたら,ようやく「WebWhacker」のプログラムが動くようになったので,お気に入りのHPだけは,無事html形式に変換して,他のフォルダに移すことができました。

 昨日・今日の2日間,これらもろもろの作業で十数時間を費やしました。ほとんどオンラインの状態での作業です。その成果は,4メガほどのHPを一つダウンロードできたことだけです。しかもそのHPさえも丸ごとコピーすることはできませんでした。

 昨日,真っ昼間とか明け方とか,わけの分からぬ時間帯に私からの「読んだよメール」が届いたみなさん,こういう事情で何時間もつないでいたのです。私は決してネット中毒者でも日記廃人ではありませんので,誤解のないようお願いいたします。




 研修の内容(5月27日)
 昨日に続いてコンピュータ研修会の準備を行っています。

 社会科指導法ということですが,1年生と2年生の時間割には社会科の授業はありません。ですから社会科らしさを全面に出すと低学年の先生方には役に立たないものになってしまうし,どの教科でも活用できるような内容にすると社会科らしくなくなってしまうので,なかなか難しいです。

 現在私が考えている提案内容は下記の通りです。

1 視聴覚機器の活用
  • 図表やビデオ映像などの資料を,スクリーンや児童用パソコンの画面に大きく映し出す方法。
  • デジタルカメラの活用法。
2 ソフトウェアの活用
  • 学習指導用ソフトを活用した授業法。
  • 多機能(統合)ソフトを使って,写真やグラフを組み込んだプレゼンテーション資料を作成する方法。
3 ネットワークの活用
  • ダウンロードしたHPをコンピュータ室内のLANで活用する方法。(5/26の日誌参照)
  • html形式で作成した自作資料を,LANで活用する方法。
  • 教育用ネットワーク「PC-SEMI」の活用法。

 この一つ一つについて,どういうかたちで先生方に提案するか,授業後にコンピュータ室で検討(練習)しました。

 それから,当日先生方に配布する予定の研修資料も,明日までには完成しそうです。

 今回の研修は,機器やソフトの操作練習ではなく,活用方法の紹介というかたちになりそうです。ですから,明日からの授業にすぐに役立つというわけではありません。

 はたしてこれでよいのか心配です。



 提案−第2回研修会(5月29日)
 コンピュータ研修会が無事終わりました。

 社会科指導法というテーマでしたが,多くの先生方の役に立つよう,社会科だけでなく他の教科にも活用できるよう配慮しました。それから,昨年度と比べて,今年度はコンピュータ室の使用状況がかなり低下しているので,今回の研修では,研修の内容や進め方を思い切って変えてみました。

 前回までの研修では,おもに機器やソフトの操作方法の練習を行いましたが,今回は,「コンピュータを使うと,授業のこんな場面でこんな事ができます。」という提案型の研修会にしたのです。

 昨年度のコンピュータの授業は基本操作を覚えさせる学習が中心だったので,先生方が研修会で覚えた基本操作が,そのまま授業に役立っていたのですが,今年は,教科の授業の中で活用していこうということで取り組んでいますので,授業の中でどんな使い方をするか,先生方のアイディアが要求されます。そこでコンピュータ室の機器やソフトを使ってできる面白そうな活用例をいくつか紹介して,参考にしていただこうと考えたのです。

 それから,今回は,研修内容の一部を他の先生にやっていただきました。

 「所詮コンピュータは,ごく一部のマニアしか使いこなせないもの」という先入観を払拭するためです。パソコン歴2年の先輩教員にお願いして,操作方法を覚えていただき,講師役を務めてもらいました。これは我ながら良いアイディアだと思うので,次回の研修会でも他の先生に講師役をお願いしようと考えています。

 今回の研修会の感想を一部の先生に伺ったところ,「コンピュータを使ってできることが色々分かって参考になったが,あのようなことができるようになるためには,覚えることがたくさんありそうですね。」というものでした。

 「ああいうことができるなら,ぜひ使い方を覚えよう」と思っていただけるのか,「覚えることがたくさんありそうだから,やはりコンピュータを使うのはやめておこう。」となってしまうのか,今後の先生方の様子を見守っていきたいです。


        第2回研修会の要項(関心のある方はどうぞ)



 ワープロ遊び(5月30日)
 6時間目の授業で,ワープロの文字修飾機能を使って遊ばせました。

 昨年学習した日本語入力の仕方を復習したあと,文字に変化をつける方法を簡単に説明し,あとは好きなようにやらせてみました。

 子どもたちには大変好評だったようで,フォントの種類やサイズを変えたり,色を変えたり,影文字にしたり,中抜きにしたり,斜体にしたりと,一時間中楽しく遊んでいました。

 いつもなら授業中に子どもたちから呼ばれるのは,トラブルが起こったり,操作方法が分からなかったりして困っている時が多いのですが,今日は違いました。

 「先生!見て見て。こんな風になったよ。」との,うれしそうな呼び声ばかりでした。

 そうそう,今日も一つだけトラブルがありました。何度入力を試みても,画面に文字が表示されないというのです。私の目の前でもやらせてみましたが,操作方法に誤りはないようです。

 変です。どうしたのでしょうか。

 実は,この子は文字の色を背景と同じ白色にしていたのでした。


 授業後は5年生の先生方と,コンピュータの基本操作の練習を行いました。内容は,サーバーの立ち上げから授業開始までの手順と,ワープロソフトの基本操作です。本当はもっと早い時期やっておかなければならなかったのですが,野外学習の準備などで忙しく,結局今日にずれこんでしまいました。

 今年私の学校に赴任した方もみえるので心配していたのですが,やはりその先生は途中から頭がごちゃごちゃになってしまったようで,リタイアしてしまいました。

 たった半年の違いとはいえ,その差はずいぶん大きいようです。このままだと,子どもたちもその先生も気の毒ですから,できる限りフォローしていきたいと思います。


 それから,今日私が知らない間に,以前約束を破ってすっぽかした業者さんが来校したそうです。

 「マ××××ク」のバージョンアップ版(バグ修正版)をインストールしたとのことでした。問題点は解決されたのでしょうか。

明日にでも確かめておかなくては...。




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