1997年の棚
 1997年に読んだ本の紹介。
 初めの方だけ、わりと律儀に感想を書いてます。


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ペラペラ本 1997年の本棚
*タイトル横の“★”はオススメ、“☆”はオススメする程じゃないけど気に入っている作品です。
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ペラペラ本 1997年12月の棚

「動詞の考察」
佐野 洋(講談社文庫)
 例えば〈やる〉という言葉、「あの女とやっちゃった」といえば色っぽい話だが、「あの野郎、やっちまえ」となるとちょっと物騒になる。〈合う〉〈とる〉〈割る〉などの動詞が綾なすミステリーの数々。
(1997/12/31)



「猫たちの聖夜」
アキフ・ピリンチ/池田 香代子:訳(ハヤカワ文庫)
 利口で生意気で、少しワルの雄猫フランシスを引っ越し先で待ち受けていたのは、無残に殺された仲間の死体。フランシスは連続猫殺し事件を追う。
 猫による猫のミステリー。
(1997/12/31)



「心とろかすような−マサの事件簿」
宮部 みゆき(東京創元社)
 「パーフェクト・ブルー」で登場した元警察犬マサと、蓮見探偵事務所の面々が遭遇する5つの事件を、マサの目を通して描く。心温まるやり取りの中に、さり気なく人生のほろ苦さを滲ませている。
(1997/12/26)



「クリスマスのフロイト」
R・D・ウィングフィールド/芹沢 恵:訳(創元推理文庫)
(1997/12/24)



「天才ハッカー「闇のダンテ」の伝説」
ジョナサン・リットマン/桑原 透:訳(文藝春秋)
 コンピュータが飛躍的に発展した80年代、その仕組みを分析し、さらなる発展を願うマニアのことを「ハッカー」と言った。史上初めてスパイ罪で告発、投獄された天才ハッカーの闘いを描く。
(1997/12/16)



「覆面作家の夢の家」
北村 薫(角川書店)
 美貌の令嬢で名探偵、さらに人気の覆面作家である千秋さん。今回挑むのは、12分の1のドールハウスで起きた、小さな殺人に秘められたメッセージ。難事件を驚異の推理力で解決する美貌のお嬢様シリーズ第3弾。
(1997/12/3)



「覆面作家の愛の歌」
北村 薫(角川書店)
 ミステリ界に登場した〈覆面作家〉は、大変な美貌で、大邸宅に住む20歳の御令嬢。難事件に、信じ難い推理力を発揮する……。千秋さんシリーズ第2弾。
(1997/12/2)





ペラペラ本 1997年11月の棚

「覆面作家は二人いる」
北村 薫(角川書店)
(1997/11/30)



「幻の特装本」
ジョン・ダニング/宮脇 孝雄:訳()
ハヤカワ・ミステリ文庫
(1997/11/29)



「未明の悪夢」
谺 健二(東京創元社)
 1995年初頭、神戸を襲った突然の大パニック。その阿鼻地獄の中、次々と起こる不可解な事件。第8回鮎川哲也賞受賞作。
(1997/11/?)



「朝刊暮死」
結城 恭介(祥伝社 NON NOVEL)
 作中の小説内で起こった殺人通りに現実の殺人が起こる、そんな推理小説の連載を始めた作家、結城恭介。だがその初日の午後、作中作通りの殺人が本当に起きてしまった。それも眼の前で……。
(1997/11/6)



「黒い家」
貴志 裕介(角川書店)
(1997/11/6)





ペラペラ本 1997年10月の棚

「ピリオド」
打海 文三(幻冬舎)
 倒産直前の印刷会社の乗っ取りと血染めの応酬、忽然と消えた9億円の土地証書の行方、その裏の愛を巡る悲劇。元探偵だった男は死者の姪の依頼で上京、全てを知った後、この馬鹿げた事件に自分流に幕を降ろそうと決意する。
(1997/10/28)



「幻竜苑事件」
太田 忠司(双葉社)
 石神探偵事務所の野上英太郎の所に、突然、少女が現われて“両親を殺した人を捕えて”と強談判。助手の俊介少年とともに調査にのりだした野上は、竜が棲むという屋敷の庭園で不可解な怪事件に遭遇する。
(1997/10/23)



「OUT」
桐野 夏生(講談社)
 弁当工場のパートを勤める平凡な主婦は、なぜ、同僚が殺した夫の死体をバラバラにして埋めたのか。そして、この行為が、17年前に封印された殺人の悪夢を解き放った……。
(1997/10/22)



「幻惑の死と使途」
森 博嗣(講談社ノベルス)
 あらゆる状況からの脱出を果たす天才奇術師、有里匠幻が、衆人環視の中で殺害された。さらに、彼は遺体となってまで、最後にして最大の奇跡を行う!? 犀川、西之園師弟が明かす驚愕の真実。
(1997/10/17)



「忍法剣士伝」
山田 風太郎(角川文庫)
(1997/10/14)



「鉄道員」
浅田 次郎(集英社)
 雪深い廃鉱の終着駅を守る、年老いた鉄道員の物語「鉄道員」の他、「うらぼんえ」「オリヲン座からの招待状」など8編を収録。やさしい奇蹟の短編集。
(1997/10/3)



「慎治」
今野 敏(双葉社)
 クラスメートの将太に脅され、泣く泣く、アニメのコミックやキャラクターグッズの万引きをくり返す慎治。しかし古池と出会うことで、次第にマニアックな世界を知っていく。
 究極のオタク覚醒小説!?
(1997/10/2)



「ターン」
北村 薫(新潮社)
 車が衝突して記憶が途絶え、気付くと真希は昨日に戻っていた。そして午後3時15分、また同じ一日が始まる。ターン、ターン、その繰り返しで、同じ毎日を繰り返す、真希。明日に時を進める事ができるのだろうか?
(1997/10/1)





ペラペラ本 1997年9月の棚

「後宮小説」
酒見 賢一(新潮文庫)
(1997/9/29)



「プラトン学園」
奥泉 光(講談社)
 日本海に浮かぶ小島に設立された、私立プラトン学園。崖から転落死した前任者の代わりに英語教師として赴任した青年が見たものは……。
(1997/9/26)



「活動寫眞の女」
浅田 次郎(双葉社)
 古都を舞台に繰り広げられる、幻の恋の行方。ファンタスティックな恋愛小説。
(1997/9/25)



「地球はプレイン・ヨーグルト」
梶尾 真治(ハヤカワ文庫JA)
(1997/9/21)



「ちほう・の・じだい」
梶尾 真治(ハヤカワ文庫JA)

(1997/9/19)



「地底獣国の殺人」
芦辺 拓(講談社ノベルス)
 1930年代、創世記の伝説を探るためアララト山を目指した「ノアの方舟探検隊」の飛行船。彼らを待ち受けていたのは絶滅したはずの恐竜と謎の部族、そして連続殺人……。いにしえの怪異を描く、本格ミステリー。
(1997/9/18)



「容赦なく(上)(下)」
トム・クランシー/村上 博基:訳(新潮文庫)
(1997/9/10)



「クラッカー」
建倉 圭介(カドカワ・エンタテインメント)
 普通のサラリーマンとして人生を過ごしてきた男が、最後の賭けに出た。コンピュータを利用した犯罪者“クラッカー”となり、会社の横領を企てたのだ。すべては上司への復讐と金のためだったが……。
(1997/9/2)





ペラペラ本 1997年8月の棚

「竹馬男の犯罪」
井上 雅彦(講談社文庫)
 サーカス芸人専門の養老院「天幕荘」。事件は、密室内の奇妙な殺人に始まる。犯人の足跡は、壁の中へと消えていたのだ。住人は、かつて超人的な芸を誇ったスター達。彼らの前に密室は果たして存在しうるのか……?
(1997/8/30)



「閉鎖病棟」
帚木 蓬生(新潮文庫)
 とある精神病棟、異常の烙印を捺され社会から切り離されたまま流れる果てしない時間が、ふとした事件によって破られる。
(1997/8/26)



「複製症候群」
西澤 保彦(講談社ノベルス)
 触れると姿形、記憶や考え方まで完璧に同じコピー人間ができてしまう壁に閉じ込められた高校生たち。そんな密空間での殺人事件の犯人はオリジナルか、それともコピーか? そして被害者も、またコピーなのか?
(1997/8/23)



「沈黙の教室」
折原 一(ハヤカワ文庫JA)
 青葉ケ丘中学の3年A組で不気味な〈恐怖新聞〉が発行され、そこで粛清の対象とされた犠牲者は残酷な結末へと突き落とされた。その20年後、クラス会の告知が新聞に載った途端、新たな〈恐怖と粛清〉が鎌首をもたげる……。
(1997/8/21)



「瞬間移動死体」
西澤 保彦(講談社ノベルス)
 ロスにいる妻を、日本にいる俺が殺したなどとは誰も思わないだろう。何故なら俺は「テレポーテーション」が使えるのだ。だがこの超能力の欠点が、様々な事件を引き起こし……。
(1997/8/16)



「闇に用いる力学[赤木篇]」
竹本 健治(光文社)
(1997/8/14)



「蓬莱」
今野 敏(講談社)
 「日本」が封じこめられたゲーム・ソフト「蓬莱」。そのゲームソフトをめぐってワタセワークスの社員が殺害され、渡瀬はその販売を中止するよう脅迫された。ただのゲームソフトに隠された陰謀とは……。
(1997/8/7)



「ロシア紅茶の謎」
有栖川 有栖(講談社文庫)
 奇怪な暗号、消えた殺人犯人、ダイイングメッセージ、毒殺トリック、「読者への挑戦」つき犯人探し……。臨床犯罪学者、火村英生がフィールドワークで遭遇したミステリアスな事件の数々。短編集。
(1997/8/5)





ペラペラ本 1997年7月の棚

「致死性ソフトウェア(下)」
G・ワトキンス/大久保 寛:訳(新潮文庫)
(1997/7/31)



「緑の我が家」
小野 不由美(講談社X文庫)
(1997/7/27)



「三月は深き紅の淵を」
恩田 陸(講談社)
 島巧一は、会長が主催するという「春のお茶会」に出席させられることになった。ところがそこには、何やら妖しげな人々が巧一を待っていた……。読む者を不思議な世界へと誘う、4つの物語。
(1997/7/25)



「信長秘録 洛陽城の栄光」
井沢 元彦(冬幻舎文庫)
 明智光秀の本能寺謀反の真相、信長を狙う黒幕とは誰か、そしてもし信長が生きながらえていたら……。
 戦国最大の謎に挑戦している。
(1997/7/22)



「19ボックス みすてり創世記」
清涼院 流水(講談社ノベルス)
 読む順番によってストーリーが変わる、4つの物語。読み進む毎に真相が明かされ、全て読み終えると隠された長編が浮かび上がる。お好みに合わせた26通りの読み方を呈示している。
(1997/7/8)



「致死性ソフトウェア(上)」
G・ワトキンス/大久保 寛:訳(新潮文庫)
(1997/7/7)



「まどろみ消去」
森 博嗣(講談社ノベルス)
 N大学のミステリィ研究会企画で行われたミステリィツアー。参加者達はビルの屋上から、別の屋上で30人のインディアンが踊っているのを目撃するが、現場に行くと誰もいなかった……。著者初の、全編書き下ろし短編集。
(1997/7/9)





ペラペラ本 1997年6月の棚

「ナイトビジョン」
ロナルド・マンソン/飛田野 裕子:訳(角川文庫)
(1997/6/30)



「勝負の極意」
浅田 次郎(冬幻舎アウトロー文庫)
(1997/6/18)



「地下鉄に乗って」
浅田 次郎(徳間書店)
 町に地下鉄がやってきたその日、真次は不思議な錯覚に捉われる。ホームに立ちつくす自分を、もうひとりの自分がはっきりと地下鉄の窓の中から見つめているのだ……。愛と冒険の傑作ファンタジー。
(1997/6/13)



「灰色の砦 建築探偵桜井京介の事件簿」
篠田 真由美(講談社ノベルス)
 19歳の冬。「輝額荘」という木造下宿で深春と京介が出会った直後、裏庭で発見された住人の死体。内部犯の仕業なのか、皆の「砦」に暗い翳が忍び寄る。京介も捜査に駆り出されて、事態は思わぬ方向へ!
(1997/6/12)



「封印再度」
森 博嗣(講談社ノベルス)
 岐阜県の旧家に代々伝わる、家宝の瓢と箱。箱には鍵がかけられており、また鍵は瓢の中に入っているが、瓢の口よりも大きく取り出すことができなかった。奇妙な家宝を巡って、不思議な事件が起きる……。
(1997/6/11)



「螺旋上の殺意」
リドリー・ピアスン/羽田詩 律子:訳(角川文庫)
(1997/6/10)





ペラペラ本 1997年5月の棚

「3LDK要塞山崎家」
太田 忠司(冬幻舎ノベルス)
 木造2階建ての建て売り住宅に住む山崎滋は、極普通の小学5年生。だが、何故か美女に率いられた戦車隊に、山崎家をつけ狙い始めるられる。「普通の家族」コンプレックスを持つ父と、戦車隊の壮絶な戦いが始まった……。
(1997/5/22)



「絵里沙のインターネットをめぐる冒険」
木場 絵里沙(朝日出版社)
 ロック歌手、ラジオ出演、英語でのやりとり……。ホームページは、少女の世界を開く魔法の扉だった。朝日新聞に96年9月から10回に渡って連載され、反響をよんだ、14歳の少女のインターネット体験談。
(1997/5/20)



「詩的私的ジャック」
森 博嗣(講談社ノベルス)
 那古野市の大学施設での女子大生連続殺人。すべて密室内で、しかも被害者の肌には意味不明の傷痕が。捜査線上に上がったのは一人の男子学生。彼の作る歌詞と事件との奇妙な類似。女子大生、萌絵が謎に挑戦する。
(1997/5/19)



「翡翠の城 建築探偵桜井京介の事件簿」
篠田 真由美(講談社ノベルス)
 明治以来、一族経営が行われてきたオグラホテルに内紛が持ち上がった。創業者の娘の住む別邸の取り壊しの件に、次期社長の座をめぐる骨肉の争いが絡む。建築探偵桜井京介は、一族の血塗られた歴史に迫っていく。シリーズ第3弾。
(1997/5/16)



「玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿」
篠田 真由美(講談社ノベルス)
 10年前、インドのヴァラナシの安宿で橋場亜希人は、胸全体が陥没した状態で死んでいた。その死に不審を抱いた狩野都は、当時の旅行仲間を群馬山中のホテルに呼んで真相を尋ねるが、その狩野も自死してしまう……。シリーズ第2作。
(1997/5/11)



「笑わない数学者」
森 博嗣(講談社ノベルス)
 伝説的数学者、天王寺翔蔵博士の住む三ツ星館でクリスマスパーティーが行われている最中、庭に立つ像が消えた。像が再び現れた時、そこには部屋の中にいたはずの女性が死んでいた……。
(1997/5/8)





ペラペラ本 1997年4月の棚

「0と1の叫び」
神崎 京介(講談社ノベルス)
 インターネット上のトラブルを解決するため、インターネット探偵となった元エリートサラリーマン出門憂作。早速依頼を受け調査を始めた出門の前に、謎のハッカーが立ちはだかる。
(1997/4/28)



「もとちゃんの痛いはなし」
新井 素子(角川文庫)
 エッセイ集。
(1997/4/25)



「冬のオペラ」
北村 薫(中央公論社)
 巫弓彦は、わたしが働く不動産屋の二階に事務所を開いた名探偵。真実が見えてしまい、そこから目を逸さない彼と、その記録者を志願したわたし。東京で、冬の京都で2人が遭遇した3つの哀しい事件。
(1997/4/25)



「鍵」
乃南 アサ(講談社文庫)
 高校生の麻里子のカバンに、いつのまにか押しこめられていた鍵。折しも、彼女の家の近所では通り魔事件が多発していた。何かを探しているかのように、カバンをとっては切り裂く。犯人の狙いはこの鍵なのか?
(1997/4/23)



「冷たい密室と博士たち」
森 博嗣(講談社ノベルス)
 衆人環視の実験室の中で、男女二名の院生が死体となって発見された。完全密室の中に殺人者はどうやって侵入し、どうやって脱出したのか。研究者たちの純粋論理が導き出した真実は、何を意味するのか。
(1997/4/22)



「未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿」
篠田 真由美(講談社ノベルス)
 閉ざされたパティオを持つ黎明社の主、遊馬歴の不可解な死。やがて一族を連続殺人が襲う。「黒死館」、雷鳴と月、ゴヤなどの断片が合わさった時、現れるものは?
(1997/4/17)



「プリズンホテル」
浅田 次郎(徳間書店)
(1997/4/9)



「カウント・プラン」
黒川 博行(文藝春秋)
 舞台は大阪。計算症という特異な疾病を持つ孤独な男の全貌が、ヴェールをはがすように少しずつ見えてきた……。日本推理作家協会賞受賞の表題作始めとした、5編を収める短編小説集。
(1997/4/6)



「メドゥサ、鏡をごらん」
井上 夢人(双葉社)
 「メドゥサを見た」と書き遺し、自らを石像に模した作家の死。彼は生前、人は平均して何人の死に関わるんだろう、と話していたという。私は、彼の娘菜名子とともに謎を追う……。
(1997/4/4)



「図書館の死体」
ジェフ・アボット/佐藤 耕士:訳(ミステリアス・プレス文庫110 ハヤカワ文庫)
(1997/4/3)





ペラペラ本 1997年3月の棚

「仮面舞踏会 伊集院大介の帰還」
栗本 薫(講談社)
 パソコン通信が生んだ幻のアイドル〈姫〉の正体をめぐり通信仲間は、大騒ぎを繰り拡げていた。その〈姫〉が姿を現すという約束の日、待ち合わせの場所で一人の女子大生が惨殺される。
(1997/3/31)



「アンダーグラウンド」
村上 春樹(講談社)
 1995年3月20日、それは何の変哲もない朝だった。変装した5人の男が、傘の先を奇妙な液体の入ったビニールに突き立てるまでは……。村上春樹が追う、地下鉄サリン事件。
(1997/3/29)



「ウォッチャーズ(下)」
ディーン・R・クーンツ/松本 剛史:訳(文春文庫)

(1997/3/25)



「ウォッチャーズ(上)」
ディーン・R・クーンツ/松本 剛史:訳(文春文庫)

 孤独な中年男、トラヴィスが森の中で出会ったそのレトリーヴァーには不思議な力があった。人間と同様、もしくはそれ以上の知性があったのだ。
 彼はその犬に“アインシュタイン”という名を与え、半信半疑の対話を試みる。徐々に解明されていく信じがたい事実。遺伝子操作、動物実験、そして2頭の対照的な生物……。
(1997/3/21)



「ツインズ」
吉田 直樹(新潮社)
 2人は隣同士の家で、双子の兄弟のように育った。しかし嵐の晩、1人が海で溺死する。海からあがった時、2人の人生は入れ替わった。神戸、鎌倉、東京を舞台に見えない糸が繋がってゆく……。
(1997/3/15)



「麦酒の家の冒険」
西澤 保彦(講談社ノベルス)

 匠千暁達が迷い込んだ無人の山荘。家具も内装もない空っぽの室内にあったのは、一台のベッドと、クローゼットに隠された冷蔵庫。何故かその中には、冷えたビールのロング缶96本とジョッキ13個だけが……。誰が何の目的で?
 彼と仲間達はビールを飲みながら、推理に推理を重ねる。果たして真相は?
(1997/3/15)



「七回死んだ男」
西澤 保彦(講談社ノベルス)

 主人公は“時間の反復落とし穴”なる体質を持った青年。
 彼は、午前0時から始まる24時間単位を軸に、9回、同じ1日を繰り返えす。同じ、というのは彼にとってのことで、彼以外の人達はそれに気づくことなく、同じセリフを、行動を、思考をしてしまう訳。また、“決定日”となってしまう最後の1日まで、8回の“落とし穴”は、何をやってもリセットされてしまう為、どんな冒険でも試すことができるのだ。

 さて、事件は正月、親戚一同の集まる祖父の家で起こる。この日、たまたま“落とし穴”に陥った主人公は、反復1回目に起こらなかった祖父殺人事件に遭遇する。
 1回目に起こらなかったということは、自分の行動が事件を引き起こすきっかけになったということ。祖父の命を救おうとするが、何故か上手くいかない。犯人と思われる人物を突き止め、足止めはするのだけれど、その度に、それ以外の人物が、祖父を殺してしまうのだ。
 “決定日”には、一体……?
(1997/3/11)



「トラ猫ミセス・マーフィ 町でいちばん賢い猫」
リタ・メイ・ブラウン&スニーキー・パイ・ブラウン/茅 律子:訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)

 人口3千人余りの小さな町が舞台。
 平和なハズだったクロゼットに突如、訪れた、惨殺な連続殺人事件。町、唯一の郵便局長を勤めるハリーは、持ち前の好奇心から事件に首を突っ込むことになる。だが、彼女の飼い猫マーフィと、相棒のコーギー犬タッカーが、余りにも的外れなことばかりしてる人間達を見かねて、自ら、謎に挑むことに……。
(1997/3/7)





ペラペラ本 1997年2月の棚

「深夜の弁明」
清水 義範(講談社文庫)
(1997/2/25)



「凶眼 Evil Eye」
打海 文三(徳間書店)
 殺人事件を追う内に奇妙な糸で結ばれる、男と女の物語。元大学教授の武井が詰めていたマンションで事件が起きた。ノンフィクション作家の夏子は、武井といっしょに事件の真相を追うが……。
(1997/2/19)



「蒲生邸事件」
宮部 みゆき(毎日新聞社)
 この国は一度滅びるのだ……長文の遺書を残し、陸軍大将蒲生憲之が自決した日、時の扉は開かれた。雪降りしきる帝都、二・二六事件のただ中へ、密かに降り立った時間旅行者。緊迫の4日間を舞台に展開する、極上の宮部ミステリー。
(1997/2/15)



「人格転移の殺人」
西澤 保彦(講談社ノベルス)

 舞台はアメリカ。たまたま、その場に居合わせた登場人物達7人は、不幸な事故により“人格転移装置”なる国家機密のシステムに巻き込まれてしまう。
 その名の通り、7人の間で人格転移が起こるのだ。7人の間を1つずつ、正確にスライドする形で行われる人格転移は、数秒でスライドすることもあれば、何日もかかることもある。
 世間から隔離された、7人の間で起こる殺人事件。誰の意識が殺され、誰の意識が残っているのか。そして犯人は?
(1997/2/12)



「ぼくのミステリな日常」
若竹 七海(創元推理文庫)

 匿名人物による12ヶ月分の物語は、それぞれ、日常生活を舞台にした何気ない不思議を取り扱った内容ばかりだった。その物語中の小説と、現実世界の方での謎が絡み合って……。連作小説を思わせる構成が秀逸な、短編集。
(1997/2/5)



「死の蔵書」
ジョン・ダニング/宮脇 孝雄:訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)

 古書おたくの刑事を主人公に、古書店業界(?)を舞台に起きた殺人事件。
(1997/2/2)




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