2005年の棚
 過去最悪ってくらい、読書から遠ざかっているかも。それでも地球はまわってるんだけど。


ペラペラ本 他の棚も見る?
箱 一番新しい棚  箱開封 2005年の棚↓  箱 2004年の棚↓  箱 2003年の棚
 箱 2002年の棚  箱 2001年の棚  箱 2000年の棚  箱 1999年の棚
 箱 1998年の棚  箱 1997年の棚  箱 過去の棚
開いた本mini 戻る

ペラペラ本 2005年の本棚
*タイトル横の“★”はオススメ、“☆”はオススメする程じゃないけど気に入っている作品です。
*タイトルのリンクをクリックすると、感想文らしきものを付け加えた別ウィンドウが開きます。


閉じた本 2005年12月の棚

「声だけが耳に残る」
山崎マキコ(中央公論新社)


 “閣下”による調教でごっつい前向きな気分になったわたし。風呂なしアパートひきこもり。バカだから騙されて会社をやめた。何をする気もしなかった。だけどこのままじゃいかん。社会復帰の第一歩だっ! 便利屋本舗でバイトをはじめ、とある会合に出かけた。そこで知った驚愕の事実。わたしの無気力には理由があり、ACという名前がついていた。ACって電源アダプタか? 電波系ってことか? よーわからんが、わたしは治りたい。そう思って参加したミーティングで、わたしは出会った。わたしと同じ傷を負った男の子。この世の果てで、ふたりぼっちだ。けれど生きよう、生きねば、生きるのだ。金と社会と心の傷と戦うわたしの物語。(2005/12/10読了)

 主人公というより、そこら辺にいそうな平凡なようでそうでもない、でもありふれた感じの女の子の物語。それが、みょうに現実的でドキリとさせられた。
 “わたし”に近い人でないと、この作品は楽しめないかも。(2006/1/30)




閉じた本 2005年10月の棚

「ふしぎな図書館」
村上春樹・佐々木マキ(講談社)


 村上春樹と佐々木マキが贈る大人のためのストーリー、魅力溢れる絵。ぼくは「図書館」から、脱出できるのだろうか? 懐かしい“羊男”も登場。(2005/10/21読了)

 村上春樹の短編が、佐々木マキとのコラボレーションで素敵な1冊に仕上がってます。プレゼントにもオススメ……とは言い難い物語展開なのが残念。(2006/1/30)




「ニンギョウがニンギョウ」
西尾維新(講談社ノベルス)


 映画を見に行くことになったのは、妹が死んでしまったからだ。私は平素より視覚情報に関しては淡白を貫く主義なので映画を見るのは実に五年振りのこととなり、妹が死んだのも、矢張り五年振りだった。回数を勘定すれば、共にこれが四回目である。映画を見るのは妹が死んだときだけと決めているのではなく、逆であり、妹が死んだからこそ、映画を見るのだ。そうはいってもしかしこうしょっちゅう死なれては私としても敵わない。日頃大きな口を叩いている友人達に合わせる顔がないというものだ。私には合計で二十三人の妹があるけれど、死ぬのはいつも、十七番目の妹だった。(2005/10/18読了)

 ええええええ、わけわかんないよ!
 純文学……なのかなぁ。
 でも、靴を3足履くくだりとか、銀行でのやりとりとか、何かしらの謎解きが含まれていそうにも見えるんだけど。考えすぎかなぁ。(2005/10/19)




「誰か」
宮部みゆき(光文社 Kappa novels)


 今多コンツェルンの広報室に勤める杉村三郎は、義父でありコンツェルンの会長でもある今多義親からある依頼を受けた。それは、会長の専属運転手だった梶田信夫の娘たちが父についての本を書きたいらしいから、相談にのってほしいというものだった。梶田は石川町のマンション前で自転車に撥ねられ、頭を強く打って亡くなった。犯人はまだ捕まっていない。依頼を受けて、梶田の過去を辿りはじめた杉村が知った事実とは……。(2005/10/3読了)

 加納朋子、若竹七海……辺りのほのぼの日常ミステリを、真っ先に思い浮かべました。が、決定的な違いがひとつ。こっちのがリアリティがあり生々しい感じがします。(2006/1/30)




閉じた本 2005年9月の棚

「τになるまで待って」
森博嗣(講談社ノベルス)


 森林の中に佇立する“伽羅離館”。超能力者・神居静哉の別荘であるこの洋館を、7名の人物が訪れた。雷鳴、閉ざされた扉、繋がらない電話、晩餐の後に起きる密室殺人。被害者が殺される直前に聴いていたラジオドラマは「τになるまで待って」。Gシリーズ第3弾。(2005/9/15読了)

 犀川先生が“ちらり”と登場。そして、大活躍です。(2006/1/30)




閉じた本 2005年7月の棚

「シリウスの道」
藤原伊織(文藝春秋)


 大手広告代理店の営業部副部長・辰村祐介には、明子、勝哉という2人の幼馴染がいた。別々の人生を歩む3人。しかし、今になって明子のもとに、何者からか脅迫状が届く。離ればなれになった3人が25年前の“秘密”に操られ、吸い寄せられるように、運命の渦に巻き込まれる。(2005/7/11読了)

 3人の間にある秘密よりも、辰村が社会で闘う姿に惹かれました。仕事っぷりというか、生きっぷりというか。そりゃもう、うっとりというか。こりゃ、惚れるだろうというか。とにかくカッコイイ!
 デビュー作「テロリストのパラソル」と微妙に繋がりがあるのも、ファンとしては嬉しいところ。(2006/1/30)




「熊の場所」
舞城王太郎(講談社ノベルス)


 僕が、まー君の猫殺しに気がついたのは、僕とまー君が2人とも11の時、つまり同じ保育所に通っていた僕たちが一緒に西暁小学校に上がり、同じ教室で勉強し始めて5年目の頃だった。猫殺しの少年“まー君”をめぐる表題作「熊の場所」を含め、「バット男」「ピコーン!」の全3編を収録。(2005/7/8読了)

 清涼院流水に続くニュータイプなのかと思って今まで手を出さなかったんですが、これはなかなか? あ、ミステリではありません。きっと。(2006/1/30)




閉じた本 2005年5月の棚

「ルート225」
藤野千夜(新潮文庫)


 公園に弟を迎えに行って帰ってきたら、家からママがいなくなっていた……。中2のエリ子と中1のダイゴが迷い込んだ、微妙にズレたパラレルワールド。学校もあるし、普段と変わらぬ日常が続いているようなのに、何故か両親がいないのだ。おまけに、死んだはずの同級生が生きていたり、プロ野球選手がちょっぴり太っていたり。一体どうして?(2005/5/16読了)

 パラレルワールドで奮闘する、姉弟の様子が描かれている。特に、姉・エリ子のやる気のない口調がリアルに感じられました。ファンタジーというよりも……何とも言えない終わり方もあって、いろいろ考えてしまうなぁ。パラレル云々は、ちょっとしたエッセンスに過ぎないのね。(2006/1/30)




「θは遊んでくれたよ」
森博嗣(講談社ノベルス)


 飛び降り自殺とされた男性死体の額にあった“θ”のマーク。半月後には、手のひらに同じマークのある女性の死体が。さらに、その後発見された複数の転落死体に印されていた“θ”。自殺? 連続殺人? “θ”の意味するものは? Gシリーズ第2弾。(2005/5/13読了)

 新シリーズにも慣れてきた、シリーズ第2弾。だけあって、だんだん面白くなってきたような。(2006/1/30)




「流星ワゴン」
重松清(講談社文庫)


 「死んじゃってもいいかなあ、もう」そんな考えがちらりとよぎった、38歳の秋の夜。僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして、自分と同い歳の父親に出逢った……。やり直しは、叶えられるのか?(2005/5/13読了)

 ファンタジーだけど、ファンタジーじゃない。そんなところが、気に入りました。(2006/1/30)




「どきどきフェノメノン」
森博嗣(角川書店)


 大学院のドクタコースに在籍する窪居佳那の、「どきどき」でもって「ミステリ」な日常。
 講座の後輩である鷹野と水谷、謎の怪僧・武蔵坊、憧れの指導教官・相澤助教授……と、それにアルコールを摂取するたびに起こる記憶喪失が加わり、佳那の「どきどき」と「ミステリ」は……。(2005/5/12読了)


 著者初の恋愛小説とのことだけど、いつもと何も変わりないような?
 確かに、死体や殺人事件は一切出てこないし、そういう意味ではミステリ色も薄め。
 でも、ページをめくっていくたび、主人公の佳那(カナ)と一緒になって、ありとあらゆる「どきどき」を味わうことができました。
 森節も絶好調というか、むしろ大炸裂で、文章の端々にある森センスを堪能できました。
 爽快で楽しい1冊。(2005/5/12)




「運命は剣を差し出す(1)(2)」
駒崎優(中央公論新社 C・NOVELS fantasia)


 医師のヴァルベイドは、辺境の街道で負傷して戦場に置き去られた若き傭兵と白い狼に出逢う。この男こそ、世に名高いバンダル・アード=ケナードを率いる隊長だった。偶然の出会いから行動を共にすることになった2人。双方、追われる身である彼らは、行く先々で騒動を巻き起こし……。(2005/5/6読了)

 それなりに面白いから読んでみる? と言われて借りてきました。
 小説は借りると(読んで)返すのが面倒だからあまり借りることがないんだけど、最近は読書してないし、これなら軽く読めそう? とふたつ返事で受け取ってきました。  で、それなりに面白かったです。
 文章は読みやすく物語もそれなりに盛り上がり、キャラクターもそれなりに立っている。
 これぞという大きな特徴が見られないのが、“それなり”になってしまっている原因なのかなぁ。
 あっと。主要登場人物の性別が狼以外全員男性で、しかもその平均年齢が高い! という、個人的にオイシイポイントはありました(笑)。
 ところで、(1)(2)の2冊を借りてきたんですが、これ続いてるじゃないか! 続きが気になるじゃないかああ!(2005/5/10)





当サイト内容の無断使用&転載を一切禁じます
©Kisa. All rights reserved.