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日時計 1999年2月 日記

本を読んでいるうち、いつのまにか日が傾いてしまっている・・・なーんて生活いいなア!

<1999年> 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月  8月 9月 10月 11月 12月

<1998年> 9月 10月 11月 12月


▲最新の日記 暫定的にトップページに持っていってみましたがどんなもんでしょう。


990228(日)
  購入本: なし    

 いんたーねっと遊びで夜更かししたが、息子が8時半に出かけるためフツーに起きた。眠いである。

 きのうの夕方からの強風が続いており、下の子が若干びびっている。2年近く前、間もなく3才になるころ、ものすごい風が吹きまくっていっそ気持ちがよい位の荒れようだった日があった。保母さんたちは張り切って、自然の力を感じさせたい、と、子供たちを屋上に上げて、このすごい風を体感させてやったのだそうだ。するとその後から、うちのおちびは、風こわい病になってしまったのである。強風の日にサッシの隙間から吹き込む風のピュウ〜という音、窓の外の大木が風に吹かれて立てる海の波にも似た音、窓がガタガタッと揺れる音、またそれほど音がしなくとも強い風が彼を壁に押しつけるとき、などなどにたいして異常なほどの恐がりようを見せるようになってしまったのだ。家のちょうど真ん中にある和室にひっこんでふとんにもぐって震えていたり、ひたすら耳をふさいでみたりすることがしばしばだった。やっと聞き取れるほどの声で「コ、コワイ…」とつぶやいたきり黙ってしがみつきに来ることも多かった。

 一番大変だったのは、暑くなりかけの時期で、まだまだエアコンをかけるほどではなく窓を開けて置きさえすればちょうどいい程の気候の時。ピュウッと風の音がして木々がざわざわ言い出すともう駄目なんである。眉根を寄せて悲壮な顔つきになり、窓をきっちり閉め、カーテンすら閉め切ってしまうのだ。その暑いこと暑いこと!!!今思い出しても、笑える!われわればかりか当人もだらだら汗を流して「風が聞こえる…」と震えていたっけ。
 何ヶ月かたってすうっとその風こわい病は治ってしまったが、ときどきまだその後遺症が顔を出して、今日のような木々がひれ伏すような大風の日には、不安そうに外を見ては「風、こわくないよ…」なんてつぶやいてみたりする、けなげな子なのであった。

990227(土)
  購入本: ジャック・サリヴァン・編   『幻想文学大事典』   国書刊行会
    アラン・ディーン・フォスター   『困りものの魔法の楽器』   ハヤカワ文庫FT

 昨日同居人(配偶者・うちのひと・家人・おっと・連れ合い・なんかそういうの>どうもどれもしっくりこないので困っております)が、帰りに桜餅と道明寺を5個ずつ、計10個買ってきた。そうしたら娘がおいしいおいしいといって、……たぶん6個食べた。魚をひとりで食べ過ぎた女は龍になってしまったけれど(『龍の子太郎』のおかあさん)桜餅だとなんになるかなあ(ひとつしか食べられなかった恨みか)!?

 昼前、長男が、めでたくスタンドをつけてもらった自転車にのったおちびを公園に連れだしてくれた。1時間ほどたって戻ってきたふたりは、暑い暑いの連発である。洗濯物を干すときにどうも今日は暖かいと思ってはいたが、ベランダに出ると本当だ、これは4月だ。

 昼にはさっぱりしたものがいいなと思って、稲庭うどんのワカメ・たまご版を製作。うどんは稲庭に限る、とか言いつつ。
 その前後、あまりの暖かさに廃墟の庭園=ベランダの鉢物の手入れである。枯れたままの枝や葉っぱを盛大に切ったり取ったり、引っこ抜いたり。挿し木したままのゼラニウムが、やたらにひょろひょろ伸びてしまっているし、黒っぽくなっていじけていた日本ハッカがちゃんとたくさん芽を出している。小さな山椒の鉢も、いつの間にかもうあおい芽がふくらんでいる。思い切って伸びすぎたのを刈り込んだりして掃き掃除をし、水をたっぷりやると、『秘密の花園』でメアリが捨て去られた庭園の世話をしてやったときに感じたのと同じような、満ち足りたものを感じる。小さな芽が息ができるように、硬くなった土をふわふわにしてやり、根っこが良く伸びるように古い茎を取り去ってやる。日差しを浴びて頬が熱くなり、汗も浮かんできて、時折吹く風は南風だ!

 この暖かさでは着るものがない!とうろうろしつつ、気持ち軽装で『幻想文学大事典』を仕入れに行く。たかーいからデパートの友の会の金券で買うのだ。こんな時にお役立ち。おちびも半ズボンで気持ちよさそう。
 無事げっとして、多少デパートをうろちょろしたのち駅のホームに着いたのが5時半すぎだろうか。うひょー、すごい風です。しかも、寒い!おお、さっきのあの暖かさはいったいどこへ?さっき買った薄手の長ズボンをおちびに急遽はかせて帰るあほな母であった。

 ジャック・フィニィ『フロム・タイム・トゥ・タイム』を昨晩から読み始める。…おぉ、素晴らしい!そういうことになっておったか!いやあ、くだんの船が出てくるところの描写、胸が躍って、美しいなあ!(まだそこまで)
 でもこれ昔の題名『時の旅人』でいいのに、なぜにカタカナに?
 そう言えば土曜の夜やっている堂本光一のドラマ、まるで『リプレイ』のマネマネであれはちょっとひどいんじゃない?換骨奪胎って言うか、恥ずかしくないのかなあ、制作者は。
 でも小説にしても何にしても、こういう形でしか新しいものって出てこなくなってるのか?昨年からはまった長野まゆみだって、言ってみればそうでしょう。『指輪物語』の類似品が山のようにあるのもそうだし、モビルスーツのまねまねがいっぱいあるのもそうだし。…でもまあ結局大昔からそんなもんなのかも。
 しかし!このドラマはなあ…(と言いつつちょっと見てた)。

990226(金)
  購入本: なし

 朝一番で職場へ、非常勤の先生から電話。ついにインフルエンザでダウンとのことだ。この冬、他のメンバーはそれぞれ程度の差こそあれ多少の風邪はひいたが、幸いにひとりもインフルエンザにはかかっていない。一番風邪をひきやすい私も、一度声が出なくなって難儀をしたが、例年に比べれば軽い風邪で済んでいる。このあとまだ天候の定まらない3月があるから油断はできないが、家族も含め今のところそう悪くない状態でこの冬を過ごしていると言える。

 医者や看護婦の方々は、医療現場で風邪や伝染病にさらされるのに、なぜなかなかうつらないのだろうか?と疑問である。単なる思いこみだろうか。
 また、よくアフリカなどで伝染病が出たようなとき、医師や医療スタッフが各国から援助に行くが、どうもそんなときも、もし倒れるとしても彼らは割にあとの方であるような印象がある(「アウトブレイク」のもと本を読んだときにもそう思った)。
 もしこんな傾向が実際にあるとすれば、その理由は、ひとつには、人より感染しないように気を使っていることがあるだろう。ちょっと風邪がうつったか、というようなときならば、早めのパブ…じゃないが、初期の段階で薬を手に入れやすいということもあるかもしれない。また、たとえば看護婦などはもともと体力のある人が選ぶ傾向の職業であるということもありそうだ。
 アフリカのようなところに行った場合には、栄養状態の差が大きいと考えられる。援助する側はもともと体力のある状態で行くのに対し、患者側はそれまでの栄養状態がお話にならないくらい悪いため、抵抗力がないということがある。これは確かに大きなファクターだ。
 それからもう一つの理由として、良く思うのだが、患者と医者の力関係というのもあるのではないかな。医者は体力の落ちている患者にくらべやはり精神的にも優位に立っているだろう。そのことが免疫系の活性化に関与していると言うことはないのだろうか?
 以前、くだんの内科の先生にこんな事を話していた時には、「うーん、うつるときはうつりますけどね…。」という返事だったのだが、実際どうなのかなあ。そんなことを考察した医療関係者って、ないかしら。
 いずれにせよ、ひとり暮らしの先生、大丈夫?早く良くなってね〜!

990225(木)
  購入本: なし

 なんと23日の金星・木星の見かけの最接近の夜には、月によるアルデバランの星食が見られたのだそうだ。知らなかった。く、くやしい!金星と木星を見ていたときに月のすぐ脇にアルデバランが光っているのを見て、何年か前の金星の星食を思い起こしていたのに、実にニアミス
 あの金星の星食はたしか三日月の先端にかかるように金星が刻々と近づいて行き、ついには月の円盤の見えない部分に隠されてしまうというものだったと記憶する。素晴らしかった!アルデバランの食も見たかったよう。

 平野啓一郎『日蝕』読了したところ。やたらに難しげな字面の割にはすんなり読めたが、中にちりばめられた神学上のさまざまな著作に関してはちんぷんかんぷん。ちゃんとその方面の知識があれば一層の理解の助けになるのだろうが。
 著者は、作中にあらわれるさまざまなものの輝き、光輝のように、光る才能を持った人だと思うが、やはりまだ磨かれない原石の中のダイヤモンドのような段階なのではという印象。どうもこの擬古文が、ときどきちぐはぐで引っかかってしまう。ついクスリとしてしまうのはたとえば「〜気がする」なんて言う文章が挟まっていたりすることなど。

 昨年のファンタジーノベル大賞で惜しくも選を逃した国分寺公彦『偽造手記』がかなり面白いらしい(大賞受賞者が言うんだから)ので、そっちに行ってみようかな、などと。(私のこのごろの読書傾向ってどうなってるの。)

990224(水)
  購入本: 国分寺公彦   『偽造手記』   新潮社
    C・C・ベニスン   『サンドリンガム館の死体』   ハヤカワ文庫
    スティブンソン   『完訳・宝島』   中公文庫

 昨夜、天気予報で雨といっていたがこれが見事に当たり、出勤途中から降り出す。きのうまでの暖かさからうって変わってまた冬に逆戻りである。
 けれども、もう先週から沈丁花の香りがただよい始めているし、桜のつぼみも確実に大きくなってきている。ついこの間散ってしまった柳の葉も、他の木に先駆けて芽吹く日が近い。先週の16日が旧暦の1月1日だから、今日はその9日。確かに春なんである。
 ベランダにずうっと吊りっぱなしの、去年の春のハンギングバスケット、ほそぼそとアイビーとパンジーが生きながらえていたが、真ん中に植えっぱなしのチューリップが暮れから芽を出し、5pくらいになっている。次第に春らしい様子になってきた。百合の鉢もいつの間にか10pほどになり、昨年よりちゃんと増えている様子。
 何種類かあるローズマリーは、次々に薄紫の花を咲かせている。これは手もかからないし、役に立つし、お勧めハーブナンバーワン。タイムも役に立つし花はきれいだし、種類も豊富で好きなのだが、植木鉢だと意外に突然根腐れしたり枯れたりで、せっかく大きくなった株を何度駄目にしたことか。今3種類くらい細々生きながらえているけど。セイジも青息吐息でがんばっているところ。どれもいい加減に水やりしているのだが、ちゃんと春が来たのを知って準備している。
 ハーブは、8年か9年前、まだ今のように流行する前、友だちから少し分けてもらったのをきっかけに育て始めた。育てやすくていかにもハーブハーブしているミントの類もとぎれなくあるけれど、実際に役に立つハーブといったら大体上に上げた料理用のものばかり。他にレモングラスとか夏のバジルとか。ミントはお茶にするといってもそれほど使うわけでもないので、もっぱら水やりしたり手入れの時に香りがたつのを楽しむのが主だ。そう、ハーブを育てているとこれがしあわせなんだなあ。
 そろそろ本格的な春に向けて手入れを始めなくてはいけないのだが、寒がりの私、毎年充分暖かくなってからでないとなかなか手入れしてやれない。もう少し待っててくれえ!

 『日蝕』やっと主人公が錬金術師に会い、そのあと異端審問官とも語り合うあたりまで。内容というより文体にぶれが多くてなんだかなあという感じ。普通の文で書いた方がよほどいいかとも思うのだがどんなものかな?

 一昨日、溝口掲示板に突如あらわれた伝説の人・山尾悠子さん。独特の幻想文学の書き手として20年ほど前に現れて一時活躍なさったが、熱烈ファンを残したまま筆を断ってしまわれた。私なんか残念ながら名前と伝説しか知らなくて、先日の『幻想文学 54号』の小特集で初めてその実物に触れたばかり。どうしてリアルタイムで読まなかったかなあ!だって、私とまったく同学年ではないか。SFMもそのころまじめに目を通さなかったし。図書館でさっそく予約しようにもちょうど今整理期間中で休みなのでだめ。開館したらさっそく、と思っていた矢先に、ご本人からの書き込みに、私ばかりか皆びっくりである。思わずひれ伏さんばかりの反響…。うううむ。すごーい!書店で入手できるだろうか?

 ひれ伏すと言えば今晩のNHKFMで、大貫妙子がゲスト出演していた。私彼女のファンなのだ。といっても決して忠実なファンではないのだが、彼女「女神さま」なんて言われて熱烈ファンがいるのだ。コンサートでは水を打ったように静かで、咳の一つでもしようものならみんなの非難の視線の集中砲火を浴びるのだそうだ。行ったことはないけれど、さもありなんと納得しちゃう。彼女の歌、透明で繊細で、特別に好きだ。喋るのを聞くのも好きで、頭の良さを感じる。
 頭の良さを感じると言えばなんといってもアシュケナージの演奏である。それと知らずに聞いていても、「うまい!」と感じさせるのが彼の演奏で、必ず「この人ってホントに頭いいんだなぁ!」という感想が伴ってしまう。頭の良さにくわえて感性とテクニックが揃っているんだから、敵うものなし。
 (もしかして今日の日記、しりとりモードになってる気が…。)

990223(火)
  購入本: なし

 今朝、読売の朝刊を見ると、きのうの金星と木星の写真が一面に出ており、それによれば何とこの金星と木星の見かけの大接近は、24年ぶりのことだという。うわあ、びっくり!まさに今日が最接近の日だという。

 今日職場を出たのはいつもより早く、やっと5時半を回ったところである。驚いたことにまだ明るすぎてさすがの金星も目につかない。けれども保育園に着くまでの間に、空は次第にたそがれて行き、ほんの7,8分のうちに西空には明るい二つの星が!あぁぁ、大接近だ!きのうはこの二つの惑星のあいだは1p、ていうところだったが、今日はほんとに5oという感じである。(ナルニアにも出てきたでしょう、こんなシーンが…『カスピアン王子〜』のところに。)今にも手を取り、しずしずと天空でゆるやかなステップを踏むかのよう。土星はひとり離れてぽつんと輝きも失せている。天頂ではアルデバランを従えてそれを見る月。
 それらも空がすっかり暗くなった7時過ぎには、木立の向こうに隠れて行き見えなくなってしまった。
 次に同じような大接近が見られるのは2016年だということだ。あと17年…!

990222(月)
  購入本: なし

 けさのTokyoFMによれば今日2月22日は「にゃんにゃんにゃん」で猫の日なんだそうだ。じゃあ犬の日は?ハイ、1月11日。「わんわんわん」。ならば11月11日は?そしたら12月12日は?なんのことやら…。

 先週後半の曇りや雪のため、2,3日夕方の空が見られなかったが、土曜には久しぶりに3惑星と月が西空にかかるのが見られた。金星と木星が目に見えて接近し、それを追うように三日月をやや過ぎた明るい月(月齢4.2)、さらに上方に離れて土星がかかっている。感覚的には惑星の軌道と月の軌道はほぼ同じという気がするが、これをみると月のそれは惑星軌道とはかなりずれていることが目の当たりにわかる。
 今日帰宅時の夕空は、一層明るくなり日没の赤みもはっきりと残っている。そこに、一層接近した金星と木星が光る。金星の高度がかなり高くなっているのがよく分かる。木星は金星の明るさにかすんでしまっているかのよう。そして上方高くに月と土星が寄り添っている。月齢は6.3。この正確な月齢を調べるのに、同居人が引っかけたサイトのひとつは
ここ

 きのうから、評判の『日蝕』を読んでいる。擬古文、というか超難しい漢字混じりのわりには文章自体はそれほど難解というわけではない。舞台の時代が今をはるかに遡るための舞台装置といったところか?気持ちつっかえながら読むために読書スピードが落ちる、そのことが、なじみの薄い題材への読みを深めるために役立つとも感じる。今のところ、諸手をあげて礼賛というのもなあ、という感じ。でもまだ主人公が旅を始めたところだから何とも。

 合間にぼちぼち読んでいた課題図書(!)上遠野浩平『ブギーポップは笑わない』読了。しかし食後にソファに寄りかかって読んでいたんだけど、ほんとにうちのソファって自動的に眠気を誘う催眠ソファだこと!(ブギーのせいじゃないよ)

990221(日)
  購入本: 長野まゆみ   『オルスバン』   作品社  
    井辻朱美   『遥かよりくる飛行船』   理論社  
    涼元悠一   『青猫の街』   新潮社  
    半村 良   『およね平吉時穴道行』   ハヤカワ文庫JA  
    『季刊 幻想文学 54号』   アトリエOCTA  

 なんだか日曜らしい日だった。紅茶を切らしてしまったので、と言い訳をしつつ池袋へ行き『オルスバン』以下を入手。
 帰りにパルコを通りがかると古書市のポスターがあったのでつい寄る。半村良はそこでゲット。サンリオ文庫のディッキンスン『生ける屍』があったので値段を聞くと、9000円!!たかーい!半分くらいかなあと思ったんだけど甘かった。

 帰宅後、遅い昼食のあと、こどもたちは久しぶりにのんびりゲームに興じていたりで賑やか。特にそう思っていなくても結構今まで受験モードだったのかも、などと思いつつ、日曜の午後気分でどさっとソファに埋もれて『メニム一家』4,5を一気に読んだ。ううっ、所々で涙が…。巻が進むに連れていっそう心理描写が冴えてきて、登場人物の性格もくっきりとしてきた。4巻目から登場する骨董屋のデイジーが好き。終わり方はデイジーにとっては淋しいなあと思う。

 『幻想文学 54号』では巻頭に近いところに『オルガニスト』の著者・山之口洋氏のインタビュー記事あり。舞台設定がドイツ(ヨーロッパ)である必然性について触れられていた。自分でも楽器を演奏されるのかなと思ったのだけれど、そうではないとのこと。そうかもしれないと改めて納得。
 しかしこの本、レビューを読むとあれもこれもチェックしたくなるので困ります。ところで石堂藍て何者?

990220(土)
  購入本: なし

 上の息子が、きのう足の親指の付け根当たりを痛めてきた。我慢強いこの子が、歩くとかなり痛いというので、ひびでも入っているのでは、と整形外科に行く。さいわいにレントゲンでもはっきりとしたひびが確認できるというほどの怪我ではなく、湿布と痛み止め、包帯での固定ですんだ。のち担任から電話があったが、風邪のせいか土曜のせいか、きょうは5人も休んだんだって。うちも「土曜だからまあいいか」なんてホイホイ休ませた口だから…。

 わざわざ整形外科について行き(過保護)、待合室にて『メニム一家』の続き。3巻終わっちゃって4巻目にはいる。ハードカバー2冊はちょっと重かったナー(すごく混んでいるかと思ったんだもの)。3巻目では大変なことが起こってしまい、4巻目に持ち越されるのだ!

 午後、懸案の「仮面の男」のビデオを見る。と言っても前半他のことをしていてあまり見ず、フィリップが助け出されたあたりから真剣に見る。いやぁ、レオさま、というかディカプリオはほんとにいいなあ(まちがってもデカプリオなんていわないこと!本気でデカプリオと思っている人がいるからね)。
 銃士たちの合い言葉、“All for one, one for all”が、「結束は固い」と訳されていたが、今を遡るン十年前、小学校の時の隣のクラス担任の大人気の男の先生が「ひとりのためのみんな、みんなのためのひとり」ということばをクラスの合い言葉にしていた。それで、カッコイイ銃士たちが決死の覚悟を秘めて“All for one, one for all”と言い合うたびに、「ひとりのための〜」を思い出してしまい、その頃どこかで感じていた胡散臭さを連想して幾分興ざめな思いをしたのであった。
 でもまさかダルタニャンがフィリップの○○だったとは…!うう、終わりの方の突撃シーンかっこよかった!!それでもってフィリップ=ディカプリオがださくて良かった。やっぱり彼は「ギルバート・グレイプ」に出たときが本当に良かったもの。「バスケットボール・ダイアリーズ」の体当たり的演技はすごかったし、「太陽と月に背いて」の女性監督のもとでの屈折した役柄も忘れられない。ああどうかこれ以上おじさんにならないでちょうだいな。

990219(金)
  購入本: なし

 けさようやくメイラーの不調を直してもらったが、結局原因不明。「なんか悪いことしたんでしょう」と疑いのまなこを向ける同居人である。とりあえず良かった良かった、黙示録の世界に突入しなくてすんで!

 午後遅くからやはり雨となり、天気予報って当たるのね、と、雨や雪の時だけ当たるような気がする。または、はずれたときはいつも雨や雪みたいな気もする。
 帰り、建物から出て傘を差したとたん、ちらりと白いものが目にはいる。雪になってきた、と思う間もなくみるみる雪片が増えてゆき、5分も歩かないうちにすっかり雪に変わってしまった。次第に大きくなる雪ひらで黒のコートはいちめん真っ白。
 保育園に着いて傘を閉じようとすると足許をちらちら黒い影が通り過ぎる。足を止めて見ると、玄関の明るい照明のつくる、降る雪の影なのであった。しばし見入る。結局この後すぐに雪は小降りになってしまい、私が歩いていたほんの20分あまりが一番降っていた時間だったようだ。当たり、というべきか。

 昼休みは『屋敷のなかのとらわれびと メニム一家の物語3で過ごす。外の世界の脅威にほとんど一方的に自らを閉じ込めてしまうメニムたち。そして屋敷の中にも別の危機が…。

 夕食後久しぶりにTV。「Shall We ダンス?」であるが何故にダンスだけカタカナ?以前ビデオで「シコふんじゃった」をみて面白かったが、それより面白いと聞いていたので、じたばたするおちびを押さえ込みつつ見る。草刈民代が演技はぎこちないながらもさすがに動きの美しいこと。「シコ〜」もそうだったが、もうどうしようもなくダサくていじらしいひとたちが妙に胸にしっくりくる。爆笑場面がいくつもあり、久しぶりにスッキリ気分である。モックンはほんのちょっとしか出ないのね。ところでこれって、多少は社交ダンス人口を増やしたのだろうか?

990218(木)
  購入本: なし

 昨晩はおちびと一緒に早々と寝てしまった。あまりに早すぎたので、なんと午前3時頃ぱかっと目が開いてしまい、明かりもFMも、ぱそこんもつけっぱなしのところによろよろと起き出す。よせばいいのにまたWebの巡回なんかしつつ『五輪の薔薇』を手に取ったのが運の尽き。さいごの1p弱(残っていた厚さだよ)をついに読破。あちゃー、4時半です。

 いやこれが最後の最後まで縺れっぱなし、てルイス・キャロルか。意外というか予想通りというか、物語の初めの幼いジョンの住んでいた家の章と似た雰囲気で締めくくられる。荒廃しかけた荘園の古い館から見るあたりの景色にジョンがふと心を揺さぶられるくだり、いよいよ物語が落ち着くところに落ち着くのだなと、読者もようやく肩から力が抜けるのであった。

 むかし岩波文庫で『ニーベルンゲンの歌』を読んだとき、その複雑さ、憎しみと争いのすさまじさに圧倒され、最後にいたって結局誰も彼も皆、すっかり死に絶えてしまうというあまりの徹底ぶりにほとんど唖然とした覚えがある。『五輪の薔薇』もそういう形で終わるのかとも思っていたが、それに近いながらも物語にやはり現代からのこだまが聞こえる、そう言うエンディングになっている。いやはや!あー、脱力感。

990217(水)
  購入本: なし

 受験が終わったお嬢がとたんにだらけちゃって、今日も「仮面の男」を借りてきたから見ようと言っていたはずなのに、またひたすら白痴番組(考古学的単語)をみてゲタゲタ笑いこけている。ちょっと来週期末テストじゃなかった?でもこれ自分が見られないからって怒ってない?>「仮面の男」

 ああ延々と読んでいる『五輪の薔薇』やっと目的を果たしたと思ったらまたもや次の窮地に!ジョンよ、あなたは自分を猜疑心のかたまりになったと言っていながら、いつまでもお坊っちゃんでいる事よ。もしやパレアナのお友達か君は(>白痴的楽天主義)。でもついつい手に汗握っちゃって気が焦って、先へ先へと斜め読みしてしまうのだ。なんだかレベッカとかジェーン・エアとか読んでいるときのハラハラのよう!いやーここまで来ると終わってしまうのが惜しい。

 あああ今日はゆうべおちびと墜落睡眠してしまったので、早起きしてメイルチェックをし、しばらくしてもういちどメイラーを立ち上げたところなぜかパスワードを聞いてきた。そのときパスワード保存にチェックが付いていたのでそのままリターンすれば良かったのに、ついパスワード(とおもったもの)を打ち込んでしまったのだ。さあそしたらもうパスワードを受け付けない。何を入れてもじぇんじぇんだめ。帰宅後またやっても、だめ。職場からforwardかけてある分も拾えません。
 もう一つのプロバイダー経由のMLはちゃんと受けているので、そっち経由で(これはポスペ)お泊まりの同居人に問い合わせメイルを送った…と思ったら、がびーん、送信できない。そこばかりかどこにも送信できない。どうしちゃったのだあ!早起きしたばちだろうか!どうしたらよいのか私には分かりません
なにせぱそこん=ぶらっくぼっくす
 またも陸の孤島と化しつつあるニムの木かげの家。ヤシの木が立っている小さな無人島を思い浮かべるのは私だけではないと思うけど。とりあえず木かげにあるのは聖書ではないのは確か。いや、意外にいろいろな分野の話があって面白いかも。黙示録とかね!…ちがーう、無人島で読む本の話じゃないのだ。ンなわけで困っております。

990216(火)
  購入本: なし

 昨晩、図書館本の安房直子『三日月村の黒猫』『風のローラースケート』読了。どちらもちょっと素敵な題だなあと思う。
 今日は帰りに図書館に寄って、『メニム一家の物語』3,4,5巻を借りる。18日から26日まで館内整理の休館になってしまうためまとめ借り。でもこれ『メニム一家の物語』と各巻の題名のみ書いてあって、どれが第何巻かは表紙カバーの折り返しを見ないと分からない仕組みになっているのが不親切。

990215(月)
  購入本:   笠井 潔   『機械じかけの夢』   ちくま学芸文庫

 娘の高校の入学手続きにゆく。お金さあ〜ん、さようならあ〜(制服もかばんも、高いよう)。と言いつつ帰りに池袋西武リブロでしっかり道草。今月刊行予定の国書刊行会『幻想文学事典』があまりにも高いので、西武の友の会の金券で買おうと思い、もう出ているかと見に行ったのだがまだ見あたらず。

 『五輪の薔薇(下)遺言書を盗む目的で潜入した屋敷で、老婦人から次々と古い真実を聞かされるジョン。捕まっちゃうんじゃないかとはらはらである。ああまだまだ終わらない!かたや安房直子を続々読んではコメントを追加。我もわれもと評判を聞きつけて読むという『ブギーポップは笑わない』車内にて並行読み開始。絵本ページににいくつか追加。これじゃあなかなか『五輪の薔薇』が終わらないのももっともである。一気に読んでしまうのがもったいないようにも思うのだ。面白いので買ってもいいかなあなんていう気が兆すのはおそろしい>合計8000円。

990214(日)
  購入本:   なし

 たくさんたくさん洗濯をしては干し、しては干しの日。おちびは朝から「ほじょなし、ほじょなし」と連呼するし、上の子たちはそれぞれ遊びに行っちゃって一日お留守。図書館でまた安房直子を追加して、ひまひまにちびちびと読む。

 図書館にて、おちびはすでに5冊借りてあるので今日は借りられないのに、言い聞かせても悲愴な顔で「かりたい〜」「かりたかったあ〜」と涙ぽろぽろである。ンもう、帰る道々一層大きくなる泣き声と涙を拭き拭きする白いタオルに、あたりの人がみなふりかえるので、母は赤面・うんざり状態なり。

0213(土)
  購入本:   なし

 午前中いっぱいかかって昨晩からの本の整理を完了(ということに)。チャペックの本が数冊しかないのにばらばらになっていたので一カ所にまとめたのだが、それにしてもいったい「ダーシェンカ」って何種類出ているのだろう?小説選集とエッセイ選集もそれぞれ別の出版社から出ている。意外に人気があるのだろうか?私にとってチャペックと言ったらこの「ダーシェンカ」と、岩波から出ている『長い長いお医者さんの話』だ。後者は62年第1刷で、私が持っているのが65年の第4刷。実に長い長いおつきあいである。

 日が傾いてから、下の息子の自転車こぎにおつきあい。10日に保育園で補助輪なし自転車に少し乗れるようになり、11日に上の息子が特訓してくれたはず。どれどれ、その成果を見むとす。
 いやこれが、笑っちゃうのだ!自転車って、うまく乗れないうちは、こぎ出すまでが難しくて、誰かに押さえてもらわなくてはならないのだが、ニニに依ればそこのところが出きるようになったんだとのこと。
 向かいの公園に行ってさっそく嬉々として自転車ごと駆けだしたおちび、あれっと思う間もなく、なんとひらりとサドルに飛び乗ったのだ!うわあー、びっくり!上の子は割に運動神経良いがそれでも補助なしに乗れるようになったのは5歳を過ぎてからだった。この下の息子は、4月に5才だから、ニニより4,5ヶ月はやく乗れるようになっちゃった。
 彼、もう嬉しくて嬉しくて、くるくるくるくる、良く走り回ること。ほとんど転ばずせっせと漕ぎまくっている。あんまり速いので、「ゆっくり漕ぎもしてみせて!」とおだてると、やや難しいゆっくり漕ぎも上手にできる。お〜、すごいすごい!!もう止まるところを知らず、走りまくっている。いやー、おにいさんになったことよ。
 こちらは追いかけて追いかけて、息が切れるばかりであった。

 夕食は娘本人のご希望で、お寿司やさんで合格祝い。でも入学一時金以外に、制服一式だけでも12万からかかるんだけど、支払う事態になったことを喜ばなくてはならないわけね。なんかつらいものが…(疲)。

 ディッキンソン『時計ネズミの謎』読み始める。一見絵本風、でも結構読みでがある。『ゾウの時間、ネズミの時間』ネタが出てきたり。
 しかしマーガレット・マーヒーと同様、この作者も検索しにくい(TRC)。ディキンスン、ディッキンソン……もとのスペルでも検索できるといいんだけど、無理な相談でしょうかね?

990212(金)
  購入本:   なし

 あー、やっと今週も金曜日。しかし昨日は寒かった。風邪をひいたようでもないのは幸い。

 娘、とりあえず10,11日と受けた高校に両方とも合格し、ほっと胸をなで下ろす。職場にかかってきた電話で、「受かったよ!受かったぁ〜〜!!きゃー!!」と明るい声。さっそく「これからカラオケ行くからね!」7時過ぎに帰ってきたのを見ると、あちゃー、制服だよ、このひとたち。何考えてるんだか…。
 でも今日は同居人が一晩泊まりで不在なので、お祝いはあした!今日は久しぶりに電話代がかさんでいる様子の娘である。
 (後刻。をいをい90分超だよ通話時間。)

 下の子に、おふとんでお目目つぶって待っててね、と声をかけつつ10時頃から本の山(が一方的に崩されて箱詰めされたの)を引き出して整理、または整理のふり。我ながらすごー。未読ばっかり。
 買ったはずだよ、というあれこれの山が、同居人のぱそこんがいかれて搬出するとき、私の不在をいいことにぐちゃぐちゃに詰め込まれてしまったんである。整理と整頓はちがうんです。わかってないね。とうちゃん。でも、じゃあ整理してたか、と言う点に関しては禁・つっこみ。

 そんなこんなで、絵本のコメントを書こう、と思ったが結局安房直子を1冊読み直しながら書いたのみ。未読の山を作る元凶『五輪の薔薇』もつれにもつれ、折しも網の目のようなロンドンの地下下水道を徘徊するあたりを読中。この本は、皆考えることは同じらしく、出版年のわりに(昨年)たくさんの人に借りられた形跡がありありで、本が厚くて重いせいもあってかなりくたびれている。これだけの値段の上下巻(各4000円)では借りて読もうという人の方が多いでしょうね。でも期限内に読めずに買うというのもありかも。

990211(木)
  購入本:   なし

 以前職場に3回ほどやってきた外国人研究者が、異動した当時の上司の招聘で来日しているのだが、彼女がわれわれにぜひ会いたい、といって、急遽今日会うことになった。年が近いこと、それぞれ子どもがいること、などから、来日時は気もあってずいぶん仲良くしていたので、二つ返事である。
 天気予報はあいにくの雨と言うことなので、どこに行こうか、と悩んでいたが、朝は日も射していたので、横浜にでも行ってお昼を食べてぶらぶらしておしゃべりしようと言うことになった。
 10時頃東京駅の新幹線ホームまで同僚の女性と迎えに行って、久しぶりの再会を喜び合いながら石川町に行く。ところが道中しだいに雲が厚くなって行き、駅に着いた頃には予報通り雨になってしまった。カラカラ天気が続いていたのにどうして今日に限って〜?とぶうぶう言いつつ傘を差して歩いているうちに本降りである。あっという間に冷えてしまい、雑貨屋をみて時間をつぶしたが早めの昼食にしようということになった。

 あれこれ捜すのも寒くてたまらないので手っ取り早くH楼に入ってしまう。飲茶セット3500円を注文して、さっそく積もる話に花を咲かせる。
 飛び交うのは、英語(らしきもの)と、日本語と、身振り手振りに顔。いやはやこれで良く通じると思うくらいすごいもの。われわれの英語のブロークンさ加減も相当なものだが、あちらも英語国民ではないので、われわれが聞いても英語がアヤシイ時がある。しかし互いに分かり合おうという意識が先立っているので、以前からそうだったが、なぜか必要なことはだいたい通じてしまうのはすごい。

 近況から遠況(?)、あれからこれと話は飛び、餃子、スープ、お饅頭、おかゆ、諸々がどんどこ消滅して行く。この前来たのが93年だから6年ぶりである。会いたかったなあ。その間に、一度一緒に来日した彼女のお連れ合いは事故で亡くなってしまったし、こちらの研究室のメンバーも1人、まったく青天の霹靂と言うような経緯で倒れてやはり亡くなってしまうなど、物事ばかりか人も過ぎ去ってしまった。
 さんざんしゃべり、食べたところで持参のデジカメで写真を撮り、また外へ出る。雨、一向に止む気配なし。寒い寒いといいながらしばしぶらつき、中華街仕様のプリクラを撮っていると、ややや、雨がすごいぞ。見ればみぞれにかわって風も出てきた。お饅頭を買って東京に戻ろうといっている間に本格的にになってきた。私は大丈夫だが連れのふたりは靴もびしょびしょ。寒い、冷たいを連発しつつ運良くすぐに来た電車で東京に戻る。出がけに持ってきたホッカイロが、お役立ちであった。

 八重洲地下街でお茶しながらまたひとしきりおしゃべり。名残惜しげに新幹線に乗り込む彼女であった。今度はいつ会えるかなあ、ホントに。
 それにしてもよりによってどうして今日はこんなに寒くて冷たくて雪なわけ?そう言えば彼女以前来たときも雨女の傾向があったような。実は雪女だったとか!

990210(水)
  購入本:   ロバート・マキャモン   『少年時代』(上・下)   文春文庫

 娘、受験である。早起きしてお弁当持って、出かけて行きました。
 一応日中(思い出したときには)気が気でないハハオヤであった。

 帰宅後、首尾を尋ねると、「面接で歌わされた」という。特技はヴァイオリンと書いたところ、最近やったのは何かと聞かれ、メンデルスゾーンの協奏曲であると答えたそうな。すると面接官の1人が「ああ、タラタラタラ〜〜」と歌ったのだという。それを聞いて他の1人が「それはちがいますよ。ちょっとあなた歌ってください」といきなり水を向け、「エー、ここで歌うんですか?」と抵抗したが、ちらっとだけ歌わされたんだそうだ。「チョーいい雰囲気だったよー」とほっとしていたが、いやはや結果はいかに???

990209(火)
  購入本:   中井英夫   『中井英夫全集7 蒼白者の行進』   創元文庫
        〃   『中井英夫全集4 香りの時間』   創元文庫
      ディキンスン   『時計ネズミの謎』   評論社

 早起きでお弁当作り。息子の鎌倉遠足なのだ。5時半に起きてカーテンを開けると、夜だよー。日が長くなったとはいえ、まだまだ冬である。
 あしたはいよいよ娘の受験なので、またお弁当。も、もしや4月からお弁当作りか?お願い、一番近いところに受かってね!>お寝坊の母

 また今日も本屋さん攻勢。やたら厚い中井英夫の文庫、これ文庫の範囲を超えてると思う。カバーの折り込み部分にご本人の写真が載っているが、あらー、素敵!なんかこれだけで、好みってかんじー。
 ディキンスンは、絵本仕立てだった。 でも今日は読めない。もう眠くってだめです。
 さっき少しだけ『日蝕』を読んだのだが、慣れたらさくさく読めそう(中味がちゃんと分かるかは別)。字面は難しそうだが、文章自体はそんなことなさそうだ。

990208(月)
  購入本:   クラフト・エヴィング商會   『クラウド・コレクター 雲をつかむような話』   筑摩書房
      ピンチョン   『ヴァインランド』   新潮社
      上遠野浩平   『ブギーポップ イン ザ ミラー パンドラ』   電撃文庫

 先日、職場出入りの本屋さんに、注文したっきりで一向に来ない何冊かの本を催促したら、来たきた、どさっと。うう。その元凶『ヴァインランド』なんて厚いんでしょう。『五輪の薔薇』といい勝負だ。でも値段は安いからこっちの勝ちかな。
 思わずヴァインランドvinelandを辞書でひく(これも分厚いリーダーズ英和)。vinlandとも、とのこと。葡萄のたわわに実る土地。なんかこれだけでいかにも豊饒な土地というイメージの湧く言葉。内容はいかに?
 しかし何度見ても電撃文庫ってネーミング、ミスマッチでパンチあるなあ。
蛍光ピンクのイメージ。

 クラフト・エヴィング商會の、この間からの疑問その1、英語表記をみるとCraft Ebbing shoukai なのに、なぜクラフト・エヴィング商會なのか?これは実在の人名から取ったと言うことだが、とするとカタカナにしたときの美しさだろうか。クラフト・エビングでもいいような気もするけど。
 もう一つの疑問が今日解けた。一連のクラフト・エヴィング商會の本は、3代目が書いており、2代目への言及がなくて3代目の祖父である初代・吉田傳次郎の残した本やモノにまつわるもろもろに関する内容のものである。この、吉田傳次郎って、何者?…とずっと疑問だったが、今日それが解けた。ああよかった!そうだったんだ。答えは『クラウド・コレクター』参照のこと。

990207(日)
  購入本:   たむらしげる   『ひいらぎはかせのバイキンたいじ』   フレーベル館
      長野まゆみ   『鉱石倶楽部』   白泉社
      村山籌子作品集   1.『リボンと きつねと ゴムまりと 月』   JULA出版局
       村山知義・絵   2.『あめが ふってくりゃ』    
          3.『川へ おちた たまねぎさん』    

 娘の合格祈願の絵馬をおさめに根津神社へ行く。お正月に買うだけ買って納めてこなかったのである。娘はさすがに今日はオベンキョウなので、下の息子とたらたらと出かけた。意外に暖かく、よいお散歩日和。白山の駅から穏やかな日差しの中を10分ほど歩く。いつもお祭りやお正月といった人出のあるときに行くのがほとんどなので、今日のような全くの普通の日に行くのは実に久しぶりだ。
 境内の駒込稲荷にまずご挨拶し、たくさんのちいさな赤い鳥居を通って乙女稲荷にお参り。さらに正面に回ってから、改めて権現様にお参りである。ここは素戔嗚尊以下数柱の神様と(まとめてごめんなさい)、この時期お忙しい菅原道真公がまつられている。ほんの100円で、あれこれとしっかりお願いしてきたが、どうぞ権現様、うちは勝手に氏子と思っているので、お願い聞いて下さいね。

 その足で娘と共用している化粧品の補充に池袋へ向かい、西武リブロに寄る。『日蝕』が何カ所かにたくさ〜ん積んであった。
 『オルガニスト』、『青猫の街』も見かける。ここは、SF・ミステリー、幻想と棚を左に移動して行くと、いつのまにか児童文学(海外)、児童文学(日本)へとつながっているので都合がよいのだ。先日MOE3月号で改めて見つけた村山知義・籌子の本が平台に並んでいたので、若干躊躇しつつもやはり購入。帰宅して読んでいると、おちびが読めと言うので二つ三つ読んでやった。落ちがおかしくて笑ってしまうものがいくつもある。このユーモアのセンス、サイコー。これも尾崎翠を思い出させる。時代がほぼ同じなのでは?絵本と言うほどには絵が多くないのが残念なくらい、文と絵の相乗効果が見事だ。
おすすめ。

 夕方いつもの安眠ソファでこれらを読み、ときどき日差しを浴びて昼寝、ときどき起きてまた読書の結果、『花のにおう町』(安房直子)、『荒野のコーマス屋敷 メニム一家の物語2(シルヴィア・ウォー)も読了。後者はいくぶん都合良く超自然の力が働いたりしてとりあえずは一件落着。助っ人アルバート・ポンドがとにかくずっと睡眠不足続きなので、眠気がうつりそう。(アニメの方の)スナフキンを思い出させるスービーと、双子のピルビームが好きです。

990206(土)
  購入本:   なし  

 朝からたいそう風が強く、見るからに寒そうだ。だらだらと最小限の家事をやっつけて、おちびと図書館へ。外へ出ると、意外に日差しは暖かいので肩の力を抜いてお散歩モードだ。『五輪の薔薇』(下)『荒野のコーマス屋敷 メニム一家の物語2などを借りる。おちびはひとまねこざるのシリーズの大型本を3冊も胸に抱えて帰った。

 午後はメニム一家の1冊目を終わり、続いて2冊目に突入。引っ越しを迫られるメニム一家に現れた助っ人が、苦心惨憺して彼らを田舎のコーマス屋敷へ連れてゆく。ポッド一家みたいに草の葉の陰に身を隠して脱出という訳にはいかないので大変…。

 と、ゆっくりしていると、息子が出かける時間が近づく。きょうは「50qオーバーナイトウォーキング」に参加するのだ。私鉄を1時間ちょっと乗って行ったところの大きな公園からスタートして、夜っぴて歩き、明朝、主催する区の施設に到着予定である。夕食のお弁当を持たせ、防寒着を着せて送り出すと、そろそろ日暮れの時間。今頃寒い中をてくてく歩いているのかなあ。ううっ、寒そう!日中初めてスケジュール表を良く読んだ息子、「ママ、これ一晩中歩くだけなの?…行きたくないよ。スキーとか以外は申し込むな!」とぶつぶつ言っていたが、それきりで元気にご出発なさいました。

 あっ、この「ぶつぶつ」と言う語であるが、先日娘が「ママ、ぶつぶつ、って言うの、くせ?」と問う。何のことだ?きょとんとしている私に、「ママすぐそれ言うじゃない。ぶつぶつって。」 
 ああー、そうかもしれない!
 「まったく何考えてるんだ、ぶつぶつ」とか、「これ、なんか変なんだよねー、ぶつぶつ」とか、ひとりごとの最後にくっつけて言っているみたいな気がする。指摘されるまで気づかなかったけれど、そういえば普通言いませんね、これ。などと言いつつ、タイプミスをしては、つい「ぶつぶつ」とつぶやいてしまう私は重症。

990205(金)
  購入本:   新井素子   『チグリスとユーフラテス』   集英社  
      MOE 3月号   白泉社  
      谷川俊太郎:ぶん 
降矢なな:え
  『あいうえおうた』   福音館書店  

 昨日から読み始めた『ブロックルハースト・グローブの謎の屋敷 メニム一家の物語は、面白い。
 主人公のメニム一家はイギリスのとある町の大きな屋敷にひっそりと暮らしているが、この一家は全員、なんと布でできた等身大の人形なのだ。
 以前ちらりとこの本のことを耳にしたとき、人形が主人公と聞き、借り暮らしの小人たちのように小さな人形たちが、ドールハウスの中でちまちまと動いたりしゃべったりする話かと思ってさほど興味を抱かなかったのだが、そうではなかった。借り暮らしの小人たちは、人形のように姿は小さいが、まるで人間と同じ。ところがこのメニム一家は、体は人間と同じサイズだが、人形なのだ。つまり、借り暮らしの小人たちの設定を裏返しにしたようなもの。
 この人々が、外界の人間と顔を合わせずに40年!と言う年月を、いかに過ごしてきたかについては驚くべきものがある。彼らは、外に出ていって、買い物をし、郵便局に行き、一家の父親はちゃんと夜警という職業を持って働いてすらいる。なのに、人間の誰ひとりとして彼らが等身大の人形であるとは気付きもしない。電話や手紙をフルに使い、電気器具、テレビ、何でも使いこなす。食べたり飲んだりはできないが、人間のように食べる「ふり」、お茶を飲む「ふり」をして、人間と同じような生活「ごっこ」で毎日を過ごしている。

 けれど、借り暮らしの小人たちと同様、彼らの毎日はいわば、煮詰まっているのだ!
 借り暮らしの娘アリエッティはだんだん大きくなって外の暮らしにあこがれていき、それが引き金になって彼らの生活は大きな転換を迎える。
 一方、メニム一家は、サザエさん一家と同じで、何年経っても彼らが作られたときの年齢から年を取ることはないが、サザエさんたちとは異なり40年の年月の間に各々それなりの経験と記憶を重ねている。そんな彼らの生活に大きな変化をもたらしたのは、舞い込んだ1通の手紙だった。そして…。

 ところがびっくり、と言うところまでさしかかってきた!あした、図書館に行って続きを借りてこようっと。『ゲノミ』も忘れないようにしなくては(イヒヒ)。

 さてさて、『チグリスとユーフラテス』ふらふらと買ってしまったが、ぢつは新井素子のハードカバーを買うのは初めてなんである。文庫か、図書館かだったもので。綺麗な装丁に好感。

 MOE 3月号は、なかなか内容充実である。特集はアランジアロンゾ、ほかに村山知義・籌子、星野道夫、美智子皇后など。村山夫妻の絵本は以前から興味あったが、好きだなあこれ!ひとつストーリーが載っていたが、大笑いしてしまった。娘をわざわざ呼んで、見せたんだけど、いまいち受けなかった…がっかり。へんなハハ、とまた思われたに違いない。何年も前、目黒の東京都庭園美術館で日本の児童文学(絵本かも)の回顧展があり、そのときに見て非常に面白かった。大正の人なのだが、今でもいくつか入手できるようなので捜してみようと思う。(ちなみに庭園美術館は旧・朝香宮邸がそのまま用いられており、これ建物自体がアール・デコ様式で、すごくレトロで美しいから行く価値あり!)

990204(木)
  購入本:   なし

 昨晩『五輪の薔薇』(上)読了。いいところで終わってくれちゃって。今日帰宅後、タイミング良く図書館から電話があった。

 「ご予約いただいた『ゲノミ』、入りましたので1週間以内に取りに来て下さい」 「…?」 「あのー、『ゲノミ』入りました。」 「?…???!あっ、『五輪の薔薇』の下巻ですか?」 「はい、そうです!」図書館員、書名はちゃんと言ってちょーだい!

 並行読みの安房直子『白いおうむの森』も併せて読了。続いて『ブロックルハースト・グローブの謎の屋敷 メニム一家の物語にとりかかる。このシリーズは全5巻なのでしばらく楽しめそうである。1993年にイギリスに現れたこの本は、児童文学界のしばらくぶりのヒットとなったそうである。Very Englishきわめてイギリス的と形容されると言うこの本、楽しみながら読み始め、おお、もう既に1/3に達してしまった。もったいない!ところで、ブロックルハースト先生って、いたよね!

 今日は突然保育園の保護者会。ううん、前から予定が知らされてはいたのだけど、それがちっとも頭に入っていなかったと言うこと。きのう帰るときに保母さんが「あしたは…?」と言うのでしばし見つめ合ってしまったのである。
 午前中保育参観、午後懇談会だが、午前中はきのう実験を仕掛けて来ちゃったので無理むり。でも何とか昼まででどうしても今日処理しなくてはならないことはやっつけて、急ぎ保育園へ。いやー今日は日中から寒かったです。

 懇談会の中で、保母さんの方から、「最近話題のキレル子どもにならないか心配、とか言うことはないか」との問いかけがあったが、意外に、と言うか当然、と言うか、皆の反応は「別に…」という感じで、これは空振り。
 お母さんの中に中学の教師がふたりおられ、どうも教え子の男の子の精神年齢がこの十年以上、年々下がっている気がする、であるとか、男女を問わずいろいろな局面で我慢というものができない、と言う話があった。どうもものを与えすぎているからではないかとの発言もあり。
 うちの上の子たちにもぴったり当てはまる話なので、急に沈黙する私であった。小さいときはいい子だったのに…(涙)。

 さて、懇談会のあと、お昼寝が済んだ子どもたちが着替えるのを待って、おやつの時間である。今日はあきらめて、職場へ戻らずにこのまま帰宅する予定にしたので、一緒におやつタイムを過ごす。よそのお母さんが抱いている小さい赤ちゃんをあやしていると、向こうの方で怪しい視線あり。いち早くテーブルに向かっておやつを待っているうちのおちびが、神妙な顔である。そばにゆくと、大きなお目目に、ごくうっすらとであるが、涙みたいなものが…。ママがよその赤ちゃんをいいこいいこしていたので、不安になったのであった。間もなく5才になろうというのにいつまでも赤ちゃんで、ほんとカワイイナー!

 それにつけても思い出すのだが、何年か前の朝、近所の小学校の門の所で、先生が、お母さんに連れられた一年生の女の子にかがみ込んで話しかけていた。べそかき顔の彼女はもう遅刻の時間である。通りしなに切れ切れに聞こえる先生の言葉…「もう一年生なのに―、まだ一年生だから―」そのひとことが胸にすとんと落ちたような彼女の表情。
 もう一年生、でもまだ一年生。こうして、子どもの成長を待ってやるという、「待ち」の姿勢が大事なんだけれど、小学校生活を送っていくうちにいつの間にか親もそんな気持ちを次第に忘れていってしまう。
 おちびは3人目という事もあり、親の意識としてもまだまだオミソで赤ちゃんなのだが、ときどき、もう5才になるんだなあ!と歳月に感心する。もう5才、まだ5才。
 娘も、もう15才、でもまだ15才。いろいろな「時」を待ってやることが、親はできるだろうか。などと思う、来週は娘の初めての受験である。

990203(水)
  購入本:   宮部みゆき   『震える岩』   講談社文庫
          『かまいたち』   新潮文庫
       〃   『淋しい狩人』    〃
       〃   『幻色江戸ごよみ』    〃
      恩田 陸   『球形の季節』    〃
      『母の友』 3月号   福音館書店

 陸の孤島も3日目となり、いったいどうしたものやら。日中ちょっとした暇を見つけては、ネット世間との接触を図る。

 一日一日と、帰宅時の西の空が明るくなるのが分かる。そうなると、寒もあける季節だ。しかし暦の上では立春と言っても、今日はやはり寒い節分である。
 きのう、職場の玄関から外に出ると、わずかに赤みを残した西空に、ひときわ明るく金星と木星、さらに蒼穹をあおぐと光度の落ちた土星とが、一直線に、わずかな弧を描いてかかっている。この美しい眺めにあたりの人はまったく気づかない。空いっぱいをひとりじめした気分で、自転車に乗る。
 きょうは天気のせいか、さらに土星の光度がひくく、空も明るい。天気が崩れるのだろうか。

 帰宅すると、集英社の広報誌『青春と読書』が届いていた。まもなく長野まゆみの連載が始まるというので、先日定期購読を申し込んだのである。この本を読みのはまったく初めてだが、目次を見ると、おや、新井素子の対談が。しかも相方は大森望氏ではないか。大森氏のページに、出ていたかなこの事?お二方の写真がでている。ふうーん。(まだ読んでない、これから。)

 さてしょうがないから本でも読むとしますか。そうそう、先日のhanageネタ、ヒラノさんに教えていただいたページは密かに(人選して教えた方々には)受けております!

 深夜、接続回復する(祝)。あー、たまりにたまったメイルと、ン十件更新のサイト巡りがもう大変。あ、自分とこの更新しなきゃ!

990202(火)
  購入本:   上遠野浩平   『ブギーポップ・リターンズ vs.イマジネーターpart1』   電撃文庫

 相変わらずのネット方面接続不良が続く。お誘いを受けて入り立て(出来立て)のMLも読めない。これ、思いの外トラフィック数が多いので、接続が回復したらきっとメイルの山でしょう。
 陸の孤島状態だー、とメイル友だち氏に職場からメイルしたら、持つべきものは友なり、
「祝!陸の孤島!」というじつに有り難いお返事をば頂きました。この経済的・地質学的に地盤沈下の激しい昨今の日本に、新たな陸の孤島が出現するなんぞ、実にめでたいことと言わねばならないというのである。目出度や、有り難や。

 昼、銀行に行きしなに本屋でブギーポップ2作目を購入。これ相性が悪いというか何というか、最新刊が出たときははじめの3冊はなく、先日1冊目が入荷したときは既に最新作は姿を消していたのだ。今日は一応全部あったので、どうしようかなと思ったのだが、とりあえずこの1冊のみにする。きのう図書館で安房直子をたくさん借りて来ちゃったから。これ、はまってるかもしれない。

 さて接続は直りそうもないので、有り難い友のご進言通り、ネットに飛び交う怪しい諸情報(!)から隔絶されたところで読書にいそしもうっと!
 で、でもせっかく近況を書いたのに、更新ができない…。

990201(月)  
  購入本:   なし    

 帰宅してメイルチェックしようとすると、何度やっても接続エラー。インターネットも駄目である。今朝はいつも通りつながったのに。ルーターがいかれたのかなあ。同居人の方ももちろん駄目だが、モバイルの方はつながると言う。ISDN回線の不調か?ううーん、何なんだあこの故障は!!!!!
 とりあえずあきらめて寝る。


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最終更新日 01/01/08 12:10:54
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