日時計 1999年7月 日記

本を読んでいるうち、いつのまにか日が傾いてしまっている・・・なーんて生活いいなア!

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990731(土)
  購入本: 志子田光雄、志子田富壽子   『イギリスの大聖堂』   晶文社
    湯本香樹実   『夏の庭』   新潮文庫
    J・P・ホーガン   『仮想空間計画』   ハヤカワ文庫SF
    久美沙織   『ドラゴンファームのゆかいな仲間』   プランニングハウス
     〃   『ドラゴンファームはいつもにぎやか』    〃

 キャンプを1泊で済まさなければならなかった原因の面白くもない用事をすませたのち、久しぶりに本屋による。娘が無印良品に行くというので、池袋西武リブロへ。読書感想文の課題図書『夏の庭』を仕入れておく。ちらっと読んでみたがまあ何とか書けるのでは?(友人の)おばあさんの死、おじいさんとの交流など。意識のどこかでやや違和感を覚えつつ読む。
 たぶんこれは以前、NHKFMのドラマでやっていたように思う。
 花が咲いていない7月にキンモクセイの木を小学生が見てそれとわかるかなあなどと枝葉の所で引っかかったりするが、意外にこういうところが違和感の一因になっているのかも知れない。

 娘は(息子もだけど)祖父母を知っているのが私から見ればうらやましい。私の両親はどちらも比較的多いきょうだいの年下の方のため、私が生まれたときにはすでにどちらの祖父母もいなかった。小学生の時にとなりにちょうどそういう年の老夫婦が住んでいて自分のおじいちゃんおばあちゃんのような感じで接していたのが唯一のお年寄りとの近い関係だ。

 連れ合いの父母の里はいろいろうるさいので、娘たちはふたりの祖父の葬式や、親戚の葬式・法事などに出ることも多く、そのような時、つまんないもんだとは思いながらも結構親戚どうしのやりとりや力関係などを楽しんじゃっているようでもある。
 今年もまた迎え盆か送り盆のどちらかには最低行かねばならないし、その直後に叔母の法事がある。ここ何年か法事続きでうんざり気味だが、リタイヤしたおじたちの一大イベントなのだからしょうがない、というとちょっと不謹慎かも。


990729(木)〜30(金)
  購入本:なし

 夏休み恒例戸隠キャンプへ。今年は諸般の事情から、2泊→1泊へと規模縮小してしまい、悲しいことこの上なし。

 以前は長野市内を通りバードラインを上がって戸隠へ「登って」行ったのだが、高速道路がどんどん整備されて、昨年からは信濃町インターで降りて黒姫側から入ると自宅から4時間足らずで到着してしまうようになった。今回のようにちょっとでも長くいたい時にはこの移動時間の短縮は嬉しいことではあるが、やはり以前の方が戸隠に来た〜と言う実感があった。それ以上にやはり少しずつ、少しずつ、風物が変化して行き、次第に山がちになりいつの間にか緑の山懐に分け入っていた…という気持ちの馴化がなくなってしまったようで残念である。

 幸いに崩れるかと思われた天気も、過去6,7回来た中でも最高の部類に入るくらいの素晴らしい天気となって、丸2日足らずのキャンプも充分楽しめたのだった。新しいドーム型テントは1泊と決まる前に買ったのだが、結果的に設営が短時間で済んで正解。

 中社のスーパーは毎年行くので顔見知りであるが、おととし、オーナー氏の地所で思いがけず温泉が出たと言う話を聞いていた。今年行ってみるとそれがついこの前、日帰り温泉場としてオープンしたとのこと。行ってみると戸隠名物のそばなども食べさせるちょっとしたリクリエーション施設(「神告げ温泉」)になっていた。戸隠あたりではどこにも温泉がなかったので、初めての温泉場は結構繁盛するかも知れない。

 これも毎年参拝する戸隠神社の奥社では、年配のご夫婦が朱印帳に朱印を頂いているのを見た息子が、「何あれ!かっこいい!欲しい!」と言いだし、父親に頼んで手に入れてにんまりしていたのがおかしいというか意外というか。ちゃんと「奥社」のハンコがあるのを見て「中社にも行く!」と、意気込んで行ったのであった。

 あ〜、帰ってくるのがもったいない天気だったよー!今年はもしかして、天気には恵まれているかも!何にもしない時間もあったのだが、そよそよ風に吹かれてホントに木陰で昼寝。結局本は半ページくらいしか読めずじまい。


990728(水)
  購入本:なし

 上の子供たちと一緒に昼食。家から職場までは自転車で(乗っている時間だけなら)5,6分なので、昼休みに連中と待ち合わせてカレーを食べたのである。カレー4種のランチバイキング850円・ナン、チャイ、ヨーグルト、サラダ付き。この所お誘いしても「暑いから」「めんどくさいから」「食べたくないから」などと遠回しに断られていたのだが(何のことはない、ずばり断られてる…)、さすがに家で食べるのもコンビニ食も飽きたらしく、今朝は「あ、カレー食べたい!」といいお返事である。本場のコックさんのカレーなので人気。
 しきりにご飯をお代わりしていた息子は、食欲と言うより実は辛いからご飯がたくさん必要と言った様子で、夕飯時に「まだあんまりおなか減ってないよ。今もカレーのげっぷが…」まだまだ味覚はガキンチョ。

 あす、あさっては、恒例のキャンプ。ってゴシックで書いたはいいが、今年は連れ合いの都合でもともと木、金、土の2泊しか日程がとれなかったのに、さらに土曜にどうしても行かなくてはならない用ができてしまい、わずか1泊になってしまったという悲しい夏休み。オーイ、オイ。お天気もいまいちらしいし、うーむ、普段の行いはいいんだけどな!

 娘は「ウ」、私は「英国短篇小説〜」をそれぞれ。もちろんキャンプにもしっかり本は持って行きますとも。


990727(火)
  購入本:なし

 倉阪鬼一郎『死の影』読了。有里さんご指摘のように、矢印が〜!!!それから殺人鬼と化した夏木エリカが〜!!!昼休みの職場で、ひとりお腹を抱えてしまったのであった(笑い涙)。子供の頃友だち同士で怪談話をしたときに、ことさらに怖そうな声音を作って、結局みんなで笑っちゃう、そんな感じ。倉阪さんって、やっぱりそっちの方の巧まざる才能があるのではと思うが、ホラーでの前作はどうだったのだろう!

 特定例高校生向けに図書選定。家に帰るといきなり「ママ、今度なに読んだらいい?」っていうのは喜ぶべきか危惧すべきか…。
 ル・グウィンが手許にないので(『オールウェイズ・カミング・ホーム』じゃあちょっとねえ)、ブラッドベリで行ってみる。『たんぽぽのお酒』『ウは宇宙船のウ』『スは宇宙(スペース)のス』など、あとはティプトリー・ジュニアの『愛はさだめ、さだめは死』、いきなりエリザベス・グージ『まぼろしの白馬』、ちくま文庫の全集版『尾崎翠』とか。

 宮部みゆき『鳩笛草』は、貞子以外の2作を読み、面白かったので自主的に『クロスファイア』にいったが、「やっぱり怖そうなのであとにする」とのこと。ふーん。
 『ウは宇宙船のウ』は、「これ、マンガで見たよ」萩尾望都である。
 しばらく裏表ひっくり返し「ママ〜。これ、SFじゃん」ママが読みふけっている「SF」には、オタクというマイナスイメージがあるらしい。そこで初心者向けジャンル論などをぶつ。ブラッドベリは、ファンタジー作家と言われていて、『たんぽぽのお酒』には宇宙のうの字も出てこないし、『ウは宇宙船のウ』だって、舞台はSF的設定だけれども中味は『たんぽぽのお酒』と変わるところない、云々(突っ込まないでくださーい、皆さん。これも仲間を増やす方便じゃ)。納得したかしないか、「ふーん」と言って無事突入。

 私の方は『英国短篇小説の愉しみ』シリーズに行く。グージの作品だけ、買ったときに読んだもの。


990726(月)
  購入本:なし

 夏ばて娘は、今日も一日本読み三昧。うらやましい〜。で、帰宅すると『オルガニスト』も読み終わっていたので、夕食後『ノーライフキング』をあてがう。
 はっと気がつく、ル・グウィンをお勧めしなくっちゃ!(けれどもこれは実家の本棚にあるのだ…。)

 一方、バスケでなぜか都大会に行っちゃったという中三の息子たちは、今日明日が試合。私の後に元気良く帰ってきたので、試合どうしたと訊くと、「へへー」。というわけで、めでたく部活引退と言うことに相成りました。あとは受験勉強せいよ。
 この子は、前からシートン動物記がお好きで、いまはちょっと難しめの版に挑戦しているらしい。

 洗濯物を取り込んだあと、夕空がとても美しい。刷毛ではいたような高い雲がすべてとき色に染まり、ひときわ明るく飛行機雲の名残が金赤に輝いている。日没直後の、ほんのひとときの色彩の鮮やかさ。じっと見ていると急に射るような輝き!雲の陰がら現れた一番星が、空にぽつんと開いた穴のように、ひときわ明るい光を放っている。息子がベランダで吹きはじめたシャボン玉が、強い風に飛ばされながらくるくる回っている。妙に切ないような、目に焼き付く眺めであった。

 『コーンウォールの嵐』を夜中に読み終わり、また『死の影』に戻る。ださこん課題図書の『バトル・ロワイヤル』は、読まないといけないかなあ。このごろ本屋で見かけないが、増刷待ちか?

 今日は連れ合いが泊まりなので、心おきなく机の上(と下)を整理して木目が見えるようになった。いやにすっきりした、と思ってひょいと横を見ると、連れ合いの仕事椅子に一山積んだのを忘れていた。どこに移動しよう…?


990725(日)
  購入本:なし

 くだんの娘は(昨日の分参照)、どうも一種の暑気あたりらしくちょっと具合わるし。
 昨日勧めた『ノスタルギガンテス』を一気に読んで「おもしろかった!もっと続くといいと思ったよ!」とかなりカンドーのご様子。「でも破壊の物語よね」と言うと「そ、そうなんだよ〜!すごいよね!次、何読んだらいい?」
 気分転換に、明るい『星虫』を勧めると、これも脇目もふらず一気読み。電話をしてきた友人にも「本読みなよ!絶対いいよ!」ふだんコミック白痴番組に漬かりきってる女子高生とは思えない発言に、母もくらくらしそう。
 これも終わったので、つぎはまあ何でもいいんだけど宮部みゆきを出してきたら「これ、貞子って言うの、主人公?こわいよ!読まなきゃダメ?」ダメ、ってもんじゃないけどさ。んじゃあ、これだぁ。『オルガニスト』。一応幼いときから音符関係には親しいので、いけるでしょう。…後刻、ハイ、はまりました。さて、このまま読書熱が続くでしょうか!?

 この信じられない暑さに『死の影』という雰囲気ではとてもなく、久しぶりのピルチャー『コーンウォールの嵐』を読む。相変わらずのピルチャーで、おなじみポースケリスが舞台で、例の偶然が偶然を呼ぶ、都合がいいと言えば都合のいい成りゆきから物語が始まる。ピルチャーはそこがまたいい所だし(お約束)、美しい自然の描写と、登場人物への愛情のこもった細やかな心理描写がたまらない。


990724(土)
  購入本:なし

 暑い!

としかいいようのない一日。野暮用で2時頃までつぶれる。帰宅するとすでに朝干した洗濯物はばりばりに乾いている。テニスをしてきた連れ合いと、バスケをしてきた息子の洗濯物がすでにどさっとたまっていたので、私も今着ていたものを洗濯機に放り込み洗う。3時に干して7時にはまたばりばり。お願い、もうちょっと分散して晴れてくれぃ!(こういうお願い、この前もした気が)。

 夕方息子の塾の面談。出来の悪い子ほど可愛いとはよく言ったもので、ほんとに長男は可愛い

 娘が、「夏目漱石のなんとかとか、ええと、シェイクスピアのなんとかとか、なんかうちにある?」と言うのでひっくりかえってなんじゃそれはと訊くと、案の定夏休みの宿題の読書感想文の課題図書であった。
 『こころ』『ヴェニスの商人』『河童』『天平の甍』『少女パレアナ』…。また古来変わらないラインナップであるが、さいごのは一体どういうつもりで出てきたわけ??
 「『こころ』は面白いけど感想文はしんどいし、『ヴェニスの商人』はありきたりになりそうだし…。」と言うと、「これは?」とパレアナを指す。「これはすぐ読めるよ、ちょっと古いけど。白痴的楽天主義っていうヤツだよ。」と、煙に巻く。わかったかな、高校生?

 その後どういう風の吹き回しか、本なんてろくに読まないこの娘が、お勧め本を3冊くらいくれという。『ノスタルギガンテス』をまず渡してから書棚を見るが、これは面白いけどちょっと濃いかな〜、これも面白いけどマニアかな〜、これもいいけどどうかな〜、となかなかおすすめが出てこない。もしかしてこの本棚って、あんまり本を読まないこの子には相当濃いかも〜と再認識。で、結局、「ここからどれ読んでもいいから」になってしまった(とりあえず18禁はないからね)。


990722(木)
  購入本:なし

 きのうの雷雨はすごかったが、今日もまた午後に激しい雷雨。隣接する11階建てのビルの避雷針に雷が落ちるので、なかなかおっそろしい。昨日ほど長居せず割合短時間で去っていったので胸をなで下ろす。

 夏休みに入った上の子たちは殊勝に家で勉強その他。単にお小遣いがないからと言う説も。何とか雨が止んで無事に帰宅すると、ベランダに洗濯物が出しっぱなし。今日は朝の時点で雷雨との予報があったので、降ってきたら取り込んで置いてねと申し渡して出勤したのに、ううう、びちょびちょだぁ〜(惨)。

 今月はどうも読書量が落ちていていけません。ぽちぽち読んでいた、倉阪鬼一郎『活字狂想曲』読了。山本夏彦があちこちに出てくるのが趣味の一致です。Web上の評判では「抱腹絶倒」などということだが、それほどには感じず、むしろいちいちおっしゃることに「そうだよな〜」と思ってしまうあたり、私も相当鬼さん寄りかも。
 ほか、ひょんなことから出会った船井香
『バンシーの夜』一気読み。お勧めである。ちょっとショックだったので、いきなり感想を書いてしまった!

 幻想的掲示板で続いている、『青春と読書』誌8月号における井上雅彦氏のアンケート回答に関する議論だが、先ほど覗いたところ、東さん宛に寄せられた井上氏本人のコメントが掲載されていた。自分なりの深い背景があること、適切でない部分があったとしたら申し訳ないこと、など。そのうち過去ログでURLが固定するのを待ちたい。


990721(水)
  購入本:なし

 『オルガニスト』の作者山之口洋さんにお誘いいただいて、松居直美オルガンリサイタルに行く。3時頃からものすごい雷雨に見舞われ、一時はこんな天気で無事に行き着けるかと思われたが、職場を出る頃にはほとんど止んで幸い。JR線は軒並み遅れたそうで、開演時刻も幾分遅らせたようである。

 山之口さん、会社から会場のカザルスホールに来る際にいろいろワケがあったようで…。ともかくも無事に来られてよかったです(内緒)。山之口さんのお知り合いで、今日のプログラムの解説を書かれた方たちとご一緒に、休憩時間に席の引っ越しでウロウロしたり。2階席はさすがにほぼ一杯だったので、1階席の後ろの方へ下がり、これで音はずっと聴きやすくなったようだ。

 終演後松居さんにご挨拶。綺麗な方〜!たぶん私と同年輩である(それがどうした)。
 原稿の締切に追われる山之口さんとの別れ際に、この前のださこんでサインを頂き損ねた『オルガニスト』のご本にしっかり「ニム様 命」のサインを頂く(一部捏造)。
 これは11月頃にNHKFM夜10時30分からの「青春アドベンチャー」でドラマ化・放送が決まっており、おそらく今頃制作中のはずとのお話であった。音付きで聴ける良い機会。一方、期待の新作も着々と進んでいるとのことなので、みんな熱い期待とプレッシャーを送るように。ださこん2にも万難を排しておいで下さると言うことであった。ご自慢の自ビールを期待する。

 コニー・ウィリス『リメイク』を昼休みに読み終わる。う〜ん、ス・テ・キ!モンローがいっぱい出てくるのもいいし、キラキラ、チラチラ、光とスクリーンの魔法で一杯!妖精の杖の先からこぼれ落ちるあの魔法の金粉銀粉が、ページの中からもこぼれおちそう。ヘッダがいいわね〜。主人公のトムもたぶん映画の誰かなのだけれど、好きではあっても全然映画に詳しくない私は見当もつかない。でもそんな私でもとっても楽しめた魅力一杯のチャーミングな作品。

 ところでこれは大森望氏の訳なのだけれど、TRCで「大森望」でヒットした中のこれって、何。


990720(火)
  購入本: ロザムンド・ピルチャー   『コーンウォールの嵐』   東京創元社
    倉阪鬼一郎   『死の影 異形招待席1   廣済堂文庫
    ジョアン・フォンクベルタ
+スプートニク協会
  『スプートニク』   筑摩書房

 朝から、昨日見なかった子供たちの成績表を見て、ふたたび布団をかぶって寝たい気分になる。かろうじて起きたまま家事。

 午後からでれでれと池袋に行き2,3調達。ひとつは、今度ゆく夏恒例のキャンプ用品の補充である。
 我が家のテントは一応ちゃんとした前室付きのハウス型テントで、居住性はよいが、これが重たい上にかさばることこの上ない。滞在日数が長いのならばおおいによいのだが、どうせうちはせいぜい3泊と言うところ。今年は2泊かな。大変な思いをして設営して、またすぐに撤収である。昨年あたり、近所のテントを見ては、ドーム型もこの頃良くなったし、簡単でいいなァ、と思い始めていた。というわけでドーム型テントの5人用・前室付き、特別価格プラス3000円の商品付き。ちょうどキッズ用の椅子が2980円現品限りで出ていたので、これを付けてもらう。これでテント重量今までの半分、容積は1/3以下。これで荷物を精選しなくてもホイホイと積んでいけるようになった〜<ちょっと違うでしょ

 連れあいとの待ち合わせ場所としてよく利用する東武百貨店旭屋書店で、上記の本を購入。
 『スプートニク』が目につかなかったので訊ねると(恋人ではありません、と念を押して正解)、しばらく待ったのち「ハイ、お待たせいたしました」と登場。私買おうかどうしようか決めていず、とりあえず現物を見たかっただけなのだが、ここの店は訊ねると親切にいきなり持ってきてくれるのを忘れていた。返すときに困ると思いどこにあったか訊くと、「理工学書です。あと、そこの月のフェアのコーナーに平積みしてあります」というお返事。日曜の読売新聞の書評でも、わかる人にはわかるように上手にごまかしてあったなァ。ちょっと高いとは思ったが、写真がたくさんあったので買うことに決める。
 その、月のコーナーで、写真集『フルムーン』(新潮社)の実物を初めて見た。これで4700円は高くないと思う。でも1割引の書店に注文してある私。

 幻想的掲示板で、集英社の広報誌『青春と読書』8月号のアンケートでの、井上雅彦氏の回答についての書き込みがあった。私が18日の日記で触れた荒俣宏氏の回答の隣である。あちらにはとても書き込みする勇気がないのでしないが、私もあれは確信犯的回答だと思うし、良識に欠ける行動だと考える。放射能(線)障害に対する誤解をも生みかねない発言だ。

 昔、「核アレルギー」なる言葉があって、原子力発電、原子力潜水艦の寄港、などへの反対運動を揶揄するかのように使われていたが(現在「フェミニズム」、「フェミニスト」に対する言及にもしばしばそれと同じような匂いがする)、それに対する反論で、アレルギーとはふつう危険でない物に対して過剰反応をすることを指すのだから、本来危険である「核」に対する拒絶反応をアレルギーと名付けることはおかしい、と言う論旨のものがあったのを思い出す。

 上記掲示板の論旨とはずれるが、ヒロシマ、ナガサキの原爆の被害〜反戦というベクトルでの教育のほかに、中学、せめて高校の科学で、きちんと放射能(線)と放射能(線)障害について教えるべきではないだろうか。きちんとした科学的視野で「核」の問題を理解して行かないといけないと思う。好むと好まざると、すでに今現在、日本の発電量の相当な部分がいつの間にか原子炉から供給されているはずだし(正確な数字は知らない>恥かも)。これとどう折り合いを付けるか、または付けないかの認識がこれからの人にはどうしても必要なはず。なのにどうしてきちんと教育しない?それと付け加えれば原発管理がいかにずさんか(またはそうでないか、これビミョー)についてはどうやってそれを知ったらいい?などなど、時には放射性物質を使った実験も行う身としては(使いたくないよ)非常に気になるのである。

 まだ『リメイク』途中。日本語なのに一日5ぺーじとわ。


990719(月)
  購入本: なし

 連休の谷間だが出勤。終業後、竹芝桟橋から出る「さるびあ丸」に乗る。東京湾一周納涼船びいる飲み放題1時間半の旅である。いつもの、長男の同級生の母の集いなのだが、中のひとりが半額チケットに当たったので、女性ひとり2700円のところ1350円ナリ(男性は通常3700円。こういう男女差はちゃんとびいるの消費量の差という根拠があるので、よろしい)。

 子供が生まれる前だからもう16年以上は昔、やはりこれに友人たちと乗ったことがあるが、その時はいかにも桟橋と言う名にぴったりの、波がちゃぷちゃぷ寄せていて、暗くって、周りには倉庫?かなんかがあって、と言う印象で、乗船するにもタラップをとことこ上り下りしたのだったが、今は違います。ピカピカのビルがたくさん建っており、帆船のマストを模した大きいオブジェがあって、船に乗るにも飛行機に乗るような通路を辿って行くのであった。へぇぇぇ!と都会の田舎者は驚くのみ。だいたい竹芝桟橋ってどこの駅で降りるの?海ってどっち側?え、東京タワーがあるわけ?などと言っている有様だからね。

 一番上のデッキにとりあえず陣どり、びいるを片手に(実は両手に)海風に当たる。暑過ぎもせず、風もほとんどなく、「航海」日和である。
 レインボーブリッジの下を通り、フジテレビなどお台場のキラキラを左手に出航。羽田へ降りる飛行機がひっきりなしに近づいて旋回する。一機がほとんど真上のさわれば届くかと言うところを通ったので、すでにアルコールでいい気持ちになっているデッキの人々は「どうせ見えっこないけど」とか言い訳しつつもてんでに手を振る。
 提灯が賑やかな屋形船、びっくり大きい黒々とした停泊船の影、突然現れるブイ、次第に少なくなる岸の照明。気がつくといつの間にか船は船首を巡らして、今度は左手に羽田飛行場の発着の様子が手に取るように見える。

 ひとり1000円も出せば食べ物もそこそこの量が食べられて、眺めはいいし、スピード感も爽快だし、いやー、これがなかなか良かったのだ。そこここで、「いいねえ、また来ようよ」と言う声が聞こえ、もちろんわれわれも「今日は下見ね」と言うことでまた夏休み終わり頃にもう一度、と決議されたのであった。こんど乗るときは、レジャーシートがあると上部デッキで一層ゆっくりと楽しめるに違いない、としっかり学んだわれわれであった。

 家の最寄り駅まで戻り、モスバーガーで深夜までだべって帰宅(喫茶店だってラーメン屋だって、9時過ぎには閉まってしまう、都会の田舎なもので)。

 中断していた『リメイク』再開。というか、読みかけのまま本がどこかに行方不明になっていたのが、忽然と姿を現したのである。するとちょうど面白くなってきたところ!コニーちゃんの好きな、タイ…おっと!ネタバレ注意です。


990718(日)
  購入本:なし

 急に決断して(大げさ)木場の小さな画廊「アートスペース」で8月6日まで開催中の、井上直久作品展に行く。東京都現代美術館のすぐ隣であるが、ここはほぼ並行して走る東西線の木場駅と、新宿線の菊川駅のちょうど中間あたりで、どちらから歩いても15分ほどかかるそうだ。木場と聞くとうちからはかなり遠いという思いこみがあったので、子連れでは、とちょっとあきらめていたのだが、菊川駅からタクシーまたはバスで5分ほどということなので、後で悔いを残すと思いgo。小さなスペースに、思ったより多くの作品が並べられて、やっぱり来て正解。アートスペースのフクオカさんにいろいろお話や情報をを伺ったりして思わず長居。しかももう部数がほとんどないという『愛蔵版 イバラード物語』を手に取ると、なんとそれは1冊だけサイン入り!これは、買えという天の声ナリ。ハイ、もちろん買いました。ほかにこれも残りわずかな未来ミュージックのCD「イバラード」、イバラード特産のめげぞうのぬいぐるみを買う。

 ほかにこちらで扱っておられる宝永たかこさんの絵をたくさん見せていただき、これはまた儲けもの。宝永さんは井上直久氏の教え子でいらっしゃるそうだ。先日見たレメディオス・バロにも共通する感じがある。
 やはり専門の方とお話しすると、自分がちいっともものを知らないことを痛感する。は、はずかしい<勉強不足が。

 一緒に連れていったおちびは『ウミヘビつり』がいっぺんで気に入って、家に帰っても「ウミヘビみたんだ!」と話していた。時間があれば隣の現代美術館も見たいところだが、なぜか今日は休館日だったので、帰るときにも後ろ髪を引かれなかったのはさいわい。

 読まなくてはいけない本は山積みなのだが、釧路のことを忘れないうちにまとめておこうと思い、現地で買った『釧路湿原』やガイドブック、地図などを読んだり、見たり。全体像をつかむのはなかなか難しく、地図ひとつとっても帯・たすき。湿原とはなんぞや、から復習したりする。ああ、もっと事前調査してもっと長く行きたい〜。

 幻想文学企画室で知った、今はやりのグリム本の盗用問題。
 
松本侑子のサイトはしばらく見ていなかったが、事細かに書いてある。彼女の『罪深い姫のおとぎ話』は出た当時読んでいる。最近話題の、桐生操の『本当は怖いグリム童話』が出たときには、手には取ってこれまたよく似たような本だな、と思ったが、その後馬鹿みたいにブームになったのでそれ関係は一冊も読んでいない。
 松本侑子のサイトを見る限り、反論の余地はないように思う。なんかあまりにもあからさまでひどいと言うより馬鹿みたい。

 集英社の広報誌『青春と読書 8月号』が「こわい小説で過ごす夏」特集、大森望氏(翻訳家・評論家)が「ホラー・ブームの秘密を探る」と言う一文を書いており、ホラーはいまいちの私だが一通り目を通す。「本格ホラーを背負って立つ中軸打者」として小野不由美、津原泰水、牧野修、倉阪鬼一郎、小林泰三の5人を挙げている。私は小林泰三しか読んでいなくて、倉阪氏は例の『活字狂想曲』の中盤を読みかけ、あとは名前と評判を知るのみ。うん、確かに小林泰三はいいぞ。

 「ホラー・ブーム」とやらでそれと銘打った作品の出版も多いし、ウェブ上でも言及が非常に多いので興味はすごくあるけれども、同誌に載っている短篇、田中啓文「邦夫のことを」を読んだらやっぱり気持ち悪さが先立って、こういうのはやだなあと思った次第である。
 こういうふうに、「ホラー」と言うジャンルにだって、私の先入観と同じじゅるじゅる気持ち悪本もあれば、それを裏切る非常に面白いものもあり、これは他のジャンル(SFとか、ファンタジーとかいろいろ)も同じはず。とりあえず自分なりの読書傾向を保ちつつ、必要以上の「ジャンル」先入観は持たないと言うことを再確認(当たり前)。

 おまけ、さらに同誌に「私の一番怖いもの」というアンケートページがあり、荒俣宏が一番怖い本のコメントで「禿げていく髪の毛も地獄の陰謀と知り」云々と言っているのについ氏の風貌を脳裏に浮かべ納得かつ同情してしまったり(逃)。


990717(土)
  購入本:なし

 お中元シーズンである。我が家は差し上げるのも頂くのもそれほど多い方ではないが、連れ合いは仕事上で食品関係の知り合いが多いので、普段から各地の名産品(生鮮ものが主)を頂くことも多い。
 山形のさくらんぼ、ラ・フランス(洋なし)、家での呼び名「みかんおじさん」からの珍しいみかん類(完熟袋かけみかん、早稲みかん、ちょっとかわった○○柑など)、各地の地酒、牛肉(!!)、リンゴ、などなど。傷みの早い種類の茎の赤い長ネギが箱いっぱい届いたときにはあわてて近所中配りまくったものである。

 お中元、お歳暮にも確実に流行があり、昔蜂蜜の一升瓶が3人から届いたときにはさすがに辟易したものだ。砂糖ばっかりの年、サラダオイルばっかりの年、最近はゼリーとかジュース類がとても多い。

 ことしもボチボチとさくらんぼなど頂き、喜んで食べたところ。ところが…。
 先週から今週にかけて、私たちの旅行や、子供たちの行事の都合、連れ合いの出張などで、冷蔵庫の食材の消費が極端に落ちている。食材のほとんどは、自宅に届く生協でまかなっているので、急に食事をしないことが重なっても、生協には事前に注文しているので、こちらの事情にはおかまいなしにどんどん届いてしまうのである。そんなわけで、冷蔵庫・冷凍庫は今、満杯・パンク状態。それなのに先週は釧路から(これは速攻で食べた)、を送ってしまったし、きのうも「漬け物」という表書きに、何だこれ、と思ったら自家製らしい漬け物がどどーんと保冷箱いっぱい届いてしまった。こんなにたくさんどうやって消費しろっちゅうねん。

 ごく近所にすむ一人暮らしの母から電話。「○○さんからハムソーセージが届いてるよ」うちの宛名で母のところに届くものも結構あるのだ。「入らないからしばらくとっといて」
 「お焼きも届いてるよ」先日生協のお中元カタログで自宅用に注文した、鬼無里のお焼き。良く、生鮮物や冷凍物が欲しいときは母のところに送って受け取ってもらっているのだ。「入らないから置いといて」
 「××さんからお酒も届いてるよ」 「腐らないからおいといて」
 後刻、また電話。「さっきと別な△△さんからまたハムソーセージですよ」「…おいといて」「うちの冷蔵庫にも入りませんよ」そう言われても、我が家のもびっちり満杯である。
 自分のことを棚に上げて「ええっ、どうして冷蔵庫一杯なの?そんなに買い込む必要ないじゃない。」しばらく前に母の冷蔵庫がいかれて、冷凍庫もそれなりに大きいのを買ってあげたんだけど、それも一杯とわ。あ、わすれてた、先週の鮭は母のところにあるんだっけ(反省)。でも結局「なんとか入りそう」と言うのでそのままお願いしてとりあえず忘れる。(よく反省するように)

 お願い、お中元、お歳暮さ〜ん、もう少し1年間にまんべんなく届いて下さ〜い!(殴)

 盆踊り会場であまりの暑さに生ビール一杯飲んだせいで、帰宅したらおちびと爆睡。また今日も本が読めなかった。
 焼きそばやさん(的確な人選!彼はうちでは焼きそば・チャーハン・餃子係)をした後打ち上げをしてきた連れ合いは2時半過ぎ帰宅。ご苦労さんでした!


990716(金)
  購入本:なし

 きょうあしたは自治会の盆踊りである。昨年までは9月はじめの氷川神社のお祭りに合わせて盆踊り大会を行っていたが、今年から普通の新のお盆に合わせて行われることになった。ここはひとつのマンションで1自治会だが、隣接する自治会3つでこの行事を行うのが慣例である。3つのうちの中心的な自治会にしか、お祭りのお神輿がないというのがその真相。

 今年はうちは回り番で担当するマンションの管理組合・自治会の役員に当たっている。私は6時過ぎまで帰ってこられないので役立たず、午前中連れ合いが会場のテントだのやぐらだのの設営を手伝う。食べ物やおもちゃのお店も自治会で出すので、結構大変そうだ。

 帰宅してすぐに行く心づもりだったが、宅配便の再配達を待たねばならないこと、上の子たちが誰も帰ってこないこととで出るに出られず、やっと7時半頃宅配便が来たのでおちびを連れて目当ての焼きそばその他を買いに。おちびはかき氷のブルーハワイを連呼している。かき氷は割合すぐに手に入ったが、焼きそば、フランクフルト、わたあめなどは大行列。久しぶりに雨が上がったのでみんなどっと押し掛けたか、去年に比べたら大変な人出である。

 本当は何と言う名なのか、ぺきっと折り曲げると蛍光色に光る25pほどのチューブを「ピカピカ」という名で売っているのを、腕輪や首輪にして身につけているので、公園中蛍光赤・緑・青が踊っている。去年はこれのイヤリング版を買いそびれたので今日は忘れずに買う。昨年は早々に売り切れたので今年はたくさん用意したようだ。おちびが自分のためには青いピカピカを、ママには赤いピカピカイヤリングを選ぶ。
 小さい子や女の子ばかりでなく、大きい男の子たちや売店のおじさん方がこの長さ4pくらいの光るイヤリングをなにげにぶら下げているのは、なかなかいい眺め。ねじり鉢巻きのちょっといなせなおじさんの片耳に揺れる蛍光色は、ちょっとワイルドでいいぞ。ゆかたをきたおば(あ)さんたちも、「私もつけるの」と買いに来る。

 地元の太鼓に続いて池袋の方から招いたらしい太鼓集団がひとしきり披露する。祭りの太鼓は大好き。血が騒いじゃう!子供の頃住んでいたあたりでは全くなかったので残念。あればやったのに!うちの子たちは自分でやる気は全然ないのでがっかりである。若い頃住んでいたあたりが根津神社の地元だが、その根津権現太鼓はかなりなもの。夏になるとガレージにぶら下げた古タイヤを叩いて練習する姿が印象的だった。

 もう上の子たちは盆踊りやお祭りにはそれほど興味を示さず、息子がちょろっと来てフランク1本持って帰ったきり。役員である連れ合いも午後から出張で不在、楽しみに出て行くのは母とおちびだけか。行列の末、焼きそばをようやく手に入れ帰宅し、昨日大量に残った餃子その他でいい加減な夕飯にする。暑!

 『図書館であそぼう』読了。ほんとに自治体は図書館行政を再考しないかな!


990715(木)
  購入本:なし

 夕食時、窓の外を振り返ったおちびが、「みてみて、きれい…」と指さすのは、やっと晴れた夕空にきらきら輝く一番星と、やや離れたところに夕日の色そのままを映している細い三日月である。こういう月を、弓張り月と言うのだろうか。

 いつもに増して読みかけの本が何冊もあって、そのうちのひとつが辻由美『図書館であそぼう』(講談社現代新書)だ。ほかの本を借りに行ったときに新着図書の棚にあったもの。借りたはよいが、読み切れずに期間延長するはめになってしまったが、これがなかなか面白い。著者は翻訳家・エッセイスト、と紹介にあって、パリで勉強した方のようだ。

 興味をいだいた事柄をこんな風に図書館で調べられる、と言う著者自身の例から始まり、パリと日本の公共図書館の比較、利用者と司書双方から見たレファレンス・サービス、図書館のネットワーク、など、たくさんの実例を挙げて楽しくレポートしてある。
 昼休みに読みつつ付箋を着け始めたら、たてがみのように付箋だらけになってしまった(たてがみ=鬣>『風の名前』で久しぶりにお目にかかった字。書けませんけど)。

 レファレンス・サービスは大きく二つに区分けされ、そのうち圧倒的に多いものは、「資料の所蔵・所在や書誌事項に関する」もの、もうひとつは、「ある分野についてどんな文献があるか、または、ある事実を教えてほしい」という、より多くの時間と労力を必要とし、司書の経験と手腕が生かされるべきもの。わたし(たち)が普段利用するのも、もっぱら前者で、本文中の例のような思いもよらない質問などしたこともない。これを読むと、本当に図書館て実に楽しくエキサイティングな場所であると思えてくる。

 仮に後者のような質問を近所の公共図書館(区立)でしたとしよう。ここに書かれているような対応が職員から得られるだろうか。
 少なくともうちの区では職員のうち司書の資格を持つ人はほんの一握りらしく、そのせいか普段の対応からはとてもそのようなことは期待しがたい。予算上の都合からか、司書=図書館業務に対する認識の貧困さからか(私も貧困だけど)、職員の配置がこういう実状なので多くは期待できそうもない。かといって、自治体の認識不足を責めても始まらないことも事実だ。

 ということは、やはり現状は現状として、何とかと鋏ではないが、利用者であるこちらが「使いよう」を学び工夫することしかないだろう。文句ばかり言っていないで利用者の側からも働きかけて、前者のたぐいのレファレンス・サービスばかりではないものを作っていくことが少しずつ出来るかもしれない(かな?)。それにしても、図書館職員(特に司書ではない人)はこれ、読んだのかな?彼らにこそお勧めしたいです。ホント。

 最近もっぱらお世話になっているネットでの検索にもかなりお役立ち。あともう少しで読了。


 990714(水)
  購入本:なし

 週末から旅行に持っていって読んでいた妹尾ゆふ子『風の名前』読了。
 イラストも綺麗だし、この「ファンタジーの森」シリーズはちょっといいかも。この作者のものは『風の名前』が初めてだが、有里さんのところで良く取り上げられており、私も本棚に何冊か待機させてあるのだ。
 長く書けば書けるかも知れない題材をちょうど1冊分にきれいに収めて、やたらに膨らませていないのがとても好ましい。と言いつつ引き合いに出すのがいきなり「イルスの竪琴」シリーズなのでスミマセン。あれも長い割には常に緊張があって、「膨らました」長編という感じではない。なぜとはなく、作品の世界の肌触り、空気に、イルスを思い起こさせるものがあった。妹尾さんも、はまったクチか?

 釧路湿原探訪、ちょっとづつ書いているが、昨日頑張りすぎて今日はおちびと寝てしまい、夜中に起きて今は3時半過ぎ。うー、ちょっとまずいかも。


 990713(火)
  購入本: シュニッツラー   『夢奇譚』   文春文庫
    SFマガジン500号日本SF編   早川書房
    ホラーを書く インタビュー:東雅夫    ビレッジセンター

 10日(土)朝から12日(月)夕まで留守にしていた。10日は大津へ出張、そのあと釧路へ、釧路湿原を見に!ちょっとすごい強行軍かも。
 連れ合いのヒコーキのマイレージがたまったので、どこかへ行こうかという話になり、それなら沖縄か北海道!暑いのと涼しいのなら涼しいの、海と山なら山が好き、と言うわけで、前から行ってみたかった釧路湿原に行くことが急に実現したのである。わーい、わーい!

10日:朝6時家を出て新幹線で京都、ついで大津へ。昼までに仕事を済ませて京都へとんぼ返り、関空へ向かう。2時過ぎの便で釧路空港へ。ホテルへ着いて何だ、かんだとしているうちに6時、おおっ、今日はSWの封切りだ!と、夕食を食べに外へ出たついでにまず映画館を探す。連れ合いが見たい「ハムナプトラ」と、私の見たいSW、両方いっぺんにやっている映画館あり。と言うか映画館はそこだけ。時間を見て、あわてて食事。ほとんど走って映画館に戻り、2本立て続けに見て目がシバシバしてしまった…。ホテルに戻ると1時近い。眠。

11日:ちょっと蟹・鮭方面を見てからレンタカーで湿原方面へ走る。昨夕仕入れた参考文献を頼りに、なるべく湿原らしいところを辿る。暑い!丹頂鶴、エゾシカなど発見。湿原は広いぞ!午後遅く屈斜路湖へ。何とか宿を取り、観光地・摩周湖を見る。SWって、どこの世界?

12日:初日に予約した釧路川源流カヌー下り。アオサギ、ウグイ、エゾシカの子、マガモ、などを川岸に見る。誰もいなくてウソのようだ!湿原の反対側を戻って、空港へ。はあ〜、短い時間の割には天気も上々でなかなかだった!

 という概略だが、珍道中は別ページにする予定。
 ★スター・ウォーズと釧路湿原探訪★ 今しばらく待たれよ!

 でもって、今日はすでにして週末状態(終末状態ではない、念のため。但し余り差はないという説あり)。仕事の落ち穂拾い、など。

 東京は大雨である。梅雨は一体いつ明けるのだろうか!家の中はしとしとしており、たまらずエアコンのドライをかける。すると足が冷え冷えとしてくる。ううっ、東京は嫌いだ(釧路湿原病)。北海道では日差しは相当強いが、日陰にはいるとその風のひやっと冷たいこと。暑がりの私にはまったく天国状態である。ああ、北海道はいいなあ!とりあえず冬のことは考えない。


990708(木) 
  購入本:なし

 連れ合いが今週台湾に行って来たが、スター・ウォーズをあちらでは「星際大戦」と言うのだそうだ。ちょっと幻魔大戦的かも。
 「学際的」という言葉もずいぶん耳なじみのある言葉になっては来たがまだちょっとぎくしゃくした語感、この「際」と「星際大戦」の「際」は、確かに同じと思える。

 以前、晶文社の挟み込み葉書を出してから、「出版ダイジェスト」の特集版(隔月)を送ってくるようになった。三社連合版とあって、最近は晶文社、農文協、ミネルヴァ書房がその三社である。以前は、みすず書房が入っていたりしたが、ここのは別個に届くようになった。
 晶文社は好きな出版社で、新刊情報がいち早く届くのはうれしい。さっそく面白そうな本が目につき、中でもシェイマス・ディーン『闇の中で』が読みたいと思う。

 一面記事は「オンライン書店はどこまで進化したか」で、本の検索が非常に楽になったことが挙げられている。同時に、検索した本が入手可能かどうかわかりにくいという指摘は、日頃感じているとおりである。さらに、オンラインで注文しても発注から入手までの仕組みが既存の書店と基本的に変わっていないという点も、指摘の通りである。

 これらの点を改善すべく、データベースの整備と注文された本をすぐに出庫できる流通倉庫の建設を目指して、複数の出版社が動き出しているというのがこの記事の眼目である。東京に住んでいるため特に新刊ならオンライン販売に頼ることも今のところはないが、少なくとも検索の便がぐっと良くなるのなら朗報である。まあ、時間はだいぶかかるのだろうけれど。晶文社自体もホームページを作ってくれると良いのだが。

 小林泰三『肉食屋敷』読み終えたが(うーん、やっぱり題名が…)、収録作はどれも完成度がたかく、いわゆるホラーを特には好まない私もはまりかけ。ほかの日本のホラー作品て、こんなに面白いのかしら?

★明日あたりから週明けまで更新が滞る予定です。シンカンセンとか、ヒコーキとか関係。


990707(水) 七夕
  購入本: アルトゥール・シュニッツラー   『夢がたり』   ハヤカワ文庫NV

 目覚ましで起きてカーテンを開けると、まぶしい朝であった!その割に天気予報の、今日は暑くなる、と言う部分しか耳に残らず、どのくらい上天気になるのか半信半疑のまま出勤。昼休みも、日差しが思いっきりまぶしい割に風が涼しく、汗もかかない。と言ってもサングラスと日傘のおかげ。

 本当に雲一つない天気のまま、夕方になった。あまりにさわやかな風を存分に味わいたくて、自転車を走らせるのもゆっくりになる。おちびを保育園から引き取って、普段ならせかせか、超特急で帰るのだが、きょうはちょっと回り道して川沿いの遊歩道をうんと遠回りしてゆっくりゆっくり帰る。草の匂いとくちなしの匂い、川の匂いの混じり合う中をのんびり自転車をこいで行くのは、本当にいい気持ち。ほんの10分ほどの遠回りだが、帰るのがもったいないくらいの素敵な夕方だ。「ご飯を食べたらお星様を見に行こうね」と言いつつ帰宅。

 うーん、9時頃向かいの公園のなかのグラウンドに行ってみるが、やはり薄い鱗雲が現れて、星はほんの数個しか見えない。グラウンドの周りの街灯が、意外に明るいせいもある。首をうんとそらせて空を見上げていると、目が慣れてきて、夏の大三角が見えるようになった。
 本当ならあそこに天の川が流れていて、白鳥が羽根を広げているはず。天の川が地平に沈むあたりには、私の星座・射手座が見えるはず。本当の空を見ながら、頭の中の星空をかさねて見ているのは実に空しい。
 けれども、こういう大きい視界で夜空を見上げて改めて驚くのは、その広さ、大きさである。ベガとアルタイルの見かけの距離なんて、もっと小さいような気がしていたが、あんなに離れていたんだっけ。遠い、遠い星々。こういう光景を見ていると、センス・オブ・ワンダーという言葉が浮かんでくる。SFが何であれ、読み手は自らのセンス・オブ・ワンダーに応えるものを求めてはあれこれ読んでいるはず。星空を眺めているときの胸の震え、それが私のセンス・オブ・ワンダー。(胸が震えない人はどうでもいいです)

 小林泰三『肉食屋敷』を読み始めたが、この人のはいつも落ちの付け方がいいかも。


990706(火)
  購入本:なし

 先日、なかなか店頭で見かけない角川書店の広報誌『本の旅人』を4月号から7月号まで入手した。これには大島弓子の連載「グーグーだって猫である」(もちろんマンガ)があって、しばらく前の号で彼女がガンで入院・手術し、復帰したと言うことを知った。それ以来目にすることがなかったので、どうしているかなあ、と思っていたのだが、う〜ん、なかなか…。その後の抗ガン剤による治療の日々を描いているのだが、これはつらい。ご回復を祈るのみ。

 神林長平『言壺』読了した。日本SF大賞の受賞作だが、何でこれがとってあれがとらないんだ、というような議論もあるのだとか。確かにメタな話だからそういう文句もありかとは思うが、もう今や何を読んでもファンタジーかSFか、という感じだから、別にどうでもいい気がする。で、最後(から2番目)に、私/ワーカムが文字通り壊れちゃうところは、もろHAL。

 職場の前の上司の奥様が、先日くも膜下出血で倒れ、幸い手術は成功したのだが、その後どうやら院内感染のため予後が良くないらしい。あれも駄目これも駄目でやっとバンコマイシンが効き退院オッケー、と言われた矢先、再度発熱してしまったとのことだ。万策尽きたのではないと良いのだが、これも祈るのみ。まだ六十そこそこのはずなのに。

 それにしても、最近どうも比較的若い人のくも膜下出血が多いような気がする。最近の脳死臓器移植もそうだったと記憶する。
 かなり若い場合は、家族的背景によることも多いらしい(親族に若いうちにくも膜下出血の人が何人かいる、とか)が、ストレスや、特に寝不足が危険な要因でもあるようだ。私の職場で数年前にやはり五十台で急に倒れて一年ほど植物状態を過ごしたままなくなった方があったが、この方も寝不足状態が続いていたらしい。

 この病気はしばしば前触れがあるらしく、激しい頭痛や肩こりがそれであることが多いという。
 
経験したことがない頭痛に見舞われたら、周りにいる人にその旨伝えてすぐ病院へ!人がいないときには119番か知り合いに電話!
 倒れる前に治療を受けると明らかに予後が違うそうだ。もっともそのあと院内感染ではたまったものではないが…。
 倉阪鬼一郎『活字狂想曲』でも心臓マヒかなんかでやたらに若い人が倒れちゃうし、くれぐれも寝不足には気を付けましょう。


990705(月)
  購入本: 江藤 淳   『荷風散策』   新潮文庫
    森まゆみ   『東京明治畸人傳』   新潮文庫
    母の友 8月号   福音館書店
    こどものとも 年中版 8月号   福音館書店
    スターログ       竹書房

 うって変わって、肌寒ささえ感じる朝。保育園では7月からプールが始まった。部屋には、毎朝測ってきた体温を書き込み、さらにプールに入って良いかどうかの○印を付けるという表がある。たとえどんなに暑い日でどんなに元気が有り余っていても、ここに記入がないと(特に○がないと)、プールに入れてもらえないという、恐ろしい表なのである。
 きょうは出がけに測ったら36.3℃でオッケー。でもこんな天気だからプールはありそうにないナーと思いつつ、行ってきまーす、と手を振る。
 さて職場で11時半、突然「忘れたー!」この表に記入するのを忘れちゃった!電話をするにももう遅い時間である。夕方迎えに行っておそるおそる聞くと「うん、プールなかった、寒かったからー」…あ〜よかった。

 『言壺』を読む。物書きはワープロのSF的進化型ワーカム(The Word Crafting Aid Machine)で作品を書き、それらは本として出版されることはごく少なく、かわりに電子テキストとして読み手に配信されるようになっている。しかしワーカムで文を書くと、実は自分の思ったような文章を書くことが出来ないようなのだ…。と言う枠組みで進められる9つのストーリーである。いまは3つめの「被援文(ひえんぶん)」。
 知性のようなものと意志のようなものを持っているらしい機械と人間の関係、と言えば、つい読み終わったばかりの『雪風』とイコールである。神林長平を読むのはこれが3冊目だが、多かれ少なかれこういうテーマを持っているのだろうか?なにせたくさんたくさん書いている人なのでそうすぐには概観すら出来ないが、今読んでいるこの本は、先頃読んだ小林泰三『酔歩する男』で感じた眩暈と似た感覚をいだかされるような作品だ。


990704(日)
  購入本: なし

 夜中3時近くまで起きていたうえ、5時過ぎ台湾出張に出かける連れ合いを見送るのに起きたので、本格的に起きたらすでに10時近い。お、晴れだ!頑張って洗濯する、もとい、洗濯機に頑張ってもらう。しかしこういう日にはかえって洗濯物が少ないのはなぜ?おまけにきのう布団乾燥機もかけちゃったしなァ。

 自分の自転車で「おさんぽに行きたァい!」と連呼するおちびを連れ、近所の商店街へ。先日おちびは買ったばかりの帽子をなくしてしまったので、それを買いがてらである。
 思いがけぬ梅雨の晴れ間は、なにげに暑い。サングラスはかけてきたが、ふらふら自転車乗りの見張り役では日傘と言うわけにはいかず、強い日差しに頭が痛い。おちびは補助輪なしで自転車に乗れると言っても、坂道&歩道はちょっと手強いぞ。

 さて、汗かきの彼は、頭から水を浴びたようにびちょびちょである。
 ドラッグストアでは店員のお兄さんに「すごい汗!あせもができちゃうねぇ」と声をかけられるし、そのあと寄った図書館でカウンターに並んでいると、おちびの汗まみれの頭を見た若いおじさんが、手でぱたぱたと扇いでくれる有様。これでもしょっちゅうタオルでぐりぐりと拭いてやっているのだが、おっつかないのである。
 おちびの髪は長さ2〜3pくらいのショートカットにしているのだが、マルコメにしたほうがいいかも。私もヤセの割に汗かきであるが、連れ合いもすんごい汗っかきで、ぽたぽた滴るほど。息子ふたりはみごと父親からこれを受け継いでしまったというわけである。桃の葉ローションが欠かせない、夏。スイカバー・アイスなんか買って帰る。

 神林長平『言壺』突入。

 先日住み始めたイバラードから、昨日、公式の住民票が届いた。
 私の本名、ニックネーム、メイルアドレス、サイトのURL、イバラードでの住所などとともに、イバラードの公式の住人である旨の記載と井上直久さんの直筆サイン。うれしさがしみじみである。

 先刻、21時半頃、向かいの公園の方から、突風に吹かれる木々のざわめきか、と思われるどどうっといういつにない底深い音が聞こえる。「風?雨かな?」と声をかけると、息子が外を見てしばし立ちつくしている。「大雨?」ときくと、路面を窺いながら「雨。と言うか、そんなに降ってない。」でも音がすごいので私も立っていく。
 確かに、予想に反して乾いた路面には、やっとぼつぼつと大きい雨滴の跡がつき始めたところ、しかし目の前の木立の、さらに向こうの方が白くけぶって光っている。と思う間に、その白い壁がざあっと押し寄せてきて、いきなり「バケツをひっくり返したような」雨が降り出した。うわあ、と声をあげていると、波が退くように雨は弱まり、そしてまたふたたびさっきより激しい煙幕のような雨がたたきつける。さっきまで見えていた遠方の高層ビルが、嘘のようにかき消えている。街灯に照らされて雨が水ガラスのようだ。引き込まれるような迫力、このままダアッと飛び出して行きたい衝動に駆られる。


990703(土)
  購入本: なし

 ●何故か急に突然いきなり、プレステを買った
 過去ン年間、子供たちに買え買えといわれても、「うちはTVゲームは買わない」で通してきたので、発作が起きたとしか言えないのだが。スターウォーズの何たら言うゲームとかひとつふたつ中古ソフトを息子が選んだ。
 ちょうど始めたところに期末テスト初日の娘が帰宅。「あれ、プレステ買ったんだ」と言うなり「寝る」。
 きのう馬鹿みたいに、いったん寝てから夜中に起きて2時3時まで勉強するというのを初めてやったので、頭がボーっとしているらしい。息子がその様子を見て、「プレステ見たら絶対騒ぐと思ったのに、一言だけで消えちゃったよ。どうしたのかな?」弟の行動予測を裏切ったてそのまま夕食も食べずに寝ていたはずの娘、真夜中にこっそり、半分寝ながら長電話しているのであった。アッホー。

 ●『グッドラック 戦闘妖精・雪風』読了。前巻を受けて始まったこの続編だが、命を持ったかのような雪風とコンピュータ群、深井零と特殊戦、未だ正体不明のジャムとのいわば三角関係が、少しずつ少しずつ語られて行く。
 ずっと以前職場にナウシカ病をはやらせたことがある。突然ナウシカにはまった私が、その頃出ていたナウシカのバックナンバーや、そのころまだ連載中のアニメージュを職場で「よめ!」と言って洗脳しちゃったのだ。その時、誰もが1冊読み終わるたびに「いったいこれからどうなっちゃうんだろう…!?」とたまらない顔をして嘆息しつつ言うのであったが、『雪風』も同じ。最初の文庫が出たのが1984年、次に続編となるべき『グッドラック』に収められた最初の短篇がSFMに載ったのが1992年。ファンのひとはこの8年、首を長くして待っていたのだろう。最後の短篇は今年の2月にSFMに掲載されているからさらに足かけ8年かかっているわけだ。
 お願い、どうか長いこと待たせないで下さい!早く続きが読みたいよう。

 ●倉阪鬼一郎『活字狂想曲』を読み始めた。ほとんど変人(奇人か)の範疇であるかのような、校正者としての著者のつれづれが描かれているが、まったく違和感を覚えないのは私も同じくほとんど変人。山本夏彦にあちこちで触れているのがまた嬉しい。

 山本夏彦と言えば、何で出会ったのか忘れたが、まとめてどさっと文庫を入手したのが1年半から2年程前なのであるが(内容的にかなりだぶるせいもあり半分くらい未読のまま)、昨年4月頃の、なにかの連載何回記念だったかのお祝い会に、読者が参加できるというので、当たらないだろうと思いつつも応募したことがある。そのときは世話役の方の個人的事情で会が流れてしまったのだが、後日、夏彦翁おんみずから(と思われるくねくね文字の)葉書が来て、次にやるときには必ず招待しますから悪しからず、と言う文面が書かれていた。
 以来それきりになって私もすっかり忘れていたのが、最近新潮社から封筒が舞い込み、それは雑誌『新潮』の夏彦翁の連載1000回記念の集まりがあるという通知なのであった。うーん、一体これはどういう顔ぶれが集まるのであろうか。山本夏彦の実物を見られるのはよいが、ひとり一言言わされると言うこともあり、集まりが苦手な私は、ちょっと臆しているところである。でもとりあえず参加の返事は出してしまったのだけれど…。


990702(金)
  購入本: 鯨 統一郎   『隕石誘拐』   カッパノベルス
    E・R・バローズ   『火星のプリンセス』   創元SF文庫
    P・K・ディック   『マイノリティ・リポート』   ハヤカワ文庫SF
    野口悠紀雄   『「超」整理法3』   中公新書
  図書館本: 神林長平   『狐と踊れ』   ハヤカワ文庫NV

今日のラズベリー:3個

 ようやく一週間のおつとめもおわり、どっとくたびれて帰宅。家の中には、ようやく乾いた昨日までの洗濯物が文字通り小山になっている。今日は何とか降らずに済んだので、ベランダにも一山分ぶら下がっている。食後息子を動員して山の切り崩し(さらに疲)。

 図書館から連絡のあったリクエスト本『狐と踊れ』を借りて帰る。、家についてさっそく目次を見ようと開いたら、扉ページがピラッとはずれ、そこから12ページまでがない。無線とじのため、そっくり抜け落ちてしまっていたのだ。さっそく図書館に電話し、状況を伝えて、リクエストを復活しておいてもらう。この本は区内からの取り寄せだったが、他には区内にはないとのこと。他に借りた本がたまっているから、もう少し後でもオッケーです。

 『火星のプリンセス』合本版は、あまりの厚さと1700円という値段に、どうしようかなーと迷っていたが、きょう本屋に行ってみると平台に最後の一冊がそれでもどどーんとあるのみだったので、しょうがないなぁ、と連れ帰る。単純に3で割ると600円弱か。1冊ずつに分けると割高になるのだろうか?むかしのSFは一般に、余り厚くない、手に収まるサイズであるところがよかったのだが、この頃のはどれもやたらに厚いからなあ。

 #掲示板で「あなたにとってファンタジーって?」とお訊ねしてみたら、それぞれ濃いお返事を頂いた。
 なんだか唐突だけれど、あちこちでファンタジー、ファンタジーという言葉が目につくが、「ファンタジー」という言葉の表す中味の共通認識(と思っているもの)は、本当に共通認識なのかなあと思っていたからだ。
 まだ途中のまま放ってあるが小谷真理『ファンタジーの冒険』を読んだときにも、へええ、今はファンタジーってこういうのを指すんだー、と認識を新たにし(なければ行けないと思っ)たのであった。私はもっぱら翻訳もの中心だから、この本に上がっているようなものはテリトリー外のものが多い。ちょっと認識のし直しをしなくてはなあと思っていたりしたのである。
 でも実際に読むとなると、やはり好みのものに先に手が出るし、なかなか読書の範囲を広げると言うことは難しいことである。


990701(木)
  購入本: なし

今日のラズベリー:6個

 ラズベリーもそろそろ終わりに近づいてきた。まだ実になるべきものは残っているのだが、その大半がそのまま枯れてしまいそう。やはりしかるべき時に晴れないとだめのようだ。
 今朝は珍しく6個も採れて、ジャジャッと水で洗って2個ほど口に放り込む。良く熟しておいしい!
 その後連れ合いが「さっき○○(息子)がいいもの見つけたんだよ」とラズベリーを指す。「見たらここに小さい尺取り虫が歩いてたんだってさ」 げげっ、見ぬもの清し、知らぬが仏、または、後の祭りとも言う。

 何故か気候の良くない6月だというのに、演奏会が続いていて、きょうはリコーダーのアムステルダム・ルッキ・スターダスト・クワルテットである。生で聴いたのは初めて。ほとんど満席で、やはりリコーダー人口はけっこう多いのだろうなあと思わせた。
 かの有名なフランス・ブリュッヘンの甥と言うのが(たぶん)リーダーで、かなり強引な感じといえなくもないリードを取っていたが、皆さん実に達者!なんでも40本に達する楽器をとっかえひっかえ演奏していた。
 なかでもある現代曲を演奏するとき、まるで機関銃か、道路工事の穴開け機械か、というような大中小のふしぎなあやしいリコーダー(なのだろうか)を演奏したのにはびっくり。あれは一体なんだろう、プログラムにも一言も解説はなかったので、いまだに謎。

 まだ『グッドラック』読んでいる。一種の心理描写的色合いが強いので、速くは読めないし、昨日は爆睡してしまったし…(言い訳)。


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最終更新日 01/01/07 22:04:05
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