第10日(5月2日 月):ディアボーンからデイトンへ
	晴れ

	早起きして朝7時くらいにチェックアウト。フロントのコーヒーを
	持って車に乗る。フロントガラスは凍り付いている。
	暖房を入れて出発する。
	昨日のどんよりした天気が嘘のように晴れ、空気は冷たいが、日差しが強い。
	今日はデイトン目指して300kmを一直線に南下する。

                        |  ←  ○宿  US-12 Michigan Ave.
		--------+----------------------------- To: Detroit
			|↓                                 Downtown
                        |↓ US-24
                        |↓ Telegraph Rd.
                        |
                        |\  /
                          \/
			   |
                           |↓ I-75
                           ○ Toledo
                           |↓
                           |↓
                           ○ Wapakoneta
                           |↓
                           |↓
                           |↓
  To:Indianapolis          |↓            To:Columbus
        -------------------+--------------------------
                           ○ Dayton    I-70


	ディアボーンからI-75にのるまでは流れてはいるものの、3車線の道に
	びっしり車がいて、朝のラッシュアワーのようだった。
	ところが、I-75にのるとガラガラ。片側3車線の道なのに、並行して走る車は
	いない。前方に数台、バックミラーに数台という程度。
	一直線に隊列をなして走っている。

	車窓の風景は、「大草原の小さな家」の世界。畑や牧場や林が丘陵の上に
	広がり、それが地平線まで続いている。
	車窓の右半分に1軒、左半分に1軒という程度に、ポツンポツンと家が
	建っている。私はいい気分になって、運転したまま写真を撮りまくる。
	ほぼ直線の3車線で、車が少ないから、ハンドルから手を離してもさほど
	恐くない。
	
	フリーウェイの出口の看板には、lodge, food, gasの有無が書かれている。
	ここで降りれば、宿泊できる、食事ができる、給油できる、という印で、
	店のリストが書いてある。
	例えば、こんな感じ。
        +---------------------------------------+
        |           Exit: 39                    |
        |                                       |
        | logde          food         gas       |
        | ------------  --------     ---------  |
        | Holiday Inn    denies       Texaco    |
	| Days Inn       mac donald   Esso      |
        |                                       |
        +---------------------------------------+

	小さな出口では、gasだけとか、gas+foodの場合が多い。
	そして、次の出口まで50mileという場合もある。とにかくダダッピロイ。

	2時間ほど走った所で、rest areaに入って休憩する。
	日本の高速道路のSAとかPAに相当するものだが、駐車場の他にはトイレと
	自動販売機がある程度。そもそも駐車している車が数えるほどしか
	停まっていない。

	10時半、rest areaを出て10分ほどでWapakonetaに到着し、
	exitを降りる。
	ここで降りた理由は、アポロ11号の船長 ニール・アームストロング氏の
	名を冠した航空宇宙博物館があるとメールで教えて貰ったからである。

	exitからダウンタウンまでは2km程で、清潔な田舎町に到着した。
	ガソリンを入れて、博物館の場所を聞くと、
	「この道をまっすぐ行って左。すぐだ。」と言う。
	ところが、まっすぐ行ったらダウンタウンを抜けてしまう。
	ダウンタウンを一回りしてその度に道を聞くが、どうしてもたどり着けない。

	何回かダウンタウンを周り、いい加減諦めてデイトンに出発しようかなと
	思ったころ、おばあさんに道を聞いてみた。
	「博物館はどこですか?」
	「この道を2 Right進んで、leftに行ったら、leftに見える。」
	「?? この道を2 block進んで、Rightに行って、leftに行ったら、
	leftに見えるんですか?」
	「いえ、この道を2 Light(信号)進んで、leftに曲がると、leftsideに
	大きな建物が見える。」
	私の頭の中では、RightとLightの区別がつかずに、大混乱している。

	とりあえず、お礼を言って言われた通りに行ってみるとダウンタウンを
	抜けてしまい、I-75の看板まで見えてくる。
	そうすると、I-75の手前に、銀色のプラネタリウム状のドームを載せた建物が
	見えた。看板は無かったようだが、これが、目指す博物館であった。
	結局、Wapakonetaの町を小1時間ウロツイタ上で、やっと到着した。

	どうやらexitを一つ早めに降りてしまったのが混乱の原因らしかった。
	実は、博物館はWapakonetaの2つ目のexitに隣接していたのである。

	苦労して到着した割には、こぢんまりした博物館で、あまり見所がなかった。
	近所の小学生が課外授業で博物館に来ていたが、子供たちは展示物よりも
	黄色い肌を持つ私の方に興味があるらしく、不思議そうにこちらを見ていた。

	+-------------------------------------------------------------+
	ニール・アームストロング航空宇宙博物館
	入場料: $4.00
	時間:   9:30-17:00 (日:12:00-17:00)
	・展示物(ジェミニ、宇宙服、飛行機数台)
	・シアター(アポロの訓練、月着陸)
	・プラネタリウム
	+-------------------------------------------------------------+

	この博物館では、郷土の英雄を扱った、月着陸当時の新聞が一番面白かった。
	しかし、残念ながら、わざわざ足を運ぶほどの博物館ではなかった。
	お土産だけ買って、30分ほどで出発する。
	デイトンまでは、あと100kmである。

	途中、適当な所(たぶんSidney)でExitを降りて昼ご飯を食べ、
	I-75からI-70に乗り換える。
	そして、看板通りにExit 61でI-70に乗り換え、US Air Force Museumに
	進んだはずだった。しばらくすると、"USAF Museum Exit 41A"という看板が
	現れたが、Exit41の次は、Exit44-Aなのであった。

	       To: Detroit
      Dayton○  | I-75
        Airport | →   Ex.41A    Ex.44A   I-70
        --------+------+---------+----------------
           Ex.61|----\ |Route4   |
                |     X
                |Down/ \  ○AF Museum
                | town  \  □Wright Patterson空軍基地
                |        \

                Dayton, Ohio

	私はExit44-Aを降りて、そのまま戻れば良かったものを、
	当てずっぽうにライト・パターソン空軍基地の方向に行ってしまったため、
	完全に道に迷ってしまう。
	Wright Univ.とかWright Memorialとか、Air Forceの看板を何回も見て、
	空軍基地の周りを30分ばかりうろうろしてから、やっと博物館を発見する。
	博物館は、広大な敷地の中にカマボコ型の格納庫が2つ、その近くに
	爆撃機やらミサイルやら戦闘機やらが点々と置いてあるのが見える。
	ライト・パターソン空軍基地の敷地内らしいが、見渡す限りの芝生で、
	基地を感じさせるのは何も見えない。
	ゲートを入っていくと、遠くから見えた二つのカマボコの大きいこと。

	取り敢えず駐車場に車を留めて、入口近くにあったインフォメーションで
	やっとデイトンの地図を入手し、今日泊まるホテルの場所と、空港の場所を
	教えて貰ってから、博物館に入る。
	博物館の中は、清潔で新しく、とても軍事博物館とは思えない。
	まず、IMAXシアターで"To Fly"を見る。

	次に、屋内展示を見てまわる。
	いやぁ、広いのなんの。昔、羽田の全日空整備場を見学したことがあるが、
	その時の格納庫2つ分以上はありそうだった。
	なにしろ、バカデカイB-52爆撃機も余裕を持って屋内に展示されている。

	初期の飛行の区画では、ライト・フライヤーの改良型とか、風胴、
	飛行船などが展示されている。
	世界大戦で活躍した飛行機や、戦争の記録もパネルで紹介されている。
	真珠湾のコーナーなど、日本との交戦記録もかなり展示されている。

	近代の飛行機の区画は、戦闘機と爆撃機、輸送機などが雑多に置いてある。
	輸送機の一つは、コクピットの下が左右に開くようになっていて、
	中に乗れるようになっている。戦車も載せられるようだった。

	B-52戦略爆撃機も置いてある。胴体下部の蓋が開いていて、その下には
	水爆と熱核兵器と書いた爆弾まで展示されていて、ゾッとする。
	B-52に並んでF-117ステルス爆撃機も展示されている。とても
	飛行機とは思えないカッコ悪さであった。

	SR-71偵察機や、X-1, X-15などのロケット飛行機, XB-70バルキリー等の
	高速飛行機も展示されている。

	+-------------------------------------------------------------+
	アメリカ空軍博物館
	入場料: 無料
	時間:   9:00-17:00
	・屋内展示(4つの区画がある)
          The Early Years Gallery: Wright Flyer 1909など
          The Modern Flight Hanger: B-18, B-58, B-47, B-52, XB-70, SR-71,
                        C-46, C-47, C-124, F-4, F-104, F-117など
          The Air Power Gallery: B-17, B-24, B-29, B-36
          The Space Gallery: Gemini, 
	・屋外展示
	・シアター(IMAX 2番組 $5.00)
	  Blue PlanetとTo Flyの2番組を上映。
	+-------------------------------------------------------------+

	爆撃機のコーナーには、これまた戦争の記録パネルと展示品(
	旧日本軍の軍刀などもある)が展示されている。
	また、NAGASAKIとマークしてあるB-29などが展示されている。
	見ているうちに、段々複雑な気分になってくる。

	他には、B-36(?)というでっかい爆撃機や、mig-15,F86などもある。
	
	宇宙の展示は、10メートル程の廊下の両側に少しだけで、オマケの扱い。
	"Right Stuff"をもつ空軍飛行士と高揚力飛翔体、ジェミニ、アポロの展示
	があるだけだった。

	最後に、屋外展示を見て回る。
	B-10, F-16, F-15, B-1
	ホークアイ、その他名前も知らない爆撃機など。

	私は中学生のころは戦闘機が大好きだったから、おー、すごいすごい、
	と一応感激する。でも、実戦に参加した飛行機が並んでいるせいか、
	どうも雰囲気が重苦しい。
	しかし、飛行機好きにはお勧めである。
	私はこの博物館の存在を知らなくて、メールで教えて貰ったのだが、
	紹介して貰った通り、スミソニアン博物館の3倍くらいの飛行機を
	見ることができる。
	わざわざ立ち寄っても絶対に損は無い。

	空軍博物館を後にして、デイトンのダウンタウンに入る。
	教えて貰った通りに進むと、すんなりとホテルに着いた。
	デイトンは、小さな町だが、ダウンタウンには高層ビルが並び、
	教会もやたら沢山ある。ここがライト兄弟の故郷である。
	長距離ドライブで疲れたため、洗濯を終えると夕食も取らずに寝てしまった。
  1. 全日程
  2. 第1日:私はアメリカに旅立つ
  3. 第2日:ジョンソン宇宙センター
  4. 第3日:ヒューストンからワシントンD.C.へ
  5. 第4日:スミソニアン航空宇宙博物館
  6. 第5日:ゴダード宇宙センターと再びスミソニアン
  7. 第6日:ワシントンDCからハンツビルへ
  8. 第7日:マーシャル宇宙飛行センターとアラバマ宇宙ロケットセンター
  9. 第8日:ハンツビルからデトロイトへ
  10. 第9日:ヘンリーフォード博物館とグリーンフィールドビレッジ
  11. 第10日:ディアボーンからデイトンへ
  12. 第11日:デイトンからオーランドへ
  13. 第12日:ケネディー宇宙センター
  14. 第13日:スペースキャンプとケネディー宇宙センター:ニューヨークへ
  15. 第14日:マンハッタン
  16. 第15日:ニューヨークから日本へ