ニムの木かげの家日時計 2001. 9月

 
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2001.0901(土)  
購入本
Edwatd Eager/"Half Magic"/Oxford
  〃  /"Magic by the Lake"/  〃
梨木香歩/『西の魔女が死んだ』/楡出版

 Bunkamuraギャラリーへ、次男とイバラード展を見に行く(>画廊のフクオカさんのレポート)。娘や長男たちは遊んでくれない。次男はイバラードの市電がお気に入りである。陶の家に美しい明かりが入って夢のようだ。6時からはイバラードの風物に囲まれて、イバラーダーの集うミニコンサートである。どうしてこの世界に惹かれるのか、懐かしさ、心地よさ、そして毎回はっとする新しい風物に出会いながらうっとり会場をさまよう。それにしても渋谷駅から会場までの道のりの疲れること。人波と押し寄せる大音響、そのほんの数分の行き帰りだけですっかり消耗してしまう。

 楡出版『西の魔女が死んだ』は、以前EasySeekに登録しておいたら、先日「Yahooオークションに出品するがどうか」という連絡があった。とりあえず最低価格をつけて置いたが、そのままチェックし損なっていたためあきらめていたら、落札の通知が来たのであった。まあー、安値で申し訳ない。対抗馬が居るらしかったのに、そちらは入札しなかったのね。身元確認システムが始まってのちは初めてのヤフオクだったが、手続きのめんどくさいこと。

 "Half Magic"(『魔法半分』)"Magic by the Lake"(『湖の魔法』)は、表紙がチンケなイラストだったのでがっくり来たが、中を開いてびっくり、まあこの絵素敵。イラストのN.M.Bodeckerはイーガーの本にたくさん挿し絵をつけているようだが、ネット上ではイラストまで見られないため紹介できないのが残念だ。

2001.0902(日)
購入本
宮部みゆき/『R.P.G.』/集英社文庫

良く晴れてすがすがしい、秋らしい天気!なのに昨日予約してしまったので、昼前から夕方まで美容院にお籠もり。ストレートパーマなので時間がかかること甚だしい。あきらめの境地で、持ち込んだ本を読む(時々起きて居眠りをする)。持参したのは『隠し部屋を査察して』、約2/3ほどを読む。短編集である。輪郭のはっきりした文章、でもその題材はずいぶんとグロテスクでもあり、硬質な後味の悪さを残す。つららのように鋭く尖ったガラス片に背中から貫き通された死体、呪術のために幼い頃から長いことかけて上半身を下半身に対して180度ねじ曲げられた上、蜘蛛のような姿にされた土着民の子供、等々。美容師さんに「何の本ですか」と問われて、「うーん、何と言ったらいいか…」と言ったきりすっかり返答に詰まってしまった。

2001.0903(月)
購入本
青山潤三/『世界遺産の森 屋久島』/平凡社新書
阿部謹也/『学問と「世間」』/岩波新書

 昨晩から『魔女集会通り26番地』(>感想)の復習。やあ、やっぱり『魔法使いはだれだ』よりもこっちをを最初に読む方が間違いなく面白いと思うぞ>ダイアナ・ウィン・ジョーンズ。みっともないノストラムさん兄弟が意外に印象に残っていたことに気付く。しかしのっけから外輪船の沈没でグウェンダリン、キャットの姉弟が美しい孤児になるという設定は、リアルな沈没の様も含め、やはり相当にインパクト強い。しっかしダイアナ・ウィン・ジョーンズ、ほんとに内容てんこ盛りだ。ハウルのシリーズ(『魔法使いハウルと火の悪魔』『アブダラと空飛ぶ絨毯』)、『九年目の魔法』『わたしが幽霊だった時』も一筋縄ではいかない内容だったので、この勢いで再読してしまおう。そういえばbk1にてクレストマンシークロニクル残りの三冊も予約受付中

  十夜さんがお作りになったbk1右クリック検索、これは便利!

2001.0904(火)

「1時間100mm程度の大雨が降る可能性も」なんていう天気予報を聞いて戦々兢々としていたが、幸いに朝には雨は上がった模様。きょうは仕事で外出せねばならなかったので、着替えが必要か?靴はどうしよう?などと気をもんでいたのである。普段外の仕事をしている方には申し訳ない話である。来年度の職場の行事の会場の下見(「の」の連続)。いかに莫大なお金を使って使い物にならないホールを造ってくれるかという裏方さんの愚痴を聞く。

 今月末の連休は高校生二人の文化祭と次男の運動会が重なっている。たった3週間(実質15日ほど)で文化祭や運動会の準備とは。次男は無事リレーの選手になった模様だが、お遊戯とかなんとか音頭とか覚えられるのか?そうだー、その連休は根津神社のお祭りとも重なっているのだ。困るじゃないか。

 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『魔法使いハウルと火の悪魔』の復習。何てぎゅっと詰まっているんでしょう。前回(出版時>97年)読んだときは筋の面白さに引かれてバァーっと読んでしまったが、じっくり読み直してみると(と言っても面白すぎてやはりゆっくりとは読めない)伏線やら細かい描写やらぎっしり詰め込まれていて、読むにつれそれらが本の中から色彩と立体感を持って立ち上がってくる。彼女の作品は視覚的効果にも優れているので、ラピュタのようにとは行かないがフラフラゴトゴト浮かんで動くお城(実は見かけ倒しなんだけど)の出てくるこの作品が、ジブリの次期作品の原作に決まったというのもうなずける。それにしても、クレストマンシーも魅力あるが、ハウルいいよねえ。

2001.0905(水)
購入本
町田純/『ボクたちネコのお人形のコンビ』/未知谷

 帰宅時に自転車のライトを点灯させる季節になってきた。まだ9月初めというのに、ずいぶん肌寒くなって、こんなことでいいのだろうか?でも一日窓を開けておけば気持ちの良い空気が入ってくるというのは嬉しい。エアコンもしばしお休み。

 ダイアナ・ウィン・ジョーンズの再読は『魔法使いハウルと火の悪魔』から続いて『アブダラと空飛ぶ絨毯』へ。いやー、一筋縄ではいかない人だ、DWJ。

 職場ではまたHTMLのお勉強(; ;) でもちゃんと知ってる人はいないの。またWeb Kanzakiにおすがりかしら。 

 今更だが、ここ数ヶ月出会い系だのアダルト系だののジャンクメイルがたくさん舞い込むのは、メイルアドレスをサーチされたとかというよりキーワード「SF」のせいだったのか。よその掲示板でのそんな話題をそれこそ他人事のように読んでいたけれど、あるときハッと気付いたのであった。反応遅い(; ;)

2001.0906(木)

 午後から大井町へ。初めて行く場所は疲れる。ブックオフを見つけ、ついフラフラとさまよい込むが、どうもこのところ飽和状態なのでまるで食指動かず。

 『アブダラと空飛ぶ絨毯』の、アブダラが絨毯に恥ずかしげもなく弄するお追従が可笑しくてたまらない。この絨毯ネタはジブリでも使われそうな気がする。ソフィーが登場。

 我が家の一年生は、2学期が始まって疲れるのか、毎日夕食時に「眠い…」と言いだし、9時過ぎていやに静かだなあと思うと、ところ構わずばったりひれ伏して寝ている。今日もリビングの真ん中に倒れ伏すちいさな人影。ありゃー、と言いつつふと見ると今度はソファで娘が討ち死にしている。心地よい涼しさに、じつはその30分ほど前に私もソファで倒れていたのだった。ありがたや明日は金曜日だ。

2001.0907(金)

 午後、次男の保護者会に行くが、また担任が一方的に喋りまくっておしまい。子どもたちを「かわいい」といっぺんくらい言ってみい。保護者の出席率がすごくいいと言って喜んでいたけど、それは業者の絵の具セット販売があったからだと思います。というわけで絵の具セットを購入したが、私たちの頃って4年生になってようやく絵の具を使い始めた覚えがある。クレヨン画の上に筆で絵の具を塗ると、クレヨンの油分で絵の具がはじかれて面白いのに、なんでそんな面白さを4年生まで味わわせてくれなかったのだろう。指で絵の具を塗りつけたり、チューブから直接画用紙に描いたりするのもやんわりたしなめられたものだ(それでもしてたけど)。いいなあ今の子どもたちは!

 昨夜遅く『アブダラと空飛ぶ絨毯』を猛スピードかつじっくりという至難の業で読了する。やっぱり先日の魔法使いはだれだ』よりもこっちの方が好きだ。まったくジンニーの性格の悪さったら!それに雲の宮殿の素晴らしいこと。西の空に浮かぶ荘厳なその形と色彩にすっかり目を奪われる。絨毯に乗って雲海を通り抜けたあたりはどうも最近似たような光景に出会った、と首を傾げるが、そうか、十二国記か。

妹尾ゆふ子『チェンジリング 赤の誓約(ゲァス)』を読み始める。残りの2冊のDWJは母の所なのでとりあえず手元にあるこれを先に。

 職場で、別な部署の人にAdobe Acrobatでpdf書類を作る(初歩的な)コツを伝授してもらう。口承による伝承がいかに良く伝わるかの一例(*^_^*)

2001.0908(土)
購入本
ウィリアム・モリス/『アイスランドへの旅』/晶文社
小野不由美/『華胥の幽夢』/講談社X文庫ホワイトハート
ジョン・バンヴィル/『ケプラーの憂鬱』/工作舎

 今日明日と氷川神社のお祭りで、次男が12時から子供みこしを担ぎに行く。上の子たちの頃よりはっぴの品揃えが良くなって、1年生の小柄な子たちが着られるものがちゃんと用意されていた(長男の時はブカブカのしかなくて気の毒だった)。朝から曇りだったのにちょうどこのころから日が差してきて暑い暑い。途中で友人らにあとを託して母エスケープ。

 エスケープ先は、まこりんの呼びかけによる、上京された凍月さんを囲むオフ会@新宿である。凍月さんMAKIさん大江戸さんまこりん、私の総勢5人でパスタセットをぱくつきながらあれこれ本、映画の話題など。なんだかもっぱら十二国記に話をふってしまったのはまだ感動さめやらぬためと勘弁してね。千と千尋は何遍でも見たいね、とか、それにしても本の読み方、感じ方にはいろいろあるもんだ、とか、「A.I.」を見てなぜ泣かなかったかとの問いに対し「私は絶対こんなことしないから大丈夫」(byまこりん)との発言に大受けとか。

 凍月さんとまこりんはオフ会のハシゴ、残る3人は池袋でリブロに引っかかってまたお茶しながら飽きもせず本ばなし。バレエに萌えるMAKIさん、大江戸さんはパンフレットを取り出して予約の相談を始めたが、大江戸さんがフトコロから取り出したのはこれから行く予定のチケットの分厚い束(1cmくらいあったかな?<脚色です)。肌身離さずチケットを抱いているこの情熱…!肌身離さずと言えばMAKIさんも愛娘ならぬ愛(まな)ハムちゃんの写真を持っていたし、実を言えば私もケータイの待ち受け画面が次男の写真…(*^_^*) あうぅっ、言葉の端々にSF度の高さを今更ながら感じるMAKIさんであったが、聞き違いでなければ「サマンサになっちゃおうかと思っちゃった」って言いませんでしたあ?@_@わたしまけましたわ

 時間を忘れてあれこれ話に興じているところへそのケータイが鳴って、「ママいったいいつ帰ってくるのっ!」と娘からお叱りの声…タラッ。急ぎ帰ってステーキやさんへ行く羽目になりましたとさ。

 『チェンジリング 赤の誓約(ゲァス)』は順調に消化中だけれど、この設定って、十二国記に酷似してるとは今日の話題にもなったこと。妹尾ゆふ子の作品は文章が非常にきれいなこともあり、独特の色合いが好きなので、欠点として言っているわけではないのだけれど、時期として十二国記を読んだ直後なのでやはりちょっと似すぎかなと言う印象が強いのは仕方ないというか間(ま)が悪いというか。取り替え子(チェンジリング)自体はケルトものに欠かせない題材ではあるのだが。

2001.0909(日)

 いよいよ2学期になっておしりに火がつきボウボウボウ、タヌキ状態の娘@受験生。頑張ってくれたまえ。と思っているといきなりケーキ作りを始めるとは余裕じゃない?

 何とか天気が持ちそう、と、稲城へ梨狩りに。去年、一昨年と行けなかったので、今年はどうかなと思いつつ行きつけのうちを訪ねてみる。3年ぶりのその周辺は、前にも増していっそう開発が進み、たくさんあった梨畑もずいぶん減ってしまい、住宅やマンションになってしまっている。しかし危惧していた目当てのうちは、まだ一山そのままで残っており、顔なじみのおじさんも「しばらく見えなかったからどうしているかと心配していた」とのこと。こちらにとっては嬉しいことに、しかし後継者がなく高齢化してきたおじさん一家にとっては困ったことに、開発規制区域に指定されているので、梨畑、それに酪農(乳牛が300頭くらいいる)をやめるわけにもいかないらしい。最後の砦、って感じのところなんだけれど…。3年前にだいぶ年取ってフィラリアで弱っていた飼い犬のビーグルはやっぱり木陰に小屋を残して姿見えず。なじみの梨畑と牛たち、なんとか来年も再来年も、できるだけ残っていて欲しいと勝手な希望。

 昼食にお蕎麦を食べて帰り始めると突然の豪雨が。そのあと帰る道々、時々止んではまた豪雨という繰り返しだ。今日のおとな御輿はどうなったかなあ。

 主人公の美前(ミサキ)をもどかしく感じた『チェンジリング 赤の誓約(ゲァス)』を終わり、速攻で『チェンジリング 碧の聖所』へ。

2001.0910(月)
購入本
山之口洋/『オルガニスト』/新潮文庫
藤枝守/『響きの考古学 音律の世界史』/音楽之友社

 ↑はい、金平糖をひしと抱くすすわたりです。カオナシ(安田ママさんにお答えして復活)をはじめ千と千尋ネタのこれらの画像は、MAKIさんのbbsにそっとひそんでいたもの。お嬢さんが探し出してきたのですって、なんていい子でしょうナデナデ。

 またも朝から大降り。長靴にカッパ、着替えという装備で出勤するが、まあそれ程ひどい雨には遭遇せずにすむ。気の毒なのは連れ合いで、長野方面に出張のはずが、朝から、長野新幹線全面運休、上信越道も佐久方面は通行止め、中央線も特急は止まっているとの報道。辛うじて中央道がなんとかなりそうというので車で出かけていったが、昼過ぎ連絡が入り、上野原から先に行けなくなったから帰るとのこと。これからひどくなる一方なんだから最初からあきらめなさいって。
 もうひとり気の毒なのは信州在住の義母だ。こちらはやはり昨日の大雨のせいで家の半分のブレーカーが落ちたままになり、電話も通じないという。雨漏りによる漏電か何かだろうか、調査中だそうだが心細かろう。連れ合いが以前ケータイを買ってあげていたのでとりあえずの連絡はできるが。
 あしたの朝はもっと本格的に台風来るのだろうか、不謹慎だけどワクワク。子どもたちは3人ともそれぞれ朝電話連絡網で登校についての指示が回るとのこと。上の二人は本州直撃とのニュースに「やたー!休み!」と喜んでいるけど、次男が休みとなると困るのことよ、私も連れ合いも休めないぞー。頼むね、おにい&おねえ。

 『響きの考古学 音律の世界史』を読み始める。「はじめて音楽と出会う本」というシリーズのようだが、こりゃ難しい、わたし急にアタマわるくなっちゃったかと思っちゃったよ<もとからです

 『チェンジリング 碧の聖所』の続き。うーんどうしてもミサキがもどかしいっ!うだうだしてないで早く話が進めっ!リンは姿がかき消えるくらい素早いのに。

2001.0911(火)

 台風たけなわの12時から、5時過ぎまで会議二つ。ランチタイムの会議はやめましょう>おぢさんたち。もともと私は食べるのが遅いほうなのに、喋って聞いて書いて食べていたら、静寂にはっと気付くと皆とっくに食べ終わって私だけぱくぱくぱく…。

 解放されて自室(北西の窓)に戻ると、窓一面のそれはそれは美しい夕焼け空だ。あたりは赤ぶどう酒色に染まって、幾重もの雲の縁が輝いている。「うわあっ…」と絶句したのち、自宅に電話して、次男に「夕焼け見てご覧」と言う。後で聞いたら、既にその時次男が「お空見て見て!」と長男を呼びに行って二人で夕焼け鑑賞しており、電話機の表示で私からの電話と気付いた長男が「ママだ。夕焼け見なさいって言う電話に違いない」と言っていたそうだ。うーん読まれている。

 次男と一緒に寝入ってしまった私であったが、ちょうど零時頃帰宅した連れあいがTVをつけたので起き出してびっくり、世界貿易センタービルが崩れ落ちつつあるという映画もびっくりの映像。訳わからず爆弾?なんて言っているうち「航空機が突っ込みました」とのアナウンスに、絶句。文字通り世界を震撼させる事件だ。この動揺と混乱の隙にこれから何が起こりうるのか?

2001.0912(水)

 終業後四谷でタブラトゥーラ公演。小さなライブハウスである。「こんなときにこんなことをしていていいのだろうか?」とリュートのつのだたかしさん(*^_^*) いやー、楽しかったです。

2001.0913(木)

 アメリカはどこへ向かうのだろう。報復、また報復の連鎖へ?アメリカは「正義」という。しかし文化や宗教が違えばそこには別の正義も存在する。テロは恐ろしいが、アメリカ中華思想も、恐ろしい。どうか世界を戦争状態にはするな。それにしても確かに、犯人らが残したとおぼしき車の中で「アラビア語の」操縦マニュアルが見つかったいうのは嘘くさいぞ。

2001.0914(金)
購入本
柳瀬尚紀/『猫舌流 英語練習帖』/平凡社新書
『ユリイカ 特集トールキン 1992年7月号』/青土社
『ユリイカ 特集カレル・チャペック 1995年11月号』/ 〃

 職場の主催で一般向けの講演会@某区公会堂。朝から雨模様だったが、開始時刻までにはなんとか上がって、この天候と演題にしてはまあまあの入場者数を数える。

 帰路ユリイカ等の他、Adobe Acrobatの解説本や関連本を仕入れる。DTPとか、もう訳わかんない。どうしてAdobeのヘルプやチュートリアルはあんなに初心者をみごとに対象外にしているのか?これこそ陰謀(;.;)

2001.0915(土)

 昨夜はくたびれて早い時間にばったり討ち死にしてしまったのに、今日も一日脳内睡眠物質出っぱなし。これではダメだと昼前カフェイン製剤を服用するが、一時的な効果しかない。今週は(とくに)だめだあ。掃除や片づけをするが捗らないことこの上ない。肉体労働にすら困難を覚える。時々意識を取り戻して『猫舌流 英語練習帖』だの『チェンジリング 碧の聖所』だのを読む。前者は、駄洒落語呂合わせの隠れ愛好者兼猫舌の持ち主としては楽しくてたまらない。例の吾輩猫が守人(しゅじん)と不細君(ぶさいくん)を引き合いに出して英語談義、というか翻訳談義。横道にそれては深謝(chat)深謝(chat)としゃれてみせる門前猫である。

 掃除中に本の山から出てきた図書館本@期限切れ『とび丸竜の案内人』柏葉幸子を読む(すっかり忘れていた、ごめんなさい)。
 食いしん坊の理子(さとこ)は、最近同居を始めたおばあちゃんが苦手だが、お母さんの留守におやつをねだりに行き、マルメ(マルメロ)の砂糖煮をごちそうになる。理子は「秋の太陽みたい」と大層気に入ってしまうが、マルメの季節である秋以外には絶対にマルメは食べてはいけない、とおばあちゃんに釘を刺される。季節はずれにマルメのジャムを食べたりしたら、こわーい魔物が飛んできてさらわれてしまうのだと。ところが翌年の夏、それを本気にしなかった食いしん坊理子は、こっそり冷凍にしておいたマルメを食べようとした。と、「オレは、とび丸竜だ!」と名乗るほんものの竜が現れてしまった。竜の国では400年前に「秋の太陽」がなくなってしまい、とび丸竜は100年ぶりにそれを探す使命を帯びてやってきたのだ。そして理子に、秋の太陽を探す案内人になれ、と言う。
 この作者は、どうも、とっても想像力がある、というタイプではないらしい。今まで2,3の作品しか読んでいないのではあるけれど、どれもエブリデイマジックよりはもうすこしはみ出ているが、さりとてすっかり異界の事物が幅を利かせるというほどでもない、という、私にとってはなんとも中途半端な感じである。この作品では、竜の国の四季の「太陽」はそれぞれほんの2メートルくらいの直径で、その季節には空にかけられるが、それ以外の時はそれぞれ蜜やら桃のシロップやらに漬けて太陽倉にしまってある、といった具合になんだかお手軽でいわば卑近なものに文字通り引きずりおろされてしまっている。確かに、太陽や月がランプやたき火であったりするような話は、創作、伝承を問わずいくらでもあるだろう。この作家の場合は、作品中に出てくる様々な小道具や登場人物らが、多彩でありながらどれも借り物の域を出ず、それでなくてはならないと言う必然性に欠けるように思え、この作品におけるそう言った感覚の象徴が、この2メートルほどの、しぼんじゃったりしているお気の毒な太陽だと言える。それでも、柏葉作品がつまらないかというと必ずしもそう言うわけではなく、そこそこの魅力は確かにあると思う。が、いつも話がほんの上っかわ、多彩な小道具を並べ終わっただけで終わってしまい、なーんだ、これでおしまい?と一種竜頭蛇尾のような気分を感じさせられるのも事実で、もっと書けるはずなのにどうしてこれで終わりにしてしまうのか、もっと書き込んでふくらませて欲しい、と、むしろもったいなく思うのである。年少の読者に迎合とまでは言いたくないが、それに近いものをどうしても感じてしまうのだ。違うステージへ脱皮出来る人なのではないのだろうか<竜だけに。

2001.0916(日)

 2,3日銀行に行かないでいたらお財布がスッカラカンに。上の子たち@文化祭に「お昼代」「打ち上げ」とかせびられて、財布を逆さに振ってみせる。

 早朝のプロムスラストナイトコンサートを録画する。当初の例年通りのお祭りプログラムから、テロの犠牲者追悼の意を込めてプログラム変更になった。ソリストのフォン・シュターデがアメリカから来られなくなって差し替えも。まさかこのお祭りコンサートにまで影響が及ぼうとは。ステージも普段は女性は色とりどりのドレスなのに、今年は黒の衣装で、胸に飾る花も気のせいか沈んだ色調に思えた。もちろん客席も風船の類や派手な帽子など毎年欠かせない小物は見られない。終始沈痛な面持ちの指揮者スラトキンfrom アメリカ、まさかプロムスラストナイトデビューの今年、こんな顔見せになるとは想像出来なかっただろうに。

 チェンジリング 碧の聖所』読了(解説を読もうとして井辻朱美なのに気付き後回しにする。だって彼女の解説は、いつもすっかり言い尽くされていて、自分の感想を書くまでもないと言う気になってしまうのだもの)。ケルトに関するうんちくに脱帽する。ミサキは前巻に続きずっと自問自答し続け。何を自問したらよいか、と言う点から既に分からないミサキである。日本に帰ってくるのすら望んでいるのだかいないのだかよく分からないが、いちおうハッピーエンドに終わる。しかしやはりミサキのキャラクターが最後まで弱よわの設定なのでいまいち納得しづらい(描き方が弱いという意味ではない)。クライマックスの盛り上がりはすごい。神と人の異質さがよく描かれている。剣、衣装、歌などを用いた一種の術により異世界の窓が開くような場面にはすっかり引き込まれ、作者の筆力を感じる。細かいことに関してなじみの薄いケルトが題材になっているので、説明部分が多く、どうしても話の流れを妨げがちになるのが、仕方ないにせよもったいなく感じた。ケルト的世界の中での描写にいきなり「日本」という言葉が出てくると違和感あり。次男が、「日本の旗って、白いところに赤い丸があるだけなんだよ」と言うが、これはつまり彼なりに「ださい」と言いたいわけで、この作中の「日本」という部分には何だかそのセリフを思い出させるものがある。ださいのは妹尾さんのせいじゃないけど(*^_^*)

 『パヴァーヌ』扶桑社版をふと手にとったまま終楽章を読む。扶桑社版では読んでいないのだ。また初めから読み返したい気になる。

2001.0917(月)
購入本
テリー・グッドカインド/『魔道士の掟2』/ハヤカワ文庫FT

 突然ですが、美智子皇后の歌集(『瀬音』)が読みたくなった。過日『皇居・吹上御苑の生き物』を購入したが、きょうは雑誌『Bises(ビズ)』の「皇后美智子さまと東京の庭」特集を見た。この雑誌は写真が非常に綺麗なので以前良く買っていたが、おととしあたり内容が変わって誌名も似て非なるものに変更。その後、元の誌名で内容もほぼ同じ路線のものが別会社(プレジデント社)から出るようになったが、往事の美しさには負けるのと、あまりゆっくり読む時間がないのとでご無沙汰していた。今号は保存版と言う割にはちょっと期待はずれではあったが、たくさん引用されている美智子皇后の歌がとてもすばらしい。以前から、歌会始の歌の数々を見るに、素人目ではあるが、昭和天皇の飾らないまっすぐな歌、典雅な先の皇后の歌などの中で、ひときわ凛とした風情の美智子皇后の歌が好きだった。こうして何首かをまとめて読んでみて一層その思いは深くなった。歌が詠めるっていいなあ。俳句ならなお良し。

 DWJは『わたしが幽霊だった時』再読へ。とっても変わっていて面白かった印象と、とっても入り組んでいた印象とがある。ほか、読み散らかしの『翻訳という仕事』だの、『猫舌流 英語練習帖』だの、"The Kin - Suth's Story" Peter Dickinsonだの。

2001.0918(火)

 『わたしが幽霊だった時』を暇ひまに再読。息苦しさ、もどかしさ、まるで夢の中で不安定に空中に浮いていて、飛んでいるでもなし、さりとて浮くのをやめて地に足をつけられるでもなしという、曖昧で不快な浮揚感を味わっている時のようだ。ジョナサン・キャロルを読み直したくなってしまう。人の目には見えない影ながら、パニックに襲われ暴走してしまうサリー。口を離した風船が闇雲に飛び回る姿さながら。ところでオリヴァー、きみはイカ臭くないよね。

 昨夜寝る前に飲んだビールとジンジャエールの半々割はシャンディで、赤ワインとジンジャエールはキティで、ええと白ワインとジンジャエールはなんだっけ。冬の夜中にぴったりなのはブランデーのミルク割りだけど。かんけーない(*^_^*)

2001.0919(水)

 この土日の間に、職場に泥棒が入った。私の所属する部署はまったく被害はなかったが、同じ階の廊下の先の方の部屋は軒並みドアのカギが開けられ、物色されたあとが。被害は、不明(個人的な分は人に言いたがらない模様)。私の机の上にはG4ノートがあったのだけれど、まかり間違えば盗られていたかもしれない。犯罪に用いるためにパソコンを調達しに来たんじゃないの、などという声もあり。テロリストらが日本に潜入したと言われるしね、等々。新種ウィルスもテロと関連づけて語られるし、何てこった。

 これ↑、毎日新聞だけでなく朝日新聞の関連サイトにも感染していたらしい。日中、朝日のサイトを見たときにはそんなこと書いていなかったのに、今見たらそういう記述があった。

 『わたしが幽霊だった時』続き。昨晩は正体なく眠りこけてしまったし今日は昼休みがなかったしで、いっこうに捗らず。がんばるんば。

2001.0920(木)

 児童文学評論MLに金原瑞人が以下のように述べている。

 来年早々ポプラから出る予定の『エルフギフト』『エルフキング』というダーク・ファンタジーの二部作(スーザン・プライスの新作)

 Ooooo〜!手元の原書(<未読です当然; .;)には1996年とあるのでさほど新作というわけではないと思うが、もしやその訳って、「あのかた」との共訳?

2001.0921(金)

 昨日はいちにちAcrobatとにらめっこ、きょうはそのHTML版を作ろうと予定していたのに、さあ始めようと取りかかったとたん、予算見直しのための資料づくりをせよとの指令に一日忙殺。

 曇りのはずだったのに出勤途中から霧雨になり、一日冷たい雨となる。ハイネック・ノースリーブのカットソーに厚めのジャケットで正解。朝3時頃に上がると言うけれど、こんなに降って大丈夫なのか。明日は次男の運動会なのに気分は盛り下がり中である。

 『わたしが幽霊だった時』幽霊の気配に皆が気付き始める。これ、原作読みたいっ>言ってないで読め!そう言えば昨日、事務の課長に「メイルしておきましたが読んでいただけましたか?」と聞くと、具合わるそうに身もだえする。「あ、まだですか…。(*^_^*)読めっ!」…穏やかでやさしい課長、分かった分かったとニコニコ頷いていたけれど、笑顔つきとはいえ申し訳なくて、部屋に戻って即座にプリントアウトして持ってゆきました。トホホ

 すでにExplorer5.5のサービスパック2はインストールしたのだけれど、不安になってNetscape6もインストールする。うーん見え方が…。前回のウィルス騒ぎの際はいくつか職場でもウィルスメイルが来たし感染報告もあったが、今回は幸いにひとつもメイル、感染報告共になし。連休明けが怖いかも。

 ぬあにー、アメリカじゃ「明日に架ける橋」も「イマジン」も放送自粛だってぇ?

2001.0922(土)
購入本
エリザベス=エンライト/『ひかりの国のタッシンダ』/フェリシモ出版
芝田勝茂/『サラシナ(グリーンフィールド)』/あかね書房
ローズマリー・サトクリフ/『トロイアの黒い船団』/原書房
 〃 /『オデュッセウスの冒険』/ 〃

 ゆうべの危惧もどこへやら、朝起きてみるとすっかり雨は上がっていた。空はまだまだ怪しい雲に覆われているが、次第に西から雲は切れ始めている模様。次男の運動会は、7時に校門に決行か否かの張り紙が出る予定だが、どちらにしてもお弁当は作らなくてはならないので、のろのろ製作を開始。7時15分に(文化祭のため)家を出る長男に、「中止と書いてあったら電話して」と頼んで送り出す。子供も3人目になると親の気合いも入ってない。7時半になっても電話がないので、お弁当増量決定。娘は模擬試験、長男は文化祭、連れ合いも仕事、と他に誰も見に行く人が居ないので、増量と言っても私の分だけである。あとで出会ったお母さん方に聞くと結構みんなそんな感じ。もちろん一族郎党参集して大ご馳走の家族もあり。

 次男のかけっこはぶっちぎりの一着、リレーは彼の後ろまでは一番だったので大誉めに誉める。ほか親子ソーラン(金八先生でやってたのと似て非なるもの)、玉入れなど。昼近くまでは怪しい雲が広がっていたが、その後嘘のような素晴らしい青空になり思わず写真を撮る。しかし今日のこの寒さはいったい何?途中あまりに寒くて全身かじかんできたので、フリースを取りに帰る有様だ。長袖シャツ+フリース+ウィンドブレーカーを着て、日がかんかん照ってきてもようやくそれでちょうど良いという気温、子どもたちなど唇を紫にするほどだ。まだようやくお彼岸というのに、最高気温14度という冬の暖かい日の気温並み。暑くて汗をだらだら流すよりは遙かに良かったかもしれない。秋の運動会というとちょうど金木犀のさかりと重なるという印象があるのだが、こんなに早い時期の運動会ではまだその気配もない。それにしても極端な今年の天候だこと。

 連れ合いは最近亡くなった昔の恩師を偲ぶ会に行って遅くなると言うので、文化祭が終わっても打ち上げのない長男、模擬試験にうんざりの娘、運動会お疲れさまの次男のために外食(手抜きとも言う)。アメリカ中華思想が諸悪の根元、とか何とか、彼らを相手につい一幕ぶってしまう。こんな情勢でいったい彼らの未来というものはどうなってしまうのか。

 これからお風呂に入って、『ひかりの国のタッシンダ』を読んで寝る。これ、嬉しいことに挿し絵がアイリーン・ハースなんだよね。

2001.0923(日)
購入本
北野勇作/『クラゲの海に浮かぶ舟』/徳間デュアル文庫

 洗濯、台所などテキトーに片づけて、12時からのぷち?オフ@新宿に駆けつける。ランチはミロード内「マトリョーシカ」、お茶は「西武」から「Mama's Diner」へ。ううおなか一杯。半分は顔なじみ、半分は初対面のメンバー総勢12名。人数はあんまりぷちじゃないけど、別な意味でぷちだからいいのか。Bさん、有里さんのお誕生日お祝い会を兼ねる。Tさんも事前に申告してくだされば良かったのにー。Bさんには「サイトを見たイメージと違うのでびっくりした」と言われる。深刻な話にじっと考え込むBさん。他のことを訊こうと「Bさーん」と呼ぶが、ちっとも気付かない。「Bさん!…Bさんっ!…こらBっ!!」それでもちっとも気付きませんでしたとさ。これが2回。よほど深刻な問題を考え込んでいたのでせうか。さて新宿は予想もしなかったお祭りで御輿まで出ており、人出の多さに辟易。わたしゃー田舎もんだで〜>おおたさん。話がノってきた5時過ぎには諸般の事情でお先に失礼。また遊んでください。ご出席の皆さん例のプランはぜひ実行しましょう。

 『ひかりの国のタッシンダ』読了。アイリーン・ハースの手になる数葉の美しいカラー挿し絵が挟み込まれており、昔の児童書の雰囲気そのままを感じさせる。これは、ある種の子どもたちには、非常に受けること間違いなし。軽やかで美しい風物、人々、動植物たちにはうっとりするし、手助けをしてくれる魔女がまた素敵なのだ。それと、王子さまのいいなづけの存在の解決法が、いいよねえ!

 魔女で思い出したが、『本の話』連載の池上永一「夏化粧」に登場する取り上げ婆がまた奮っているから、読んでみてね>ヒラマドさん(今日現在まだ第1話のみ)

2001.0924(月)

 昼前長男を引っ張って学生服の新調に行く。夏休みを挟んで先日久しぶりに着てみたら、ガクランがそろそろきつそうになっていたのだ。散財〜。その近所のユニクロに行きたがっていた娘も合流。なぜか成り行きで、珍しく3人でモスバーガーでの昼食となる。スパイシーチリマメバーガー、おいしかったけれどとーっても辛かった。多少の辛さは平気な私なのだが。鼻水も出たけれど、一時はちょっとだけとは言えむせてしまい、娘に「辛いのは得意だったんじゃなかったの」と気の毒そうな視線を浴びる。からりとしているが日差しの強烈な秋晴れ。家に帰るのがもったいない。自転車でふらふら帰る。

 後刻、だれもいない静かな午後のソファで芝田勝茂『サラシナ(グリーンフィールド)』読んでいるところ。ひゃーっ、おっもしろいっ!このテンポ、展開、これ、どうなるの?あっというまに半分ほどにさしかかる。こういうの、佐竹美保の挿し絵がぴったりだと思う。絵のせいかあるいはサキが空を飛ぶためかこれは王国のかぎ』を思い出す。

 (そののち)夕食後、一気に読了。わあっ、よかったァ…。さわやか、しっとり、じんわり、すかっ、ああ今日はよいものを読んだ…!という充実感。「それにしても何でひょうたん?」「なんでサラシナ?」という疑問に対し明快な説明も得られる(国文おたくな方にはすぐ分かることかも)。『これは王国のかぎ』が気に入って、かつ『空色勾玉』三部作みたいな内容と舞台のは他にないか、と言っている娘@受験生に強力お勧めしたところ、「ハイハイ、読みます、試験が終わったらね」と連れないお返事だが、いいえ、試験前でも構わないからお読みなさいって。それだけのことはあります。作中の不破麻呂が「では、犬よりも速く」と駆けだしたように、こんなに小気味よく読み手をさらってくれた、芝田勝茂さん、ありがとう!

 若かろうと年を取っていようと、知らずに固定観念に絡め取られていることが、私たちにはいかに多いことか。

そうか。
 あのとき、わたしたちは、国にそむき、朝廷にそむいて、私たちの愛のために、逃げればよかったのだ、と。
 (p.142)

 武蔵の国の民が追っ手に対してしたように。タッシンダの王子がしなやかな解決策をとったように。目にウロコが貼り付いていることに気づくのは、本当にむずかしい。

2001.0925(火)
購入本
アーシュラ・K・ル=グウィン/『空を駆けるジェーン』/講談社
L・M・ビジョルド/『天空の遺産』/創元SF文庫
千田稔/『飛鳥−水の王朝』/中公新書
Eager/"
Knight's Castle"/Odyssey
 〃/"Seven-Day Magic"/ 〃

 わあ、今週はもう火曜日だ。真っ黒のつやつやカラス猫ジェーンは、空を自由に駆け回りながら「Me-me-me-meeee!」と鳴くの。お母さん猫と一緒におともだちのサラの足にくっついて眠るジェーンのかわゆいこと!うーんすりすり。村上春樹の解説はいつも難しい脳。

 『魔法半分』の作者エドワード・イーガーの"Knight's Castle"は、ちらっと見たところ、『魔法半分』の4人きょうだいの子供の世代のお話のようだ。なかなか平易な英語らしい。初版が1956だからずいぶん長生きの本だ。いっぽう、ファージョンなど大御所と思われている作家のものが意外に手に入りにくいのはなぜ。イーガーって、英米ではずいぶん人気があると言うことなのか。

2001.0926(水)

 いつの間にか再読に突入していた『九年目の魔法』を胸に、9時間睡眠。10時間かも。

 土日からからりとして湿度が低く、私のくせっ毛もいつになくストレート状態でサラサラ。きのうあたりから次第に少しずつ湿度が上がってきたか、くせが出始める。毛髪湿度計(*^_^*) ええい、うっとうしい。

2001.0927(木)
購入本
S.P.ソムトウ/『ヴァンパイア・ジャンクション』/創元文庫
久美沙織/『聖竜師の誓い 上』/ハヤカワ文庫JA
 〃 /『聖竜師の誓い 下』/ 〃
岩本隆雄/『ミドリノツキ 中』/ソノラマ文庫

 『九年目の魔法』を読了。『わたしが幽霊だった時』にも増して込み入っていたという記憶がある。もう一つの、充実した幸福感の記憶は、チェリストのリンさんから次々送られてきた本を、ポーリィが次々と読みふけるところ。しばしば本を置いて、なんて幸せなんだろう!と小さく叫んでしまった。重要なかぎというよりこの作品を成立させているそのものであるタム・リンや詩人トーマス、金枝篇などは、いまひとつなじみが薄いので(よく知らないので)、十分に分かって読み終えた、とはとても言えないのだけれど…。参考文献(にほんご)は何でしょうか>ご存じの方。

 この2作は、ハウルやクレストマンシーとはまた違った肌合いで、やはりジョナサン・キャロルを想起させる。ことに『九年目の魔法』の、現実ともうひとつの現実の境目をいつの間にか行ったり来たりしているあたりが。どちらの感じも好きだけど、強いて言えばこちらの、いわば大人向けの方がより読みたいかも。またDWJは、『魔女集会通り26番地』でもキャットにヴァイオリンを弾かせ(彼のヴァイオリンはひどいものであるが)、『九年目の魔法』でもやはりポーリィにヴァイオリンを習わせ(これもものにならない)、レズリーをフルートの名手、リンさんその人を才能あるチェリストとして描いているなど、音楽に対する愛着が感じられる。ご自身は何か楽器を演奏されるのだろうか。これはル=グウィンについても知りたいところ。彼女についてはパイプのことしか言及されないけれど、彼女も作中に時々音楽家や楽器を登場させるので気になっているのだ。

 次男は夏休みからとり続けている朝顔の種を学校へ持参。来年入学するお友達に、プレゼントするのが慣例なのだ。彼自身も、保育園時代、1年生が作ったかわいい絵付きの小袋に入った朝顔の種をもらったのに、すっかり忘れているらしい。

2001.0928(金)

 一日の仕事を終えて、解放された気分で夕闇の迫る所外へ出ると、ほのかな懐かしい感覚がふと足を止めさせる。太り始めた月を見上げて、一瞬なんだろうといぶかしく思うが、次の瞬間それは金木犀の匂いだと分かった。昼休みにはまったく感じられなかったのに、そっと夕闇と共に香り始めるなんてなんと奥ゆかしいことだろう。帰宅するとベランダの下の植え込みから、甘い香りが立ち上ってくる。うーん、秋のただ中にいるのを実感する時。

 今ごろ突然イアン・マクドナルド『黎明の王 白昼の女王』を読み始める。なぜかずーっと手つかずだったのだ。95年2月28日刊、ということは次男の育休中でそれはひどい風邪を引き込み、しかしあかんぼうをかかえて医者に行くのもままならなかった頃。その4月からは職場復帰でモー大変、という時期で読書から離れていたのだ(でも買うのは買っていた)。昨夜、本棚に挿してあったこの本にふと目が止まり手に取ったところ、表紙裏の内容紹介に「妖精王」「ケルト」「ディック」などの言葉があり、いまだ『九年目の魔法』の世界から抜けきれず次の本を決めかねていた私は「あっ、決まり!」と早速読み始めたのである。しかし現在品切れの様子。これと思うようなものは何でも品切れの気がする。

2001.0929(土)
購入本
芝田勝茂/『きみに会いたい I miss you』/あかね書房

 長男の保護者会が1時半からなんと4時過ぎまで。うーん@@ その後娘と合流し、池袋に寄って、旭屋とリブロ行脚(ちょっとだけ)するも得物なし。創元文庫のDWJ2冊に加え、デ・リントも増刷されたらしく、皆お揃いの「ハリー・ポッターの源流」云々のピンクの帯を巻いてうずたかく平積み。何とむしんけいな…。増刷されたのは嬉しいけれど、一方大切な思い出を暴かれたような気がするのも否めない。

 車中では『黎明の王 白昼の女王』、帰宅後は芝田勝茂『きみに会いたい』へ寄り道。こちらは素敵な小林敏也の挿し絵で飾られている。
 こんなふうに本を作る、ってどんなに胸躍ることだろう。書き、逡巡し、そうして生まれたものに目に見える形を与えるべく、本として形作ってゆく。活字を、紙を、色を、絵を、その衣装を。そのすべてに、どれだけの心が込められ、託されているか。そうして送り出された本たちが読み手のもとに届いた時、どのようにその手に、胸に、落ちてゆくか。そうして自分のもとにまっすぐ間違いなくやってきた、と感じられる本を読み、そして最後に閉じる瞬間、それは得難い幸福の瞬間だ。

 ああ〜、金木犀の香りがいっぱい。歩いている人が急に辺りをいぶかしげに見回し始めたらそれは金木犀の香りの元をたどろうとしているところにちがいない。

2001.0930(日)

 朝から、いちねんせいの次男のクラスのお母さんたち4人で密談する。担任のクラス運営がずいぶんまずい方向へ進んでいる。「ベテラン」の年齢である担任はそう簡単に変わりっこないので、非難するのではなく、上手に持ち上げつつ、状況を改善するための方策を練る。みんなそれぞれに仕事を持っている人たちなので、「問題点と解決策を分かり易く提示しなくちゃ」「じゃあそれを文書にまとめてレジュメに使おう」「誰に最初に話を持っていけば一番効率的、効果的か」等々、どこの会議かっていう感じで進む。それにしてもなぜ、文部科学省(*^_^*)以下、30人あるいは20人学級の実現を考えないのか。お金がかかるから、というレベルですませていい問題じゃないでしょう。補助教員の増員なんて姑息なことを考えないで、本当に抜本的なところから改善する気はないのだろうか。

 午後子どもたちもつれ合いもそれぞれの用で不在。次男も〜。リクエストに行こうと思っていた図書館は月末の閉館日だ。しょうがないので家事とか。パソ子の電源は切っておく。常時接続環境は…毒です。

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ニムの木かげの家
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最終更新
2001.12.31 01:11:35