日時計 2000年1月 日記

本を読んでいるうち、いつのまにか日が傾いてしまっている・・・なーんて生活いいなア!

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2000.0131(月)
  購入本: なし

 昨晩寝る前に『時計坂の家』のほんのさわりだけ読んでみたが、この時点で既におおっ、これは!の予感。昼休みにろくに食べないで没入、夕食後なーんにもしないでひたすら読みふけり、読了。少ない分量ではないのに、この速さで一気読みは久しぶりである。

!!超気に入り!!

 とにかく文がうまいっ。高楼方子は梨木香歩が講演で触れていたので気にはなっていた人。いままで絵本を一つ二つ読んだことがあるきりだったが、こんなにうまい人だったのか!ジャスミンの香りが今でもむせ返るようだ。
 心理描写も情景もすばらしく、素直に読み進んでいくだけでその世界に入り込んで行けるのは相当な筆力だ。梨木香歩がややもすると観念的であるのに、高楼方子は非常に具体的である。
 舞台も人物も道具立ても、どれも魅力的。リサさんがどういう人かわかるあたりはぐっと来る…。と言っていると全編復習になってしまうので、この辺で止めよう。ああ、まだぼうっとしているよ。

 高楼方子(たかどのほうこ)は、有里さんの難訓作家名に入れてもらえるくらい読みにくい名前だ。挿し絵の千葉史子は実のお姉さんだそうだがこの絵の人物の表情がとても心憎い。この人も「ふみこ」でなくて「ちかこ」と読むのだそうだ。姉妹そろって難しいこと。

 こういうのを読んでしまうと、その後に何を読もうか、読もうという勢いだけあって選択に困る。同じ作家を読もうか、でもイメージが崩れたらがっかりだし。やはりがらりと変わったものにしようか。うーん。

#ぢつは以上を一通り書いてあとは読み直しだの、強調だのをして、更新…というところでいきなり

ぶちっ

とブレーカーが落ちてしまったのである。LANで繋がっている連れ合いの方のぱそは無停電装置がついているので無傷、私の方は別なコンセントから直に取っているので、全滅。あぁぁぁ…。疲れた。


2000.0130(日)
  購入本: ウィリアム・モリス   『世界のはての泉』上・下   晶文社 
    宮沢賢治他   『書物の王国19 「奇跡」』   国書刊行会
    高楼方子   『時計坂の家』   リブリオ出版
    菅 浩枝   『雨の檻』   ハヤカワ文庫JA  
    北原尚彦   『SF万国博覧会』   青弓社  

 きのうの正体不明のランチ&お茶会の第一目的はひらまつさんご結婚祝いなのであった。まもなくドイツに数年の予定でご出発とのこと。「ドイツに行ってもサイトは続けます!(にっこり!)」内容の詳細は有里さんちでみてね〜(人頼み)。

 きょうは連れ合いの誕生日。そのプレゼントさがしを口実に、きのう時間がなくてせっかく行った紀伊國屋をよく見られなかった埋め合わせをしに池袋へ。
 『グリーン・マイル』の一冊本が発刊されたが、やはり分冊形式がよいのではないか。やたらに厚いし。しかも帯に
奇跡の文字が入っているのはどうかと思う。

 西武百貨店アウトドア用品のフロアでFox Fireの縦長トートバッグ(というのか)が目につき購入。本をどさっと入れるのにgood。
 ところでFox Fireって狐火のことかなあとふと疑問に思う。リーダーズ英和によれば

Fox Fire:《発光菌類による》 朽木の発光, 狐火.

だそうだ。考えることは西も東も皆同じなんだろうか。

 これで思い出したが、ティム・バートン+ジョニー・デップの映画『スリーピー・ホロウ』が見たい!デップ様のもうひとつの映画『ノイズ』もどうなんだか気になる。

 <魔法の歌>『ラファエル』読了。ううっ、泣きました。大好きです。毎度のことながら、訳者の井辻朱美の解説が全部語ってくれているので、感想を書く余地がないような気がする。というわけでお薦め


2000.0129(土)
  購入本: 山尾悠子   『角砂糖の日』   深夜叢書社 

 お昼の12時から夜10時まで、新宿にてランチ・待ち合わせ・お茶会・夕食会と、食っちゃ飲んじゃしゃべる会。あーくたびれた、面白かった、笑いすぎで頬が疲れた。
 連れ合いも今日は飲み会で帰りが遅いというので安心してゆっくりしていたが、帰り際に家に電話したら、敵さんは既に帰宅していたー、やっばい〜。

 参加者は、ひらまつさん有里さんヒラノマドカさん青木みやさんりなりなさん、お茶会からu-kiさん溝口さんカワカミさん。まこりんさんがお子さんのインフルエンザで来られず残念。雪樹さんはご本人がインフルエンザ病後で欠席。恐るべしインフルエンザ(これは風邪ではありません)。
 紀伊國屋の前を通る時には必ず皆の顔が店の方を向くのは、もはや業か。後ろから観察していると間違いなく全員が次々に店正面を振り仰ぐのである。面白かった。

 内容は、例のごとく例のごとし。娘に「本の話ばっか?」とあきれられたが、まあ要はそうです。ゲームの話に傾いていた人もいたけれどこれはしょうがない。有里さんより竹内志麻子『夢みるうさぎとポリスボーイ』『そこでそのまま恋をして』(集英社コバルトシリーズ)を頂く。竹内志麻子は『ぼっけえ、きょうてえ』を書いた岩井志麻子の以前の筆名(死語か?)。

 有里さんが触れておられたネット内コミュニティに関連して意見交換が出来たらな、と思っていたが、流れがそちらの方に向かなかったのでそのまま。各人が常にちょこっと念頭に置いておけばよいことではあるし。ダサコン、MYSCONに対する認識は皆ほぼ同質と言うことで納得。

 購入本は正確にはまだお金を払っていません。しばし待て。


2000.0128(金)
  購入本: ヴォンダ・N・マッキンタイア   『太陽と月の妖獣』上・下   ハヤカワ文庫SF 
    キング・他   『ナイト・ソウルズ』   新潮文庫
    久美沙織   『ドラゴンファームのこどもたち』上・下   プランニングハウス

 職場で使っているMacが、今日3回もクラーッシュ!クラーッシュ!う〜ん、そろそろOS上げ時かしらん。ずっといい子で働いているので、新たなトラブルが起きるのがいやさに相変わらず7.5.5のままなんだが。最近OSのヴァージョンアップした同室のマシンは、みなトラブル続きなので、ふんぎりが付かない。ひたすらノートン様におすがりしておこうか。

 本屋に行ったら、連れ合いに頼まれて注文した本のうち1冊が入荷。店長に「もう1冊は、来月文庫落ちするようですが、どうしましょうか?」と訊かれ、どうせ電車で読むのだろうから文庫の方が良かろうと思い、そう返事。ご親切様〜。
 先日のこと、この店長が、私が注文した白泉社のコミックスについて、品切れなのか、なしのつぶてだという。そこで早速白泉社にメイルしたところ、○日に既に重版したと言う返事を頂いた。今日この返事を店長に見せたところ、彼がようやくもらった返事と、重版の日にちがまるで違うと言う(彼がもらった返事によれば、これから重版がかかる)。首を傾げる店長氏であった。どうなっているんじゃ白泉社、早く入荷してくれー。

 <魔法の歌>『サーラ』を終わって『ラファエル』へ。この「ラフエル」、大島弓子の『綿の国星』の「ラフエル」(彼女がファンであるデヴィッド・ボウイそーっくり〜)とイメージがごっちゃになって、たいへん。でも、美しいラフエルがダミアーノと交流を重ねるにつれてあれこれ悩んでしまう姿が、ラフエルの憂いに満ちた表情と妙にぴったりなのである。あれ、どっちがどっちかまた混乱しちゃったぞ。


2000.0127(木)
  購入本: なし

 このご時勢、なんだか職場にもいよいよきな臭いにおいが…?

 ウィリアム・モリスコレクション刊行のアナウンス(晶文社)。買わなくちゃ〜。

 いよいよ高校の受験シーズンも本番になり、長男の友人たちの中には早くも推薦合格の決まった子も。彼の志望校に推薦が決まった子もいるようだ。父親に「くやしいか?」と冗談交じりに訊かれて、暢気で物事にこだわらない彼もさすがに「ンー、ちょっと。」と、苦笑していた。
 ほぼリアルタイムで進んで行く金八先生のドラマでも、3年B組は受験でぴりぴりしていたが、「人生の中で受験はほんの登山口。目を高く上げて山頂を目指しなさい」という金八先生の言葉をそのまま長男に進呈したい母である。

 いまだに『サーラ』。昼休みなどに真剣に読んでいるのだが、きょうも気付くと物語中の悪魔ならぬ睡魔がやってきて…。先日に補足すると、原題どおりでないのはこの巻のみ。


2000.0126(水)
  購入本: 森下一仁   『思考する物語』   東京創元社 
    マーヴィン・ピーク   『行方不明のヘンテコな伯父さんから
    ボクがもらった手紙』
  国書刊行会
    ロバート・タイン   『ノイズ』   扶桑社ミステリー
    『活字倶楽部』2月号   雑草社

 いつもの本屋でマーヴィン・ピークの本が、一冊平台に載っていたのでちょっとびっくり。もちろん手に取る。このヘンテコな題名の本は、鉛筆書きのような絵に活字をコラージュしたような横書きの紙面である。もちろん絵はピーク自身の手になるもの。開くと、リング綴じになっているので驚いて二度見ると、もちろんそれは印刷なのだったが、あたかもスケッチブックに書かれたような按配になっている、と言うわけ。
 ちなみにゴーメンガースト3部作ほかはちゃっかり書棚にあるのだが、出た当時(最近の復刊ではない)『タイタス・グローン』を読みかけたまま長い眠りについていると言う状態。これを機に再挑戦か?

 キングの本は一体どれだけあるのかと本屋で見てみたら、ハヤカワ文庫も創元文庫もいつの間にか売れ筋しか残っていないというのに、キングの文庫(文春、新潮、など)はたくさんあることあること。しかも、その多くが厚い。お薦めいただいた『図書館警察』がなかったのを幸いに、しっぽを巻いて退散するのであった(ああよかった!)。

 『活字倶楽部』は、梨木香歩のFAXインタビューがでているので買ったのだが、若干1ページのみ。またプレゼントのページで、プランニングハウスから出ているファンタジーの森シリーズはひとまず休みと言うことを知りがっかり。注文してある『ドラゴンファームのこどもたち』はまだ入っていないが、無事来るのだろうか?

 娘とステッパーを組み立ててさっそく歩いてみる。かなりくたびれる〜。12,3分せっせと歩いて消費カロリー0.13K。歩きながら『サーラ』の続き。慣れれば意外に歩きながら読書が出来そうだ。問題は娘の部屋に置いてあること。これでは私が深夜に運動不足解消を兼ねて読書することと、娘に叫ぶ「夜更かししないでさっさと寝ろ〜」は両立しないではないか(悩)。

 唐突ですが、特に『いさましいちびのトースター』、『〜火星に行く』をお読みの方はここへgoぢゃ。


2000.0125(火)
  購入本: 大原まり子
岬 兄悟 編
  『彗星パニック』   廣済堂文庫 
    岡 達子 編訳   『イギリス怪奇幻想集』   現代教養文庫

 いやまったく、ゆうべ寝付くときに『グリーンマイル』が断片的に頭に浮かんできて、なかなか眠れなかったのであった。ジョン・コーフィの頭文字はJ.C.だとか、メリンダを治してから再び刑務所に戻るところとか、老いぼれたネズミが糸巻きを回すところとか、後年事故にあったときに見たと思ったコーフィの姿とか。奇跡や推理の説明が不十分であろうとそれを上回る迫力に脱帽である。

 終業後、紀尾井ホールにてヒリヤード・アンサンブル。テノールのジョン・ポッター様は、この前の公演の時から抜ける抜けると言っていたが、また来てしまったのであった(それでいいのだ)。ますます濃くなって行くヒリヤード・アンサンブルの世界。厳然とした足場を失って浮遊しさまよう感覚が呼び起こされる。
 シュメールの古い歌が、まさに異教的な響き(言葉、曲とも)で、古代の石の神殿に響く怖ろしいような創世の賛歌であった。原初の暗い影が立ちこめそうな…。一つのテキストを4人が揃って歌う普通の形よりも、複数のテキストを同時に歌う形の作品が目立ち、これは歌詞ばかりでなく旋律にも言えることだった。ヒリヤードならではの、古代から現代までのプログラム。
 それにしても、久しぶりに寒〜い夜。電車から見えた電光掲示板には気温2度とあった。

 昼間のうちに、先日買ったステッパー(簡易版ウォーキングマシン)が届いていたが、荷ほどきは明日。

 『雲の中のにじ』を終わり、『サーラ』の続き。『サーラ』は、原題 "Damiano's lute"とある。私としてはこちらの方が好きだけれども、3人の登場人物でシリーズの題名を揃えるというのもわかりやすくて良いかも知れない。リュートと言っても、たとえばハープのようにはさほど一般的ではないから、題名としては訴えるものはいまいちかも。
 メソポタミアの三日月地帯をローズ色のジープで行く『雲の中のにじ』を読み終えたところにシュメールの古代の歌を聴くとは、これまたシンクロニシティか。


2000.0124(月)
  購入本: なし

 案の定キング『グリーン・マイル』を、食事の後先に台所で立ち読みしたりしながら、一挙に読了。な、なんつう話。いや処刑シーンでは泣きました。

 午後医者に連れて行くべく早退してきたら、次男は元気。喜んでいいのだが、年休が減った〜。


2000.0123(日)
  購入本: キング   『グリーン・マイル』3〜6   新潮文庫 
    内田百けん   『続百鬼園随筆』   福武文庫
     〃   『青葉しげれる』    〃
    クリスティー   『ABC殺人事件』   旺文社文庫

 天気予報の割には良い天気で、次男と近所に買い物がてらの散歩。

 ゆうべ読み始めたキング『グリーン・マイル 1』、死刑囚の足は電気椅子に座った瞬間にその役目を終わる、という出だしまもなくからひきこまれる。題名とホラー作家の作品と言うことから、どこやら辺鄙なところを旅しておっかない目に遭う話かと思っていたら、全然違った〜(恥)。こう書けばツボだ、ということをわかって書いている、それをこちらもわかった上で進んではまる、という幸せな需要と供給の関係…。
 さっそく古本屋で3〜6を購入。じつは数件先の新刊書店でこの4冊を棚から引き抜きかけた所で、最近出来たこの古本屋を思いだしたので一旦戻し、そちらを覗いたらめでたく発見・購入、という罪な行動をとったのである。やっぱり半額(以下)だし。

 この作品は、ディケンズの頃のチャップブックの形態を模して出版された、と前書きにある。キング自身はその語源を知らない、とも書いてある。私は、チャプター(ごとに分冊になった)ブックの略だと思っていたのだが、違うのかしら?たしかにこれをひと月ずつ待たされたら気になって気になって仕方なかっただろうなあと思う。
 現在3冊目に入ったところだが、確かにうまい!でもいまのところ、ファン…少なくとも真性のファンにはならないだろうな、と言う予想である。

 殊勝にも部屋にこもって追い込みをしている受験生、お茶に出てきたときそこらに放ってあった古いスコーンミックスをしばらく眺めていて「今これ作りたい!」という。もう膨らまないのではないかと思ったが、「いや、いい」と、いそいそ用意を始める。と言っても水と混ぜて焼くだけ。結局予想通り堅いビスケット状(しかもまずい)になってしまったので、手持ちの簡単レシピをみせて再度挑戦させる。合計1時間ほどの気晴らしで、あつあつのスコーンが出来た。生クリームとジャム、メイプルシロップで2度目のおやつ。おいしかったよー、息子!

 ああ悲惨、夜になり次男が急に気持ち悪さを訴え数回吐く。熱はまだないが、困ったー。長男の誕生祝いのケーキはさすがに食べられず「冷蔵庫に入れておいてね(ニコッ)」と聞き分けの良いお願い。まだ元気だけれどやっぱり目が死んでる〜。次は誰に飛ぶのだろうか、戦々兢々。震源地かも知れない娘は熱も下がり、次第に回復へ向かう。幸いなことに明日は学校が受験関係のため休みなのだって。


2000.0122(土)
  購入本: 森まゆみ   『その日暮らし』   みすず書房 
    荻原規子   『西の善き魔女 外伝1』   中央公論新社
    吉野朔実   『お母さんは「赤毛のアン」が大好き』   本の雑誌社
    トーマス・M・ディッシュ   『いさましいちびのトースター火星へ行く』   ハヤカワ文庫SF

 長男の誕生日なのであるが、受験真っ盛りなので「自転車が欲しい」「高校が決まってからにしなさい」「釣り道具が欲しい」「高校に受かってから言いなさい」と、どれも敢えなく却下され、家族が揃う明日、けえきでお祝いのみと決定〜。

 先日池袋西武で購入した品が不良品だったので返品に行く。セール真っ盛り、赤札びらびらで、百貨店というイメージではないが、最近はどこもこういうふうらしい。つられて以前通りがかったときに目についたハーフコートをつい買ってしまう。本当は同じフロアにあるステッパー(ウォーキングマシンの簡易版)を、別口の不労所得で買うだけの筈だったのに(これは娘のリクエスト、と言うことにしておこう)。

 つい『いさましいちびのトースター火星へ行く』を読む。はい、トースターが火星へ行く話ですね、u-kiさん!マカロニ・チーズを電子レンジの電磁波でたたいて脱重力して火星へ向かうという、前作から見たらしっかりSFしているお話。それにしてもカバー見返しのディッシュ御大のご真影は、何度見てもひっくり返らされること甚だしい。

 娘は幸い熱も昨日以上には上がらず、布団にくるまって映画鑑賞(まじめに寝てろってば)。御神酒どっくりの親友が昨晩から発熱して今日医者に行ったところ、インフルエンザと言われたそうである。娘については昨日の内科医との話で「あったかくして食っちゃ寝食っちゃ寝していればいいんじゃないすかー」という線で行くことにしたので別段医者には行かず、のどの漢方薬と解熱剤のみで様子を見ている。


2000.0121(金)
  購入本: スティーブン・キング   『グリーン・マイル』1,2   新潮文庫 
    アル・サラントニオ編   『999 妖女たち』   創元推理文庫

 帰宅する時に辿る道筋は、多少くねりながらも大体道なりにまっすぐだ。今日のような満月の日には、だからその半分以上を、ちょうどよい高さに昇った月を見ながら歩くことになる。
 大寒の今日はその名に恥じない寒さで眉間がキンと痛くなるような空気だ。冷たく透き通った藍色の空に信じられないほど強い輝きを放っている満月は、たじろぎもせず高慢にすら見える。南寄りに白く輝くシリウスも今日は顔色なしである。街灯のないところで思わず後ろを振り返ってみる…月明かりで影が出来ていないかと思って。けれどもはずれとはいえ都会の悲しさで、あれほどの月の光も地上では薄れてしまい、たしかに月光で落ちたはずの私の影は片鱗もないのである。

 『雲の中のにじ』を昼休みに本格的に読み始め、佳境に入ったのだが、仕事がやや長引きあわただしく支度をしていざ帰宅してみると、予感は当たり、悲しいかな、職場の机の上に置き忘れてきたらしいのであった。娘にそう言うと、「あらー、せっかく土日なのにね」と有り難いお言葉。本を読むことの面白さを覚えた娘とは、同類としての感覚を共有し始めたので、最近はなかなか面白い会話ができるようになってきた。

 娘だが、今朝「熱は?」と聞くと「大丈夫、ないよ」「何度?」「7度7分」どっひゃー、どこがないんじゃ。けれども「ぜーったい休むのやだ」と言って、登校。
 職場で内科医に昨日からのやりとりを聞かせると、「聞くだけでどうもインフルエンザっぽいなぁ」と言うから驚いた。いや、確かにそれっぽい。のどが猛烈に痛くて突然発熱、他には別段症状なし。当人を隔離するか、受験生(長男)を隔離するかどちらが現実的か?と冗談のようなまじめな話をする。

 『サーラ』の続きを読む。


2000.0120(木)
  図書館本: 庄野英二   『雲の中のにじ』   角川文庫 
    ブッツァーティ   『シチリアを征服したクマ王国の物語』   福音館書店

 懸案だった『雲の中のにじ』と『シチリアを征服したクマ王国の物話』とを図書館にリクエストすべく事前にリクエストカードに必要事項を書き込んで持って行く。リクエストカードには、

名前(ふりがな)
利用者番号(10桁)
連絡先電話番号と時間(自宅、職場)
本の題名
作者
出版社
出版年

などをいちいち書かねばならない。2冊同時にリクエストするなら2枚、5冊なら5枚のカードに全部記入しなくてはならないのである。貸し出しカードにはバーコードで個人情報が入っているのに、どうしてその情報を利用することが出来ないのだろうか。記入するたびに面倒でたまりません〜。せめて10桁の番号だけは勘弁してくれ〜。

 今日は前もってちゃんと全部埋めて、帰宅途中にパッとカウンターに出して、お願いしまーす、と去ってこようとした。するとカウンターの若いお姉さんが、ちょっとお待ち下さいね、とコンピュータに打ち込み始めた。リクエストカードを受け取った職員には、こうして一応捜そうとする人と、記入事項だけ確認して受け取るだけの人と2種類あるのだが、今は保育園にお迎えに行く途中だから今捜さなくてもいいよーん、と足踏み状態で待つ。すると、「これは児童書の棚にありますねえ」と『シチリア〜』を指す。「それから、これも文庫なら閉架のほうにありますよ」と『雲の〜』。あらー、借りなくちゃ、借りなくちゃ、と前から思っていたのが2冊ともすぐ近所の図書館に埋もれていたとは。そして5分もたたない内に2冊は手元に。
 それ自体は嬉しかったのだけれど、せっせと書いた2枚のリクエストカードは、題名以外はまったく役に立たずに引き裂かれてゴミ箱行きになってしまったのである。水の泡というか無駄骨折りというか…いや、借りられたのだからいいのだけれど。

 昼休み『ダミアーノ』を読み終わり、続編『サーラ』に突入。夜、『雲の中のにじ』少し読んでみる。『ダミアーノ』では小さな忠実な物言う犬、マチアータがいじらしい。

 娘が、のどがちょう痛くって熱も少しあるというので体温を測らせると、朝から37度8分である。休むように言ったが、「お弁当が食べたいから行く!」と口を引き結んで譲らない。薬を飲んで出掛けていったが、案の定しばらくして「途中まで来たけど満員電車で気持ち悪くなったから帰る〜」と情けない電話。学校にも欠席の電話をして、さて私も出勤、と言うときにまた電話。「○○(最寄り駅)まで来たけど風に当たったら気持ちよくなったからやっぱり行くね」当然引き止めたが「みんなでお弁当が食べたいっ!」と譲らない。まあこの食い気があるうちは大丈夫か、と思う。縄をつけてひっぱってくるわけにも行かないし〜。
 けれども帰宅したらすっぽり布団にくるまって赤い顔で眠っている、まだ子供のような16才なのであった。


2000.0119(水)
  購入本: なし

 たくさん寝たので、なんとか人間世界に生還と思われる(本当か?)。

 職場のキャンパス内の比較的良く通るところに、工事中の柵で半ば囲まれたところがあり、柵の中には一本の鈴懸の木が立っている。これを目にする度に、『ノスタルギガンテス』を想起して、くらくらっとする思いがする。現実の世界にどうして物語の中の木が本当に出現したのだろうかと、現実と小説の世界の境界がひどく曖昧なものになる一瞬なのだ。こちらの世界の目で見れば、葉も落ちきって枝は無造作に払われた、一本のみすぼらしい木にすぎないのに。

 『ダミアーノ』まだ途中。このシリーズが終わったら、そろそろ懸案のジョナサン・キャロルあたりにゆこうか?タニス・リーに行こうか。ああ、悩む。

 年末頃から本屋にあるずっしりした綺麗な本『銀河の道虹の架け橋』が気になって仕方がないのだが、ううーん、この値段。ちょっとそこで待っていて欲しいのだが、そのうち消えてしまうのだろうか?


2000.0118(火)
  購入本: 高楼方子   『十一月の扉』   リブリオ出版 
    倉阪鬼一郎   『迷宮 Rabyrinth』   講談社ノベルス

 午前中、定期検診のため外出。職場に戻りがてら本屋を覗き超特急で上記を買う。

 朝から不調の上、慣れない電車に乗ったりしたので(いなかもの)、検診後ぼーっとしてしまい一日口を利く元気なし。深いお池の底に沈潜したような、夢から目覚めていないまま歩いているような(ただの寝不足と言う説あり)。

 帰宅後、一時的に元気が出て、夕飯をこれまた超特急でつくったので、意外に早く次男を寝かせる体勢になった。…気付いたら、真夜中をとうに過ぎていたので起きるのを断念。

 マカヴォイ『ダミアーノ』(魔法の歌1)読中、はーるーかなーむーかしー♪に読んで、もうすっかり忘れている。ある本を何度でも楽しめるという私の特技が発揮されているが、私はこの手の話は大好きである。同じ作者のものに『黒龍とお茶を』がある。


2000.0117(月)
  購入本: なし

 今日は神戸の震災から5年目の日である。震災の前年の9月まで義兄一家がちょうど被害の大きかった地域に住んでいたので、時期が少しずれていれば東京のわが家でも人事とは言えなかったかもしれない。

 さて、職場ではきょう早朝から緊急電話連絡網の訓練の予定が立てられていた。ところが、私はこれをすっかり忘れていたのである。昨夜はついつい遅くまで起きていた上、眠いのにもかかわらず良く寝付けないという、たまにしかない魔の日。暗い中に突如楽しげに響くパフィーの脳天気なメロディ…なんだこりゃー、と、まだ眠っている頭には訳が分からない。電話機を換えたばかりなのでまだ着メロになじみがないのである。あっ、あれだ、とようやく思い当たり、なんとかよろよろ受けて、次の人へ連絡。ふたたび寝床に潜り込み、ぬくぬくと眠りにさまよいこむ。…と、またもや電話。なんなのー、と再びよろめき出ると、さっき連絡した人から「次の人の電話番号教えて下さい」。電話したときに言え〜!!それでもめげずにふたたび寝床へ倒れ込む私。
 次に本格的に起きると、悲しいかな、月曜の窓の外はみぞれ混じりの憂鬱な天気なのであった(惨)。

 『誰か「戦前」を知らないか』を読み始めたが、これは山本夏彦が編集人をやっている雑誌『室内』の連載記事の集成か。『室内』はなかなか面白い雑誌で、一時期毎号読んでいたのだが、なかなか読み切れないのと置き場所に困ったのとで今はたまにしか読んでいない。山本夏彦は文庫を集めたがまだ半分くらいしか読めていない。たくさん書いているが、内容的にはかなりだぶっている。彼の文章も不用意に電車の中で読むと笑ってしまって困ることがあるのでご注意。

 夕食後、積んであったオールズバーグの中から、まったく読んだことのなかった『白鳥湖』を取り上げて読む。オールズバーグの山は年末にサンタさんから特別にもらったのである。
 『白鳥湖』は、絵本の体裁を取ってはいるが、何葉かの美しい絵がオールズバーグで、かなりヴォリュームのある文章のほうはマーク・ヘルプリンの手になるものである。ヘルプリンは『ウィンターズ・テイル』の作者であるが、これはいつものことながら書棚のどこかにあるはずだが未読。すぐにでも捜して読みたいと思うが、いったいどんな作品なのだろうか。というのは、この『白鳥湖』が、予想以上に素晴らしかったからだ。
 ロシアを彷彿とさせる国の高い山の深い森の中に住む老人と十才ほどの娘。娘は、下界に降りて行きたいという。そこで老人は、むかし彼が皇帝に会った話を始める。その皇子のこと、皇后と摂政のこと、政治と社会のこと、わるだくみのこと、オデットとその父母のこと、オディールのことなどなど。皇子と白鳥の出会いの場面、そしてオデットが属する誇り高い騎馬民族(ダマヴァンド)を描写する部分がことに素晴らしく、村上春樹の訳文のせいもあろうが、ヘルプリンがどういう資質を持った人か、興味あるところである。印象的な部分から一つ挙げておこう。

彼らは瞳の中に青い地平線を持って生まれ落ちた騎馬民族だった。そしてどのように早く馬を駆ったところで、地平線はどんどん向こうに退いていくだけなのだ。

これはダマヴァンド族のこと。ただし「早く」は「速く」ではないかと…。


2000.0116(日)
  購入本: なし

 娘と一緒に母の所へ行き、使いもしないのに押入をふさいでいる布団を「布団圧縮袋」でペタンコにして喜ぶ。これは初めてやってみたが、あー、面白かった!

 ついでに、遠い昔に読んだ(筈の)ハヤカワ文庫FTを数冊、持ってくる。マカヴォイ<魔法の歌>1〜3、ブラックウッド『王様オウムと野良ネコの大冒険』など。
 後者に挟まっていた新刊案内には、『ヴァーミリオン・サンズ』だの『インテグラル・ツリー』だの、『夜来たる』だのという題名が並ぶ。
 この新刊案内の表側は「新文庫 ハヤカワ文庫ヤング・ロマンス(YR)誕生!」というトルコブルーに赤い字の、はでばでしいもの。YRなんてあったかどうかも記憶にないけど(1986年11月)。

 『牛乳配達退場』を読み終える。前作の訳が出てから4年半もたつのだという。久しぶりに思うわけである。マクラウド(クレイグ)の中では、セーラ・ケリングもよいが、このシャンディ教授のシリーズが一番気に入っている。今回も、いかにものネタが幾つもばらまかれ、それにしてもそーんなわけは…と思ううちに、急転直下の解決を見る、というパターン。このいくつかのネタが、念押しがややしすぎ、というか親切すぎるようにも思うが、このパターンの上に登場人物に楽しい肉付けをするのがこの人の面白さだからオッケー。

 娘が昨日借りてきた『ハムナプトラ』を見ていたので、洗濯物を畳みながらちょっと横目で見る。私はこれをスター・ウォーズ公開の日にSWを見る直前に(つまりハシゴで)見ている。画面が小さいので、CGの迫力はあまりなかったが、おまけについていたメイキングの部分が(DVDのため)かなり長く、CG製作の模様がかなり詳しく紹介されていた。本当に何でも出来てしまうという感じのCG。
 『順列都市』(読みかけ)の中でも、仮想の糖分子をコンピュータ上でいじって遊ぶシーンが出てくるが、あれも今すぐにでも出来てしまうような気がする(無知)。

 次男はしきりに「あれ、本当にあるんじゃないよね?日本に来ないよね?」とミイラ男のことを気にしている。この前もなんだか忘れたが上の子たちがホラーっぽいものを見ていたときにしきりに同じように念押しをするので、「うーん、日本には来ないけどどこかには居るのかなあ?」と言ったら「ヤアダァ!」と強力反論されてしまった。大丈夫、TVの中だけだよ!
 上の二人が幼いときは、「暗い=怖い」という刷り込みをしないように気をつけていたが、この次男に対しては、私が気をつけていても上の子たちが面白がって怖がらせるので、トイレも出来れば夜はママと一緒に行きたいような按配になっており、母としてはちょっと憮然である。


2000.0115(土)
  購入本: 山本夏彦   『誰か「戦前」を知らないか』   文春新書 
    小野不由美   『月の影 影の海 十二国記』(上下)   講談社文庫
    若竹七海   『遺品』   角川ホラー文庫
    ダニエル・F・カロイ   『模造世界』   創元SF文庫

 WOWOW、St.Gigaと契約したので、昨日さっそく『新アウターリミッツ』を見た。子供の頃類似の番組の中でもっとも怖かったのが『アウターリミッツ』だった。題名もなにやら怖そうな響きだし、ナレーションの付け方もこわかった。人を憎むとその感情が対象とする人の頭上に小さな雷雲を作り文字通り雷を落としてしまう話、感情というものを取り去ってしまった人間の話、など。昨日の話は怖いというよりばかばかしさが先立ってしまったものの、いったん「不信の停止」をしてしまえば、やはり昔と同じ行き方なのかなあと思う。

 類似の番組で覚えているのは、

 ・ポンペイから持ち帰った壁画?の破片に閉じ込められた火山噴火当時の音を再現する方法が開発された話

 ・霧の中に閉じ込められた車が、霧が晴れてみたらまったく別の場所におり、しかもそこで出会った別の車の人々から見せられた写真が、α・ケンタウリ方向から撮った太陽系の写真だった話

 ・手に乗るほどの小さなバリヤ発生器が発明され、個人はおろか、各国がそれを防衛のために使う可能性が示唆される。所が操作ミスか故障のため、地球を取り巻く一大バリヤが形成されてしまい、しかも二度とそれを取り去ることが出来ず、人類は永久に地球を出ることが出来なくなってしまったと言う話

 ・電波の混信からTV画面に異星の二次元生物が入り込んでしまい、ついに画面から外に出てきてしまう話

などなど。こうして書いてしまうと、どれもずいぶん馬鹿話であるような気がする〜。

 今晩、10時頃からNHKFMで湯本香樹実『ポプラの秋』のドラマを放送していた。主人公の子供の部分より大人になってからの視点が強調されていたように思う。たしかに子供の頃の時間はドラマ化するのはむずかしいだろう。しかしわかりやすくなってしまった分、おばあさんやポプラの木と過ごした子供の頃によせるいとおしさの部分は薄まっていたようだ。

 『牛乳配達退場』ほぼ半分。
 池袋リブロではシャンディ教授の既刊が数冊、平台に並べられていた。この頃それ程目につかないのでファンとしては嬉しい(が、結構中味は忘れている)。
 あとがきを見るといつの間にかアリサ・クレイグ名義の分がずいぶんあるのにあせる。こちらはもともとフォローし切れていないので、題名は覚えているが確かに買ったかと言われるとおぼつかない(反省)。
 彼女のはほとんどが創元文庫から出ているのに、数冊だけ扶桑社・横はいり・ミステリーから出ているので、ややこしい(ほどでもないが)。マクラウドが次々出ていた当時は創元と扶桑社と両方にらまなくてはならないので面倒だったが、今やすっかり創元が押さえたのだろうか?初めの頃の『ヴァイキング、ヴァイキング』がいきなりタイム・スリップものだったので驚いたことなども思い出す。


2000.0114(金)
  購入本: 牧野修   『王の眠る丘』   ハヤカワ文庫JA 
    水木しげる   『今昔物語 下』   中公文庫
    花郁悠紀子   『カルキのくる日』   白泉社文庫
    東京人 2月号 神田神保町の歩き方   都市出版
    本の雑誌 2月号   本の雑誌社

 どうもこの頃、金曜日まで勤労意欲が持続しないという、困った症状を呈するようになってしまった(昔からか)。

 昨日、次男が風邪気味のため久しぶりに医者へ。ここでマクラウド『牛乳配達退場』を読んでいたのに、今朝これを職場へ持って行こうとすると、まったく見あたらない。一体どんなばちが当たってのことかと首を傾げたが、とりあえず年末から読みかけのまま放ってあった『順列都市』を持って出勤。いったいどこまで読んだかすっかり記憶の彼方なのであった。ちなみに『牛乳〜』は帰宅後、朝刊と広告の下に埋もれているのを発見。

 昼休み外へ出ると、春、春。湿った南風は間違いなく春だ。いったいどうなっているのだろうか、この気候は。
 カルヴィーノの新刊『水に流して』は近所では見あたらず。未読本を早く読めと言うご託宣であろうか。


2000.0113(木)
  購入本: なし

 分厚かった中井拓志『quarter mo@n』読了。双手をあげて、良くできた小説!とはとても言えないけれども、なかなか読ませた。こういう世界って実際にWeb体験のないものが読んだ場合、どのくらい通じるのか?と疑問に思わないでもない。
 Web未体験、または僅かに受け身一方である職場の同僚の会話などを聞いていると、Webについて、とんでもなくとんちんかんというかピントはずれというか、心の中で「何言ってんだか…」とつぶやかざるを得ないような意見・感想が飛び交っている。その点、この本の中で「月の帝国」にどっぷり漬かっている・からめ取られている登場人物のほうがずっと心情的には近いと思わざるを得ない。これって、いっぱんじんから見たらやっぱり変か?(いちおうクエスチョン・マークをつけておこう)


2000.0112(水)
  購入本: なし

 朝からどんよりした雲が空一面を覆っていたが、そのうちに小雨。そして、「雪だ!」の声に窓の外を見ると、本当、初雪だ。ついおとといまではあんなに暖かかったのに、まったく極端な気候である。

 タブロイド版の情報紙「出版ダイジェスト」によると、晶文社からウィリアム・モリス・コレクション全7巻(9冊)が刊行されるとのことである。ここではモリスのファンタジー作家としての側面が紹介される。第1回配本は『世界のはての泉』(上下)で1月下旬刊の予定。
 続いてのラインナップは『輝く平原の物語』『不思議な島々のみずうみ』『アイスランドへの旅』『ジョン・ポールの夢』『ユートピアだより』『世界のかなたの森』と言うことだ。
今日の時点では晶文社のHPにはまだ上がっていないようであるが、楽しみな企画である。装丁はもちろんモリスの本だけに、期待される所。

 中井拓志『quarter mo@n』の途中。今日は不調のため午後から早退してしまったので、布団に潜り込みいい心持ちで読み始め…眠りに落ちるまでのはざまに、小説と現実のWeb体験が入り交じって、あまり愉快ではないごちゃごちゃが脳裏を駆けめぐるのであった。夕食後ちゃんと起きて続き。いや、なかなか面白いです。実際、チャット的文体(リズム)って伝染性あるよなー、とはつねづね感じていることでもあるし。

 年末、u-ki総統にお願いしておいた『Kanon』全年齢版が届く。長男の名でとりあえず始めるが、やたらにその名が台詞の内外に現れるので、ヘーンな感じ。ちょっとこれは失敗か?ご当人はこれから受験なので、あとひと月強、おあずけ。中味のほうはまだ一日目の途中。


2000.0111(火)
  購入本: なし

 本を買ってもカバーというものはほとんどかけてもらわない習慣である。ひとつには買っても必ずしもすぐには読まないので、カバーを掛けると何の本だか分からなくなってしまうからである。もうひとつには本屋のカバーで素敵なのがなかなかないからで、たとえば書泉のように気が利いているのはかけてもらうこともある。
 この頃、本を無造作に手提げやリュックに放り込んで行くため、傷みが気になるようになったので、革製や布製のカバーを2,3試してみているが、あるとき演奏会のチラシを捨てようとして、これが文庫本のカバーにうってつけであることに気が付いた。チラシは紙質も良く、A4版がほとんどだし、色やデザインも素敵なものがある。クリスマス本には天使の絵やステンドグラスのデザインのものから選んだ。今読みかけの中井拓志『quarter mo@n』にかけたのはどこやらのサキソフォーン・アンサンブルのものだが、メタリックなデザインで字が極端に少なく、なかなかぴったりで、気に入っている。お試しあれ。

 その『quarter mo@n』だが、なかなかおもしろい。けれども、文章は決して上手ではない。たとえば78ページから始まる「2」の出だしの数パラグラフでは辟易。「〜けれど、」が幾つも出てきて小学生の作文のよう。駄目押しは最後の文、

ということは、そろそろ次の月の周期が迫っていた。

 変だと思いませんか、これ。変だと感じなければいいです。

 有里さんも、demonを辞書で引いてみた模様。この前私もひいてみたんですよー、ちがう話題だけど。


2000.0110(月)
  購入本: なし

 朝寝坊の最終日。あすからは子供たちも3学期が始まるので、もうお寝坊は出来ないのだ。

 今日も早起きした次男が、カーテンを開けてひとこと「雨だ〜」と言うのが聞こえる。成人式のお嬢さんたち気の毒に、と思っていたが、間もなく雨は上がり空は晴れてきた。遅い洗濯物干しをしていると、眼下の公園の門の所で、七五三よろしく羽織袴に身を包んだヒゲの男の子が、スーツ姿の友人たちといかにも嬉しそうに写真を撮りあっている。可愛い〜、と娘を手招きすると、彼女も「可愛い〜」と笑っている。我が家の子供らももあと4,5年で相次いで成人かと思っては見るが、まだ想像出来ない。

 夕方、ごく僅か部屋の模様替え。今まで窓際に木のベンチを置き鉢植えを並べていたが、鉢をどけて座れるようにした。ソファに座って本を読んでいると、あまりの座り心地の良さにすぐ居眠りをしてしまうのが困りもの。ベンチなら背もたれもないし大丈夫かな!と早速本を手に座ってみたが、冷たい…おしりが。
 そのせいかどうか、やたらに時間がかかるばかりでなかなか終わらなかったブラッドベリ『二人がここにいる不思議』『バビロン行きの夜行列車』を相次いで読了。なんとも情けないことにこれが今年初の読了本で、しかも足かけ2年かかったという…。

 次は中井拓志『quarter mo@n』を読み始めたが、○とそこに付された数字、すぐにはわからないのがフツーなのか?そうか…。


2000.0109(日)
  購入本: エーリヒ・ケストナー   『ケストナーのほら吹き男爵』   ちくま文庫 
    コミックフラッパー 2月号   メディアファクトリー

 3連休のメリットというと、前の晩宵っ張りをして翌日朝寝坊が心おきなく出来ると言うことだろうか。土日だけの2連休だと、日曜にめいっぱい朝寝坊をしてしまうと、日頃家事をため込んでいる私は、結局雑用だけで丸々一日つぶれてしまうことになるからだ。もう一日あれば雑用以外になにかする時間がとれるというわけである。
 というわけで今日はしっかり朝寝坊。それにしても子供ってどうして親が休みの日に限って早起きするかなあ?永遠の謎。

 午後、池袋へ。お正月に叔父からお年玉が送られてきたが、子供たちばかりでなく親の分まで(ごまんえんも)頂いてしまったのである(嬉)。これと、数年来連れ合いが小銭を放り込んで置いた缶がいっぱいになったのを郵便局で精算したら1万7千円ほどになったのとをあわせて、DVDを買おうということになったのである。最近はDVDの登場で、LDは実に影が薄くなってしまい、売場も急速に縮小されているようなのだ。スターウォーズの特別版だって、バットマンだって、うちはLDなのに。
 TV回りはビデオだLDだとあれこれいっぱいなので、DVDは据え置き型よりやや高いがポータブル型のを買おうということになり、ビックカメラにて購入。不労所得とは言え、ビデオクリーナーと合わせて1万円札6枚を出すときにはやはり「ううむ、高い」と思わざるを得ない。ああ、ピン札が6枚消えて行く〜と空しい思いで見送っていると、レジのお姉さんがレシートを打ち出しながら「あ、当たってますね。」と言う。そして振り向き、

「100人にひとりお買い上げ無料が当たりました。」

 ひょえぇぇぇぇ!!クリスマス頃からやっていた、ビックカメラのキャンペーン、100人にひとりの割合でお買い上げ分(最高10万円まで)無料!というのが当たったのである。59,934円也が丸々ただ!!担当の店員さんは早速「ただいま○番レジで当たりが出ました〜」と店内アナウンスである。おお、なんと今年は新年からついているんでしょう!思わずう゛いサイン!叔父さ〜ん、ツキも一緒に送って下さってありがとうっ!
 でもってソフトがなくては見られない、と買ったのは『ギルバート・グレイプ』『ゴースト・バスターズ』(1,2)『ビーストウォーズ』とか。本当は『ブルース・ブラザーズ』が欲しかったのだが、見あたらず。ディレクターズ・カット版だったかがLDにはなっているようだが、DVD化はまだなのか?

 最後に電話機(不調のため)を買った後、大当たり記念を兼ねてパルコ「唐子屋」で中華。棒餃子という長い餃子、ねぎワンタンなど、美味。ああ、なんて良い一日だったんでしょう。

う゛い!


2000.0108(土)
  購入本: 重松清   『半パン・デイズ』   講談社 
    眉村卓   『時空の旅人』前・中・後編   ハルキ文庫

 千葉そごうにて開催中の、「星野道夫の世界展 Alaska 風のような物語を、娘と見に行く。一昨年9月に、この全国巡回展の皮切りであった松屋銀座での展覧会に2度足を運んだので、これで3回目である。千葉そごうは、総武線各駅を錦糸町で快速に乗り替えて行ったのだが、接続が悪かったせいかとーっても遠かった。けれども、わざわざ娘を連れて行くだけの価値は十二分以上にあったのである。

 松屋銀座では、日曜も平日も大変な混雑だったが、今回のは会場がゆったりしていた上に客が驚くほど少なかったので、ゆっくりと見ることが出来た。これが常設展になれば良いのにと思う。今日程を見ると、松屋ではたった12日間の会期だったのに、今回はまるまるひと月である。まだ星野道夫に触れたことのない方には、この機会にぜひ行ってごらんになることをお薦めする。その際、写真の合間に掲示されている星野さんの文章をも、あわせて読まれることが肝要である。

「星野道夫の世界展 Alaska 風のような物語」 

 会期: 2000年1月2日(日)〜2月6日(火)

 場所: 千葉そごう美術館 (JR千葉駅前 千葉そごう10階)

 これを見終わってから、数駅戻って安田ママさんとダイジマンさんの勤める某書店を表敬訪問。わざわざここまで来て寄らないわけには行きません!ところが、目指す書店の入っているビルを間違えて、娘にあきれられ状態。やっと到着したときには安田ママさんの引け時まであとわずか15分という滑り込みなのであった。
 噂のスゴイ棚、と言うのを一目見てみようと思ったのであったが、正面レジ近くの目立つところの平台は、本マニア向けのセレクト。さらにネットで話題の本が重点的に目立つところに所狭しと並んでいる有様は、なんだこりゃあ大笑い状態である。いやー、これは幸せな安田ママさん・ダイジマンさん。
 安田ママさんが「ねえねえ、面白いものがあるのよ〜!」と手招きして連れていってくれたのは文庫SFの棚。平台に立ったポップには
「通がえらぶSF」と手書きしてあり、土星マークとスプートニクらしき飛行物体がとんでいる。これだけならまだ良い、その元に積まれたダイジマン厳選の文庫たちには同じく「通がえらぶSF」と書かれた手書きの腰巻きが、いとも麗々しく巻かれていたのである!ひゃー、赤面だあ。

 そのラインナップは『惑星カレスの魔女』『タウ・ゼロ』『バービーはなぜ殺される』『宇宙消失』『SFベスト・オブ・ベスト(上・下)』などなど。これらをお買い上げのお客さまにはダイジマンによる「君はSF通だっ!」のかけ声がもれなく付きますので早い者勝ちだよ。

 さて、紙版銀河通信をおねだりしてちゃっかり頂いたあと、お二人は就業中だからそこそこにさよならして、記念に上記をお買い上げ。レジに並んでいると、ママさんが再度飛んでくる。どうしたのかと思ったら、ニコニコ顔のママさんのかたわらに立つのは、なんと、まぼろしの安田パパ!わああ、こういう方でしたか!先ほどくだんの通SFを手に取っていた方ね…!さっそく記念撮影ぱち!(したつもり、残念〜。寮さんのようにいつもカメラを持ち歩くようにしようかと、しばしば思うのだ)
 伺った時間が遅かったので、つぶさに見て回れなかったのが残念だった。またいつかね〜。

 娘のダイジマンさんの感想:「桜井さんみたい!」(桜井さんって、ミスチルのメンバーですね。)生ダイジマンをご存じの方に賛否を問う。
 ちなみに娘の、お二人の年齢あては、ほぼ当たり、なのであった。事前に田中世界の話をしておいたのだが、そこでの私の年齢については大いに異論ありそうな娘であった(田中世界では私はママさんの1才上)。
 あ、ついでに「ニム」と言う名前は、(田中世界とは関係なく)私がさばを読んだ年齢であるところの26才から来ている、と言うご意見もあるようだが、この説はまったく当たっていないので消去するように。どの点が当たっていないのかについてはまた別の問題である。


2000.0107(金)
  購入本:天沢退二郎  『光車よ、まわれ!』   筑摩書房 

 昼休みに古本屋に寄って、暮れからごっそり抜けたままになっていた幻想関係の棚がほぼ元通りになっているのを見て一安心する。慢性的寝不足の目で文庫を見ていると、どこからか現れたご主人が「こんにちは。これ、要ります?」ぼーっとしていた目の焦点が合うと、それは先日から頼んでいた『光車よ、まわれ!』ではないか。「いる〜!」と、俄然目が覚めて本に引き寄せられる。新年早々幸先がいい。

 私が以前図書館で借りたのとは大きさも違うし、聞くところによればさらに違う装丁のもあるらしい。これは1975年の初版3刷であった(ちくま少年文学館4)。

 棚がごっそり空いていたのは先日の伊勢丹の古書市に出店していたからだという。幻想系を扱うのをやめたのかと思って悲しんでいたのである。しかし神保町などと違って、この辺ではまんがとエロ本しか売れないのだという。棚が2本分近く空いていても、売上げは全然変わらないのだそうだ。私が買いそうな本をどんどん入れるように。


2000.0106(木)
  購入本:ダ・ヴィンチ 2月号   メディアファクトリー 

 せんだってから、トップページがうざったくてたまらないので、とにかくあれもこれも消す。ああ、さっぱりした。

 今日は小寒、あすは七草だというのにこの暖かさは何だろう。コンナコトデイインダロウカ? けれどもさすがに木々は時を知り、一番遅くまで緑の葉を風に揺らせている柳も、とうとう葉を黄色く色づかせて新しい葉が出るのに備えようとしている。

 先日から、川の上に舞う鳥の群がある。伝書鳩のような群だが、鳩にしては大きいし、カラスにしては白いし数も多い。第一、飛び方が違う。低く降りてきたのを見ると、それはカモメなのであった。いわゆるユリカモメなのだろうか。例年この時期には海から何キロも入ったここまで来ていたのだろうか。矢ガモで有名になってしまったカルガモの群はいつも川面に浮かんでいるが、カモメがこんなに群れ飛んでいたかどうか、まったく記憶にないのである。すわ、暖冬の影響か!?と思いたくなるのも許されたい〜。

 夕食後またもTVにつかまる。今日のは金八先生スペシャル。この前のシリーズの時は、子供たちと一緒に、すっかり中学生に戻って真剣に見たっけ。今日のもついぽろっと涙したらあとは止まらず、目があった長男に「なんだ、金八先生みて泣いてたのか!」と言われてしまった。もう涙腺ゆるいのだ。


2000.0105(水)
  購入本:C・V・オールズバーグ  『急行「北極号」』   河出書房新社 

 今年はなぜかお正月らしい気分は薄かったが、ともかく初出勤。手首はかなり良くなったが、まだ自転車には乗れないので、徒歩で出勤である。帰りはくたびれる。いましばらく徒歩通勤が続きそうだから、ほっぽらかして置いたピカチュウをお供に持って歩こうかな。先日見たらピカチュウの姿が消えて「ショック!」と言う文字がヒカヒカ点滅しており、こちらも少なからずショックなのであった。ごめんね、ピカチュウ。

 私が出勤だと自動的に次男も保育園に行くことになる。長男は昼から塾、連れ合いは家でぱそこん仕事、そして娘はひとり、ヒマしているのである。
 今年は例年なら3学期の始業式の8日が第2土曜なので学校は休み、さらに9,10日と連休というわけで、始業式は11日の火曜日。いいなあ、お休みばっかりで!

 夜次男も寝たのでさてWeb徘徊…と思ったら、この、一日ヒマしている娘が、なにやらぱそこんを占領している。「期末テスト 百人一首」なんてリストを作っているのだ。あーもう、父親がいるんだから昼間のうちにやってくれえ。というより、そんなものパソコンできれいに書いたって、覚えませんよ。やっぱり手で書いて、口で言わなければ覚えませんって。
 さらにアメリカに行ったお友達にポストカードを送ると言って、さらに占領状態は続くのであった。えーん、私の楽しみを奪わないでよう。と言おうとして、どうせあと少しで終わるのだからこのあいだに本を読んでいればいいのだ、と、はたと気づく。ああ、もう中毒

 かくして『二人がここにいる不思議』の続きをようやく読むのであった。いや、どうもなかなか読書エンジンがかからない新年である。


2000.0104(火)
  購入本:なし

 今日こそ読書するぞう!と、家事を(ちょっと)し、合間に、さぼっていた掲示板のお返事の作成など。しかし家族が皆いると、あっという間に次の食事の心配をしなくてはならない。5人分だと、ちょっとお茶+αと言っても食器だけでもけっこうな数だ。

 午後も長けてから、突如用が出来て出かける羽目に。ああ、午後こそ本読み三昧のつもりだったのに〜。今年は義母の所にも行かず(遠方の長男の所に滞在しているため)、スキーにも行かず(長男の塾のため)ずっと家にいたのに、こんなに本が読めないお正月も初めてである。なんかさいてー

昨年の大収穫(順不同)

 ・天沢退二郎の作品に出会ったこと
 ・寮美千子さんの作品に出会ったこと+ご本人と知り合えたこと
 ・山尾悠子の作品を知ったこと+(特に日本の)幻想文学に親しんだこと

昨年読んだベスト(順不同)

 ・天沢退二郎の(児童文学)作品群
 ・寮美千子の作品群、強いて言えば『ノスタルギガンテス』
 ・梨木香歩の作品群、強いて言えば『りかさん』+『からくりからくさ』
 ・ブラッドベリ『瞬きよりも速く』
 ・妹尾ゆふ子『魔法の庭』+『風の名前』
 ・小林泰三、強いて言えば『酔歩する男』
 ・神林長平『戦闘妖精 雪風』+『グッドラック 戦闘妖精雪風』

 有里さんのご指摘のとおり、明らかに作者で攻めてゆくタイプの私なので、どの作家の作品も、これ一作、というのが決められない。だってどれも分かちがたく結びついているんだもの…。
 ブラッドベリも短篇集だ。小林泰三と神林長平は、残念ながら作品群と言えるほど多くを読んでいない、と言うだけの理由で、題をあげることが出来た。
 ここには入れなかったが、安房直子をたくさん読めたのも幸せなことであった。

 私にしては読んだ翻訳作品が非常に少なかった年でもある。HPを持ち、自分で日常的に文章を書くようになったために、日本語に対する興味が出てきたのかも知れない。(この点、要考察)。少ない翻訳作品の中で、ブラッドベリの他にあげられるのは、イーガン『宇宙消失』だろう(『順列都市』は途中)。
 いずれにしても、Webから得た情報で初めて知った、あるいは読む気になった本がとても多かったと思う。自分からは決して手を出さなかっただろうと言うものも多い。その中から上記の出会いに繋がったものも、また多かったのである。
 さて、お正月も終わったのでまた明日からいつものように本が読めるだろうか、トホホ。


2000.0103(月)
  購入本:なし

 お昼前に、ヒマしている次男にTVを見せてやろうと新聞を見ると、まさに今から『サウンド・オブ・ミュージック』が始まるところ。日本語版なので5歳児にも筋は追えるだろうと、早速チャンネルを廻し、娘にも声をかける(一家でこの映画のファンなのだ)。私はたらたら家事をしながら時々見ようと思っていたが…気がつくとしっかり座り込んで見ていた。11時から2時近くまで、これでつぶれる。

 娘、次男とスーパーに買い物など、そのあと「運動不足だあ」と騒ぐ娘とウォーキングに。暖かく、1月とはとても思えない夕方である。

 そして夜、TVでは『風と共に去りぬ』を放映。私がこれは面白いと言ったためか、映画の好きな娘は早速画面の前に陣取っている。レットを見て「気持ち悪いおじさん」と言っていた彼女も、次第にその魅力に参り、今や立派なレット派に。夕食を挟んで、結局最後は全員で見たのであった。うう、感動。映画と原作が補完し合う、なかなか素晴らしいケースだと思う。原作読めよ>娘。だって途中で「タラって誰のこと?」とのご質問が(がっくり)。


2000.0102(日)
  購入本:なし

 年内に出来なかった(しなかった)掃除をするでもなく、片づけをするでもなく、かといって本を読むでもなく、時間に縛られずたらたらと午前中を過ごす。といっても洗濯をし、おせちの残りを並べ、食べ終わったら片づけ、ベランダの草花に水やりなどしているとそれだけでもいつの間にか昼過ぎ。

 久しぶりにゆっくり水やりをしていると、な、なに、これは!
 夏にベランダのラズベリーが一日1,2個ずつ熟したのをぽちぽち取っては甘酸っぱさを味わっていたが、年末になっても葉が緑のまま残っているのは本当に暖冬なのだなあと思っていた。今日はひさしぶりにそれぞれの鉢の様子を見ながら水やりをしていたら、あれ!?葉陰に赤いものが…?なんとそれは、すっかり熟して黒みさえ帯びたラズベリーの実なのであった。いつの間に花が咲いたのか、冬だというのに暖かさに再び実を付けたのである。
 もっともラズベリーも、春と秋に花を咲かせる薔薇とおなじバラ科だから、秋に実がなっても不思議ではないのかも知れない。悲しいかな、いちおう都会っ子の私はラズベリーの収穫には詳しくなく、単純に「暖冬なり…」と嘆くことしかできないのである。
 ちなみにその実の味は野趣に富みなかなかおいしかった。

 午後から、福袋を買いたいという娘のリクエストその他で、またまた池袋に。午後のことだからもう既にめぼしい福袋は売り切れていたが、半額程度で娘や次男の衣類などを少々仕入れる。 ビックカメラで、ホームページ作成ソフトを物色。連れ合いがホタル2001がいいと言うのだが、そのHPを見ても何がどうできるソフトかどうもよくわからない。現物を見てもパッケージの説明はHPと同じようなものである。ほかにはホームページビルダー2000が山積みされているのが目につく。こちらの方が安い、と、決めそうになったが、よく見ると学割パックがあるではないか。学割なら3000円も安いぞ。しかし同行の娘は残念ながら身分証明書を持っていない。ホームページ作成ソフトに学割パックがあるなんて知らなかった〜。くやしいのとよくわからないのとで、今日は購入を見送る。帰宅して雑誌の付録をひっくり返したら、あっさり上記2つのお試し版が出てきたので、まずいじってみることにする。と言うわけで夜になってしばしお遊び。

 と言うようなわけで、新聞など多少の活字は読んでいるけれども、「読書」は未だにしていない新年2日目なのであった。特筆すべきは、旭屋書店に行ったのに本を一冊も買わなかったということである。これをもって今年一年の範とすべし(無理だってば)。


20000101(土)
  購入本:なし

 明けましておめでとうございます。

 サイト開設以来約3ヶ月経過した1998年の大晦日に、見よう見まねでカウンタを設置して以来、昨年1年間で思いがけず20000カウントを数えることが出来ました。弱小サイトにこんなにたくさん来て下さって、驚きと感謝でいっぱいです。今年もたのしくWeb遊びを続けて行きたいと思っています。よろしくおつきあいお願いします。

 昨夜はTVでも見ながらカウントダウンのつもりであったが、娘がしっかりリモコンを握り、どこも同じようなバラエティ&歌番組を切れ目切れ目でくるくるチャンネルを変え、騒々しく面白くない一方なので、いつのまにか夢の国〜。知らない間に1999年は2000年に突入していたのであった。連れ合いは今春高校受験の長男を引っぱり出して近所の神社に合格祈願、私はそのまま朝まで初眠りを続ける。

 午後から長男の書き初めの宿題(今日しか塾の休みがないので)が終わるのを待ち、根津神社へ初詣に行く。湯島天神にも足を延ばす。途中前を通過した神田明神は、暗くなりかけているのにも関わらずかなりな人出らしかった。天気も良く比較的暖かいのに、和服姿が本当に少ない。

 どうやら格別2000年問題は持ち上がらなかったようで一安心である。あまりに何もなかったのでちょっと拍子抜けと言う気もしないではないが、これはちょっと新年早々不謹慎だしナイーヴに過ぎる感想ではある。


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最終更新日 01/01/08 14:50:25
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