2001年10月のオープンを記念して開かれた「奥成達資料室乱入!」フェアを、こちらに常設といたします。奥成達資料室「達度1」と認定した本をご紹介。ごゆっくり、どうぞ。 bookbar4楽天ブックスの最新頁はこちらです。
『奥成達資料室』

奥成達氏の著書、寄稿雑誌、関連する雑誌書籍を取り揃えて「奥成達精神の次代への継承のために」設立された。

奥成達

17才で北川冬彦氏に師事、高校三年のときに「詩とジャズ」のツイスト・パーティを主催し、1970年代には山下洋輔氏らと「全日本冷し中華愛好会」結成し、平岡正明氏とバビテン論争を繰り広げ、二代目赤塚不二夫を襲名するいっぽうで『VOU』のメンバーとなり、『gui』を創刊して「北園克衛『郷土詩論』を読む」を緻密に連載しながら、筆圧の強いガリ版仕様鉛筆文字で今日も升目を埋めている詩人、評論家、エッセイスト。(経歴頁へ。経歴副読頁も併せてご覧ください。)
以下各項目のマークをそれぞれクリックすると、→奥成達資料室関連頁へ、→楽天ブックス詳細頁へいきます。
表示価格は全て税抜き価格です。
■ 著書
001
深夜酒場でフリーセッション
■奥成達■晶文社■1984.05■¥1500
著者の経歴を初めて見ると、その範囲が広すぎて「で、御専門は何を?」なぞいう愚問を口走りたくなる気持ちもわかるが、奥成達入門書とも言えるこの一冊で、その真髄が全てセッションにあることをとくと御覧あれ。自由に広く混沌が楽しい。

002
みんながジャズに明け暮れた 私家版・日本ジャズ史
■奥成達■三一書房■1997.11■¥2500
「1950年代から始まった、ぼくのジャズ狂いのほとんどをここに思い出深く網羅した」とあとがきに書いているように、新宿ピットイン、ジャズミュージシャン、詩人、ドラッグなどに話題が及ぶ。1996年八ヶ岳で”怪物くん”こと龍野治徳氏がオーガナイズした「ザ・パーティパーティ96」の司会をつとめた著者は、やっぱりジャズの楽しさはセッションにあって、耳、目、顔、身体をふるにつかってどれだけ楽しくその場を見とどけられるかだと再確認する。

003
ドラッグに関する正しい読み方新装版Drugculturemap
■奥成達■大村書店■1999.03■¥2600
中島らも氏は「青春と読書」誌(1992)にこう告白している。
「...『ドラッグに関する正しい読み方』(91年版を読んでいる)は、驚くべき書物である。ドラッグをキーワードに、過去の文学史を一回洗い直して、ドラッグ本位の文学史百科を作ってしまたっともいえる。...氏が文学の中にドラッグの香りを嗅ぎ分け嗅ぎ分け、楽し苦しそうに一冊の本を編んでおられるのを見ると、これはやはり近親憎悪だ。...」


004
旅で考える生きるヒント50歳からの修学旅行
■奥成達■ワニマガジン社■2000.03■¥1800
修学旅行といえば、ただ友達と騒ぐことに夢中で観光地も名所旧跡も何も憶えていない貴方にお勧め。歳は50未満でもいい。
「とりあえず2泊3日くらいの遊行(ゆぎょう)をはどうか」と著者は言う。この本のネタになった取材旅行の珍道中の顛末も実はめちゃくちゃ可笑しいのだが、その話のうらでこんな旅哲学が熟成していたトハ...。各項に添えられた「旅の栞」の言葉がとにかくいい。「一人でいても淋しくならない人になりたい/瞬間瞬間を無条件に開き挑んで生きていくことの美しさ」...。旅案内じゃなくてこっち頁をメインに組み直した一冊もあるといいのに。珠玉の言葉で、その地に想いが及ぶのだ。


005
温泉主義への冒険遊湯・名湯・楽湯・秘湯
■温泉主義ストーンズ■三一書房■1996.10■¥825
今どきの温泉好きとはチト違う、奥成達所属(主催)の温泉主義ストーンズなる団体。小原庄助を師と仰ぎ、日本中の温泉宿の宴会場を荒らしてきた彼彼女等の足跡を見よ。なお、小原庄助賞なるものをつくってキャバレー「白いばら」で受賞パーティを開いたりしている。

006
昭和こども図鑑20年代、30年代、40年代 の昭和こども誌
■奥成達/ながたはるみ■ポプラ社■2001.07■¥1600
奥成+ながたによる昭和こどもシリーズ第四弾。品川生まれの著者が「ぼくのところはこうだった」と語りかけるから、うちはこーだこっちはあーだと話が盛り上がってしょうがない。
後ろの方に草花の遊びが出てくるが、そこに描かれた葉脈をチェック!画家ながたはるみの真髄、点描がチラとそこに。


007
なつかしの小学校図鑑
■奥成達/ながたはるみ■いそっぷ社■1999.12■¥1600
「ここに描かれているのは全部小学校の思い出です。もうどこにもこの小学校の風景は存在していませんが、古いアルバムを押し入れの奥から出して眺めるような気分で、なるべくたくさんの人に懐かしがってもらいたいと思います」(まえがきより)

008
駄菓子屋図鑑
■奥成達/ながたはるみ■飛鳥新社■1995.08■¥1553
松岡正剛氏は「千夜千册」でこう書いている(全文はこちら)。
「...ああ、なんとも懐かしく、なんとも他愛ない。よくぞ、こういうものばかりを集めたものだ。とりわ け本書がぼくを喜ばせたのは「三角乗り」を載せているところだった。三角乗りとは大人の自転車をサドルにまたがらずに漕ぐことで、たいていの少年がこの異常な体勢の冒険から「乗り物」に向かっていったものだ。あの大人用の大きな自転車にしがみつくように乗っていたような体験を、いまぼくたちは何に向けてやっているのだろうか。...」

009
遊び図鑑いつでもどこでもだれとでも
■奥成達/ながたはるみ■福音館書店■1987.05■¥1600
遊びの場所や道具はずいぶん変わるけど、こどもが「遊び」に見つける楽しみはそんなに変わってきたとは思えない。ただ、特別なものなど何もなくてもいくらでも遊べるんだってこと、だんだん大人たちが忘れていくように見える。この一冊はなつかしさに溢れているが、そんな意味でも世代を越えて読み継がれるべき本である。なおこの本は韓国版台湾版もある。

010
Small change Hayama Horiuchi blues
■奥成達■ミッドナイト プレス/星雲社■1990.12■¥1942
1976年に発表されたトム・ウェイツのアルバムと同じタイトルを冠に、住まいのある葉山堀内をブルースした。ナルトやサボテンの登場、おやじギャグ的言い回しで照れを隠すようにしながら、淡々とタテヨコの線で位置を示して漂わせる深閑とした気配。

011
ススメススメタバコノススメ
■奥成達、他■ビー・アール・サーカス/そしえて■1999. 10■¥ 1400
私は煙草を吸わないが、けむい時はあおいだり窓を開けたりやめてちょうだいとお願いすることで結構間に合っている。歩み寄るワタシに向かって、やつらは煙草をふかして突進してくる...。この本は愛煙家たちによるタバコ超讃歌、文学映画栽培効用様々でなんだかタノシそうだが、結構今の世の中では肩身すぼめてゴクロウもあるようで。

012
直筆が覆した日本史読本学校で教えなかった古文書
■奥成達■青春出版社■1998.07■¥830
旅先でふと目にした資料が気になるが、昔オベンキョウしとけばこんなものはスラスラ読解できたんだろーか。まぁ気になったそのときに調べりゃいーじゃないか、そんなことで、直筆を読むことから日本史の断片を著者がひもとく。なぜ相撲は裸なのか、小林一茶が残した日記の「交」ってなんなのか、正倉院に残された「たまった衣服を洗濯したいので」は休暇願?!余談だが、手書き文字っていいよね。奥成達の字も、いいんです、見てみる?

013
学校では教えられない日本史読本この古文書が証す新事実の歴史
■奥成達■青春出版社■1997.10■¥810
上記『直筆...』と並んで学校で教えない日本史シリーズ。とはいえ著者は、青山学院大学文学部で教えているセンセイなのである。学校では教えられないようなことをせっせと教えているようですヨ。

014
退屈しのぎの笑える話通勤電車で愉しむ!
■奥成達■青春出版社■1994.07■¥467
「山手線を研究する会」として1984年に出した『通勤電車のひまつぶし満載 ひと駅1ページの楽しみ』の系譜か。「想像力と創造力を駆使して知的ひまつぶしの開発に全力を取り組んで」以来十年後の本作で、一応の完結をみたのか?!
■ 関連図書
101
へらさけ犯科帳山下洋輔エッセイ・コレクション3
■山下洋輔■晶文社■1998.11.30■¥2,500
「ハナモゲラよ、永遠なれ!国民的大論争を呼んだ『全冷中』真実の記録、狂乱の青年記、草野球奮闘記、ほか、ヤマシタ・エッセイ、全開!」(帯より)となれば、奥成達への言及が随所に出てくるにきまってるのであった。

102
ザ・グレーテスト・ヒッツ・オブ・平岡正明
■平岡正明/四方田犬彦■芳賀書店■2001. 08■¥3800
平岡正明略年表と全著作リストのなかに、奥成達との共著記録。

103
ジャズより他に神はなし
■平岡正明■三一書房■1971.7.31■¥2,136
「艶歌三度笠」の項で、日本語の詞を自然に拡大して起伏をつけていけばおのずから艶歌になるか、いやならない(奥成達)、の論争。あとがきのさなだ虫 論争もスバラシイ。

104
古本でお散歩
■岡崎武志■筑摩書房■2001.7.10■¥780
「そいなみ本((c)岡崎氏)」の例として奥成達らの本『あれもこれも「知的面白学」』が登場。ほら、あるじゃないですか、「そーいえばいざとなるとなかなか見つからない本」ってやつが、と著者は言う。

105
素敵なダイナマイトスキャンダル
■末井昭■筑摩書房■1999.04■¥580
実母がダイナマイト心中という衝撃的な話で始まるこの本は、著者破天荒ジンセイの記録。『ニューセルフ』誌発行の頃に奥成達と出会い、その後『小説マガジン』に発展しちゃった、といういきさつが。

106
ルナティックスー月を遊学する
■松岡正剛■作品社■1993.8.30■¥2,800
「このジャズに詳しい詩人(奥成達)には『サボテン男』というルナティックな詩集があり、ここに山下洋輔やジョン・ソルトや大野一雄などがムーン・サークルをつくった。背後には北園克衛の「vou」があったのだが、この月映幾何学を配したかに見えた詩誌は北園の死によって消失し、あとは白石かずこによって命名された「キットカット・クラブ」という放射圏だけが残響している。...」と、月的に紹介。

107
アカツカNO.1
■赤塚不二夫■イースト・プレス■2001.9■¥1,900
1968年から75年までの様々な雑誌でのおシゴトが一冊に。『まんがNo.1』創刊号から数号分(表紙:横尾忠則)も登場、創刊号のもくじ頁にツーホット・ワンアイスの名が。