いよいよアメリカに発つ。昨夜の夫との話し合いでは、飛行機の出発時間は5時30分。お土産を買ったり、最後の食事をする時間を考えて、2時頃には空港に着きたい。逆算して12時には家を出ようということになっていた。結局いつものように、せっかちな夫に急かされて家を出たのは11時前。彼はその1時間も前から「もう出かけよう」と何度も私を急かしていた。主婦は出かける朝は忙しいのである。3週間も家を空けるのだから、洗濯をしなくてはならない。汚れた衣類を3週間もそのままにしておけない。何か見残したことはないか、点検もしたい。 デルタ52便は、定刻より約30分遅れで雨の成田空港を離陸。乗り継ぎ地ポートランドまで、7時間50分のフライトの予定。悪天候のせいで揺れがひどく、離陸後2時間以上たった今も、シートベルト着用のサインが消えない。車やほかの交通機関に比べて航空機の事故率は極端に低いということはわかってはいても、バスや電車のように揺れる飛行機は気持ちの良いものではない。
さわやかな秋晴れの朝を迎える。DL52便はコロンビア川に沿って東行し、乗り継ぎ地ポートランド空港へと向かう。雪を頂いた、ロッキー山脈の眺めがすばらしい。 ポートランド空港はゆったりとして、落ち着きのある空港である。一昨年9月のYの結婚式の際は、ロスアンゼルス経由だったので、夫はポートランド空港は初めてである。2時間ほど休憩し、再び機上の人となる。 ソルトレイクシティー空港には、Yが迎えに来てくれていた。2週間ぶりの再会を喜び、ソルトレイクシティの街を案内してもらう。お茶をのみ散歩した後、Yの家のあるオーレムへ向かう。フリーウエイは工事のため混雑しているというので、パークシティの山の中を通る。パークシティは2002年の冬季五輪の開催に向けて、道路や建物の工事が盛んである。山道が終わるあたりに、日本の大林組が工事したトンネルが片側だけ開通している。このあたりではトンネルは非常に珍しいらしい。YもKもアメリカに住んで長いが、トンネルは見たことがないという。
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