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11月1日(日曜日)晴れ所々雨

スキーリゾートとして有名なアスペンは、グレンウッドから1時間ほどのところにある。高級ブランドショップの並ぶ通りは、ゆとりのある作りとなっている。紅葉には少し遅い、スキーにはまだ早いという中途半端なシーズンのせいかオープンしていない店のほうが多い。一通り回って帰ろうとするが、気になる店が一軒ある。その店先には、私にはけそうな大きさのスキーブーツが飾ってある。結婚前に買って以来、もう25年も自分用のスキー用具を買ってない。経済的に贅沢ができなかったこともあるが、私の小さい足に合うサイズがなかったことがもっと大きな理由である。どうせ合うサイズがないのならと、妹や娘たちのお下がりで我慢していた。ところが今日、私のスキーブーツに出会ってしまった。これ以上荷物を増やしたくない夫は、あまり良い顔はしない。しかし、これまでの私の事情を知っているので、だめとはいえない。

店員さんが私に合ったサイズのものを倉庫から出してくる。二つのサイズのうち、どちらがより私の足に合うか入念にチェックする。私は多少サイズが合わなくても、これまでのものに比べたら格段に良いのだから、どちらでも良いと思っている。しかし、彼らはそうではない。買うのは私で、使うのも私なのだからもう良いと思うのに、彼らはしつこい。プロファッショナルとして、徹底的に調べる。ようやく彼らの納得を得ることができ、一足のブーツが私のものとなる。これで、今シーズンから私のスキーは劇的に変わることだろう。楽しみなことである。

アスペンにて
22センチのスキーブーツ

再びグレンウッドスプリングスに戻る。ドク・ホリデイの墓が町外れの丘にあると聞き、散歩がてらのぼってみることにする。住宅地の外れにある丘の小道を、落ち葉を踏みながら登る。と、どこからともなく一匹の犬が現れいっしょに歩き出す。Yが投げたまつぼっくりをくわえ、また歩き出す。しばらく歩くとこちらを向いて止まり、まつぼっくりを道に置く。それをYがとろうとすると、すかさずくわえる。また先へ行く.....。同じゲームを何度も何度も繰り返している。吠えるわけではない、特にじゃれるわけでもない。淡々とその遊びを繰り返しながら、私たちの行く先を知っているかのように先へ行く。

丘の上の墓地で目当ての墓を探して帰ろうとすると、その犬も道を降り始める。くだりの道でも同じように遊びながら、私たちを先導する。私たちが写真を撮っている間は、ちゃんと立ち止まって待っている。それでもさすがに飽きたのか、途中からはあまり熱心にゲームを仕掛けてこない。ふと気がつくと、さっきまであれほど親しく遊んでいたのに背を向けてさっさと歩いている。呼んでも振り返らないで、さっさと歩く。道を曲ったところでその姿が見えなくなる。呼んでも応えない。それきりどこへ行ったのか、姿が見えない。まるでその犬の存在そのものが、白昼の幻であったかのように姿を消してしまう。

ドク・ホリデイの墓には花と、カードが手向けられている。「駅馬車」「OK牧場の決闘」「黄色いリボン」「シェーン」.....etc。「家に帰ったら見なくてはならないビデオがたくさんあるね」と夫。

まつぼっくりで遊ぶ犬

ドク・ホリデイの墓
Yたちのアムトラックが3時9分発なのでそれまでに食事をしようと、昨日とは別のレストランに入る。ここも西部の香りがたっぷりで、カウボーイハットをかぶった男たちがカウンターに腰をかけ、テレビに見入っている。テレビはアメフトのゲームを中継している。コロラドのチームのゲームとあって、男たちは熱心に応援している。ひとしきり大きな拍手が沸く。コロラドチームの勝利である。ゲームは終わり、男たちは一人、また一人去っていく。
ドク・ホリデイと言う名前のバーもある
グレンウッド・スプリングス駅にて
時間になりグレンウッドスプリングスの駅に行く。ここはかなり立派な駅で、乗車券発行の窓口もある。乗車券を買いに行ったYが戻ってきて「列車は2時間遅れるそうだから、一緒に車で帰る」と言う。せっかくのチャンスだったのに、残念だが仕方がない。彼女たちにアムトラックに乗る機会が訪れるのは、いつのことだろう。 

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