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10月31日(土曜日)晴れ

YやYといっしょに、グレンウッドスプリングスの温泉に行く。YとYは車で、私と夫は念願のアムトラックで出かける。昨夜遅く仕事から帰ったYが、かねてよりの夫の希望を叶えようと予約してくれたものである。

私たちを駅まで送った足で、Yたちも出発する。アムトラックの駅はソルトレイクにあるとばかり思っていたが、プロボにもあると聞き、YもYも驚いていた。Yは、生まれたときからこの辺りで育っている。それなのに、隣町のプロボに駅があることを、初めて知ったのである。まさに、アメリカが完全な車社会であることの象徴と言えよう。もう一つ、人々の関心が鉄道にないことの証明は、地図である。日本の地図には、鉄道の線路はかかすことのできないものであるが、アメリカの地図にはほとんど載っていない。

地図にも載っていないプロボの駅は、町の外れにある。駅とは名ばかりで、日本の高速バスの停留所よりみすぼらしい。ガラス張りの簡単な待合室があるだけで、駅の名前すら書いてない。それでも列車はやってきた。 当然のごとく無人駅なので、乗車してから料金を払う。車掌が席まで来て、「どこまで行くのか、予約のさいに料金はいくらと言われたか」などと聞きながら清算をする。きさくな車掌で、私のデジカメを見て「バッテリーをくうでしょう。これを使うといいですよ」と自分の使っている充電式の乾電池を教えてくれる。

気さくな車掌
展望車にて
乗客も少なく、展望車も空いている。夫は「世界の車窓から」で見た通りの展望車に乗ることができて、御満悦である。7時になると食堂車とスナックの売店が開く。サンドイッチでも食べようと、売店に行く。
列車が進むにつれまわりの景色も変わっていく。周りの景色や雰囲気を楽しむこと約7時間。目的地グレンウッドスプリングスには1時50分に到着。YとYは一足先に到着して駅に迎えに出てくれている。彼らは2時間前に到着したという。
車窓から
グレンウッドスプリンングス駅にて
知らなかったが、ここはあの「OK牧場の決闘」に出てくるドク・ホリデイの墓がある街だという。西部の匂いが漂うレストランで昼食を摂る。カウボーイハットをかぶった客がビールを飲んでいる。メニューも「黒豆のスープ」「オクラのフライ」「ミートローフ」など家庭料理のようなものが中心になっている。大きくなったおなかを抱え、街を散策する。
西部の雰囲気が漂う
遅い昼食
ホテルを決め、お待ちかねのホットスプリングへ。ここは日本の温泉とは違い、硫黄の匂いのするおおきなプールである。客は水着を着て温泉(熱いほうのプール)に浸かり、(冷たいほうの)プールで泳ぐ。
飛び込むY

フロントで紹介してもらったステーキハウスで夕食。夫は相変わらずTボーンステーキを頼む。彼は3度目にしてようやく、希望通りの焼き方で、満足の行く大きさのものを食べることができたと喜ぶ。愛想の良いウエイターは注文の品を2回間違い、コーヒークリームを落とすなどちょっとしたミスが多い。私が「疲れていますね」と言うと「そのとおり、疲れています。じつは私はライターで、締め切りに追われていて、この3日ほどまともに寝てないのです」と言う。彼は疲れていても愛想は良い。写真を撮ろうとすると、気軽にポーズを取ってくれる。ところが、いざシャッターを押そうとすると「メモリーカードが入ってません」と怒られる。せっかくの気持ちを損なわないように、丁寧に謝る。 気にしないでくださいとテーブルを離れた彼は、メモ用紙を手に戻ってくる。彼の名前、彼の作品のタイトルが記されている。シナリオライターということである。彼の名前はマーク・エレフソン、作品は「PORT of SOUL」、「RIDING THE JACKASS」2年以内には映画になるだろうという。

今日の旅が快適だったので、夫はYとYにもアムトラックの旅を勧める。明日は私と夫が車、YとYがアムトラックで帰ることにする。昨日同様、Yが電話で予約をする。私たちの運賃は二人で100ドル、Yたちの分は82ドルだと言う。この差は、土曜日と日曜日の違いだろうか。


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