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2001-2002 駅伝時評プロローグ

今年も駅伝がおもしろ
おすすめは箱根、全日本実業団女子、高校駅伝


土佐・渋井効果で女子駅伝は盛りあがるか!

 昨年は高橋尚子のシドニー制覇の余韻がさめやらぬままにロードシーズンに突入、マラソン、駅伝ともに熱気の渦にまきこんだ。高橋効果によって土佐礼子、渋井陽子らが台頭、その二人がエドモントンの世界選手権マラソンできわどく優勝を争った。
 シドニーで高橋尚子を苦しめたルーマニアのシモンをはさんで土佐礼子、渋井陽子の三人の息づまる闘走は見応えがあった。最後は満を持していたシモンにもっていかれたが、高橋尚子につづく日本の若い力がまた世界に翔び立った。
 歴戦の強者シモンを向こうにまわして、決して怯むことなく、前へ前へと意欲的に出ていった土佐礼子の闘いぶりは清すがしかった。勝負にこそ敗れたが、レースそのものを支配していたのはむしろ土佐礼子ではなかったか。
 渋井陽子は最終的に4位に終わったが、内容的には土佐以上に将来性を感じさせるものだった。初マラソンはマラソンは終始マイペースの逃げきり勝ち、ところが2度目の今回は先頭集団でもまれながらの展開、激しくライバルに擦られながらも耐えぬいた。体調が万全でないにもかかわらず、2回目という「壁」をのりきったところに、このランナーの骨太さを感じる。
 駅伝シーズンになって、高橋はムリだろうが土佐と渋井は三井海上の主力として顔をみせるだろう。今年は「箱根」だけでなく、暮れの「全日本実業団女子」もみどころいっぱいのレースになりそうである。


2連覇なるか! コニカと三井海上 

 実業団は世紀の移りとともに、新しい時代に突入しつつある。男子はコニカ、女子は三井海上が圧倒的な強さをみせつけて21世紀の顔になった。
 昨年は過去4位が最高だった男子のコニカが東日本予選の余勢を駆って、本戦でも突っ走ってしまった。短期間でチーム力を飛躍的に向上させたコニカにとって今年はまさに正念場になるだろう。コニカにストップをかける一番手はやはり一昨年の覇者・富士通だろう。昨年はアクシデントに泣いたが、総合力ではナンバー・ワンとみる。主力が万全なら、あっさりと王座奪還してしまうケースも考えられる。あとは昨年8〜9位に沈んだカネボウ、旭化成の巻き返しがあるかどうか。復活した中国電力がどこまで2強を苦しめるかもみどころの一つになるだろう。
 スピード化が進む最近の駅伝は、前半の流れにうまくのれるどうかがポイントになる。主力チームといえども1〜3区で後手を踏めば思わぬ展開にのたうつ結果をまねく。昨年からコース変更になり、前半がポイントになったニューイヤー駅伝、今年も昨年同様に3位以降はダンゴ状態の大混戦になるだろう。
 実業団女子は土佐、渋井の二枚看板をもつ三井海上が今年も最有力である。両エースの活躍でチームの意気があがっているはずである。昨年と同じように東日本予選から突っ走るだろう。一枚ぬけた存在の三井海上を追うのは、今年も東海銀行、沖電気などだろうが両チームには最近あまり勢いがない。むしろ昨年2位と健闘したスズキ、僅差で5位にはいったデイデオあたりのほうが期待できる。
 台風の目は積水化学とノーリツだろう。積水化学はこのところ毎回、上位で戦いながらコマ一枚足りなくて最終的には優勝争いから脱落している。長い距離を確実にこなせる若手が育ってくればあなどれないものがある。昨年ノーリツは予選を突破しながら本戦は出場辞退している。チーム事情ではなく会社の製品事故のせいである。今年は小崎まり、岡本治子らが元気である。実績があるだけに、出てくれば、三井海上をおびやかす存在になるかもしれない。


またしても宿命の対決!
男子は順天堂と駒澤、女子は城西と筑波

 箱根を頂点とする大学駅伝は、出雲、全日本というプロセスふくめて、とっくりとテレビで観戦できる。だから個々の選手への親近感も増し、ひときわ興味深いものがある。
 最近の駅伝はスピード化がいちだんと進み、実力接近の様相が顕著だが、今年もやはり順天堂大学と駒澤大学がアタマひとつぬけた存在とみる。昨年、出雲を制した順天堂大は、そのまま突っ走って全日本、箱根にも勝って、学生駅伝3冠を達成してしまった。今年も順天堂にはそのときの主力メンバーが残っている。3千障害で世界選手権代表になった岩水嘉孝のほか、坂井隆則、入船満、奥田真一郎、野口英盛の「四年生クインテット」は強力である。
 昨年、箱根の9区で順天堂を逆転した駒澤大学も10000M28分台のランナーが6人も顔をそろえている。神屋伸行、揖斐祐治(4年)、松下龍治、松村拓希、島村清孝(3年)、内田直将(2年)、ほかにも高橋正仁や布施知進などもいて選手層は厚い。総合力では順天堂とほぼ互角の形勢にある。
 順天堂、駒澤の2強をのぞくと、あとはまったくのダンゴ状態ではないか。昨年往路優勝(総合3位)の中央大学には藤原正和、4位の法政大学には徳本一善らが健在だが、最近の駅伝は一枚看板のエースで乗りきれるほど甘くはない。神奈川、山梨学院、大東文化、帝京、日大……、どのチームが先に来てもおかしくはない。数ある駅伝のなかで今年も箱根が最もみごたえのあるレースになるだろう。
 さしあたっては「出雲大学選抜駅伝」の結果をモノサシにして、有力大学の秘めたる実力を測りたい。とくに注目は順天堂と駒澤のつばぜり合い。どちらが機先を制するか。そういう意味でハナから面白いレースになりそうだ。
 大学女子は今年も昨年と一昨年の覇者である筑波大学と城西大学の争いだろう。つまりは藤永佳子と赤羽有紀子という学生離界を代表する長距離ランナーの意地の張り合いが見どころ。昨年は一年生の藤永が遠慮したかたちだったが、今年はもう黙ってはいないだろう。とくに筑波は管野勝子(インカレ5千4位)、山嵜麻子(インカレ1万5位)、吉田郁子(インカレ1万7位)らが調子をあげており、王座奪還を果たしそうな勢いである。この2強に迫るのが京都産業大、名城大、立命館である。とくに昨年も大健闘した名城大が台風の目になりそうである。加藤あすか(インカレ1万2位、5千5位)、小田依子(インカレ1万3位、5千10位)がエースに成長、展開しだいでは2強に割ってはいる可能性もある。立命館も大山美樹(インカレ1万1位)、中村望の4年生に加え、高校陸上界のスーパーエースだった阪田直子の出来しだいでは上位にからんできそうである。
 大学女子も最近は有望選手の顔がそろい、昨年よりもさらに興味あるレースになりそうである。


男子は大牟田が連覇をねらう
女子は須磨女学園にチャンス到来

 高校駅伝は最終的に出場校の顔ぶれをみないとヨミきれない。予選もはじまらないいま展望せよというのは、どだい無理な話である。ムリを承知でイチかパチかのウソヨをやってみよう。
 男子は昨年の覇者・大牟田が今年も中心になるだろう。春におこなわれた九州選抜駅伝と新人駅伝(伊那市)で大牟田はともに圧倒的な強さで制覇している。伊那市の大会では佐久長聖、西脇工業、豊川工業などの有力校を2分あまりもぶっちぎった。大牟田を筆頭にして、これを追う一番手は仙台育英あたりだろうか。
 女子は近年、諫早、立命館宇治、須磨女学園が3強を形成してきた。一昨年は藤永佳子の諫早、昨年は阪田直子の立命館宇治が悲願の初優勝を果たした。順番からすれば今年は田顔朋美の須磨女学園の出番である。もちろん立命館宇治も有力候補にあげられるが、選手層の厚い須磨女の実力がぬけている。事実、伊那市の新人駅伝で須磨女はライバルの立命館宇治に約2分の差をつけて圧勝している。
 現状からみると須磨女学園がぬけている。追うのは立命館宇治、諫早はチーム力が落ちている。むしろ九州選抜駅伝を制した神村学園や筑紫女学園、ほかでは仙台育英あたりの台頭があるやもしれない。(2001/09/20)


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