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2002-2003 駅伝時評 プロローグ

実力伯仲で
ハイレベルの熱い闘い必至!


ポスト高橋尚子は誰か? 注目のランナーは2人!

 高橋尚子がベルリン、渋井陽子がシカゴ、そして福士加代子がアジア大会で走る。日本女子のビッグ3の熱走の余韻をひきずって、今年の駅伝シーズンは幕明ける。
  いまだ渋井と福士の結果は判明していないが、久しぶりに登場した高橋尚子は2時間21分台でベルリンマラソン2連覇を達成した。21分台の記録ならば、まずまずの結果というべきである。もしこれが渋井だったら、マラソンの新しいスター登場というような扱いになるだろう。だが、高橋尚子なら「あたりまえ」というわけか。メディアもファンもきわめて冷静に受け止めている。それほど高橋尚子に対するファンの期待度が高いということになる。
 現在の時点で高橋尚子の21分台という記録をどのように評価すべきか。それが過保護としかいいようのないめぐまれた条件のなかで生まれた記録であるこを考えると、なかなか評価がむずかしい。勝負のかかった、たとえば「選考レース」などで、いったい彼女がどのような走りをみせるのか。しかと見定めって、マラソンランナー・高橋尚子の寸法を測り直したと思う。
 高橋尚子はムリだろうが、渋井陽子と福士加代子は今シーズンもロードに顔をみせてくれそうである。またひと皮むけた走りに注目したい。


コニカの三連覇なるか?
激しく迫る日清食品、中国電力

 実業団駅伝は男女とも、例年を上回る大激戦になるのではないか。男子ではかつての王者・エスビーが駅伝出場をとりやめ、女子では中堅どころのポジションをしめていたラ・ラ・ラが今回から姿を消すことになる。後者の場合は旭化成に移籍して再出発するのだから、むしろ発展的といえるが、エスビーの離脱は時代の遷りというものを感じさせる。
 男子は連覇を果たしたコニカを中心に日清食品、富士通、中国電力のビッグ4が今年も抜けているように思える。コニカはアジア大会代表の坪田智夫がスーパーエースに成長、ガソ、ワイナイナの外人コンビ、松宮兄弟、磯松大輔などが健在、ほかにも中堅どころの選手の成長も著しく、まったくスキというものがない。
 本命コニカを追うの日清食品、富士通、中国電力はほぼ一線だが、日清食品の充実ぶりには眼をみはるものがある。実井謙二郎、奈良修の両ベテランを中心に、ギタヒという大砲がひかえている。何よりも今年は若手が着実に成長してきている。小川博之、板山学などが春からの競技会でも活躍、さらに新人ではあの徳本一善、神屋伸之なども加わり、チームに活力をもたらしている。一発ひっかかればコニカを食うかもしれない。
 中国電力は佐藤敦之、油屋繁、尾方剛など昨年も活躍した実績のあるランナーに加えて今年は尾崎輝人や森政辰巳なども好調そうで、昨年以上に期待できそうである。
 富士通は藤田敦史、三代直樹、帯刀秀幸など力のある選手がそろっているが、この数年はレースになるとどういうわけかいつもひ弱さを露呈する。今年は野口英盛など駅伝にめっぽう強い新人が加わった。若い力をエネルギーにしてコニカ、日清、中国電力の一角くずしを期待したい。
 ほかではトヨタ、カネボウ、NEC,アラコ、ホンダなどがあげられるが、このあたりになると上位進出はかなり苦しいだろう。
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三井住友海上の三連覇は?
新勢力の台頭で大激戦必至!

 業団女子も男子と同じく三井住友海上が三連覇をめざしている。昨年はまさに横綱相撲だったが、今回は勝つにしてもあれほど楽にはゆかないだろう。グローバリー、ダイハツ、資生堂、旭化成、天満屋などなど……、実力接近で大混戦になる気配である。
 候補の筆頭はやはり三井海上である。土佐礼子、渋井陽子、さらには駅伝では土佐、渋井以上かもしれない坂下奈穂美の三本柱に加えて、今年は橋本歩が急成長、さらに新人として大山美樹が加わった。バランスのとれて布陣をみると、やはり強そうである。
 追うのはグローバリー、ダイハツあたりか。昨年はあわやのシーンもあったグローバリーは野口みずき、田村育子、藤原夕規子が健在、野口は日本を代表するランナーに成長、藤原も中距離ではトップクラスに成長した。若いチームだけに調子にのれば最も怖い存在だろう。
 ダイハツは前回、地区予選で不覚をとったが、それだけに今年は期するものがあるだろう。山中美和子に加えて、今年は大越一恵が復調気配で、淡路駅伝さえ乗り切れば、本戦でも上位をねらえるとみた。ほか資生堂は弘山晴美のほか高橋教子、加納由理が着実に成長している。エスタ・ワンジロの出来しだいでは上位をねらえるだろう。
 注目すべきは旭化成ではないか。女子駅伝に旭化成が出てくるのはひさしぶりである。先に記したように昨年11位のラ・ラ・ラが今年から旭化成に移籍したかたちで再スタートする。エースはいないが藤川亜希などの中堅どころ、さらに成長著しい桐原三和、前田明香などがいて、メンバーは今年もそこそこ活躍している。旭化成という新しい活躍の舞台を与えられて、あるいは台風の目になるかもしれない。
 本来ならば昨年2、3位の東海銀行、天満屋をあげるべきだが、UFJ銀行として出発する東海は大南姉妹や川嶋姉妹に勢いが感じられない。天満屋もいまひとつセールスポイントがない。かつての王者。沖電気宮崎もスーパーエースの川上優子が引退でチーム力の低下はまぬがれないだろう。
 女子選手は消長がはげしく、現在の時点で二カ月あまり先を予測することはほとんど不可能である。あるいは思わぬ勢力の台頭があるやもしれいから、地区予選をとっくりと見定めたいと思う。


今年も駒澤が強い!
続いて山梨、中央、早稲田、神奈川だが……

 箱根駅伝の出場校が今回から5校増えて20校になった。増枠の5校の選考について、いまひとつ明朗さを欠くが、ますますおもしろい駅伝になることだけはたしかである。
 大学駅伝は今年も駒澤が充実しているようである。いまや大学長距離界のエースというべき松下龍治を中心に、松村拓希、島村清孝、内田直将、塩川雄也など昨年の主力メンバーが残っている。大学駅伝3冠も夢ではない布陣とみた。
 駒澤を追うのは山梨学院か。橋ノ口滝一、高見澤勝、岩永暁如らに加えて、カリウキ、モカンバがまともに走れば、駒澤と互角に戦える力をもっているとみたが、いかがなもんだろうか。だが、昨今の山梨学院はどこか勝負弱いところがある。出雲、全日本では善戦するのだが、鉾根になるとかんじんかなめのところで失速してしまう。同じ失敗を何年もつづけて繰り返すのは、選手のせいというよりも指導体制に問題があるとみた。
 両大学につづくのは一応のところ中央、神奈川、早稲田あたりとみる。中央は藤原正和を中心にして、野村佳史、池上誠悟、原田聡、池田圭介などと頭数はそろっている。スピード勝負の出雲あたりで善戦するようだと、要注意かもしれない。
 神奈川はエース吉村尚悟、原田恵章などが中心になる。あと下里和議、竜田美幸など地味ながら力のあるランナーがそろっている。いつもながらの層の厚さで上位をうかがっている。
 昨年、大躍進した早稲田は、その原動力となった四年生が抜けたものの、森村哲や空山隆児、五十嵐毅などが残っている。今年も上位に食い込んでくるだろう。
 昨年までは3強の一角を占めていた順天堂は主力であった4年生カルテットが卒業して、戦力が大幅にダウンした。中川拓郎、春田真臣、長山丞あたりが中心になるのだろうが、コマ不足の感がある。今回はきわめて苦しい。悪くすれば予選落ちの危険性すらある。
 トラックとロードは別物なので、現在の段階でレースの展望はきわめて困難である。今シーズンの各大学の戦力、戦略については10月14日の出雲駅伝でしかと見定めたい。あるいは思わぬ新勢力の台頭があるやもしれない。出雲駅伝はシーズン最初の駅伝であるとともに、箱根に向かう各大学の戦略と戦術が見え隠れするレースであるという意味でも、興味深く、見どころいっぱいである。(2002/10/02)


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