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第45回 東日本縦断駅伝競争大会

途中棄権で大波乱!
埼玉が3年ぶり7度目の優勝!


本命・東京が3日目に途中棄権!

 競艇に「恵まれ」という決まり手がある。要するにフライングなどのスタート事故で、有力とみられていた艇が失格となり、後ろに付けていた艇が自動的に繰り上がって1位になるケースである。つまりはタナボタ1位というわけである。
 3年ぶり7度目の優勝を飾った埼玉、だが今回の優勝に関するかぎり、後味が悪いのではないだろうか。3連覇を目指した東京が3日目に選手の故障が勃発、タスキがつなげなかった。この時点で総合成績から脱落、2位につけていた埼玉が急浮上したのである。かくして「恵まれ」1位というか、「タナボタ」1位になった。
 埼玉の優勝にケチをつけるつもりはない。だが、7日間のうち首位でゴールしたのは2日だけ、そのうち1日は、東京が棄権した3日目だから、実質的には5日目だけである。残りの5日間はすべて東京が制している。東京は総合成績は残せなかったが、実業団を中心にした分厚い戦力で5勝2敗、当然の結果とはいえ、中身ではまさに圧勝であった。
 とくに最終日などは、いちども首位を譲ることなく、ゴールまで突っ走った。意地からでも埼玉より先んじたかったからだろう。



初日を大会新の東京!
好発進の後に思わぬ落とし穴が……

 7日間にわたる青東のような駅伝では、初日の結果が勝負の明暗をわける。各チームともに初日に主力を投入してきている。候補の東京も埼玉も例外ではなかった。3年連続24度目の優勝をねらう東京は、1区から前田和之、揖斐祐治、太田崇、高橋正仁、湯浅竜雄、園吉洋、谷川嘉朗、小沢希久男と大砲はいないが、実業団の中堅・若手をずらりとそろえてきた。埼玉も1区にホンダのサムエル・カビルを起用して先制をもくろみ、神田哲弘、堀口貴史、谷末勝利、真名子圭、本田慶太、中川禎毅、平田英規とつないできた。
 埼玉は予定通り、カビル、神田で東京を突っぱなしたが、頼みとする堀口のブレーキが大誤算でせっかくの流れをとめてしまった。逆に東京は太田崇、高橋正仁が区間新の快走、日間記録でも大会新記録でゴールして一気に勢いにのった。、2日目もハナからトップを譲ることがなかった。ライバルの埼玉は、2日目も出来不出来のバラツキが大きく、なんと日間では5位に沈んで、早くも東京の勝利は決まったかにみえた。
 ところが……である。3日目の最初の区(20区)で思わぬ陥穽が待ち受けていた。初日の殊勲者・高橋正仁が右ふくらはぎを痛め、中継点まで1.8キロの地点でリタイヤー、あっけなく戦線から脱落してしまうのである。
 東京が消えたあと、陣容を建て直してきた埼玉が、初日ブレーキの堀口貴史の快走でこの日の1位を確かなものとした。3日目という節目で主導権をにぎったことが、最終的に埼玉の勝因になったとみる。.


躍進まざましい茨城、群馬!
北海道も若手の活躍で健闘

 今回の躍進組をあげれば茨城、群馬である。ともに実業団が中心にまとまりをみせていた。茨城は小森コーポレーションの主力がフルに回転、群馬は富士重工勢の活躍が目立った。
 とくに茨城は東京が脱落した翌日の第4日目、埼玉を食い、トータルでも1分31秒差の2位と肉薄している。39年ぶり6度目の優勝をめざして、小森コーポの4人を投入、28区の福永勝彦、32区の松本直人が区間第1位の快走をみせ、埼玉の独走にストップをかけた。今回は小森コーポ勢の活躍がめざましく、たとえば6日目には第47区で松本直人が11位から8人抜きで、一気に3位まで押しあげている。
 惜しくも第5日目にくずれて埼玉に差をつけられたが、総合2位は大健闘である。
 群馬は2日目と最終日は7位とくずれたが、終始2番手から4番手につけ、粘りで総合4位に食い込み、千葉に先んじたのは見事であった。とくに2度の区間賞を獲得(うち1回は区間新)した佐藤裕之が光っている。
 北海道は第2日目に東京、茨城について3位に入って勢いがついた。この日出場した11人のうち10人が区間順位1ケタを堅持、16区の古川茂(大東文化大)が道勢として3年ぶりの区間賞を獲得したのが大きかった。北海道は古川のほか初参加の大学生が7人、5位に粘り込んだ原動力は若い力によるものである。


青東は駅伝の国体ではないか!
かつての名ランナーから高校生、市民ランナーまでが走る

 青東は市民ランナーから高校生、大学生、実業団の第1線級ののランナーが同じ土俵でひとしく勝負する。まさに駅伝の国体というべきである。かつて活躍した名ランナーたちの元気な姿をみることができるのも楽しみののひとつである。
 ミスター駅伝といわれた川嶋伸次が出てきたのには驚いた。箱根駅伝予選会のテレビで東洋の監督として顔をみせていたが、シニア選手として埼玉から出場している。第3日といえば、埼玉にとってはトップを奪った日だったが、川嶋は第22区に登場、区間5位の記録ながらトップをまもった。急遽の出場ににもかかわらず、繋ぎの役をきっちり果たすあたりは、さすがは「駅伝男」というにふさわしい。
 小林正幹といえば、早稲田時代には箱根で3年連続区間賞を獲得、花田勝彦や最近引退を発表した渡辺康幸らと強い早稲田の一時期をきずいたひとりだが、今回群馬のメンバーとして青東に」初めて登場、29歳にしてi いまなお健在であることを強烈にアピールしいてた。第1日目の第2区と第4日目の第30区に登場、1日目は区間2位だったが、4日目は区間賞を獲得、復活の走りをみせてくれた。エスビーを3年前に退社したのは知っていたが、富士重工にいるのは知らなかった。
 そのほかでは確か富士通にいた菅野邦影は山形から、往年の箱根の名ランナー楜沢俊明も長野から出場して元気なところをみせていた。
 大学生では千葉から出場した中央学院大の福山良祐の活躍が目立った。先の箱根予選会のとき個人で2位になった好調さをもちこしたように、第1日目には第6区で区間新、第3日目の第20区、第6日目の第46区でも区間第1位、3回走って3回とも区間賞を獲得、いまひとつ精彩を欠く千葉にあってひとり気を吐いていた。
 高校生では今年も福島の今井正人(原町高校)が2日目と5日目に登場して、2度とも区間賞の走りをみせてくれた。とくに5日目の第39区は一斉スタートだったが、ぶつちぎりの区間第1位で、福島の順位を11位から一気に5位まで押しあげた。その日は続く第40区を走った田村高の円井彰彦も区間1位で突っ走り、高校生2人が福島の日間3位の立役者になった。
 かれらも遠からず箱根や実業団駅伝に出てくるのだろう。青東に出場するランナーは実業団も含めて、これからの選手が多い。新しいエースを捜す楽しみもある。




最 終 成 績
順位 チーム名 記  録
埼 玉 44時間06分33秒
茨 城 44時間23分14秒
群 馬 44時間28分10秒
千 葉 44時間38分09秒
北海道 44時間47分19秒
神奈川 44時間50分36秒
福 島 44時間54分06秒
栃 木 44時間56分19秒
山 形 45時間03分21秒
10 長 野 45時間05分41秒
11 秋 田 45時間10分15秒
12 新 潟 45時間11分32秒
13 岩 手 45時間24分43秒
14 山 梨 45時間25分26秒
15 青森 45時間34分57秒
16 宮 城 45時間42分03秒
東 京 なし




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