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早稲田、大東大、山梨……。 箱根駅伝ではなんども優勝したことのある。そんな強豪がそろいもそろってどうして予選会なのか。ファンはもとより当事者もまさか予選会で顔を合わせるとは夢にも思わなかったのではあるまいか。 早稲田に関しては数年来、低迷状態を脱し切れておらず、昨年につづいての予選会回りである。大東文化大と山梨学院大は本戦でも優勝争いの一角にあげられていた。大東は出雲、全日本ともの2位で、箱根を制した駒澤よりも上位をしめていた。山梨も出雲は5位ながら全日本では3位、東海、大東とはげしく優勝を争っていた。 ところが……。 箱根本戦ではともに10位以下に失速した。山梨は12位、大東は13位、信じられないほどの崩れかたである。山梨はモカンバ、橋ノ口、高見沢という学生長距離界を代表するエース格のランナー3枚をもちながら……。大東も往路で大きくおいてゆかれてリズムを失っい圏外に去った。 かくして箱根の顔というべき強豪3大学が、奇しくも予選会で顔をそろえ、屈辱の汚名をそそぐハメになったのである。 そのほか、3校とともに予選会に回ってきたた中央学院大、城西大、東農大、国士舘大、関東学院大、帝京大学の6校は出場校の地位をまもれるのか。それとも昨年は4秒差に泣いた拓殖大、明治、専修、國學院、平成国際大などの割り込みはあるのか。9位のボーダーをめぐる争いは、今回も激戦になるものと予測された。
昨年は芦ノ湖畔で行われた予選会、今年は例年通り立川にもどったが、またしてもコースは変更され、自衛隊立川駐屯地がスタート地点になっている。ひろい滑走路を36校=415人のランナーがいっせいにスタートをきる風景はいかにも壮観であるが、駅伝の予選会をなぜ駅伝形式でおこなわないのか。今年もいつもながら疑問を感じた。 箱根駅伝は1区間が20km以上ある。だから予選会では20kmのタイムトライアルにするというのはうなずけなくもないが、たとえ本戦とは走行距離を異にしても、駅伝の予選会は駅伝でやってもらいたいと思う。実業団駅伝でいえば東日本実業団駅伝のようなスタイルでやればいい。 いっせいスタートのタイムトライアルなんかでやるから、団体走などというレースとしてもトレーニングとしても、およそ具体的効果のとぼしいであろう奇妙な現象があらわれる。 駅伝は団体競技であるというのは駅伝形式でやって、はじめてその真意が体得されるものである。団体走……とは次元がちがう話である。そんな風潮をあざ笑うかのように、いつもどおりスタートからケニア留学生がすっ飛ばした。 流通経済大のJ・ダビリ、S・ジョイ、山梨のO・モカンバ、平成国際大のC・ギレギ、S・ジェンガ……。 日本人選手は誰1人も追ってはいかない。10000m=27分台のダビリに付けというのは酷な話かもしれない。ましてや駅伝の予選会だから冒険できない……という背景もある。あれやこれやで誰も競りかけてゆかないのである。 だが……。 留学生選手は別格である……という別物意識が陸上関係者や選手の内部になるかぎり、日本男子はいつまでたっても世界で戦えるレベルに到達しないだろう。学生が強くならないかぎり男子長距離の未来はない。希望の星というべき箱根をめざすランナーたちが、世界レベルにはまだ遠い留学生ごときに歯が立たないようでは「お先は真っ暗」と思うのはおおげさだろうか。 かくしてレースは終始ケニアからの留学生が引っ張り、7km地点でJ・ダビリがモカンバをひき放して1位、2位はO・モカンバ、3位はS・ジェイと上位を独占した。日本人選手では4位には専修の座間マボロベネティク、5位に古川茂(大東大)がようやくもぐりこむというありさまだった。
予選レースとして、主導権をにぎったのは早稲田大であった。個人成績で8位にはいった篠浦辰徳を中心にして原英嗣(17位)、高岡弘(20位)、石橋洋三(24位)と、4人がベスト30に入り、安定した戦いぶりで10km、15kmのポイントをそれぞれトップで通過、2位の大東大を1分27秒も引きはなして1位でゴールした3位以下は、明大、専大、山梨学院大、中央学院大までが文句なしに通過、アドバンテージタイムが反映される7位から9位までには、拓殖大、城西大、中央学院大がもぐりこんだ。 昨年4秒差に泣いた拓殖大は7位通過、かわって東京農大が土壇場で帝京大に逆転をゆるし2年連続出場の夢を絶たれた。 ひときわ目をひくのは3位にもぐりこんだ明治大だろう。個人成績でも9位、10位をしめた池辺稔、幸田高明を中心にして地力強化され、もともと前評判も高かったが、10kmで早稲田に続いて2位、15kmでも2位をまもるという安定した戦いぶりであった。 14ぶりに箱根にもどってきた明治、伝統校が低迷するなかでの古豪復活は、今回の箱根駅伝に新しい流れをもたらすかもしれない。 今回はインカレポイントを抜きにしても、上位1位から9位までがすんあると予選を通過した。昨年はネットのタイムで8位の拓殖大が、インカレポイントのアドバンテージで12位の国士舘に9位の座を奪われている。インカレポイントに泣くチームはなかったのは幸いであった。
かくして箱根出場19チームはきまった。シード組は駒大、東海大、亜大、法大、順天堂大、東洋大、中央大、神奈川大、日体大、日大。予選会突破の9校は、早大、大東大、明大、専修大、山梨学院大、中央学院大、拓殖大、城西大、帝京大……である。 昨年は予選突破校のうちで法政大、亜細亜大が箱根本戦でも暴れ回った。今回はどうだろうか? 現状でざっと力の寸法を測ったところでは昨年ほどのパワーはないかもしれない。山梨も早稲田も戦力的にいまひとつで大きな期待のぞめそうにない。いずれもシード権をとれるかどうかの崖っぷちにあるが、だからといってシード組と大きな力の差があるというわけでもない。 シード権をとれそうなのは大東文化大わずか1校……とみている。 大東はわずか6日前に出雲駅伝に出場している。最終的には8位に終わったものの前半はトップを奪うほどの健闘ぶりであった。もともと実力のあるチームだけに、戦力さえととのえば優勝争いにもきわどく絡んでくるかもしれない。例年になく意欲的な大東大にたくましさと勢いを感じるのである。 出雲を制した日大とともに予選会突破校では大東大は要注目、11月の全日本の戦いぶりをとっくりと見とどけたいと思う。(2004/10/24) ★開催日:2004年10月16日(土) 東京・立川市、陸上自衛隊立川駐屯地〜昭和記念公園=20km ★天候:出発時 曇 気温13.04度 湿度83% 無風
個 人 成 績
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