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予選会などハナから問題にしていないだろう……と思われる神奈川大はどのぐらい復調しているのか。徳本が去り、土井が去ったあとのオレンジ軍団、黒田を欠いてもエキスプレスでありうるのか。苦戦が予想されるエンジのユニフォーム軍団は果たして無事に突破できるか。昨年は次点に泣いた平塚・櫛部の元ヱスビーコンビひきいる城西大のリベンジなるか。あの懐かしの大根踊りの復活は? 第80回箱根駅伝予選会、レースそものも単調でメリハリがないのだが、それなりに今年も見どころの多い大会であった。 本大会は毎年、立川の昭和記念公園でおこなわれているが、今回のみ芦ノ湖東岸コースに変更された。第80回の記念にことよせて箱根町からの提案があったせいだという。距離は16.2kmで、例年よりも4キロも短く、細かいアップダウンだらけで、平坦な箇所はほとんどないという難しいコースであった。伝統的に強風下や悪路に強い大東文化大ならぶっちぎりのトップだろうな……と思いながらテレビを観ていた 距離の短縮と難コースという条件が、あるいは各大学の思惑を微妙にくるわせる結果になったかもしれない。 コース条件のきびしさのせいか、トラックの有力選手はことごとく討ち死にした。たとえばインカレ10000m2位の秦玲(國學院大4年)は41位、4位の下里和義(神奈川大4年)は46位に沈み、5位の坂斉亨(国士舘大)のみは12位に踏みとどまったが、7位の中安秀人(城西大1年)は45位と大ブレーキ、インカレ5000m5位の空山隆児(早稲田大)も最終的には43位まで順位を落としているのである。
難コースゆえの紛れというものが細部においてあったものの、レースの結果そのものはほぼ順当なところに落ち着いたようである。 インカレポイントなしに出場権をもらえる6位までには、法政大、亜細亜大、神奈川大、帝京大、東京農大、関東学院大の順番でとびこんだ。 西條さんのサイト(saijyo's箱根駅伝)には「予選会エントリー・大学別10000mランク」という氏独自のデータがある。予選会に出場する各校のエントリ選手の10000m走破タイムを集計、大学別の平均タイムが算出されている。 それによると神奈川がダントツの1位、2位は法政、以下は専修、国士舘、國學院、拓殖、東農大、明治、帝京、早稲田……とつづいている。亜細亜は11位、関東学院は12位、城西は13位である。 ランク1位の神奈川の予選会3位は意外だが、エースの吉村を欠いての結果だから、そんなところか。大学選手権で今年の戦力をもういちどみきわめる必要があるだろう。 法政は黒田を欠いていたが、長嶺貴裕ほか8人が個人成績で50位以内にはいった。これならば本戦でもかなり期待できそうである。 両校の上位通過は、データーからみてまずは順当なところである。 健闘したのは3位の亜細亜大(10000mランク11位)、帝京大(同9位)、関東学院大(同12位)あたりである。10000mの平均ではきびしいところにいたが、さすがに常連校らしくきっちりと帳尻をあわせたのはさすがというべきである。 逆にランク上位にありながら落選したのは3位の専修、5位の國學院である。ランク8位の明治も予選会では12位に甘んじた。専修、國學院あたりはコース変更が影響したのかもしれない。 予選通過7位から9位の3校はインカレポイントが加算されて順位が決まるしくみになっているが、ここで早稲田大、城西大、国士舘大の3校が浮かびあがった。 早稲田は予選会のタイムだけで7位、城西大も9位だから、アドバンテージがなくても当選である。誰一人文句のつけようがない。ところが9位にすべりこんだ国士舘大のみはインカレポイントの恩恵を受けた。予選会のタイムでは12位なのだが、インカレポイントによるアドバンテージが2分50秒もあり、11位の國學院大、10位の専修大、8位の拓殖大を抜いて当選したのである。最終総合タイムでは9位の国士舘大と次点10位の拓殖大はわずか4秒であった。 予選通過校を1位から整理すると次のようになる。 法政大、亜細亜大、神奈川大、帝京大、東京農大、関東学院大、早稲田大、城西大、国士舘大。 昨年の出場組では拓殖大、専修大、國學院大が落選、かわって東京農大、国士舘大、城西大が出場権を獲得した。東京農大と国士舘は復活、城西大は初出場である。7年ぶりに箱根路に帰ってきた東京農大、あの名物の「大根踊り」も復活である。
箱根駅伝は前回から出場チームが5つ増えて、20チームになっている。今回は新しいシステムになってから2回目の予選会であるが、どうも新しい選考システムはすっきりしないものを感じる。インカレポイントの導入が予選会と選考方法をきわめて分かりにくくしているのである。 たとえば先にのべたように拓殖大が予選会で8位に入りながら、インカレ・ポイントなどというマジックで出場権が得られなかった。 予選会というものがあるにもかかわらず、そのレースだけで出場校を決めないで、インカレポイントというバイパスをつくっている。せっかく当確圏内にはいっても他の条件で落とされてしまう。システムとしては最悪というほかない。昨年はそういう矛盾がなかったが、今回は拓殖大が血祭りにあげられた。 9校を選考するレースに8位に入りながら、フタをあけてみれば落選。これでは何のために予選会をやっているのかわからない。 インカレポイントなるものはおそらく学生陸上で幅をきかせているボスが自身の出身母体のまさかの落選にそなえ、ボスゆえの腕力を発揮して、保険的な意味合いで導入させたものだろう。 箱根駅伝は箱根駅伝である。他の陸上競技とは関係はない。ミソもクソもごった煮にしないで「箱根」のみで考えるべきである。そうでなければ、結果的に新興の大学の出場の途を閉ざすことにもなるだろう。 学連選抜もやめたほうがいい。チャンピオンシップの大会に、祭りの賑わいのような選抜チームは必要がない。選抜チームをやめて、もう1校増やしてやればいい。 箱根駅伝はいまや国民的な行事のひとつになったが、主催者側のやることは、思いつき的というか、行き当たりばったり的なものが多すぎる。 選抜チームの例にみられるように、出場校を増やしたもののポリシーが乏しい。今年に箱根町開催もその一例である。予選会の箱根町開催は今回のみで、来年からは、また従来の昭和の森記念公園のコースにもどすという。いったい主催者は、出場選手やファンのことをどこまで考えているのだろうか。 ▼岡崎誠さんの手になるスタート直後のショットが「駅伝BBS」54にあります。すばらしいアングルです。 ★開催日:2003年10月18日(土) 箱根町・芦ノ湖東岸コース ★天候:出発時 曇り 気温13.0度 湿度60% 風 0m
個 人 成 績
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