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第19回 北陸女子駅伝競走大会

終始トップを楽走!
ワコールが大会3連覇を達成!


笑顔ふりまいての一人旅
福士加代子

 口もとからこぼれる白い歯、終始あどけない笑顔をふりまいて走る……。
 福士加代子は底ぬけに明るい。いかにも楽しそうである。
 福士がまともに走ったら……。5000mと10000mの両種目で彼女に勝てる日本人ランナーはいないだろう。ロードはさらに強さが倍加する。今年もまちがいなしに女子駅伝の主役である。
 昨年からの今年にかけての福士の足どりは順調なものではなく、デビューしたから初めての試練に直面していた。
 昨年12月の全日本実業団女子駅伝(岐阜)の3区で第一生命の羽鳥裕子と接触して転倒、区間賞は獲得したものの、左ひざじん帯を損傷してしまった。春季サーキットの出場は断念、復帰戦は5月24日の「ゴールデンゲームズinのべおか」の5000メートル、そして6月の全日本で完全復活、パリ世界選手権代表になった。いきなり結果を出すあたりはいかにも福士らしいというべきか。
 世界選手権では世界の厚い壁を思い知らされた(1000mは11位、5000mは予選落ち)。その後トラックでいまひとつ伸びを欠いたのは、パリショックによるものだろうと思う。ロードの緒戦は11月3日の「実業団淡路島女子駅伝」、4区(11.2k)に登場、前に前にガンガン攻めるいかにも福士らしい走法で区間賞を獲得、ワコールに7年ぶり制覇をもたらした。
 駅伝を走るときの福士は無類の強さを発揮する。
 前回は16秒差の2位でタスキをうけとったが、今回は逆に20秒の貯金をもらって1位でタスキを受けた。6区8キロは余裕の笑顔をふりまいて一人旅だった。


最大のみどころは第1区
小崎(ベテラン)と野田頭(新鋭)のデッドヒート

 九州の覇者・九電工と関西・中部地区の覇者・ワコールが出場する本大会は、暮れの全日本(岐阜)に向かって、それぞれのチーム力を量るえでは興味ある大会である。
 注目はやはりワコールである。淡路駅伝を制覇したチーム力はどれほどのものなのか。今年は資生堂や天満屋が出場していないのが残念だが、九電工を相手に寸法を測ってみたいと……。
 ワコールは毎年のように本大会で新人を起用してくる。今年も昨年と同じように3人の新人を起用、平均年齢20歳ときわめて若いチームでやってきた。
 最大の見どころは第1区であった。3連覇をねらうワコールは昨年と同じく野田頭美穂、昨年はラストの伸びて立命館の池田恵美や資生堂の高橋教子を一気に突っ放したが、今年は最初から1キロ=3分07秒というハイペースで突っ込んでいった。逃げる野田頭をノーリツの小崎まりが追っかける展開、一歩もゆずらないベテランと新鋭の競り合い、見応え十分であった。
 最後は野田頭の地力がまさって5秒先んじたが、相手は小崎まりだっただけに今年の区間賞は価値がある。
 2区でトップに立ったワコールは2区の鈴木亜弥子も区間賞、一気に流れに乗ってしまった。4〜5区は少し詰められたが、5区を終わって20秒のアヘッドは福士にとっては十分すぎるほどだった。
 ワコールは毎年のように本大会で勝っても岐阜の全日本では今ひとつだが、今年はかなり地力強化されているとみた。野田頭が福士につづくエース格に成長しており、今年はかなり期待できそうである。三井住友海上をおびやかすには、まだ大駒1枚不足しているが、上位をうかがえるところまでは伸びてきている。


今回も名城大が大健闘!
立命館とともに関東勢の一角崩しを期待!

 昨年2位の旭化成は3位、かわって同じ九州地区の九電工が初出場で2位に食い込み、以下は旭化成、沖電気、スズキ、ノーリツ……と、実業団の主力どころが上位をしめた。とくにスズキは最終区のワボイが5人ぬきで5位まであがってきたのが目をひいた。
 本大会は実業団、学生、地域選抜で構成されるというきわめて珍しい駅伝である。学生チームでは、名城大と立命館がともにAチームとBチームが出場、そのほか主なところでは、京都産業大、東京農大、順天堂大などが顔をみせている。
 今年も名城大と立命館がはげしく争った。とくに名城大Aは大健闘であった。終盤までしぶとく上位をキープしていた。1区の田中真知がトップから11秒遅れの区間3位と快走、2区の加來美咲、3区の西川深雪、4区の相川友香、5区の日野真里まで、いずれも区間2〜5位と堅実に走り、最終区では7位まで順位を落としたものの、終始2位〜4位につけていた。相手はやや小粒だがとにかく実業団チームと互角に戦った点を評価しておきたい。今年は全日本でもかなり期待できそうである。
 立命館はたとえばエースの池田恵美をBチームに入れるなど、チーム編成のねらいがいまひとつよくわからなかった。現在のところ昨年活躍した池田恵美の出来がいまひとつにみえた。名城大とともに関東勢と互角に戦えるチームだけに、きっちり調整して御堂筋を快走してほしいものである。(2003/11/11)

★開催日:2002年11月09日(日) 日本陸連公認「北陸女子駅伝」6区間30kmコース 福井県営陸上競技場〜上伏町〜福井県営陸上競技場
★天候:くもり 気温14.8度 湿度73%  北の風7.2M

★ワコール(野田頭美穂、鈴木亜弥子、片山千裕、原こず江、堀本真理子、福士加代子)


総 合 成 績
順位 チーム名 記  録
ワコール 1時間36分13秒
九電工 1時間38分05秒
旭化成 1時間38分45秒
沖電気 1時間39分09秒
スズキ 1時間39分30秒
ノーリツ 1時間40分02秒
名城大A 1時間40分06秒
立命館大A 1時間41分00秒
京都産業大 1時間41分02秒
10 立命館大B 1時間41分11秒
11 サニックス 1時間41分50秒
12 北国銀行 1時間44分03秒
13 ユタカ技研 1時間44分24秒
14 東京農大 1時間44分28秒
15 名城大B 1時間44分42秒
16 福井県選抜 1時間44分46秒
17 順天堂大 1時間46分22秒
18 愛知県選抜 1時間46分34秒
19 岐阜県選抜 1時間46分50秒
20 中京女子・名城 1時間49分54秒
21 大阪学院大 1時間50分02秒
22 石川県選抜 1時間50分19秒
23 富山県選抜 1時間50分25秒
24 自衛隊大津 1時間50分49秒
25 新潟大 1時間51分24秒
26 和歌山県選抜 1時間51分57秒
27 新潟県選抜 1時間52分43秒
28 長野県選抜 1時間53分59秒
29 大阪人間科学大 1時間55分27秒
30 大阪国際女子大 1時間56分26秒


区 間 最 高
区間 距離 選手名 所属 タイム
 6.0 野田頭美穂 ワコール  18:47
 3.0 鈴木亜弥子 ワコール   9:23
 4.0 山元  愛 沖電気  12:57
 4.0 東  幸恵 九電工  13:29
 5.0 中嶋 美帆 九電工  16:13
 8.0 福士加代子 ワコール  24:44



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