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今年で17回を数える全日本大学対抗女子駅伝(長居競技場発・着、6区間39キロ)は11月28日(日)に行われ、全国の地区代表25校が秋晴れの大阪市街で、女子の大学駅伝日本一を競った。国際大学女子招待として16回つづいてきた本大会だが、今回から海外招待は打ち切りとなり、国内の大学のみを対象とする大会にモデルチェンジされた。数ある駅伝のなかで、大学の女子だけは人気がいまひとつらしく、とくに今年は協賛会社もなかなか決まらなかったという。もしかしたら、テレビ中継もなくなるのでは……。ファンのひとりとしてすいぶんと心配したが、杞憂に終わってホッとした。メディアの側では、まだまだ視聴率が獲れると踏んだらしい。 今年は昨年の覇者でV2をねらう城西大、前回5連覇を阻まれた京産大、さらには戦力アップ著しい筑波大の争いというのが常識的な構図であった。なかでも関東大学女子駅伝で、進境いちじるしい筑波大に47秒mの大差をつけて圧勝した城西大がアタマひとつ抜けた存在であった。
3強のオーダー編成には、それぞれの思惑と個別事情がからみ、それがレースのゆくえを複雑なものにして、よけいに観戦者の興味をそそった。3強にうち城西大はいまや大学女子ナンバー・1の赤羽有紀子をいきなり1区に起用してきた。準エース格を故障で欠いたせいか、序盤で流れを造って一気に押しきろうという作戦。京産大は1区では出血覚悟、2区以降で追い上げ作戦。筑波は1区・山中美和子、2区・岡本由美子を配して、明らかに逃げ切り狙いである。 今大会の見どころは2つあったが、そのひとつは第1区であった。最近の駅伝は前半重視が鉄則、今大会でも各校とも1区にエース級の選手をぶつけてきた。区間新記録が出たのは、やはり5千Mを15分台で走るビッグ・4の顔がそろったからだろう。赤羽有紀子(城西大)、山中美和子(筑波大)、伏見谷恵子(大阪学大)、加納由理(立命大)が前半から先頭を突っ走った。7キロ付近で赤羽と伏見谷がスパート、「力強さ」と「華麗」……、両者の走りはまるで好対照でおもしろかった。中継所では赤羽がわずかに先んじたが、両者ともに区間新の快走、実に見応えのある闘いだった。 1区で城西がトップに立ったのは、ほぼ予定通りだったろう。筑波は34秒遅れの4位、そして京産大は1分7秒遅れの8位である。この時点で1分内外ならまだ圏内というところか。城西は2区で捕まったのが誤算だったろう。5キロ地点で筑波の岡本由美子は城西の友金有香に追いついてしまう。4年生の岡本はさすがにチームリーダーらしく自分の役割をきちっと果たした。大学生活の最後、初優勝にかける執念を見る思いがした。
出場チームのなかで唯一17回連続出場の筑波に初優勝をもたらしたのは、3区、4区の1年生である。昨年は田村高校のアンカーとして優勝のテープをきった3区・菅野勝子は岡本から受け継いだ14秒の差を46秒に、4区・山嵜麻子は1分06秒にひろげてしまったのだる。さらに5区の猿田なつ奈も区間1位の走りで、1分あまりの差をキープしたまま、タスキはアンカー・田上に渡る。この時点で筑波の初優勝はほとんど決定的となった。 レースはそれでも最後まで目を離せなかった。最終区で中村望(立命大)と丹菊りつ子(城西大)が並んで追いあげ、1分以上あった差を4キロ地点で50秒に、残り1キロ地点では20秒に詰めてきたのである。両校はあわやトラック勝負か……というところまで追撃して、最後の見どころをつくってくれた。かろうじて逃げきった筑波のアンカー・田上麻衣、顔をしかめて苦しそうだったが、ゴールの瞬間、満面笑みでくしゃくしゃになったさま、いかにもあどけなくて、おもしろかった。 連覇を逃した城西大は予定通り赤羽でトップに立ちながら、3区〜5区でいまひとつ伸びを欠いたのが敗因だろう。それでも最後は6秒差まで追ってきた地力にはさすがと思わせられる。1区で出遅れた京産大は3区で1分10秒差の4位まで追いあげ、4区、5区では城西大とほとんど並んでいた。やはりこの両区で、筑波との差を1分以内に詰められなかったのが誤算だったとみる。
健闘したのは立命館である。1区の加納理恵で3位につけ、後続の選手たちも勢いにのった。つねに3位以内をキープしてた粘りはみごと、筑波大ともに今大会を盛りあげた1校である。ほかでは初出場・名城大の4位も大健闘というべきだろう。東海大会で中国人留学生をずらりとならべ昨年3位に入ったあの名商大を破って全国大会初出場をきめた名城大は、杣野、吉丸、加藤などインカレで上位に入ったランナーがそろっていて、ダークホース的な存在だったのである。いつのまにか9位にきていた玉川大も大健闘、今回は初出場組の活躍が目立った。 テレビ中継は「朝日放送」がキーステーションだったが、フジの出雲と同じように、オソマツというほかない。いったいどういう番組をつくりたいのか。大学女子駅伝の何を伝えたいのか。番組自体のコンセプトがさっぱり見えてこなかった。事前取材もほとんどしていない。スタッフの勉強不足のほどはなはだしい。トップ争いを中心に、あとは気まぐれに第2、第3の中継車の映像を見せるだけ……。番組自体がきわめて単調だった。だから初出場で大会をもりあげた名城大なんかにも、ほとんどスポットが当たらなかった。事前取材をきちっとやっておれば、番組そのものをもっと多角的、立体的に構成することもできる。上位争いだけでなく、中盤の熱い闘いにも目配りできて、重層的なレースの面白さを伝えることができたはずである。
筑波が悲願を達成した今大会、最後まで白熱した闘いぶり、駅伝レースの面白さを満喫したが、例年に較べて今ひとつ物足りないものを感じた。それは、やはり海外招待の外国チームが出場しなくなって、華やかさというものがなくなったせいだろうと思う。海外招待の中止は財政的な理由だというが、それはきっと表向きの理由だろう。 真の理由を詮索すれば、第11回大会以降、外国のレベルが相対的に低下したことがあげられる。もともと本大会を「国際大学女子招待」にしたのは、女子の長距離強化のために「外国の大学の胸を借りる」ためだった。ミラノ大やサンディェゴ大、レニングラード大などに胸を借りて、たしかに日本のレベルは急速に向上した。最近、外国勢はベスト10に1校ぐらいしか入れない。招待校も5〜6校ぐらいに減ってしまった。 胸を借りる必要がなくなったから……。それが国際招待中止の理由なら、日本学連はきわめて姑息な団体だというほかはない。強くなったら、もういらない……というのでは、あまりにも了見がせまい。島国根性まるだしで、いかにもカッコウが悪い。強くなったその日本、こんどはその胸を借りにくる世界各国をひろい心で受け入れる。そういう度量というものがあってもいいのではないか。 駅伝は世界的な競技スポーツとなったが、まだまだグローバル・スタンダードにはなっていない。本家・日本は「EKIDEN」をさらに世界的な競技スポーツにするために、もっと駅伝大会の運営に趣向をこらすべきである。そういう意味から、大学レベルの国際招待レースもあってもいいのではないか。世は国際化の時代である。今回のモデルチェンジは、どうも時代と逆行しているように思えてならないのである。 ★筑波大学チーム(山中美和子、岡本由美子、菅野勝子、山嵜麻子、猿田なつ奈、田上麻衣) 総合成績
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