2012年3月27日                                         表紙へ戻る

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11.須原〜上松〜福島〜宮ノ越

木曽川に沿って奧へ奧へと進んでいく。否応なく木曽川に付き合わざるを得ない。
恐る恐る木曽川沿いの絶壁を進むところも出てくる。
今回は雨も上がり、快晴。木曽駒ヶ岳、御岳、乗鞍の雪山を存分に堪能。
8:40 須原宿一里塚からの木曽川下流方向の眺め
 先日の川幅一杯の流れが、今日は落ち着いて、澄んだ流れになっていた。
8:55 IHIターボの工場
 木曽川の対岸にIHIターボの新しい工場が見えた。
10:00 諸原橋
 倉本集落を過ぎた諸原にある木の吊り橋。
 桃介橋は大正11年だがこちらは昭和31年。それでも進んでいくのはかなり度胸がいる。
 
10:20 萩原 古民家
 いつもの雁木作りの二階部分。格子の内側は障子。
 先回も大桑の辺りで見かけたが、雨戸も何にもなく直に障子戸になっている。軒を深く造っているのでこれでいいのかもしれないが興味深い。
10:30 小野の滝(11469歩)
 上松宿の近くにある小野の滝。広重の浮世絵にもなっている。
 明治42年に鉄道が通ってこうなった。
10:55 寝覚ノ床から木曽駒ヶ岳遠望
 左から駒ヶ岳、中岳、宝剣岳。中岳、宝剣岳の鋭い岩峰がよく見えた。
 この辺りは車でよく通るが、木曽谷から木曽駒がこんなにきれいに見えるとは知らなかった。
11:00 寝覚ノ床の民宿(13969歩)
 江戸の昔から寝覚ノ床は観光地だったのでこのような大きな旅館が出来たのだろう。手前の角にも同じ規模の旅館がある。
 木曽川の寝覚ノ床はここから80m下ったところ。距離にして300mあるのでパス。
11:25 上松宿 土蔵
 土蔵と呼んで良いのかわからないが、久しぶりに白漆喰の美しい建屋を見た。木曽路に入ってから黒っぽい木肌と土壁ばかり見てきたのでえらく垢抜けして見える。
11:30 上松宿 枡形
 これまた、久しぶりに天辺の小屋根を見た。
 上松のこの辺りは古い佇まいだが、明治以降は、各地へ伸びた森林鉄道による木曽檜の一大集散地となった。それも今は歴史の彼方。
11:45 上松 新茶屋近くの木曽川
 徐々に空が広くなってきた。木曽川の谷も浅くなったような気がする。
12:00 木曽の桟(20610歩)
 対岸から見た木曽の桟(かけはし)。。
 最初は、断崖絶壁を通るために蔓で木橋を吊っていたが、焼失したため、慶安元年(1648年)2本の橋脚の間にあたる部分を残して石を積み、道とした。
寛保元年(1741年)にその間にも石を積み完全に石積みの道にした。(石の積み方、大きさが違っている)
 今はこの上を国道19号線が通っている。
12:20 沓掛の一里塚
 線路の向こうの木立と祠が右側の一里塚。左側は線路で消え、道も線路の下を潜っている。
 一里塚の向こうも国道で削られて道は消えている。
 この辺りの中山道はこういうところが多い。
12:55 王滝川の谷越しの御嶽山(22957歩)
 御嶽山がやっと見えた。岐阜や名古屋からはよく見えるが近づくとかえって見えない。
 この近くには御嶽遙拝所もある。中山道を通る旅人が御嶽山を拝んだところ。
13:05 神戸
 何度目かの「ごうど」。水の轟々いう音を連想する。
13:55 福島宿
 本町辺りの町並。古い町並みを保存している。
 ちょっと出来上がりすぎている。
14:05 木造三階建て
 昭和の初期のものだろうか。旅館のような感じ。古いモノクロの映画に出てきそうな木の手すりがいいね。
14:10 福島の関(30553歩)
 この坂の上が関所。左は川まで急斜面だったが国道のために削られた。川と山の間の迂回しにくい地形に関所があった。
 碓氷、箱根、新居と合わせ天下の四大関所と呼ばれていた。
14:15 城山発電所
 木曽川にも中部電力の水力発電所があった。
 わずか1300kwの小さな発電所。木曽川にはここを含め3つしかない。
14:40 新開発電所
 中部電力二つめの発電所。1300kw。驚くことに高圧線がない。
 そのまま近くの電柱の配電線につないである。
 考えてみれば、これでも最近流行の太陽光発電所の10Mw級に相当する。大正8年創設。
 中部電力の木曽川水系(飛騨川が中心)の発電能力は福島第一の1〜4号機とほぼ同じ2,800,000kw。多いと見るか少ないと見るか。
14:50 上田辺り
 まわりの山も低くなり空が広くなった。木曽川も細ってきて谷もなくなってきた。向こうに雪山も見えるが春の日を浴びて気持ちいい。
14:55 手習天神(34803歩)
 木曽義仲を養育した中原兼遠の地元。ここで木曽義仲を匿い養育した。
15:10 原野からの木曽駒ヶ岳
 駒ヶ岳の西面が見えた寝覚めの床とは角度が違い北面が見える。
15:15 中山道の中間点(原野)
 江戸と京都の中間点。どちらからも67里28町(266km)。
15:25 原野集落の軒下のスズメバチの巣
 例の雁木作りの軒下にはよくスズメバチの大きなボール状の巣を見かける。最初は酒屋の杉玉みたいに飾ってあるのかと思ったが、本当に巣を掛けている。
 伊那や飛騨地方は蜂の子を食べるために巣を取ってくるが、木曽でも食べるのかどうか。
15:50 宮ノ越宿 田中家
 昔の旅籠。一階の格子と二階の障子が美しい。また入り口に飾り彫刻が施されている。
 江戸時代、この辺りの宮ノ越大工が甲州、三河、駿河まで出かけるほど有名であったが、この彫刻はその技量を示すもの。
 この宮ノ越の旧家には、このような木彫がよく彫られている。
15:55 「隣屋」の松
 宮ノ越宿の中程にみごとな枝振りの松がある。由来はわからないが「隣屋」の建物も美しいが松がすごい。
16:00 宮ノ越宿 義仲橋から見る木曽川(41436歩)
 宮ノ越宿を過ぎて義仲橋を渡ると義仲ゆかりの遺構が残る。
 木曽川もここまで来ると普通の川。鵜沼からここまで130km弱。
 次回鳥居峠を越えれば日本海に注ぐ千曲川。
 
 今日は気分良くここまで。

以上、29.0km。天気も良く距離の割には気分良く歩けた。
木曽川の谷が福島を過ぎる辺りから広くなって木曽川もそろそろ終わりそうな雰囲気。

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