May 16, 2002

オンライン小説

山下晴代の「青い花」

第1部「紫式部の穴」(1)
第1部「紫式部の穴」(2)
第1部「紫式部の穴」(3)
第1部「紫式部の穴」(4)
第1部「紫式部の穴」(5)

第2部1「トロイア戦争は起こらないだろう」(1)
第2部1「トロイア戦争は起こらないだろう」(2)
第2部1「トロイア戦争は起こらないだろう」(3)

第2部2「べつの物語」(1)
第2部2「べつの物語」(2)
第2部2「べつの物語」(3)

第3部「夢は枯野」(1)(2001/7/24 更新)
第3部「夢は枯野」(2)(2001/8/23 更新)

第4部「レターズ」(1)(2001/9/2 更新)
第4部「レターズ」(2)(2001/11/16 更新)
第4部「レターズ」(3)(2001/12/2 更新)

第5部「墓場荒らし」(1)(2002/1/9 更新)
第5部「墓場荒らし」(2)(2002/1/29 更新)

第6部「大きくなったら何になる?」(1)(2002/2/1 更新)
第6部「大きくなったら何になる?」(2)(2002/2/24 更新)

第7部「春の夜の夢」(1)(2002/4/5 更新)
第7部「春の夜の夢」(2)(2002/4/16 更新)

第8部「青い花」(1)(2002/5/8 更新)
第8部「青い花」(2)(2002/5/16 更新)___完結



拙掲示板、お客さま、御水乃未知さまの感想(2002/6/1)より)

 ところで、管理人様の「青い花」は結末をむかえたのでございますね。少し淋しい気がいたします。わたしは、よき読者ではございませんし、批評家でもございません。私の読みでございますが、この作品は、なかなかに複雑な構成で、ギリシャ神話から現代までの、様々な男女の「愛の物語り」として、最初は読んでおりました。が、やがて、これは「死」ということ、即ち、主体と存在と無、いう不可思議な永遠のテーマ、あるいは「男」と「女」という「性関係」、「性関係はない」「性を差異化するシニフィアンはない」、つまり、ついつい、ラカン的な文脈で読んでいくようになりました。そして、「反復強迫」という永遠の回帰、主体が永遠に逃れ得ない「言語という牢獄」あるいは、牢獄ではなくそれは処刑台なのかもしれません。
 
このような、様々なテーマが塗込められた複雑なオブジェであり、どのような読み方をしても良い、ということであり、それが作者と読者が勝ち得たささやかながらも掌の中でいきいきと拍動する生命、自由、なのかもしれません。





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