■□ 12_ カスタムコミック □■
ニゃロメ紳士録 奥成達の巻ニャのだ!!

|
1981.7
文と絵:赤塚不二夫
発 行:日本文芸社
写真提供:国玉照雄
★資料室注:赤塚氏の『ラディカル・ギャグ・セッションー挑発する笑いの構造』にはこのあたりのこともキチンと文章で書かれているので合わせてどうぞ。
★資料室注:
以下、文中に出てくるキィワード(色が違っているところ)はリンク先と併せてお楽しみください。
P159
「私こと奥成達。もと冷し中華の詩人。またの名を演歌チャンチャカチャンそっくりさん。またまたの名を前衛詩人。またまたまたの名をゴーストライター。またまたまたまたの名を超能力と山伏の研究家。またまたまたまたまたの名をコラムニスト。とにかくチャンチャカチャンである!!」
「忙しい人だニャー。」
|
P160
今を去る15年ほど前、オクニャリタツはオレニョ仕事場にやって来た。髪はボサノバひげボウフラ、ひどく貧しそうな青年が言うことには、「チータこと水前寺清子とテレビ番組に出演しませんか?」聞けばオクニャリは日本テレビの音楽新番組「チータとバカボン」の構成をやるんニャと言うんニャ。変ニャことを考えるやつだニャーと思いつつ、目立ちたがり屋のオレは引き受けてしまったんニャ。それキャらのつきあいニャ。
こニョ男、テレビの台本書きかと思っていたら、そうではニャかった。六本木に事務所をかまえて”ツーホット・ワンアイス”などというくだらニャイ名前のグループを作りフリーの編集記者を集めて、主婦と生活とかアサヒ芸能とかのいろんニャ雑誌の編集の仕事をやりニャがら”東京25時”というガイド雑誌を作り、その編集長もやってたんニャ。これはガイド雑誌のハシリだったんニャ。忙しいやつなんニャ。
|
P161
「キサマ!!そのほかにまだなにかやってるだろう!!ゲロするんだ!!」
「ヘヘヘイ...。」
「上村一夫の劇画の原作なども書きました。」
「ほかには!?」
「ヘヘイ。そのかたわら詩なども書きました......。」
「かたわらに詩?かたわら痛いわい!!で、どんな詩だ!?」
「卵に穴をあけたい人は/ぜひやりなさい。/お尻をかくとお腹のすく女は/お腹をおすと白い朝がくる。」
|
P162
「なーんだこの詩は!?くっだらねえっ!!」
「そうです。くだらないほど傑作なのです。もっとくだらないこともしていますよ。」
先月号の赤瀬川原平の巻の時にも書いた”日本満足問題研究会”の一メンバーでもあり。これはそニョ時撮った受験戦争を生き抜くために通学中にも勉強している学童に扮装した奥成ニャ。いい年してよく恥かしくニャイもんだニャー。
「じつにくだらんが横断歩道を渡っているところはなかなかよろしい!!」
「おまえの調書を作成していると、ほんとにくだらなくなっていやになっちゃうよ。ほかにどんなバカをやったんだ?」
「ホホホイ。」
|
P163
「イトーにいくならハートヤ〜。」
「でーんわはヘレモコソ〜。」
「ぼくたちレコードも作ったんだ。よ〜〜ん。」
「ぼく、このレコードの中で歌っちゃってるんでーーす。」
「自分だけカッコいい歌うたいやがって......。」
さよならをしようと手紙を書いたが......
詩・奥成達 曲・小林亜星
ほおずきをかんでいると/夕焼けのにおいがします/暮れてゆく夕日にむけて/あなたに紙ヒコーキをとばします/これがわたしのサヨナラの手紙です/ひとみのふちから/涙がにじんできます/今日浜辺にうちよせられた/一人ボッチの貝をみつけました/さびしくありあせんか/あなたは
(「ライブ・イン・ハトヤ」赤塚不二夫と全日本満足問題研究会)
|
P164
「赤塚さんとの共著もあるんですよ。二十世紀ブックスの『全部切り抜く本』ですよ。」
「関係ないけどコーシンこと高信太郎でーーす!!」
「あっ、そうだったニャー。でも、あの本全部切り抜いてしまったキャらもうニャイのだニャロメ。」
「いろんなことやりすぎてぼく疲れてしまいました。しばらく寝かせてくれ〜〜っ!?」
「まったくオレニョニャかまは変なやつばっかりだニャー。」
*来月、来月こそマトモなニョが登場するゾ、ニャロメ!!
|