日時計 2000年12月 日記

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▲最新の日記▼読了本

2000.1231(日)  

 昨日のうちに黒豆だけは出来上がったが、結局ほかのおせち料理は全部今日にまわしてしまったのであさから一日台所仕事。
 雨が降る降ると予報で言っている割りには夜になってもまだ降らない。

 銀河通信の「2000年私のベスト1」アンケートへの返事。例のごとく一つに絞ることができない私の、ジャンル別ベストである。

★海外SFの部 
『ハイペリオン』
『ハイペリオンの没落』
『エンディミオン』
『エンディミオンの覚醒』 ダン・シモンズ 早川書房 

★海外幻想の部 
『魔術師マーリンの夢』 ピーター・ディキンスン 原書房  

★海外児童文学の部 
"Holes" Louis Sacher A Yearling Books 
(邦訳 『穴』 ルイス・サッカー 講談社)

★国内の部 
『風車祭(カジマヤー)』 池上永一 文藝春秋 

★特別賞 『山尾悠子作品集成』国書刊行会


 新しい世紀にもまた、素晴らしい本との出会いがたくさんありますように。素晴らしい「本との出会い」、あるいは「素晴らしい本」との出会い、その両方が、みんなの上にありますように。

2000.1230(土)  
ざしきわらし本<いつの間にか増えていた本(*^_^*)
梨木香歩/『裏庭』/新潮文庫
鹿島茂/『パリ・世紀末パノラマ館』/中公文庫
ウラジミール・ナボコフ/『ナボコフ短篇集1』/作品社
乙一/『失踪HOLIDAY』/角川文庫

まだ埋もれているのがあるみたいだ…

 精力的に家中の本の整理をして、台所を整理し、納戸をきちんと片づけ、玄関の掃除を済ませて来るべき新世紀の到来に備えた。
 …ということは何一つ出来なかった。

 でっち上げた年賀状のデザインを右から左に連れ合いに押しつけて宛名の印刷までやっていただき、ただいまほそぼそコメントなど書いているところ。キーボード叩く方がずっと速いぶつぶつ。

 お茶の時間の時のみ、乙一の新刊をちらちら読む。

 7時近くに息子二人が帰ってきて久しぶりに人口が増え賑やかになる。手足を伸ばして寝られたのも昨日まで。寝相の悪い次男にぎゅうぎゅう押される毎日が甦った。彼にも良いところがあって、この季節人間湯たんぽとして利用できるのである。

2000.1229(金)  

 久しぶりに惰眠をむさぼる。あ〜よく寝た。しかし朝寝坊をするとそのあとの一日が短くて、必ず後悔する羽目になるのだ。なんだかんだと母の雑用に思わぬ時間を取られ、結局、納戸(もとウォークインクロゼット)を整理するとか台所を片づける、という野望が果たせぬまま午後も半ばを過ぎる。連れ合いの買い物につきあい、その後丸の内のミレナリオに向かう。

 5時30分からとのことであったが、国際フォーラムから地上に出た5時20分過ぎにはとっくに点灯されており、近くの会場出口付近は人の波である。別段待たされるほどのことはなく、実際に入り口から入ってみると、出口までをずっと見通す眺めがなかなか綺麗。歩きながらなので手ぶれがあるのはご勘弁。国際フォーラムの中庭にも大きなパネルが設置されており、ここに幾つか設営されていたミレナリオグッズ販売のテントで、連れ合いがイオカードを買った。使用後には私の手許に来る予定。今年はこのミレナリオ見物が、唯一都会らしい年末イベントを味わった所かなあ>都会の田舎もの

 有楽町方面に歩いて、沖縄物産の銀座わしたショップに寄る。ソーキソバセットや、コーコーグァ(チンスコウよりうちでは評判がよい。小さい麩菓子の揚げたのにゴマをまぶしたの)や、タンカン蒸しカステラなどを買い込んでしまった。ほんとは泡盛がほしかったんだけど。この店で、『ナビィの恋』のDVDがあったので思わず手に取るが、5000円と言う値段にやっぱりご遠慮する。でも思い切って買えば良かったかなあ。近くの天津飯店で白湯チャンポン、水餃子その他をまたまた食べ過ぎる。銀座通りの明治屋を物色して帰宅。

 あ〜、一文字も本を読んでいないので禁断症状がぁ。明日はそこら一面に連なっている本の山脈をなんとかどこかに移動しなくてはならない。「ママ、本片づけるとき読んじゃダメだよ!」と娘に釘を差されたとほほ。

2000.1228(木)  

 おおやっと今年のご奉公もおしまい。適当に自分の関与している部分だけ掃除してさっぱりしたつもりになる。
 職場に一人、コンピュータ画面を人に見せて説明する際になぜか画面を文字通り指さす人がいる。従ってその画面には、指紋が一面にべたべた付きまくっているのだ。そして私の席からはちょうど光の加減でそれがよく見える…うう。運良くその人は今日お休みだったので、誰もいないときにせっせと指紋を拭き取っておきました。あーきもちわるかった。

 『おもいでエマノン』読了。最近デュアル文庫で復刊されるまで多くの人が復刊を望んでいたのがよくわかる。【ネタばれ反転エマノンが時を越えて出現するところ】とか【ネタばれ反転エマノンの血を体内に入れられた人にはエマノンの特質が発現するところ】など、大まかな枠ばかりでなく細かいところにもハイペリオンシリーズと共通する部分があるのには、偶然を越えたなにか不思議な符合があると言いたくなるほどである。山崎さんぱちぱち。この続編『さすらいエマノン』は2月に刊行されるそうである(by安田ママさん)。

 息子二人がスキーで不在、連れ合いが忘年会、と、夕食が娘と二人なので、「じゃあ打ち上げしよっか!」ということになり、娘の出先から近い後楽園のアジアンキッチンで夕食。娘と二人で外で夕食なんて初めてのことだ。
 6時過ぎから食べ始め、ひとしきりばーっと食べてひとまずおなかが落ち着いたところで時計を見るとまだ6時半である。よーしこれからが本番、とさらにあれこれ注文し、気が付くと動くのが大儀なくらいおなかいっぱい。それにもめげず途中階のアフタヌーンティによろめきこむ。「お茶だけネッ!」と固く誓って行ったにもかかわらず、入り口のケーキにくらくらっと来てつい注文したのはパンプキンチーズケーキ。「ママは1/3だけね」と釘を差す。一辺2cmほどのさいころ型に切ったケーキを9個ピラミッド型に積んで甘くないホイップクリームがかけてある。「ママが3個ね」と言うとテキは「いや4個」と押しつけてきて、その上クリームのなすりあい。いや〜、美味でしたともホントに。お茶はダージリンとジャスミンのブレンドでこれはすっきりして当たりだった。
 カレシの話、お友達の話、本の話、音楽の話、など久しぶりに色々ゆっくり話せて楽しかった。カレシはホラーにはまっていて角川ホラー文庫などを良く読んでいるらしい。じゃあ今度はぜひ乙一を読みなさいね。
 うう次回はもう少し食べる量をセーブしようね>娘

2000.1227(水)  

 先日、星間宇宙船で、『ライオンハート』ハイペリオン説を唱えたのだが、マドカさんは『秘密』&『スキップ』説、山崎さんはカジシン説。ぢつは梶尾真治は読んだことないので、『おもいでエマノン』を取り出す。時間恋愛ものづいたついでに、何年も前、収録作の「時の偉業」読みさしで行方不明になってしまい、見つかったあとも読み切れないままの『ナイチンゲールは夜に歌う』もこの機会に読み直しを図ることに決定。
 『ライオンハート』ハイペリオン説はなかなか当たっているでしょ(キーツとエドワードとか)。

 夜、娘が「笑っていいとも」スペシャルを見ている。もう18年も続いているのだという。そういえば娘を出産したあとの産休のとき、お昼によく見ていたっけ。そうかあのころ始まって間もなかったのか。そんなに経つとは思えない〜と娘を眺めてしばし感慨。ひとしきりげらげら笑ってストレス解消、そのまま睡眠に突入してしまう。

2000.1226(火)  

 さ、寒い!手袋をしていても自転車に乗る指先は冷たく、ジーンズからしみ通る寒気は真冬のもの。耳が凍りそうな思いはこの冬初めてだ。夜空も冷たく冴えて、金星の輝きがいつにも増して素晴らしい。

 恩田陸『ライオンハート』読了。いやあ、やっぱり目が離せない作家であることに間違いない。
 若干の違和感を感じるのは、舞台が外国であることに起因するものだろうか?似たような雰囲気を持つフィニイに比べると、彼女のはねじれた感じ…よじれた感じがある。この捻れ感は、小林泰三などにも通じるように思う。フィニイは過去のある時代が主人公にとって圧倒的な磁力を持っているが、これとは違って、恩田陸や小林泰三は、読者に、自分の立ち位置に心許なさを抱かせるような不安定さをもたらす。時をかける少女がドアを開けたときに、虚空とも虚時間ともつかない時空の大きな渦巻きあるいは流れに、足を、全身をすくい取られるときのように。

 明日から息子二人がスキー合宿に出発。長男は数年前から冬休み・春休みに参加しているが、次男は今回が初めてである。下着も1回分ずつ袋に入れ、「ここにはこれ…ここにはこれ」と見せながら荷造りはしたものの、多分何にも頭に入っていないだろうなあ。面倒を見てくれるスタッフの皆さんよろしく。去年1年生で参加した知り合いの男の子は、4日間とうとう下着を一度も取り替えなかったそうな。お風呂には毎日入ったのに〜。だいたいそんなもんか>男の子

 森太郎さん検索窓お借りしてみましたありがとうございます(*^_^*)

2000.1225(月)  
購入本
クリストファー・ファウラー/『スパンキイ』/創元推理文庫
江國香織/『絵本を抱えて 部屋のすみへ』/新潮文庫
やまだ紫/『御伽草子』/中公文庫
中島河太郎編/『新青年傑作選1君らの魂を悪魔に売りつけよ』/角川文庫
     〃   /『新青年傑作選2 君らの狂気で死を孕ませよ』/ 〃

 ようやく"Holes"を読了。原語で読めて、本当に良かった!泣き、笑い、星を見上げ、地面にはいつくばり、臭い匂いにうえっぷと言い、かぐわしい桃の香りに心をなごませる。シリアスでいながら軽妙で、私の駄じゃれ心をくすぐってくれた。最後にゼロのおかあさんの歌う元祖・豚の子守歌が、美しく暖かく、物語を締めくくる…。文句なしに傑作。

 南からの突風に、グラウンドや広場の砂が煙幕のように舞い上がる。風は夜にはすっかり北風に変わり、嵐のような風音が窓を揺さぶる。

 サンタさんが次男にえっちらおっちら運んできたのは、一回り大きい自転車。長男は自分のお小遣いを足してプレステ2,娘は通学用自転車。連れ合いにはパンチングカード式オルゴール、そして私には…低周波足もみ器(^^;; 何でや。

 よーし次は恩田陸『ライオンハート』、それからどっさり借りてきた図書館本、それから…。ああ今年の年末年始は多分暦通りなので、どうせまた雑用に追われて大してまとめ読みは出来ないのよね。何にもしないと言いながら今年も黒豆だけはたくさん買い込んでしまった。伊達巻きだけは、昆布巻きだけは、お雑煮だけは、と結局いつも似たような一揃いをこしらえることになるのだ。ああ、なますに、栗きんとんに、人参の梅煮もね。

2000.1224(日)  
購入本
クラーク&バクスター/『去りにし日々の光』上・下/ハヤカワ文庫SF
図書館本
D・シモンズ/『夜の子どもたち』上・下/角川文庫
福島正美編/『時間と空間の冒険』/岩崎書店SFロマン文庫14
ルーマー・ゴッデン/『すももの夏』/徳間書店

 水曜日から息子二人がスキー合宿に行くが、次男の方のシャツや靴下類がみなつんつるてんになってしまったので買い出し。朝一番で池袋に行くが意外にも駐車場も売場も大して混んでいない。あれこれ速攻で買ってから、久しぶりにリブロ。

 カレシとおデートで毎日出歩いていいる娘も、ぶつくさ文句を垂れながらも9時過ぎにご帰還。なまいきにお台場方面へ行ってきたそうな。11時頃には北海道へスキー部の合宿に行っていた長男が無事帰宅。ママサンタがカードを書いてプレゼントに貼って、それを連れ合いとそうっとベランダに出すというのが昔からの習慣だが、次男のためのその作業を長男が手伝うようになったかと思うと、ちょっとした感慨がある。その次男、夕飯前に窓を開けて「さんたさーん…さんたさーん!ゾイドのらいとにんぐさいくすがほしいですー!」と遠慮がちに叫んでいたっけ。うーん、サンタさん違うもの持ってくるみたいよ。

 というわけで"Holes"その後ほんの少ししか読めていないのだが、スタンリーがこつこつ穴を掘る作業と通じるものがあるかな、と言う気もする。思いがけないところで思いがけないものを探り当てるスタンリー。ツボというより穴にはまる。

2000.1223(土)  

 都内某ホールにて職場つながりのオケの本番。水上音頭もとい水上の音楽、シューマンのピアノコンチェルト、ベートーベン8番という、いつもにも増して無謀な選曲である。毎回ソロは必ず団員が務めるというきまりで、今回は人妻のナナコさんのソロである。オケをバックに弾くのが初めてとはとてもとても信じられない素晴らしい演奏にひっぱられ、我らがオケ過去最高の名演になった模様。朝から夕方までの準備運動&余興のあとのびいるの美味なことよ。あー疲れた。

2000.1222(金)  
購入本
マイク・レズニック/『サンティアゴ』上・下/創元推理文庫

 人口、平常の8割までに回復。一時はどうなることかと思った>パンク状態の冷蔵庫

 どらえもんスペシャルをやっていたらしく次男が座り込んで見ている。たまたまTVの前を通りかかったとき、のび太が例のごとくジャイアンたちにからかわれているところ。のび太はサンタさんにお手紙を出してホクホクしている。それを見たジャイアンたちが「おいのび太、誰に手紙出したんだよ」のび太「サンタさんだよ」ジャイアン「まだサンタさんに手紙なんか書いてるのかよ(笑)、ヘヘンのび太らしいな(嘲りながら去る)」おいおい、どらえもんまでこれかい。
 この時期、TVやラジオで「サンタさんているんでしょうかねえ、いるわけないんですけど、お約束だからいることにしておきましょうかねえ」という趣旨の発言がものすごく多い。この台詞の内容自体すでにお約束なのだから、わざわざ子供の見ている時間帯に言うな!でなければ最初からサンタさんのことには触れないでもらいたい。あまりにも無神経である。「サンタさんがいない、と言うことを知ったのはいつですか」なんてアンケートを子供向けの番組で流したりするのはやめれ!

 "Holes"真剣に読み中。あまりに引き込まれてしまい、深夜に涙したり。すごいよこれ。あと1/4くらい(遅)。

 いえ、乙一は藍読日記(12/11)のその指摘の所がそのまま魅力なんですから、懸隔がはなはだしいと言うわけでもないんぢゃありませんか>へんしうちょうどの

2000.1221(木)  
購入本
グレッグ・イーガン/『祈りの海』/ハヤカワ文庫SF
恩田陸/『ライオンハート』/新潮社
トーベ+ラスル・ヤンソン/『ムーミンコミックス6 おかしなお客さん』/筑摩書房

 書評リンクサイト、といっても私が利用しているのは、読書の素と、読書共同体本部くらいなものである。後者は、早川・創元海外SFと、サンリオSF、NW-SFの感想・書評がリンクされている。ここにはハヤカワFTのリンクサイトも存在しているが、ちかぢか消滅の予定とのこと。FTの感想・書評はありそうでいて意外に少ないので、ぜひ何らかの形で引き継がれることを希望する。他力本願でご勘弁を。
 他力本願ついでに言えば、石堂藍さん、なんていいひとなんだ!『幻想文学』掲載書評リスト・海外編 (40〜59号)を作って下さって感謝。<あくまでも小声>これに掲載号・頁を追加して下されば御の字なのですが、それからこの前の方も希望</あくまでも小声>いやご苦労様ですほんとに。

 "Holes"順調に消化中。真ん中くらい。少年たちに穴を掘らせている張本人Wardenが、その赤く染めた爪で手下のMr.Sirをのたうち回らせる。おお怖。主人公Stanley Yelnatsは祖先がラトヴィアの出と言うことになっていて、だから名字が風変わりなのだなと納得していたら、彼が生まれたときにその母親がYelnatsの逆さ綴りだという理由でStanleyと名付けたのだというくだりがあったので、煙に巻かれた気分になる。こうした独特のユーモア、というかペーソスと文のリズムが良く呼応しあって面白く、つい読みふけってしまう(その割りになかなか進まない(^^;; )。
 黒い表紙、ソフトカバーの『ライオンハート』、平積み最後の一冊を買ったので早く読みたいのだが、ここでやめては最後まで行き着けないかも、と"Holes"に専念するのだ。

 今日は、長男がスキー合宿、娘は休みに入ったのでさっそく友人宅にお泊まり、連れ合いは仕事で一晩泊まり、次男は久しぶりにスイミング、と、誰も家でまともに食事をするものがいないどころか、夜間人口は二人である。こんな時に限ってお歳暮のハムがどっさりとか、生協でケーキがどっさりとか、届いちゃうのであるよ。冷蔵庫の中味は減るものがなく増える一方なのでパンク寸前だ。おーいみんな早くごはん食べに帰って来〜い!明日も食べる口は私と次男だけ(おお二人とも小食)

2000.1220(水)  
購入本
David Almond/"Kit's Wilderness"/Delacorte Press

 未訳の海外SF・ファンタジーのWeb上の書評、感想文を集めたサイト宇宙くじらがスタートした。きっと指をくわえてよだれを流すことになるだろう>私
 ほかの書評リンクサイトについては時間切れのため次回触れたい。

 "Holes" わかんなくても読む。なにもない画用紙の上に、線画でスタンレー少年を書きだしたような、そんな文章だ。すこしずつ、回りの光景や、事情、背景が書き加えられて行く。盗みの濡れ衣を着せられて、遠く離れた矯正キャンプに連れてこられたスタンリー。キャンプの少年たちはまだ暗いうちから毎日ひたすら決められた大きさの穴を掘る。直径も深さもきっちり5フィート。それさえ掘ってしまえばその日のノルマはおしまいなのだが、穴を掘ることにどんな意味が?

 先日のチムニク『太鼓たたきの夢』は、ずっと以前大型の本で購入(福音館?)、その後、福武文庫で再刊。もうひとつくらいどこかから出ているのではないだろうか。今度のパロル舎版は、矢川澄子の新訳なのかな?

 のせられやすい体質なのでついデイヴッド・アーモンドの本を買ってしまった。「『スケリグ』の著者の」とわざわざ但し書きが着いている(スケリグ=肩胛骨は翼のなごり)。つい最初を読んでしまうが、怖そう…

Death, death, death, death,

…いえu-kiさんぢゃありません、「Death」という名のゲームで子どもたちがそう唱えるのです。

 実は今は21日の朝まだき。長男がスキー合宿のため羽田に6時半集合なので、昨夜は早く寝て4時半に起きたのである。大荷物とおにぎりを持って出掛けていったので、しばし"Kit's Wilderness"を読んでいた次第。暗くて誰も起きていなくて、怖かったよう。

 王子の北とぴあで、ボーイズ・エア・クワイアのクリスマスコンサート。なかなかな入りである。開場時間を過ぎても、「最後尾はこちらでございます」なんちゃって長い行列が出来ているのは興ざめ。大ホールなのに、チケットのもぎりが一カ所しか設けられていないからであった。どうせ全指定席なのに何で延々と並ばせる。いつもここのホールはダサい。

 演奏会自体は、かわゆい少年たちの透き通るような声が素敵。ソロに頼りすぎで気の毒だった。もっと積極的にハーモニーを聞かせて欲しいものだ。ハイトーンは良くとおるとは言え、声量がないので、決して音響のいいとは言えないこの大ホールでの演奏会は、かわいそう。中〜小ホールで聴いたらもっと美しかっただろう。初めて彼らに遭遇した時のケルティックナンバーが生で聴けたのが嬉しい。
 一番小柄な美少年が実にフレッシュな声をしており、おそらく彼が次のソリストになるのだろう。もっとも才能のあったバロウズ兄弟の長兄コナーが指揮をしたのだが、途中指揮をしながらいきなり振り返って綺麗なバリトンで歌い出した。声変わりしても美しい声を保つことが出来て良かったね。最後には自ら軽快なピアノ伴奏も披露したものである。ついCD3枚を買い込む。これで彼らのCDは全部持っていることになる。あっ、プログラムの高いこと!むかしのシングルレコードのジャケットくらいの大きさで大して厚みもないものなのに、1300円とは!ぼろ儲け。総じて演奏以外の部分で好ましくない印象があった。

2000.1219(火)  
購入本
浅暮三文/『夜聖の少年』/徳間デュアル文庫
たむらしげる/『ファンタスマゴリアデイズ2』/メディアファクトリー
Louis Sacher/"Holes"/A Yearling Books

  『遙かなる地平2』収載ダン・シモンズ「ヘリックスの孤児」読み始め=>終わる。文庫には前書きがついていて、ハイペリオン4部作を簡潔におさらいし、俯瞰できるようになっている。おお、素晴らしい要約!と思いつつ前書き最後のページをめくるとそこには「ダン・シモンズ」の名が(^^;;

 アイネイアーの影響を受け彼女の目指した方向へ進んでいる人々のことを「アイネイアン」と呼んでいる。ヘリックスの何万の人々はアイネイアーに感化はされたが、自分たち独自の文化を守り発展させようという方向へ進もうとしているので、なるべくアイネイアンもアウスターもいない空域の星を捜して、長いながい旅を続けているのだ。その旅の途中、救難信号を聞きつけて、船のAIが主要な乗組員9人を低温睡眠から起こす。なんとなんとアイネイアーとエンディミオンの○○が!これはもう続編書いてもらうっきゃない。
 ことしのSFM3月号が、ハイペリオン4部作完結記念号で、この「ヘリックスの孤児」が掲載されている。登場人物一覧とか訳者の感激のお言葉とか主要勢力関係図とか、今だから楽しめる特集になっている。これと合わせたのか、銀河帝国の興亡の小特集も。

 『まぼろしのすむ館』読了。老女と言っても良いミス・ギルモアの、階級社会と戦争に絡む昔の悲恋、一族の血、古い記憶の籠もった館やあずまや。それをなんとか解きほぐそうとする子どもたちと、その成長・変化。舞台装置はそろっており、登場人物も一見お約束だが、このミス・ギルモアがなかなかにユニークだ。家具調度や気むずかしいおじいさんの幻が現れるところや、それを目撃している現代の子どもたちを逆におじいさんが目撃して幽霊かと驚くあたりなどは、もろに『トムは真夜中の庭で』を借りてきたようではある。しかしそれなりに話の中に巧く生かされているのでよしとしよう。ドアの下からあるはずのない明かりが漏れているのに、意外に簡単に無視し続けるのが変と言えば変だけれど。総じて面白く読めた。

  出来心でLouis Sacher"Holes"(ルイス・サッカー『穴』)をamazon.co.jpで買う。これが意外に読める(嬉)。しろーと目にも、一風変わった文のように思える。

 しばらく前のこと。高二の娘が、帰宅途中混んだ電車の中で痴漢にあい、ようやく電車を降りてほっとして歩いていると、同じ電車から降りたとおぼしきおじさんに「さっき痴漢されてたでしょう」と声をかけられたのだという。「後ろからついてきてるよ」はっと見ると、確かにその通りなので怖くなって隙を見て車の陰に姿を隠したりしてテキをまいたらしい。
 「教えてくれて良かったねー」と言ったら「ところがそれでおわりじゃないんだ。今度はそのおやじが、痴漢に変身した」ひえぇぇぇ〜。何をされたわけでもないらしいが、その「一見普通の中年のおやじ」に、「お金をあげるから」云々、とささやかれたのだというのだ。ほんとにもう、いったい、男ども、どうなってんのよ!(怒!!!)そこはすぐそばに交番がある場所なのだけれども、とっさのことに思い出しもしなかったそうだ。とりあえず大事にいたらずよかったが。くそおやじども、自分にも家族や娘がいるんじゃないか!?よく考えて見ろ〜!!(怒々!!!)

2000.1218(月)  
購入本
ライナー・チムニク/『タイコたたきの夢』/パロル舎
『ネムキ』1月号/朝日ソノラマ

  職場つながりのオケの、サイトとMLが出来たという。メンバー一覧を見ると、結構自サイトを持っている人もいる模様。名前、職場、経歴、発表論文などだけというのも多くて、そうか、一種の名刺がわりなのかと納得する。携帯電話(i-modeとかEz-webとか)でそういう使い方もされているのかな。

 ダンロップ『まぼろしのすむ館』(福武書店)を読み始める。
 金持ちの一族の末裔、ミス・ギルモアの住む古い屋敷に、その甥で12歳のフィリップが預けられる。姪のスーザンは、フィリップより2年前からやはりここに居候している。空き部屋のドアの隙間からもれる、謎の明かり。空き部屋で撮った写真に写った、あるはずのない家具のおぼろげな影。古い屋敷にこもるいにしえの思い。フィリップとスーザンは、ミス・ギルモアと一風変わった交流をしながら屋敷の不思議を解き明かして行く。なかなか引き込まれる。

 いくつかの掲示板で見かけた、「いきなり次回予告」。そりゃもう今なら登場人物はこれに限る。

 1) 友人であるアイネイアーが洗脳されてしまい苦しむエンディミオン。
               望まざる過酷な戦いが始まってしまった!!
             デ・ソヤは二人を止めることができるのか!?
                          次回は1時間スペシャルだ!



2) 突然の事故でこの世を去ったエンディミオン
               アイネイアーはまだその事実を知らずに……
             次回『あなたもベティックパワーでガン予防』



3) いきなりのベティックの発言にアイネイアーは感動の涙…
               そして優しく抱きとめられるアイネイアー…
 それをかげから見ていたエンディミオンは
ベティックへの大いなる復讐を決めた…
      次回緊迫の最終回!!エンディミオンはどう出るのか…!?

2000.1217(日)  

 午前中、サンタさんに娘のプレゼントをお願いに、自転車やさんへ行く。帰って軽くお昼、また夕方までオケの練習。さすがに肩が腕がいででで…。

 日中届いたお歳暮は松阪牛1kg〜。今夜は迷わずすき焼き、でもこんな時に限って娘はカレシとお食事会である。ポイントカードでたまった1500円の金券を進呈したので、それを元手に、ハンバーグ定食をお召し上がりになったそうな。明日はディズニーランドだって、一所懸命割引券その他でやりくりしている様子。

2000.1216(土)  
購入本
クラフト・エヴィング商會/『らくだこぶ書房二十一世紀古書目録』/筑摩書房
稲垣足穂/『稲垣足穂全集3 ヴァニラとマニラ』/筑摩書房
シルヴァーバーグ編/『伝説は永遠に3』/ハヤカワ文庫FT
長野まゆみ/『絶対安全少年』/作品社
町田純/『小ネコちゃんて言ってみナ ヤンの短篇集』/未知谷

 娘、次男と目白にクリスマスケーキの予約兼軽いお昼&ケーキ。池袋でCD、リブロ。時間切れで彼らと別れ、オケの練習に参加する。うう、ほんとに次の土曜日本番か?

 プログラムの中の一曲、シューマンのピアノ協奏曲をルビンシュタインで聴く。おお、ルビンシュタイン節炸裂だぁ(嬉)!しかしパート譜を目を皿のようにして追っても、すぐ落っこちる。ルビンシュタインに聞き惚れて、と言うことにしておこう。

 次男が寝てから『エンディミオンの覚醒』の残りに取りかかり、ついに読了。これまでの3冊では辛うじて持ちこたえていたが、ついに落涙する。4冊シリーズで、今年読んだ本のベストに決定。
 ちょうど読み終える頃にタイミング良く、それまでかけ続けていたCDの『メサイア』が最後のアーメンコーラスを迎え、いや増す感動なのであった。

2000.1215(金)  

 終業後、初台の東京オペラシティでメサイア(ザ・シックスティーン合唱団&合奏団)を聴く。とてもとてもよかったァ…!歌詞はみんな聖書から取られているのだが、ちょうど今キリスト教が深く関係している『エンディミオンの覚醒』を読んでいるせいか、いちいち含蓄が感じられた。響きが耳に残った言葉はsorrowである(特に意味はないが)。
 昔はあまり歌を聴くのは好きではなかったが、年齢を重ねるに連れ、歌の良さが感じられるようになって来たように思う。と言ってもやはり三大テノールみたいなのはちょっとゴメンかな。

 というわけで『エンディミオンの覚醒』>たぶんネタバレメモ

2000.1214(木)  
購入本
ローズマリー・サトクリフ/『ケルトの白馬』/ほるぷ出版

 朝よろよろとカーテンを開けると、空一面薄い雲に覆われているのに軽い驚きを覚える。このところ好天が続いていたので、まだはっきりと目ざめない景色に次第に朝日が当たって色彩がくっきりとしてくる、そのプロセスが見られないのが何だか不思議ですらある。仕事帰りに星空が見えないのも、久しぶり。

 『エンディミオンの覚醒』もほぼ半分にさしかかる。残りの方が少なくなってきたので、なんだか惜しくなり、読むスピードをダウンしようと思うが、先が知りたくていつの間にかまたハイペースに戻っている。>たぶんネタバレメモ

2000.1213(水)  

 ううー、寒い!日中はよく晴れて風がないので、日なたは暖かいが、立ち止まっているとやはり寒さが身にしみてくる。チョー寒いと言って帰ってくる娘@制服ミニスカートに、「今年はやりの毛糸のあったかパンツ、サンタさんにお願いしてあげようか」と言うと即座に「いらない(-_-メ;)」とお断り。高校の頃大雪で休校になった日、ミニスカートにソックスで雪合戦したけれど、寒かったという記憶ないものなあ。

 昨晩またもや2時半まで『エンディミオンの覚醒』を読みふけってしまったので、今日の昼休みは、気付けば本を胸に夢の国、組合の集会でプリントを手に夢の国、そして夢の中ではおしゃべり宇宙船と一緒に惑星巡りなんかをしているらしい私なのであった。それにしてもハイペリオンシリーズを読んで、キーツまで手を出した人って、どのくらいいるのかしら(とりあえず日本限定)。

 先日娘がカレシとタイムズスクエア(新宿高島屋ね)のクリスマスイルミネーションを見てきたといってご機嫌。混んでいるのはいやだけど、いっぺん神戸ルミナリエが見てみたい。近場の東京ミレナリオで我慢しよう(どちらも公式サイトがあるがすごーくつまんない)。

2000.1212(火)  
購入本
たむらしげる/『星の旅行記』/小学館
 〃/『虹のコレクション』/ 〃
七北数人編/『猟奇文学館2 人獣怪婚』/ちくま文庫
ダン&ドゾワ編/『ハッカー/13の事件』/扶桑社ミステリー
笠井潔/『熾天使の夏』/講談社文庫
ますむらひろし/『アタゴオルは猫の森 1』/メディアファクトリー
図書館本
ダン・シモンズ/『エンディミオンの覚醒』/早川書房

 きょうばかりは平成で日付を書きたい>平成12年12月12日。

 昼休みのこり数mmとなった『エンディミオン』読了。さっそく帰路図書館で『〜覚醒』を借りる。先日どうやら私の一歩あとにハイペリオンシリーズを読み始めた人がいるらしいと思ったのだったが、今日は『〜没落』が借りられていたから間違いない。お友達〜!でも顔を見られないようにささっと『〜覚醒』を抜き取って借りたのであった(*^_^*)
たぶんネタバレメモ

 日曜日、ビックカメラでDVDソフトを見ていると…おおおっ、『バグダッドの盗賊』があるではないか!うちでビデオを購入した89年から、何が見たいって、これがもう一度みたかったんだよぅ、と即購入(感涙)。つまり昔々、何度もTVで見てから、あの空飛ぶ絨毯や瓶の中から出てくる魔神(ジン)がその後もどうしても見たくて、ずっと捜していたのだ。一度だけ何かの雑誌の広告で見て買おうか買うまいか悩んだが、一万五千円くらいという値段に躊躇しているうち、雑誌自体なくしてしまったということがあった。このDVDは売価3400円くらい。わー、見るのが楽しみ。ちなみにケースの写真は空飛ぶ絨毯のシーン。時まさに『エンディミオン』で空飛ぶ絨毯=ホーキング絨毯に喜んでいるところ!なにかの巡り合わせではないだろうかうるうる。「空飛ぶかばん」というお話もなかったっけか。かばんに乗って空を飛びながら思いっきりたくさんの花火をあげると、その火花がかばんに燃え移って、空飛ぶかばんは灰になってしまいましたとさ…。ああ、これを読んだ絵本の絵が目に浮かぶ(出典はアンデルセン)。

 『バグダッドの盗賊』はダグラス・フェアバンクス主演とのこと、といっても私にはどんな人が主役を張っていたかの記憶はないのである。ただただ空飛ぶ絨毯、アラビアンナイトのような世界、深い井戸のそこの巨大な人喰い蜘蛛、逃げる主人公たち…じつはこの映画、記憶の中で『ジャングルブック』とごっちゃになっているという悲しい運命。さて、今改めて見たら一体どんな映画だろうか!

2000.1211(月)  

 ほんとうに素晴らしい星月夜である。
 帰りがけ、建物を出ると目の前には金星、後ろの空を振り返ると建物の上に木星と土星。きっと今ごろ月が昇っているだろう、と建物の角を曲がって目を上げると…わあっ、嘘のように明るく輝く満月が目の前に。光の暈が大きく澄んだ群青の空に輝き渡っている。そのあと帰る道々、自転車を走らせながら、ほとんど真正面に見える月をしばしば見上げていたので、向かってくる自転車や人に何度かぶつかりそうになってしまった(危)。

 ミニカー熱が再燃した次男、しきりに図鑑を持ってきては、読みふけっている『エンディミオン』の上にボン!と置いてあれこれ言うので、ついに「うるさーい!」とキレる。可哀想にねえ>たぶんネタバレメモ

2000.1210(日)  

 ナルニアに親しんでン十年、英語のペーパーバックは全巻持っていても、読んだことは殆どありません(威張れない)。昨日たまたま英語のナルニア公式サイトを見て、ン十年分びっくり!あの勇敢で気高いネズミ、リーピチープは、すばしこく飛び跳ねるから、その意にネズミの鳴き声の擬音を混ぜてこの名が付いたのだろうと思っていた。つまり、leapだと思っていたのですね。そうしたら!なんとその綴りはReepicheepなのであった(驚)!しかも、リーダーズ英和にちゃんとこの名の項目が立っている!
 ハルファンもHarfangと、やおら指輪物語に近づいたではないか。インクリングスの仲間だけに、雰囲気を共有しているのだ、たぶん日本語で想像するよりもっと。

 サンタさんに子供らからの希望をお伝えしに池袋へ。とか言いつつ久しぶりにCDをごっそり買い込む。いやー、幸せ。次男には自転車(ちいさくなったので)の配送手配(ラップランド経由)。娘も自転車に決定、残るは長男だが…vaio(メモリースティック付き)が欲しいの、プレステ2が欲しいの、ショートスキーがほしいの、もちろん即座に却下。池袋には合計5時間ほど滞在したが、なんと本屋には行かず。雨の予感がする。

 『エンディミオン』のテティス河の旅はマーレ・インフィニトゥス(無限の海)へ。>たぶんネタバレメモ

2000.1209(土)  
購入本
田口ランディ/『ミッドナイト・コール』/PHP
Peter.S.Beagle/"A Dance for Emilia"/A Roc Book
ふるほんや
ポール・ギャリコ/『七つの人形の恋物語』/王国社
C・J・チェリイ/『リムランナーズ』/ハヤカワ文庫SF
松村武雄編/『マヤ・インカ神話伝説集』/教養文庫
図書館本
文藝春秋新社/『青春と読書』3月号、10月号、11月号(恩田陸「蒲公英草子」掲載)

 ほぼ毎日更新からほぼ一日おき更新になってしまっている今日この頃。昨晩も、早い時間にエディタで下書きは済ませてあったのに、またもや次男と正体なく眠りこけてしまい更新できなかったのであった。
 意に反して寝てしまってなにがくやしいって、『エンディミオン』の続きが読めなかったのがくやしい。時間を返せー。>たぶんネタバレメモ

 今日明日明後日あたりの夜中は、天頂付近に満月近い月、木星・土星、そして東にオリオンとシリウスと、なかなかな眺めらしい(by Stella Theater Pro、これはシェアウェア)。果たして起きていられるか。トホホ。お星様とコンピュータでは時刻設定した星図には月は入ってこないみたい。このサイトは色々な天文現象に関する情報が見られるので重宝している>ぞりこさん

 次男がピアノを習い初めて3ヶ月目。トンプソンの小さい手のための教本の途中である。今日のレッスンの時、来年4月に発表会があるからと、曲を渡される。「1曲はこれ。あと2曲のうちどっちがいい?」と先生が弾いて下さったもののうち、楽しげな弾むステップのほうを選ぶご本人。黒い鍵盤がいっぱい入ってるよ、大丈夫か?
 (後刻自分で弾いてみて)ほんとに大丈夫か?

 未知谷からDMで、ネコのヤンシリーズの新しい本、『小ネコちゃんて言ってみナ ヤンの短篇集』が出るという知らせを頂き、早速注文する(未知谷のサイトには現時点ではまだ載っていない)。
 ネコと言えば、中野善夫さんが言及しておられたビーグルのネコ本らしきものを、ついつい昨日amazon.co.jpに注文してしまったら、内容についてもう一度よく見ようと思っているうちに届いてしまった@_@。小ぶりの可愛らしい本。カバー見返し(後ろ)にビーグル氏のご真影がついている。

 恩田陸「蒲公英草子 光の帝国2」が掲載されている『青春と読書』のうち、手許に見あたらなくなってしまった3月号、10月号、11月号がようやく図書館からやってきた。手持ちの分は抜けにもかかわらず先日読んでしまったので、ひまを見て今日のを入れて読みなおさなくちゃ。SFMに掲載されていた分も、連載終了したので(とっくだ)まとめて読もう。他に読むべき本が文字通り山のようにあるのにこうして割り込ませて読むというのは、実は恩田陸、かなり好きなのだろうか(加納朋子も同じ)。少なくとも恩田陸の方はものによるように思う。読んだなかではやはり『光の帝国』がいちばん好きかも。

2000.1208(金)  

 だいぶ月の出が遅くなった。地平線から駆け上がった月が、その見えない軌跡に振り落とした二つの輝く雫。(土星と木星)

 ぼうなすが出ました。ほっ(と一息)

 『エンディミオン』は、初めの方から、前作で気に入っていたキャラクターが出てくるのでごきげん。前二作とまた雰囲気が違っているので、また新しく楽しめる。とは言え、『ハイペリオンの没落』から続けて読むと、人物やエピソードが記憶に新しいので、やはり続けて読むのが正解だと思う。刊行時に読んだ方々はさぞかしもどかしい思いで待っておられたことだろう。
 出だしはなかなかにシリアスだが、どこかまんがチックな展開に…。
たぶんネタバレメモ

 連れ合いがまた新しいマシン(ME入り)を購入。今までのNTが載っているマシンは、サーバーのように使用するんだと威張っている。よかったねえ。私のは別に不自由ないからいいのだが、職場にはやっぱりG4が欲しいよう。もうこれ以上OSのアップグレードが出来ないから、結局あなたが不自由することになりますよ>上司(まだそのことに気付いてないらしい)

 先日京都に行った際に娘がないないと騒いでいたよーじや(油とり紙)のサイトを発見。娘がさっそくカタログ請求したら、大層ごりっぱなカタログが送られてきた。通販は結構高いぞー。お友達と分けっこしなさいね。

2000.1207(木)  
図書館本
ダン・シモンズ/『エンディミオン』/早川書房

 晴れて冷たい日。冬らしい青空にすじ雲が薄くかかって、見るからに上空に冷気が流れ込んでいるらしい。日中でもかなり寒く、自転車から降りると手袋をしていたのに指先が冷たくなっている。

 『ハイペリオンの没落』読了。
 設定はもちろんSFなのだが、SF読みの人だけでなく多くの本読みの方にぜひおすすめしたい。物語の面白さ、筆の運びの見事さはいうまでもなく、それに加えて内包する大小のテーマはSFという枠で規定されるにはあまりにも大きいので。もしSFというレッテルによって読者が限定されているのであれば非常に惜しい。

 口止めされたけれど誰かに言いたくてたまらない男は、地面に深い穴を掘って、「王様の耳はロバの耳」と、その中に向かって思う存分どなりましたとさ。
 大したことではないけれど、『〜没落』を読んで、ひとことふたこと吐き出したい〜というわけで>たぶんネタバレメモ少々(これから『ハイペリオン』以下を読む方は覗くべからず)。

 ついでに『上と外3』たぶんネタバレメモも。と言ってもほんとにほんの一言です。

 続いて『エンディミオン』さっそく借りてきましたとも!近所の図書館には先日『ハイペリオンの没落』『エンディミオン』『エンディミオンの覚醒』の3冊があって『ハイペリオンの没落』を借りたのだが、今日行くとお気の毒に『ハイペリオン』が返されているのであった。今頃誰かがきっと禁断症状に悩まされているのだろう。

 職場の数少ないSF読みの一人に、エンダーとハイペリオンをおすすめする。今神林長平を攻略中と言う彼だが、長編版『エンダーのゲーム』は先日読んだと言うので、とりあえずエンダーの道に引き込むべく『無伴奏ソナタ』『死者の代弁者』そして「先に読んでね」と『ゼノサイド』を、ドーンと貸し出し。さあ、君も仲間だ(*^_^*)

2000.1206(水)  
購入本
中村融・山岸真編/『20世紀SF2 1950年代 初めの終わり』/河出文庫
山室静/『サガとエッダの世界』/教養文庫
ゴーチエ/『魔眼』/ 〃
イヴァシュキェビッチ/『尼僧ヨアンナ』/岩波文庫
恩田陸/『上と外3 神々と死者の迷宮 上』/幻冬舎文庫
頂き本
リダ/『かわせみのマルタン』/福音館書店

 昼休み『ハイペリオンの没落』第二部まで読了、ここでようやく半分が終わる。巡礼は一人、また一人と姿を消していく。うーん、何を言ってもネタバレに。ヴァーミリオン・サンズと頭上に広がる緑がかった蒼空…なんと素晴らしい色彩!
 
 帰りに次男の歯医者。待望の「ぎんば」がはいって、よかったねー。先生に治療の説明を聞いたついでに世間話をしていると、ちょうど誰も患者さんがいなくなった。そこで「先生、お願いがあるんですがー」とおねだり。そうですあれです、棚にころがっている『かわせみのマルタン』です。「あー、いいですよ、あげます。じゃ、1万円ほどもらっておいてね(と衛生士さんに)」やたー、先生ありがとう!

 ここでも待つ間に『〜没落』に没頭、帰宅しても料理に火が通るまでまたそばの食卓に広げて拾い読み。そのまた合間には『上と外3』。…なにやってんだか。

 長男がないない、と騒いでいる『バトル・ロワイヤル』のコミック版(1、2)、刷り部数が少ないらしく、入荷してもすぐに売り切れてしまったのだそうだ。長男は友達と2軒ほど大書店を回ったらしいが、見あたらなかったという。とりあえず注文する。

 後刻、『上と外3』読了。うー、壮大になったんだかならないんだか、意表をついたんだかつかないんだか、あまりにも途中で、わからないよう。
 『〜没落』あと厚さ8mmを残すのみ。しかしこのシモンズの描写力はすごい。人の内・外面はもちろん、景色・光景の、色彩と、ことに動的な描写。幸せはまだまだ持続する。アンソロジーを読むと短篇ていいなあとしみじみ思う私だが、こーーんなに長いのもやっぱり好きだ。とりあえず没落でひとやすみしてエンディミオンはまたこの次、と思っていたが、予定変更してやっぱりあした借りてこよう。

 このミス海外に堂々『ジョン・ランプリエールの辞書』が。『大聖堂の悪霊』はどうした。

2000.1205(火)  

 昨日の『おおさむ こさむ』に目を付けた次男が、持ってきて早く読めとせがむ。きつねの きっこ は、いたちの ちい と にい と一緒に、山で出会った可愛い二人の雪だるま、「おおさむ」「こさむ」とソリ遊びをしていた。遊びすぎて暑くなったので、雪だるまの勧めるままにかき氷を食べていたが、雪だるまは、かき氷を食べれば食べるほど大きくなっていって、ついに山のように大きい雪ぼうずになってしまった!「さむい」と言ってしまうと凍らされてしまうのだ。雪まじりの風をびゅうびゅう吹きつける雪ぼうずたち。

「さあ、さむいと いえ。さむいといえーー」
「さむいと いって こおって しまえーー」

 きっこは間一髪、魔法びんにはいった熱いお茶を雪ぼうずの足にかけて難を逃れる。必死に逃げるきっこたちに向かって、足が融けて追いかけられないくやしさに「おーん、おおーん!」と吠える雪ぼうず、迫力ありすぎ!ひさしぶりにダイナミックで、こわーい絵本だった。

 昨晩は一文字も読まないまま寝てしまった『ハイペリオンの没落』を、きょうこそ!と昼休みにパンを頬張りつつ読む。おかげで1/3程にまで到達する。おお○○、そう動くのか〜。
 どうも風邪気味らしく、昨夜あんなに寝たのに今朝起きたときからすでに頭も体も重苦しくさっぱりしない(娘曰く「寝過ぎ」)。ちょうど『〜没落』が面白くなってきたとき睡魔が襲ってきて、本を抱えたまま抗い難く目を閉じる。ハッと起きたらほんの5分ほどしか経過していなかったが、右手に持っていたお茶の入ったマグカップが傾き、危うく手から離れるところだった!おお、危ない!

 今日も、東の空には木星と土星、相対する西の空には素晴らしく輝く金星。その間の天頂近くには半月がかかり、保育園からの帰り道、次男ともっぱら上をむいて帰ってきたのであった。

2000.1204(月)  
購入本
外間守善校注/『おもろさうし』下/岩波文庫
デニス・ダンヴァーズ/『天界を翔ける夢』/ハヤカワ文庫SF
岩本隆雄/『イーシャの舟』/ソノラマ文庫
『アワーズ・ガール』/少年画報社
『母の友1月号』/福音館書店
『こどものとも1月号 おおさむこさむ』/ 〃

 久しぶり、って感じに近所の本屋へ行く。たむらしげるの小学館からの2冊の新刊(『Mr.Q’s Collection』、『Mr.Q’s Travel』)は未入荷だったので取り置きを頼む。ジャンルは何、と訊かれて悩む。ビッグゴールドに連載されているのを見たわけではないが、コミックではなし、絵本でもなし…「コミックと絵本の間みたいのかな?」と説明する。先月の『ファンタスマゴリアデイズ』の続編(2)は15日発売のはずなので楽しみは続く。

 まんが雑誌の棚を通りがかると、『アワーズ・ガール』の文字が目に入った。創刊号がとうとう目に付かないまま、2号が出たのかと思い手に取る。ははあ、『ヤングキングアワーズ』の増刊号、ということなのね(と言っても知らないけど)。幸いにこれは創刊号が入荷されたもので、波津彬子が読めたのであった。1月下旬発売予定の次号は、波津彬子はポストカードのみだけれど、ちゃんとこの店に入荷されるかしら?

 過日、マンション建設のため切り倒されてしまったと悲しんでいた大きな椎の木であるが、有力情報に依れば、切られたのではなく、掘り起こして根っこを包んで搬送されていったとのこと。ああ、どこかでちゃんと根付いているといいなあ。

 『ハイペリオンの没落』なかなか時間がとれず遅々たる歩み。

2000.1203(日)  

 久しぶりに9時頃まで寝坊。うーんよく寝た(でも寝たのは3時だった)。11時から小学校の体育館を借りて保育園父母会のお楽しみ会・お菓子・おにぎり二つ付き。おにぎりの一つは天むす風、もう一つはエビ天の代わりにミニハンバーグがはさまっている。笑っちゃったけれど、海苔とハンバーグの組み合わせがなかなかいける。腹話術とかアンパンマンご一行の着ぐるみとかあったようだが次の用事のため途中で抜ける。

 午後久しぶりに職場つながりのオケの練習に行く。ほとんど2年ぶりだ。きのう、もらってあった譜面を出してさらったら、今朝肩から腕が痛くて、ン十肩状態だった。シューマンのピアノ協奏曲とベト8。譜面づらはたいしたことないのにリズムがテンポが。あー練習しなくちゃ。

 帰宅すると、試験勉強で家にいた上の子たちがクリスマスツリーをだして飾り付けを済ましていた。今年はイルミネーションのタマ切れもなく一発で光る。クリスマス用品売場を通ると、カラフルなもの、青いもの、緑+赤のもの、など様々なイルミネーションがあって、すでに一つ家にあるのに何だか欲しくなってしまう。うちのは普通の電球色のもので、じわーっと光り始めてじわーっと消える設定にするのが一番気に入っている。ことしも照明を消して静かなイルミネーションの明滅に見ほれる。
 ちょうどこの時FMでサイモン&ガーファンクルの特集をやっていたが、どれもどれも皆知っているのに今更ながら驚く(歌詞は部分的におぼえているだけ)。ガーファンクル好きでした。

 このところ、時折、意識のどこかで『ハイペリオン』の世界を想起している自分に気付く。時間と空間、それに加えて意識のありようも自在に操っているあの壮観な世界。夜、息子たちがTVで『マトリックス』を見ていたが、今サイブリッドとべったりの私は「首に太いチューブ繋いでるようじゃ遅れてるぜ」とか思ったり(*^_^*)。

2000.1202(土)  
購入本
岩井志麻子/『岡山女』/角川書店

ここのところファイルのバックアップをするのをコロッと忘れていた>イケマセン。ついでに要らないファイルなどを捨てたり整理したりする。

 有里さんのところで話題になっているThe Web KANZAKIは、先日たまたま他の用で検索してたどり着いたページが、その一部であったことが判明。見るからにとてもきれいなデザインが印象に残っていた。その辺の入門用・初心者用と称する本やサイトに比べて遙かにわかりやすくて上手に整理されている。いつまでたっても初心者の私にはほとんど感動もの。
 私自身便利で好きだからと言う理由で、他のサイトへのリンクには別ウィンドウを開くようにしている。しかし作者の神崎さんは、「ウィンドウをむやみに開かない自由」について述べている。この意見は、自分が便利と思っているだけに即座には受け入れにくかったが、彼の全体的なポリシーを見ているうちに確かに一理あると思うようになってきた。当分は現行のままで行くつもりだけれど、一考の余地あり。

 次男は大体回復して、今日は一日元気!顔色も良くなったので安心だ。さっそく歯医者に連れて行く。待っている間はもちろん『ハイペリオンの没落』だが、物語に引き込まれたあたりで、意外に早く治療が終わって呼ばれてしまい、残念〜。

2000.1201(金)  
図書館本
ダン・シモンズ/『ハイペリオンの没落』/早川書房
リダ/『のうさぎのフルー』/福音館書店
 〃/『りすのパナシ』/ 〃
アイリーン・ダンロップ/『まぼろしのすむ館』/福武書店

 昨日からダウンの次男は、朝起きてやはりおなか具合が悪いので、保育園休みと決定。連れ合いも私も休めないので、幸い吐き気はないからとりあえず一日私の母の所で見てもらうことにした。ところが、さて出掛けると言う段になり、「吐くかも」と言い置いてトイレに駆け込んだ次男は盛大に吐いてしまった。ああ〜(天を仰ぐ)。
 昼前、職場から母に電話を入れると、何遍か下痢と嘔吐があるというので、なんとか算段して、午後帰宅する。今夜は職場の忘年会だったのに〜。幸いにそれ以上具合が悪くなることもなく、次第に元気回復するが、今度は私の方がおなかがシクシク痛みだしてしまった。

 帰りがけに図書館に寄り、今日こそ『ハイペリオンの没落』を借りる。あ、厚い!よほど『エンディミオン』も借りようかと思ったが、思い止まる。表紙のシュライクほかの絵が、次男の興味をひいたらしい(*^_^*)

 『のうさぎのフルー』『りすのパナシ』は期待通り目の覚めるようなきれいな絵!ぜひ復刊してくれい!

 昨晩寝る頃になって"The Umber Spyglass"の続きを読み始める。あー、もどかしいったら!ごひゃくなんぺえじもあるのに、ようやく十数頁だよ。2%。

 でもって、なぜか『ハイペリオンの没落』は出だしでお待ちいただいて、HTMLのお勉強。姑息的な知識の得方しかしてこなかったのを反省してのことだ。


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最終更新日 01/12/31 01:11:48
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