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_ 片づけても片づけても次々仕事がやってきて、おまけに自覚のない馬鹿管理職(複数)が脳天気で的はずれな発言や指示をするので全く始末に困る。君らは、手近にお茶碗やちゃぶ台がないのを不幸中の幸いだと思い給え。こういうおぢさんたちを長年かけて作ったのは、やっぱり奥さんをはじめとする世話焼き、甘やかしの女性陣なのだと思う。そして、こういう風にストレートにむかっ腹が立つのは、やはりこちらが疲れているからだと認識する。斜に受け流さなくては。それにしても管理職、これまで積み上げてきたある仕事を、まるで今初めて気がついたというような物言いで、だるま落としを足元から崩すようなことをするとは許せん。これまでキミもずっと当事者として関わってきたんでしょっ!あーまったく恥ずかしいよ、キミが管理職だとは。昨年からキミが責任者として担当してきたことはすべてポシャッていますよね。いい加減目を開きなさいよ、四六時中キミのお守りをしている人がいると思ったら大間違い。もうキミの仕事はこれを最後に極力請け負わないからね。と言ったってそれすら気付かないような人。嗚呼。
_ ようやく最後の数十ページを終える。壮大な時空の旅が、むしろ我々の日常に近い感覚のシーンで締めくくられる。数十億年の来し方に比べ、宇宙の未来はたった数百万年なのか、とこちらの感覚もインフレに。若い宇宙でジーリー宇宙船が新しい惑星を作り出すところで、宇宙船に擬似的人格が与えられており、宇宙船萌えの私としては、いじらしくてちょっとホロリと来てしまった。やはり長編をそのうち読みたい。
_ スペインの詩人として有名なベッケル(と言っても残念ながら作品に触れたことがない)が残した各地の伝説による幻想的奇譚集。まだ二つ目を読み終えたところである。描写がみずみずしく細やかで、草の葉に宿る露の震え、日光の透ける葉脈の一本一本が信じられないほどくっきりと見えるといった感じ。なぜか『魔術師マーリンの夢』がまた読みたくなった。
_ スペインの詩人と言ったら、中学、高校時代にヒメネスの『プラテーロと私』が愛読書の一つだったと言うくらいしか、これまで関わりがなかった。スペイン自体には、もともと何人かのスペインの作曲家が好きだったり、もちろんガウディにも惹かれたりと興味は大いにあるが、あまり文学には触れてこなかったように思う。
_ うーんトミー・リーかっこいい!若い!合間に予告をやっていた「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマイケル・J・フォックスもえらく若い!(なぜかこればっかり強調)
_ ここの所くたびれちゃっているのと、プログラムにいまいち決め手がないのとで躊躇していたが、やっぱり昼の部だけでも行こう!と急遽参加。事前に「アンサンブル」の皆さんと落ち合ってから(何なんだcrie所持率のこの高さは)昼食、会場へ。お久しぶりの方々と顔を合わせる。やっぱり「引きこも」らずに参加してよかった!姿が見あたらなかったかたもあり、残念。
_ 最初のパネルはラジオドラマ。NHKでは保存されているものが大変少なく、残っているもの、人気のあったものもCD化等は難しい模様。BBCの『指輪物語』とかライラシリーズなどは、BBCのネットラジオで聞くことが出来るのだが(ほかにもたぶんいろいろなものが聞けるのだろう)、NHKはこのような方向は考えていないのだろうか。私がNHKFMのドラマで印象に残っているものからいくつかあげると、SFではないのだが、『ちはやふる奥の細道』(W・C・フラナガン、こと小林信彦)、『さらば国分寺書店のおばば』ほか(椎名誠)、『空色勾玉』(荻原規子)などがある。ほかにもう二十年以上前のもので、八百比丘尼を題材にしたものがあって、これはぜひもう一度聴きたいと思うのだが、再放送にも出会ったことがないので残念に思っている。
_ 飛浩隆さんのパネルでは、はじめこそしゃべり慣れておられないのかと思ったが、次第に独特のテンポを発揮され、ほとんど独演会かこりゃ、という感じ。せっかくサイン会があったと言うに、持参するつもりだった同人誌版の作品集をうっかり忘れてきてしまい、『グラン・ヴァカンス』もう一冊いかがと言う声もあったがご縁がなかったのねと諦める。
_ 次はソラリスの映画予告だけ見てから何だかロビーでしゃべり倒して、そのあと一コマ早く失礼した。間際になって発表されたお泊まりプログラムの中に、参加できないのがとーっても残念なものがあり(イギリスファンタジーの話)、もっと早く発表して欲しかった〜とセミナースタッフに泣きを入れる。
_ 娘が昨年から続けているバイト先に「食べに来て来て!」と再三言うので、次男と足を運ぶ。連休の今日も稼ぎに精出す娘である。あのしっかりしていそうで実は抜けている娘がレジ打ちなんかしているので、よそ見しないでちゃんと打てとか思ったり。料理はおいしかったよーん。デザートのおまけをありがとう。帰りにサザンテラスを抜けて紀伊国屋を徘徊し、また読めもしないであろう洋書のところで指をくわえる。これも、これも読めたなら(読めたらな)。
_ 屋根のあるところにいるのが本当に惜しい一日。連れ合い、次男と、牛込神楽坂〜飯田橋(翁でかつそば)〜九段下〜北の丸公園〜東苑〜大手門〜大手町(地下鉄で神保町へ)と、トータル5時間、よく歩いた。随所に桐の花を見ることが出来た。紀の善が休みで残念。結局連休は毎日どこかしらへ出掛けてそれなりに気分転換を図ったことになる。最終日ちょっと頑張りすぎたかな。
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藤原正彦/『古風堂々数学者』/新潮文庫
ジュンパ・ラヒリ/『停電の夜に』/新潮文庫
ローズマリ・サトクリフ/『山羊座の腕輪』/原書房
梨木香歩/『マジョモリ』/理論社
_ ほか洋書1,2冊。『マジョモリ』は絵のせいもあって季節にぴったりで、軽やか。構えのある重いものも悪くないが、こうした系統のものの方が彼女の良さがすんなり出ているのではないか。『山羊座の腕輪』は副題が「ブリタニアのルシウスの物語」とあり、イケニ族のボイディケア女王がローマ軍に滅ぼされる西暦61年ごろから始まって、数代に亘る「ルシウス」の名を持つ男たちを描いた短編を綴ったもの。このルシウスたちはイルカの指輪ではなく、山羊座(カプリコーン)の紋章の腕輪を代々伝えている。訳者が山本史郎なのがなんとも。
_ 先週後半から、職場のPCが、朝、電源を入れるが立ち上がらない。と言うか少なくともディスプレイに信号が行かないみたいな感じ。一つの液晶ディスプレイを2台のPCで切り替えて使っているが、もう1台のPCはちゃんと普通に使える。つなぎ換えたり直に繋いだり色々してみたが、切り替えスイッチのせいではなくてどうもPCのせいらしい。というのが二日続いて、また今朝のこと。今度はどちらのPCもどう繋いでも画面が見えてこない。いやになって、余っているディスプレイがないか捜したりしている間1時間ほど放っておいたら、いつの間にか画面が生き返っていた。こうなるとディスプレイのせいかもしれない。職場のメンテナンスマンに訊いたら、同じような症状を所内で耳にするのは3件目だと言う。局部的に電圧が不安定になっているのではないかとのこと。となると、もしやこれから夏に向かってずーっとこんな感じになるかもしれないってこと?>東電原発ストップ。声が小さくなります「原発反対」。
_ 昼食に出ようとした瞬間あーだこーだ仕事の話をしに来た人があった。そのため、別系統の係長から「きっちり1時からミーティング開始」と言われていたのに食事に出る時間がなくなってしまった。むかっ腹が立ち、既に弁当食べていた係長に「いつもこうなんだから、休憩時間ぐらいちゃんと保証して時間設定してくれないと困る、あなた方みたいに時間が来たら一斉に食事に出られる部署とは違うのだから」と一通り主張するも、予想通り暖簾に腕押し。1時に時間通りにきっちり行ってみれば、「誰それがまだいないからちょっとタバコしてくるからね」と去って行く古顔あり、そこにコソコソくっついていくバイトあり。こうなると連鎖的にむかっ腹が立って、ちゃぶ台ものの気分になるのを止めようもない。ひたすら仏頂面で、10分遅れで始まったミーティングの時間をやり過ごし、終わるやいなや自室にお籠もりして積んである仕事を猛然と消化する(やや脚色あり)。後刻その部屋に用あって顔を出すと「あ、来た来た、忙しいですか、忙しくなくなったときにお願いしたいんですけど、○○さんのメイルが受信は出来るけど送信が出来ないって、何でかわかりますか」忙しいよ超忙しいよ、忙しくなくなる時なんて当分ないよ、メイラーの設定くらい物理科出てプログラムもバリバリ書けるって触れ込みなら自分で出来るでしょ、そんなのいちいち見てあげてたらまた時間取られて明日になっちゃってぶっ倒れちゃうよ。とまでは言わずに「ちょっと今日時間ないなぁ〜」でも間違いなく再び仏頂面になった私の顔には「そのくらい自分で考えろよバーカ」と書いてあったと断言できる。どうもこのところ感情が先に立つ。疲れのせいとは思うがやっぱり自己嫌悪。
_ さて先週まで、今週が一つのタイムリミットと考えていくつかの準備をしゃかりきにしてきたが、それをチェックしてくれる上司は、学会出張で明日から今週いっぱい留守の予定だ。ところが夕方になりこの上司が、学会の準備に手を取られ、私がお願いしておいたチェックは「当然」何一つ出来ていなかったことが判明。チェックがないと手続き上この先の段階に進めないのである。来週になるとまた別の作業が発生してくるので、またも押せ押せでどの仕事も皆先送りになってしまう。「チェックできなくてすんません」って頭下げられても、物事には私の一存では済まないタイミングとか、タイムリミットとか、無理無体な外力とかがあるんだから、もう知らないよってばホントに。その意味で私が先週までやった仕事の価値は半減、水の泡さ。と、ここで、「いや次回からはチェックがほとんど要らないくらいのところまでやるようにすれば…」とか、「今度はチェックする資料を手渡さずに、上司の都合も顧みず(「先生も今日はお疲れだろうから」なんて仏心を起こさず)その場で食い下がって何がなんでも見てもらえば…」とか言う思いが浮かぶのは、まだ元気が残っている証拠かもしれない。
_ 順調に、というのは読んでいる時間は少ないがその中では順調に、半分ほどまで進んだ。実家に未読の『緑の瞳・月影』があるのを持ってきてみた。
_ 偽物の日記も欠かさず拝見しておりますが、大変快調なので頻繁に更新して頂きたいものです。
_ 今日もまたやっぱり私の液晶は不調で、ついにどれとどう繋いでもダメと判明。PCの方じゃなくて良かった(いや、いっそPCだったら良かったかも)。ところが、新しいのの見積もり出さなきゃと言っているうち、同僚のCRTのディスプレイが前触れなくバチバチバチっというド派手な音とともに一挙にご昇天。なんで相次いで2台もおシャカにぃ?。お願いどこかから予算ひねり出して頂戴>担当の人
_ 私自身の母は、特別なことをするより毎日の日常を淡々と過ごさせる方が大事というかんじ。先日連れ合いが、母のテレビのリモコンがいかれているのを知って、字が大きく操作が簡単なリモコンを買ってきて設定してやっていた。でも、いかに簡単でも、母はもう新しいものを覚える、と言うことが出来ないのだ。良かれと思ってすることなのだが、実は本人にはメリットがないことなのである。職場の同僚の母上もやはり同程度のアルツである。同僚の兄嫁さんが観劇だなんだと良くあちこちに連れ出してくれるのはいいが、病気が進んでくると当人にとっては負担以外の何ものでもなくなってくる。特別な行事なく、なじんだ環境で普通に毎日を過ごしてもらう方がよいのである。が、アルツハイマーを良く理解しない人にはそのことがわかってもらえず、同僚が一所懸命説明してその場ではわかってもらえたと思っても、兄嫁さんはお連れ合いに「わざわざ一日かけてお相手しているのに連れ歩くなと言われた」「良かれと思ってやってるのに余計なことだと言われた」などと恨みごとを言うのだそうだ。
_ なんだかんだあったが、最終的に海鮮系の和食を食べに(なぜか先約のあった長男は抜き)。出掛ける前に長男がカードをくれた。短いが、書かれていたメッセージに、不覚にもぐっと来た。誰もいないところで読んで良かったー。食事して帰宅すると、娘が「はい!」と何やらプレゼントとカードを。これも用心して誰もいないところで読んで良かった。うう非力な母で御免よ。
_ ちびちびしか読めなかったがようやく読了。気が乗らなかったのは作品のせいではなく専ら読者の個人的事情によるもの。ストーリーを楽しむと言うより読んでいるその一瞬ごとを味わう、美し酒を楽しむという感じだから、その意味でもどんどん読める類の作品ではない。古色蒼然と言った古さは感じないが、やはりその時代なりの香りは間違いなくある。たとえて言えば、同じ100年前に描かれた絵であっても、それなりの古色を帯びて100年の歳月を感じさせるのと、つい昨日描き上げられたかのような絵の具の新しさを感じさせるのとが、違うようなものだというのが近いかも知れない。
_ 山羊座の紋章が刻まれた腕輪を代々300年に亘って伝える、ルシウスたちの物語。初代のルシウスは商人の子だったが、紀元1世紀半ばのロンドン(ロンディニウム)の戦火による焼失に伴いローマ軍に身を投じる(身を寄せると言った方が当たっているかも知れない)。ローマ人の血が、時を経るに従いブリテンの血と次第に混じって行き、4世紀になってローマ軍がブリテンから撤退して行くのと並行して、当時のルシウスはブリテンの部族の人間としての生活の中に退いて行く。ブリテンはこうしてローマの光から閉ざされて行き歴史の分厚い襞の中に埋もれて「暗黒時代」へと入って行くのだ。これらの短編の中に取り立てて大きなドラマはないかもしれない、けれどもいつもながらにローマとブリテン、またピクト族、サクソンなどの他部族との軋轢、摩擦、融合が身近な人々の生活に端的に描かれている。年代が1世代分しか経っていないのに話としては2代分進んでいるように見える部分があるが、こちらの勘違いだろうか。また山本史郎の訳で「イマイチ」とか「ウィークポイント」のような言葉遣いがされているところなどがあるが、桃尻語訳の橋本治ばりに徹底的にするならともかく、やはりこれは違和感の方が先立ち、感興をそぐ役しか果たしていない。目玉とも言えるチャールズ・キーピングのイラストレーションは、やはり存在感がある!
_ 『呪われた航海』『死を運ぶ航海』の続編。主人公ジョンは船乗りとして、前作で登場人物に呪われた船と言われたあのドラゴン号で航海している。今度の舞台はカリブ海だ。
_ 間もなく店じまいするαランドで、連れ合いが東芝のGenio E550GSを買ってきてくれた。じつは当人が買いたかった模様(旧機種利用者)。しかしこのところの眠さで、ごく初期設定したのみでやる気なし。御免よ、全部設定したのを頂戴てば〜。
_ 4月に受けたTOEIC(IP)の結果をもらった。ほぇ〜、自分で思ったのよりはずっと良かった。惨憺たる点ではなかったので胸をなで下ろす。とは言え、実物がこんな有様でもこの点数がとれるのだから、実際の英語力とテストの点にいかに大きなギャップがあるかは、本人が一番よくわかっているってところ(;.;) しかしこの年になるまで手をこまねいていないで若い頃から頑張っていればよかったァ、とやはりちょっと後悔したくなる。それにしても、あァ英語が読めたらな〜とぶつぶつ言っていたときに遠くから背中を押してくれた古沢(よ)さんや、アンサンブルの皆さんほかネット経由のお友だちには本当に感謝です。そうでなければただ一生ぶつぶつ言っていたかも。
_ ドラゴン号のジョンたちは、大海原の真ん中で救命ボートを見つける。死にそうな人間を見いだすのかと思いきや、とんでもない、ぴんぴんした屈強な海の男が、宝の箱かと見まがうような重い箱を背負ってドラゴン号に乗り移ってきたのである。ドラゴン号の隻眼の砲手は、「疫病神を背負い込んだ」と謎の男を恐怖する。アフリカを目指していたと言うその男が運んでいた箱は、キャプテン・クックの失われた財宝か?(はいキャプテン・フックではありませんので念のため)
_ 6月下旬刊行予定のスーザン・プライス『500年のトンネル 上下』(創元推理文庫)って、これは確かに『ゴースト・ドラム』ほかのスーザン・プライスではありませんか!以前訳者の金原瑞人さんが翻訳予定だと書いていたけれど、創元推理文庫から出るのだったか。見落とすところだった。ちなみに原作は"The Sterkarm Handshake"で、576ページ、昨年『エルフギフト 上下』として翻訳されたものと同じくらいの分量である。ああ本棚の肥やし。
_ この前、某嬢と話していたとき、母親の面倒を見ていることに対して(私の場合はまだ大したことはないけれど)、親戚や普段離れて暮らしているきょうだいなどから「ありがとう」と言われることに何とも説明しがたい違和感がある、という点で意見が一致した。私と同様アルツハイマーの母親を持つ同僚も、やはり同じことを言っているし、以前義父を介護していた知人も同様のことを言っていた。ところがこうした経験をしていない人は、この違和感を説明しても「『ありがとう』の言い方によるかもね」とか「うーん、そうかしらね」とピンと来ない様子。もしくは「どうしてありがとうと言われていやなの?」という反応をされる。「ありがとう」と言う人はその裏に「面倒見たいのはやまやまだけど、色々事情があってそうもいかないのよね。でもホントのこと言うと、自分がメインに面倒見る立場じゃなくてあー良かった!」とでも言うような他人事(ひとごと)感があるのだと思う。
_ 今日も、姉が都合をつけて母の所に来てくれたのはよいが、あいにく昨日までの数日の間に、急遽今日から新しいデイサービスに行けるように算段をしたばかり。あちこち調べたり電話をしたり配食の手配を変更したりして、さあ今日は新しいデイサービスの人が聞き取り調査に来る、というときになって姉から電話が入り「休みが取れたので今おかあさんのところに来たから」と言うので、なんなのさー!と電話口のこちら側では思い切りムーッとしてしまいましたよ。「おかあさんのバッグと鍵がないけど」(以前からすぐ行方不明になって困るので私が預かっている)、「ヘルパーさんの連絡ノートが見あたらない」(先々週忽然と消えたので、昨日新しいのをヘルパーさんがうちに置いていってくれた)、「ヘルパーさんに(お散歩代わりに)歯医者さんに連れて行ってもらうって言ってたのは一体どうなったの」(とっくのとうに順調に解決済み)等々。しかも毎度おなじみ「いつもいろいろありがとう」付きである。せっかく遠くから来てくれたのも気の毒ではあるので「タイミング悪かったわね、今日から土曜にも新しいデイサービスに行くことになったのよ、昨日急に最終的に決まったんだけど、おかあさん夕方まで一日いないのよ」と言うと「アラ、いいじゃない。じゃあ私図書館にでも行ってるから」脳内でまたちゃぶ台が盛大にひっくり返ったことである。
_ 先日連れ合いが買ってきてくれたGenio E550GSだけれど、連れ合いに、買ってくるまで再三「どうする」「どうする」と言われてはいたが、私は別に必需品でもないし、使う時間も大してない(通勤電車などがあるわけでもない)からいましばらく保留のつもりだった。しかし私がちょっと興味を示して以来、既に利用者である連れあい自身が大変乗り気であったため、無碍に「いらない」とも言いにくく「うーん」と曖昧な返事をしていた。「クリエが、みんな持ってるしデザインもいいけど、電子テキストを読むならポケPの方が幅が広くていいって言われたしぃ、う〜んまだ何も決めてない」などなど。で、αランド閉店に伴ってまた「どうする」攻勢が始まったのだった。「いやー、でも必需品ではないし高いし」と言ったら「閉店だから安くなってるよ」「うーん最低でも辞書が入ってないとイヤ」「どれにもみんな入ってるよ」「そうぉ…」その後「今日見たらまだ在庫いっぱいあったよ」に加え「ポケPでいいね」「これから買うぞ」のようなメイルも連発で入るわ、などという経緯でやってきたのがGenio E550GSだったのだ。ところが、昨日説明書を見たら、必須条件(!)である辞書が、これより上位機種でないと入っていないことがわかったのである。自分の使っている機種(Genioの旧機種)には付いているからとCDを貸してくれたので、言われるままにインストールしたが…データはインストールできたが、どうやら辞書ソフト自体がこの機種には入っていないため利用できないという悲しい事態であったのだ。なんとヌケていることでしょう(;.;) スケジュール帳だけではもったいないから現金出納帳にでも使うか(殴)。ちなみにまだケータイの契約の都合でネット接続していないのであった。
_ お願いだからお姉さん、これは大変とばかりに「あれはどうなってるの!?」「これがないんだけどどこにいったのかしら!」とヘルパーさんやうちの連れ合いにいきなり聞き回るのは止めてくれない?電話という文明の利器があるのだから、まず私に直接訊いて確かめてから騒いでよね。皆の心配と混乱を招くばかりで、そのあとあちこちに電話をかけまわって尻ぬぐいをするのは私なんだから。「私が今出来るだけのことをしてるのに何が気に入らないの?」ああ、いい年をした大人が、そんな子どもみたいなこと言うなって。あなたが「ああ休日を犠牲にしてこんなにおかあさんの世話をしに遠くから来ているのよ!なんて美しい行動なんでしょう!」と自己満足に終始しているところが困るんですが、某宗教団体(新興宗教ではない)に身を投じて世間から一線を引いたところにいるあなたは、母がアルツハイマーになったのを機に、献身的な娘の役を月一度演じることに陶酔しているんでしょうね。「私という人間はいなかったと思って下さい」と言って出ていった人はどなたでしょう。いやほんとに、宗教も全く罪作りだ。
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茅田砂胡/『デルフィニア戦記 第I部 放浪の戦士4』/中公文庫
チャールズ・パリサー/『五輪の薔薇 III』/ハヤカワ文庫NV
エドワード・リア/『完訳 ナンセンスの絵本』/岩波文庫
堀越孝一編/『新書ヨーロッパ史 中世編』/講談社現代新書
アヴィグドル・ダガン/『宮廷の道化師たち』/集英社
イルメリン・サンドマン=リリウス/『ムッドレのくびかざり』/フェリシモ出版
パトリック・オリアリー/『不在の鳥は霧の彼方へ飛ぶ』/ハヤカワ文庫SF
J・R・R・トールキン/『妖精物語の国へ』/ちくま文庫
ほか洋書数冊(本棚の肥やし、もとい、ただの場所ふさぎ)
_ シルマリリオンの新版はたぶん明日あたり到着予定。
_ そう言えば過日神保町の三省堂に行ったときに見かけた冲方 丁『ばいばい、アース(上)』・『ばいばい、アース(下)』が、聞きしにまさる厚さと立派さで、え、これがあれかい、と2度見直してしまったのを思い出した。うーん思い出したら欲しくなった。文庫のよりこっちの方に食指が動くのはやはり本ふぇちに近いから?
_ 母の所で処分用の本をより分けていたときに目に付いた。さすがにこれは購入したとき(むかし)読んでいるのだけれど、ここのところサトクリフづいているので改めて。
_ 先日洋書屋で、すでに続編が2冊出ているのを見かけて尻に火がついた。いずれも1冊目と同じく金ぴかだった。欄外の模様(妖精語)が続編ではそれぞれ違っている。
_ 職場に新しい17インチ液晶ディスプレイが届いた。先日イカレてしまったものの代わりに、ダメもとで選択肢のうち一番高いのを事務に希望しておいたら、何のことはない、それが納品された。PCもまめにバックアップとっておいて、いつイカレてもいいようにしておいてみよう。
_ ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『ダークホルムの闇の君』は、「闇」だけに名前の方の「ダーク」もdarkかと思いこんで、ややこしいタイトルだと思っていたが、よく見たらderkなのだった。恥、というかなんて紛らわしいんでしょう。
_ 何のことはない、あっという間に読み終えた。最初は、うーん、とかフーン、とかいう感じもかなりあったが、読み終えてみると面白かったぞ。ハリポタみたいにむやみにそれらしく凝った仕掛けや雰囲気がない分ストレート。アルテミス本人は全然ストレートじゃないが。下敷きとなっているもともとの妖精だのトロルだのゴブリンだのについて説明がないので、読み手の方にそれらに関して常識としての下地がない日本では人気がいまいちなのだろう。妖精語はあからさまな手がかりがあるのですぐに解読できる(これも日本語版になっている)。しかしこの分量を英語で読んだらずいぶん時間がかかるだろうな。続編の翻訳が出るのを待つかどうか、考えどころ(訳者はライラの大久保寛、そのせいでいまいち平板なのか)。それにしても「妖精の黄金」って一晩経つと葉っぱだかただの土くれだかに変わってしまうとかいうものではなかったか、とずっとそういうオチを期待していたのだが、そこも現代らしく、実は「妖精の黄金」というものもちゃんと本物の黄金だったんだよと言うことなのだろう。
_ J・R・R・トールキン/『新版 シルマリルの物語』/評論社
_ 分厚い!大きい!挟み込みの地図は、常に参照できるように、本体に綴じられていない。壁にでも貼っておきたい。
_ しばらく中断していた指輪のBBSドラマは、けさ聴いた部分がいきなり滅びの山だったので、朝から足取り重くうち沈んだ顔でとぼとぼ職場に向かう私であった。帰りみちでは「全て済んで良かった、サム!」「フロドさま!」そしていきなり王様の登場、9本指のフロドの歌に突入。「エオウィン、愛しています!」まで。
_ 『小説新潮6月号』/新潮社
_ 梨木香歩が、中編「フリオのために」を書いているのだ!昼休みに2/3くらいまで読んだ。今度『りかさん』も文庫化されるし、雑誌『考える人』にもエッセイが連載されているし、絵本も最近理論社からシリーズで出されているし、作品に触れる機会が増えて嬉しいことであるよ。
_ 昨晩次男が見ているTVをちらっと見たら、あれ、岸田今日子(岸田今日子とか桃井かおりとか大好き、ああ江守徹も好きです)が出ている、と見始めたが、それは初めて見るドラマ「動物のお医者さん」だった。つい、最後まで見てしまったよ。チョビは抜群に可愛いけれど、やっぱりミケの方に目がいってしまう。あんな猫付きのあんな洋館に住めたらな。次男もハムテルの勉強部屋を見て「気持ちよさそう…!」と言っていた。気が合うわね。ただし彼は犬派。
_ 難破船に行き会った時に、謎の男Hornは、ジョンらに、彼が持ち込んだ櫃の中味を見せる。それは、何本もの、ガラス瓶に仕込んだ精巧な船のミニチュアであった。それぞれが、彼が乗った船の形見…。砲手はますます彼が疫病神だと言い張る。さて大海原で迷子になったかと思われたドラゴン号は、Hornが進路を指示するのにすっかり頼り切り、その結果カリブ海の島々を縫って、無事にジャマイカはキングストン港に入港する。
_ 出久根育のふしぎな雰囲気のイラストつき。今日残りを読み終えた。叔母の死を機会に、代々伝えられてきた「家宝」のぬか床を世話する羽目になった「私」。ぬか床を世話する才能があるのよ、などともうひとりの叔母に大げさに安堵される。しかしそのぬか床は、どうも奇妙なのである。そしてある日彼女は、透き通った男の子が彼女の自室にひっそりと存在するのに気付く。−いつもながらの細やかな、同時にどこか対象物と独特の距離感を感じさせる文章できっちり話は進んで行くが、アレアレいったいこれはどこに着地するのだろうな、と思ったその次に、あっとツボを突かれた。不覚にも涙も。このくらいの長さの話を書くのに、彼女は向いているのではないか。
_ どうもこの間のパーマの調子が悪く、特にこのごろ鬱陶しくて鬱陶しくてたまらなかった髪を切りに。今日はそれ程上天気というわけではないが、高原のように爽やかな温度と湿度なのに、午後から4時間も美容院にお籠もりとは。美容院に行く予約をした日は必ず散歩日和なのは何故。髪型をどう変えるか悩んで、結局、躊躇しているならあまり変えない方がいい、と言うことになり、単に短くしたのみで、ほとんどおかっぱになった。薬液をつけてホカホカ熱せられている間、椅子から落っこちるかと思うくらいによく寝てしまった。
_ 美容院で英語は頭に入りそうにないから、それ以外で手近にありかさばらないでバッグに入る本、と選んだ。と言っても厚い。昔の本だがなぜか読んでいなかったのである。どうして今まで放っておいたかと思った。
_ 孤軍奮闘している係長、エネルギー、実行力もあり自分から進んで動ける人なのだが、やっぱり人を使うより自分で動いた方が手っ取り早いという(ある程度以上には出世できない)タイプ。その結果、何でもかんでも自分で抱え込んで彼女ひとりで仕事しているように見えがちだ。「見えがち」で損していると思ってきたが、どうも見えるだけではなく実際にもそうらしい。その直接の手下がまだ日にちの浅い派遣社員と非常勤だけだから、仕事を抱え込むのも仕方ないよなあと思ってフォローしてきたのだが、決してそのせいばかりでないことを痛感するようになった。とばっちりがこっちに降りかかって来始めたので、なんとか彼女自身がブチ切れないように、かつこちらも被害を受けないで仕事が進んでいくように動かないと。今日の様子だと、彼女自身いっぱいいっぱいになっていて支離滅裂なことを言い始めた。どうしたらいいかねえ(;.;)
_ けさ目覚め際に見た夢で、どこか山国を旅して歩いている模様。日本ではないスケールの大きな山塊の中、どこか落ち着いた人里らしい緑の土地にに差しかかったところ。間もなく日が昇るらしく、まだ朝靄がかかっている。いよいよ一番近くの山並みの端に朝日の最初の一条が輝いたと思った瞬間、その後方にいきなり何千、何万丈とも知れない峨々たる山々が次々と無音の響きをたてて姿を現し、空の半ばを覆った。見上げたと思う間もなく目覚ましが鳴り渡った。せっかくこれから何かが始まりそうだったのに!
_ なぜ今、という深い理由もなく手に取った積ん読本だったが、これは、当たり!もともと古い本なので、急がず読もうと思う。矢を空に向けて放つところが息を呑むほど美しい。この作品は映画「キャメロット」や「王様の剣」の原作にも当たると言う。「キャメロット」のポスターの円卓のシーンは、物凄く素晴らしく見えたっけなあ。
_ はい、えいごもちびちび読んでますです。
_ デイヴィッド・アーモンドの"Heaven Eyes"が、金原 瑞人訳で河出書房新社から間もなく出るようだ>『ヘヴンアイズ』。この前の2冊は東京創元社からだったが、出版社が変わって、届くべきひとのところに届くかしら。そのうち"Secret Heart"もきっと出るでしょうね。
_ とりあえず平和に私は私の本来の仕事をしてそれなりに充実した一日を過ごしているが、件の係長、ひたすら硬い表情で、私がその部屋に入っていっても知らん振り。また去年の二の舞になっちゃうよ〜>係長。昨年度は係員に殆ど総スカンを喰らったじゃありませんか。今までのやり方に固執しているのでは進歩ないではないか。仕事がちゃんと進むように動いてほしいものだが、どうもまずいツボにはまっちゃったらしい。ちょっとつらく当たりすぎたかしら(^^;; 反対に、見損なったと言う気もする。
_ 商船を追いかける海賊船の出現。謎の男Hornが、なぜ大海原を救命ボートでひとりでアフリカにまで行こうとしていたのか、ジョンらに驚くべき「真実」を語る。なぜ彼がイギリス海軍の服を着ていたのかも。あわやのところで海賊船と嵐を振り切って逃げ延びるドラゴン号。話は佳境に入る。
_ 母の行っているデイサービスから、2時半ごろ職場に電話があり、母が急にろれつが回らなくなったとのこと。意識も血圧も握力も体温も食欲も、なーんにも普段と変わりない、ただまるで大玉を舐めている時みたいにろれつが回りにくく、ものが思ったようには言えなくなった、しかし入れ歯のせいではないようだという。知り合いの医師に頼んで、職場と建物続きの病院で急ぎ診察の手配をし、デイサービスにも頼んで送迎車で病院に連れてきてもらった。「なんらかさっきからほんなになっしゃっしゃのよ」と、途方に暮れた顔である。声量もいつもの半分くらいしか出ていない。そのほかには、足は最近弱っているが、つかまればいつも通り立ったり座ったりするなど、特段の異常は感じられない。CTを撮ったが、医者は、以前と比べて原因となるような変化は認められないと言う。ろれつの方はやや良くなったかと思うとまた発音不明瞭になる、ということを繰り返す。そのうち「ついさっきから」具合悪くなったはずが、「今朝から」になり、次第に「2,3日前から」「ずっとこうなのよ」「年のせいだよ」と、さすがアルツ患者らしく記憶が怪しくなってきてしまった。「入れ歯のせいじゃないのね?」と訊くと「歯は大丈夫。口が上手く動かないだけ」そうか、と納得した1分後「口が回らないのはどうしてかしら、舌はしびれてない?」「そうそう、口は何でもない。歯が変なんだよ」うーむ、「やっぱり入れ歯のせいなのかしら?」「そうなのよ、入れ歯は大丈夫。口が変なんだよ。年取るとみんなこうなるんだよ。長生きしないとわからないのよ。」あのさーおかあさん、「そうそう」って、こちらが何か言うとその言葉を捉えて辻褄合わせの話を作っちゃうね。かと言って「心当たりはある?」のように聞くと即座に「わかんない」「しらない」「なんでもない」「いつものことだ」に落ち込んでしまう。
_ 相手が子どもだったら、最初から、どうせ子どもの言うことだから話半分、と言う心理が働いて、「本人はそうは言うが実際は違う可能性が高い」と言う前提で物事を進めるだろう。けれど相手がアルツハイマーだとわかっていても「大人であるところの本人がそう言うのだからそうなのだろう」と、ついつい話を鵜呑みにしてしまう。だから当人が最初即座に「入れ歯のせいじゃない」と否定したにしても、いちおう入れ歯を疑ってかかるべきだったかも知れない、とは後知恵。
_ それにしても、母なりに自分の状況を掴もうとして、相手の言葉を(すがるべき藁のように)捉えてとりあえず自分に納得のいく説明を作ってしまう、といういわば自己防御力には、驚くべきものがある。自分自身が緩慢にバラバラになっていこうとすることをどこかで感じて、何とか拠り所を作ろうという力。人間の脳の働きとは実に感嘆すべきものだ。『航路』など想起してしまう。
_ 結局原因わからず。今度悪くなったら、その時は緊急で連れていらっしゃいとのこと。最終的に私が家に送り届けるほかなく、こうして突然今日の午後の仕事は全部パァに…。人には迷惑かけたくないと言い言いしてきた割には、痴呆発症のリスク要因をしっかり満たしている母、どんなにあれやこれを勧めても聞く耳を持たなかったのだよね(今に至ってもそう)。
_ 幸いに、引っ越して求職中の姉が、たまたま明日から2,3日、泊まりに来ようと思っていたところだという、今回は大いに助かる。
_ 年度末に、プレゼンテーション用に貸し出すためのノートPCほか2,3台買うから機種選んでと言われた。予算がないそうだからこのへんで、とceleron2GB、WindowsXP Home、OfficeXP proのプレインストール版で、そのほか適当なところを選んで、事務方に投げておいた。それによって購入されたと思しきPCが、新年度になり思ったよりたくさん事務に出現していたのは知っていた。さて今日になってまさにプレゼン用にとあてがわれたものをセットアップしようとして箱から取り出して、アレレ?と見直した。この一台だけ、pentiumIVだった。しかもWindowsXP pro、ふーん事務も気を利かしてくれたのね、と思ったのも束の間。ないっ、ない!Powerpointがっ。そこらに出回っている姉妹機@事務用には、どれもちゃんとPowerpointが入っているのに、選りに選ってなぜこのプレゼン用貸出機として買ったものに【だけ】Powerpointが入っていない?値段を叩くのに躍起になるあまり、肝心の選定のポイントを思いっきりはずすとは、なんて事務方は阿呆なんでしょう。またも、わけの分かっていない者が決定権を持つという実に馬鹿な状況が〜。これでは肝心の目的の用途に使えないではないか、と抗議したところ、反対に「気に入らないのなら引き上げてこっちで使うがそれでもいいのか」と言う。「代わりに用途にあったものを新たに買って頂けるのかな?」と言うと「そういうことはないんじゃない」との返事だ。ではPowerpointを単体で買ってくれるのかと訊けば「そっちの予算で買うならいいんじゃないすか〜」と言う。あー嘆かわしい。
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『SFマガジン 7月号』/早川書房
加藤恭子/『アーサー王伝説紀行』/中公新書
野尻抱影/『星三百六十五夜 夏』/中公文庫 BIBLIO
_ 『春』の部を買い損なっているかも。
_ けさ、母に電話してみたら、ふにゃふにゃ言って、言葉が半分も聞き取れない。うーん仕方ないっ、と、同僚には1,2時間遅刻する連絡をし、次男の登校を長男に頼んで母の所へ行ってみた。明らかに昨日より口の回り方が変だ。入れ歯をはずしてもらい、「自分の歯と入れ歯をよく磨いてみて」と歯磨きさせた。そばで見ていると、自分の口の方は、子どもが口に歯ブラシを突っ込んでかき回す仕草をして終わり!というのと同じ。入れ歯の方は、肉色をした土台の部分をざっとなでてハイおしまい。歯の部分は、言っても言っても全くこすることが出来ない。うーん入れ歯の掃除まで出来なくなっているとは気付かなかったよ。しかたなく私が代わってこびりついた汚れをガシガシこすり落とす(なかなか落ちなかった)。しかしこうして口の中がきれいになっても、やはり症状は同じ。これから週末だしなあ、と思って、とりあえず私が職場に行って、もう一度昨日の医師に状況を話してみようと決めた。その間に入れ替わりで姉が到着することになる。
_ 医師に相談したところ、「まあ確かに微細な梗塞はあるかも知れない。しかし仮に見つかったからと言って、症状を今すぐ治せるとか、これからあるかも知れない大きな発作を予防する確実な方法があるわけではない。また今すぐ入院が必要なほどの重大な症状があるわけでもない。患者本人のストレスやアルツハイマーとの兼ね合いを考えると必ずしも検査した方が間違いなくいいと勧めることはできないが、家族の希望があるなら検査の手配はもちろん出来ますよ」と言う内容の説明だった。姉と電話で相談し、幸いに今日明日なら手もあることだし、後に「あのとききちんと検査しておけば」のようになっても良くないから、と、再検査をお願いした。
_ 午後から、昨日より詳しい問診等と、さらにMRI。幸いに大して待つこともなくて済んだ。その結果、1カ所あるいは2カ所、せいぜい3,4日以内に起こったと思われる小さな梗塞が認められた。当人は狭いところへ押し込められて動転したらしく、「なんの説明もないんだもの、驚いちゃって」と回りにくい口でしきりに憤慨していたが、15分もすると、「どんな検査したの」と訊いても「どんなって…血圧はかっただけだよ」ととりあえずお忘れのご様子>忘れたかと思ってもあとで断片的にありあり思い出したりする場合もあるが。
_ 結局今日のところは様子見。予防薬などもトータルに本人や周囲の状況を考慮して2、3週間で方針を決めたらよいでしょう、となった。いつものそれなりの元気もなく、病院の車椅子にちんまり納まって途方に暮れた様子の母。「急にがっくり老け込んだ」という形容があるが、確かに今回はそう言う一つのギャップだと思う。
_ 帰宅後、母の所に泊まる姉に電話。特に変わりなし。ところが、「日中リフォーム業者が訪ねてきて、6月*日にユニットバスをリフォームする予定だからよろしくと確認に来た。両隣にも工事の挨拶をしたと言っていた」と言う。なんだそりゃあ??「なにそれ、そんなの頼んでないよ!なんて言う業者?」「さあ〜、わからない。変だなあとちらっとは思ったんだけど、あなたの方でそう言う予定を立てたのかと思って何も訊かなかった。」お姉さんよ〜、そういうのを「子どものお使い」って言うんじゃないの?その時点で私に電話をかけるとか、せめて業者に名刺をもらうとか、幾らでも確認の方法はあるでしょうにぃ。「どうしようまったく」と言った私に姉が言ったことが奮っている、「じゃあ6月*日に私がおかあさんところに来るしかないね」あのさー、当日にお姉さんが来てどうするよ。ユニットバス一式運んできた業者に「結構です、何かの間違いでしたお帰り下さい」って言うのか、それとも契約書を見せられて「あら間違いないわ、お願いします」とか言うのかしら!
_ 結局、私が、閉まる寸前の管理人室へ走っていって「6月*日に×号室のお風呂工事の届けが出ていますか」と訊いた。「あ、出てるよ、これだね」見るとしっかり「近隣の住民の方へ、工事のお知らせ」と書かれたスケジュール表だった。おかあさーん、またリフォーム業者の口車に乗って、なんの話か理解もしてないのに「そうね。そうなの?あ、そう。ここにハンコ押すの?」と知らぬ間に契約してしまったに違いない!契約書らしきものはもちろん見あたらず。しかし、新聞の勧誘員じゃあるまいし、安くても数十万、百万を超える契約を、見るからに訳わかってない年寄り相手に交わすとは、ひどいというか常識を疑うというか、一体どうなっているのか?私が業者だったら、いくら契約が取れそうと思ってもあとでトラブルが起きそうな危ない橋は渡りたくないけどね。新聞販売店だって面倒が起きるのを嫌って、最近ではマメにチェックしてくれるから、勝手に新規契約されることはもう殆どないというのに。牛乳屋もヤクルトも、ダスキンも浄水器のフィルタ交換も、どの業者もとてもよくやってくれてるのに、このリフォーム業者は一体どうなっているんだ?明日早速電話して断らなくては。あーほんとに頭いたい〜。
_ オマケに私、久しぶりに昨日からのどがヒリヒリヒリヒリ痛くて痛くて堪らない。あー泣きっ面に蜂ってところか。
_ 母が契約して(させられて)しまったお風呂のリフォーム、業者に連絡を取って無事中止になった。幸いに担当の営業の人がいなくて、その上司に事情を説明した。あとで「すべて中止の手続きをした」と連絡が入ったのは良かったが、件の営業の人が、どうやら上司には自分に都合の良いウソをついた模様。曰く「昨日(母と)一緒に両隣に挨拶をした」など。昨日は姉がいたでしょ、挨拶した事実なんかないってば。まあいいけどさ、成績稼ぎにいい加減な契約を取ったことで上司にしっかり叱られていることを期待する。
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