ニムの木かげの家 日時計 2003. 9月

 
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2003.0901(月)

やっぱり9月

_ 7時頃仕事を終え、無意識に暑さを予想しながら外に出ると、なんと!肌寒い。ごくわずかな霧雨。つい先日までまだまだ明るかった7時なのに、もうすっかり暗くなっている。気温の変化、風の匂いの変化も秋の徴だが、目に見えて早くなる日の暮れも、身に沁みて秋を感じさせる。花屋では秋名菊が目を惹く。

〈読み中〉ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/『グリフィンの年』/創元推理文庫

_ マキリップから一時浮気中。昨日は体調不良と次男の夏休み最終日におつきあいとで一文字も読めず。今日はようやく昼休みにすっかり没入して読んでいると、また闖入者(複数)あり。やっぱり入り口付近の電気を消して鍵をかけておくとするか(引きこもり化)。グリフィンのエルダが、じつにグリフィンぽく可愛い。ぴたりと片目で「クマちゃん」コーコランを見据えるところなんぞ、作者の舌鋒をそのまま視線にしたみたい。エルダたち新入生がクラスメートを刺客から守ろうとして物凄い呪文をかけまくるやら、その刺客たちが蜂くらいの大きさに縮んでしまうやらのシーンは、クレストマンシーシリーズなどに共通する、カラフルでごてごてでこれでもか、というこの作者ならではの嬉しい所だ。徳間のシリーズでこの作者になじんだ人には、『九年目の魔法』などよりもこちらのイメージの方がなじみ易いだろう。ダークがビジンの孫に当たる天馬フィルバートに乗ってエルダの様子を見に大学に現れるが、なんだか貫禄ついちゃった様子。前作から8年という設定だからね。その分、魔術師大学の中味は形骸化していると言う設定だ。現在1/3くらいまで。

2003.0902(火)

みんなが寄ってきた

_ えいごでのお友だちが、映画好きなのになぜかLOTRを見損なってるというので、今日、約束通りスペシャルエクステンデッドエディションを持っていって貸した。手提げから取り出したらある先生が「なに、バイブル?」と言うので「そう。私のバイブルよ〜」と見せたら、「お?見てもいいか?…うわーっ、すごいっ、何枚?おまけには何が入ってるの?英語なの?」その頃には日本人以外の先生が全員(と言っても5人)集まってきて、見せて見せて!何時間かかる?などという様子に。なーんだ全員好きなんじゃないかあ。原作を繰り返し読んだ人もいるし、子どもの時ナルニアは最高だと思ってた、今でも大好き、でも指輪は最高っ!トールキンはあれ読んだ?これも読んだ?それも読んだ?なんて人もあり。アルゴナスの像も持ってると言ったら目を丸くしていた。「ハリポタは?ブ、ブーッ!でしょ!トールキンこそが、オリジナルだよ!ほかはコピーさ」と言う彼33歳。

〈読み中〉ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/『グリフィンの年』/創元推理文庫

_ 経営難の大学側がすべての学生に出した無心の手紙のおかげで、家族の反対を押し切って来た新入生らのもとには、刺客は来るわ、味方する姉が心配して来るわ(しかも竜に乗って)、物騒な銃撃隊は来るわ、それはもう大変。彼らが深くは語らなかった背景が、段々明らかになってくる。そんな中、エルダはコーコランの言動に幻滅してすっかり意気消沈である。やっと半分くらい。

2003.0903(水)

応援してるからね!

_ 久し振りに見るカワグチくん。出来たばかりの公式サイトを「ホラ、見て見てっ、かっこいいでしょ!」と長男に見せたら「マー(なぜかこう呼ばれている)がおばさんになったぁ!」とケラケラ笑うのだ。なんでやー。カワグチくんはかっこいいじゃないかぁ。同じキーパーでも、ウケグチくんたちなんか全然メじゃないもんね。新しいチームで楽しんでくれ給え。

2003.0904(木)

◎ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/『グリフィンの年』/創元推理文庫

_ ラスキンと言えば『黄金の川の王さま』というわけで、ドワーフの彼が、埋もれた金脈をほのめかすのは大変自然な成り行きでした。私はブレイドやカレットが大好きなので、彼らに再会できて嬉しかったが、何と言ってもエルダでしょう、エルダ。とにかく訳の口調がぴったりなんだもん!前作があまりにも盛り沢山でぐっちゃぐちゃなのにくらべ(この世界自体がチェズニー氏の送り込んだ観光旅行のおかげでぐっちゃぐちゃなのをそのまま現している)、この作品はダイアナ・ウィン・ジョーンズにしては珍しいくらい、すっきりしている。ことに新入生の魔法にどうしておかしなクセがあるのか?がこうもストレートに説明されちゃうとは、むしろ意外で、大げさに言えば肩すかし、ほんとにそれのせいなの?と思いたくなってしまったくらい。おおエルダちゃん、次作はないのかしら!

2003.0905(金)

 建石修志展 月の庭を巡って −<幻想文学>とともに

_ これと、同じBUNKAMURAで開催されているフリーダ・カーロ展を、どうしても平日に見に行きたい!と、精一杯から午前中頑張って2時過ぎまでに仕事を片づけ、時間休を取って3時半近くに駆けつけた。『幻想文学』発行人の川島徳絵さんにご挨拶し、『幻想文学』と「藍読日記」の終刊がいかに残念であるかをお伝えする。川島さんにご紹介頂き、建石修志氏に、展覧会のカタログと絵本二冊へのサインをお願いした。建石氏は、作品から抱いていたイメージとは違って、小柄で、静かな明るさのある、優しく無邪気な方だった。作品は、幻想文学誌の表紙として見ると、光沢紙であるせいか、絵柄と相まって非常に硬質な感じが先立つが、実際にはテンペラ画の表面のほどよい半光沢がしっくり落ち着いた柔らかさを感じさせる。細密な鉛筆画、コラージュなどどれも美しく静かだが、平面の絵のほかにボックスアートがとっても魅力。「五輪の薔薇」シリーズなんて、「これいただくわ」と、箱を閉じて(蝶番で開閉できるようになっている)小脇に抱えて帰りたくなってしまう。心の中でツバつけてきましたわ。『幻想文学』63号の表紙絵の浅野勝美さんや、作家の高原英理さんらが来ておられた。
建石修志氏のサイト「ケルビムの五月商会」

 フリーダ・カーロとその時代 メキシコの女性シュルレアリストたち 展

_ 非常にインパクトの強いフリーダ・カーロがメインなのかと思っていたが、他の画家、写真からの作品もそれぞれカーロと同じくらいの分量の展示があった。すなわちカーロ、イスキエルド、らに加えて、キャリントン、バロ。キャリントンの実物を見るのは初めてだったが、これがまた、楽しく素敵!バロとどっちが好きか、難しいところ。似ているようでいて見事に違うから、どっちがとは言いがたいが、紙一重でバロかな。何往復しても楽しめる展覧会だ。フリーダは、どれも同じテーマに固執し続けており、その呪縛のインパクトが強すぎて、拒否反応に近いものすら感じた。写真の中のフリーダはずっと柔らかく美しく見えたが、本人のイメージする自分自身はあの絵のようなものだったのだろうか。願望であり理想であったのだろうか。それにしてもほぼ同時期に活動した彼らをひとくくりにシュルレアリストと呼ぶのは簡単だが、いかにそれぞれ異質なことか。

〈読み中〉Patricia A. McKillip /"Ombria in Shadow"/Berkley Pub Group

_ MagがようやくFaeyのもとに帰ってくる。心配に心配を重ねたFaey、ついにMagは、「どうして私のことを蝋から作った蝋人形だなんて言っていたの?私は本当は誰?」とFaeyに迫る。電車の中で、危うく涙しそうになった。

2003.0908(月)

〈読み中〉Patricia A. McKillip /"Ombria in Shadow"/Berkley Pub Group

_ いやはや、何ともDomina PearlとFaey、ふたりながらOmbriaの力ある魔女たちはそれはそれは気色悪い(マキリップさまごめん)。現在のKeylの教師、かつてDuconの教師だったひとは、自分の興味にのめり込み、影のOmbria、Ombriaの歴史とghostたち(幽霊というより、記憶みたいなもののように感じられる)に魅せられて影のOmbriaを際限なくさまよい歩き出す。一方Lydeaは姿形を変えて、教師の助手としてKeylのもとに潜入する。素性を明かさぬまま、以前彼女が王子に話して聞かせた話をし始めると、幼い王子はそれにつられて慣れ親しんだ話を一緒に繰り返し始める。わけは分からないが「この人はLydeaだ」と知って、自ずと彼女にもたれかかってくる、その重みと暖かさがいじらしすぎて堪らない。MagはFaeyから、赤ん坊の彼女がつけていたというロケットを手渡される。その中には小さな木炭が…。Duconの、死のまじないのかかった木炭との関わりは?彼女は再び宮殿に忍び込むが、ついにDomina Pearlに取り押さえられてしまう。宮殿内であわや暗殺されそうになったDuconは、Dominaを誅することを心に決めるが、Dominaにより、影のOmbriaに魅入られたままの教師を連れ戻るように強いられる。緊迫感がいや増して、一旦読み始めるとなかなか脇に措けない!とは言え私自身薄闇の中を手探りで物語の筋をたどっているような有り様なので、本当にもどかしいったらないのだ。

2003.0909(火)

ライオンと月

_ 職場のせんせいにお誘い頂いて、今月で生演奏を終了することになったという池袋ライオンへ。帰ってくる途中、月と火星の見かけ上の大接近を見る。月から滴る赤い雫。これだけ明るい月が近いと、さしもの地球大接近の火星も顔色なしである。帰宅するとジョギング中の長男から電話、「月見てみ。超きれいだよ!」双眼鏡越しにも見てみる。天空を行く星たちの歩みは、静かで美しい。このようなシーンを見るといつも、ナルニア(カスピアン王子)で、こびとの博士が、カスピアンをとある塔に連れ出して星々の大いなる歩みを見せ、表向き禁じられている本当の知識を語って聞かせるのを思い出すのだ。肉眼で見る星月夜と、双眼鏡や望遠鏡で見る光景とを、ふたつながら受け入れることの出来る私たちの心の奥深さも、まんざら捨てたものではないぞ。

レッスン代は捨てたくない

_ いつもなら火曜は、5時半になると頑張って職場を飛び出してえいごに駆けつけるのだが、今日は仕事を終えることが出来ずキャンセル。せっかくチェックテストも今日でおしまいだったのに、土曜日に延ばさざるを得なかった。おかげで、遅れていくと言っていたライオンに、皆と同行できたのは良かったけれども。

2003.0914(日)

思いっきり夏ばて

_ 9月も中旬なのに、どう見ても夏ばて、あるいは暑さ負け(同じか)。

_ 10日:夜は英語、11日:職場のイベント&打ち上げ、12日:片づけ&午後よそで研修。特にこの2日の暑さでかなり参った。13日:午後英語&最後のテスト。「世界不思議発見」がアイルランドなのでせっかくお友だちにも教えてあげたのに、自分自身は開始後15分くらいで堪らず寝入ってしまう。だめだー。

母のグループホーム入所

_ 衣類、仏壇、TV、数冊の本など、身の回りのものを持参し、今日からグループホーム入所である。広い窓のついた10畳ぐらいの洋室にベッドと大きめの洗面台、整理ダンスとTV台が備え付けられている。ほか自由に私物を持ち込んで構わないことになっている。姉が何度か一通り説明してあるのだが、そのたび一応納得したような返事をするがもう次の日には忘れている。また別のデイサービスに来たのかと思っている様子だ。よろしくと挨拶した症状の軽い入所者に「いっしょに元気で頑張りましょうね!」と言われ「そうね、頑張りましょう!」と頷き返していたが、何を頑張ると思ってかしらねと姉とくすっと笑ってしまう。入居者の半数が偶然ほとんど同い年に近いらしい。自室では「あの人はどうだ、この人はどうだと言われるから聞かれたことしか言わないのよ!」とツンツンしていたが、皆さんとお茶を飲みながら「いいお友だちができてよかったわ」などと言って自分や家族のことを人一倍休みなくしゃべっていたのは母だった。「今日はここにお泊まりなの?」「(「そうよ〜」)「うちの鍵や火の元は大丈夫なの?」(「大丈夫」)「この部屋の家賃はどうなってるの、あとでごっそり請求されないの」(「心配ないのよ!」)などと訊きはするが、「じゃあまたね」というと「はいはい、またね」と全く平気な様子で別れてきた。今頃疑問もなく寝んでいるだろうか。

_ しかしこの姉、これまでもこれからも全く経済的に当てにならないのだが、母に「家賃はどうするの」と何度目かに訊かれた時に「私が稼いで払ってるから大丈夫」と、いくら方便でも、よくまあ私の前で言えるものよと厚顔さにうんざりする。ここの家賃そのものは母の収入と丁度トントンなので、その点だけから言えば母のお金だからいいのだが、それ以外の衣服など雑費、医療費、お小遣いほか、それと母のこれまで住んできた家のかかり(これが大きい!)はそのまま私の方の負担になるんだぜー!!「いつも済みません」では到底済むものではないのだが、彼女の世界では済むことらしい。交通費や食費も自分では極力払わない。以前は父のきょうだいのための香典を、母の財布から払ってと言ったこともあった。家を出るに当たって親に「私という人間はいないものと思って」とまで言った人間がなんと虫の良いことを凝りもせずに。

◎安田晶/『扉の書』/講談社X文庫―ホワイトハート

_ ひと月ぶりに読み直し始め、木、金で読了。す、素晴らしい!はじめは全体のストーリーそのものに期待していたが、それよりも、むしろ個々のエピソードに並々ならぬものを感じ、これは!と本を持つ手にも力がこもるのを覚えた。私はことに地底の旅の部分に非常に惹かれた。どことなくルドンを想起させるような光景にも思えた。なかでも、目を瞑ったままの男が現れて鳥を箱におさめて行くシーンが私には印象深い。宮沢賢治の鳥刺し(銀河鉄道)のようでもあるけれども。全体としての物語は、面白くはあるけれども、この人にはこれが必ずしも必要か?という感じを抱いた。むしろ断片的なイメージの方に彼女の特質がよく現れているのではないか。それも含めて、多分可能性がとても大きい人なのだろうと思う。書き急がずに、才能が浪費されることのないように願う。

◎Patricia A. McKillip /"Ombria in Shadow"/Berkley Pub Group

_ ちびちびしか進まなかったが、ようやく終わった!Magを人質にFaeyをおびき寄せようとするDomina Pearl。幼い王子Keylとともに、城の上層へと逃げて行くLydeaは、Dominaの衛兵たちに追いつめられて行く手を失うが、そこで見たと思しきDuconの姿に誘われるように境界を越える。一方捕らわれたMagのもとに現れたDuconは、ここを最後にDominaに立ち向かう。壁も床も梁も、城の土台、存在そのものが揺らぐ。そして手にした木炭で描かれた扉が開いたときに出会ったのは、Duconがこれまで描こうとしてきたもの。

_ 一切が過ぎ去ったあと、いやそれはあとだったのか、それともただの忘れられた伝説、お話だったのか?Ombriaの光と影のバランスが危うくなったとき、その両方の世界の子どもである存在が、その役割を果たす、しかしそれはいつも忘れ去られるのか?幼い王子がベッドで遊ぶ魔女の人形たちは、今はその命を失ったかに見える。人形たちが語ったのか、語らせたのか、あるいは…。

_ 個人的にはもう絶〜っ対に、これに世界幻想文学大賞をあげたいっ!そしてどうかマキリップが、それを機に訳されてほしいっ!広がりと深みを持ちながら、かつ「お話」として一つのタペストリの中にストーリー全体を織り込んでしまうこの手際は、マキリップならではのものだ。「ファンタジー本」がばかみたいに溢れているときにこれらが訳されないなんて、こんなにもったいないことはないと思う。ほかのをやたらに訳すためにこれを訳す訳者の手が足りないなんて、まさかそんなことはないでしょうね!

2003.0916(火)

最近の購入本

_ ミルチャ・エリアーデ/『エリアーデ幻想小説全集1』/作品社
J・G・バラード/『コンクリート・アイランド』/太田出版
沢村凛/『瞳の中の大河』/新潮社
安野光雅/『旅の絵本 V スペイン編』/福音館書店
尾崎哲夫/『「超」英語力 −話法と時制−』/中公新書ラクレ

〈読み始め〉尾崎哲夫/『「超」英語力 −話法と時制−』/中公新書ラクレ

_ タイトルを見て、英語本またかいと思ったが、サブタイトルを見て手に取った。そうなんです。時制、ことに仮定法が入ってくるとさっぱり分からないのだ。高校では一通り文法書をさらって(分厚いのを2回やった、結構好きだった)、人並みに大まかなところは網羅した(今は忘れきった)はずだが、当時から今に至るまで「ここが分からない」と声を大にして言えるのが、まさに話法、時制、仮定法なのである。ほかは、出来なくても分からなくても「あとは経験と実践を積めばね」ですませちゃっていい気がするが(いつ積むのかが問題)、ここだけは自信を持って「分からない」のである。腑に落ちない部分ばかりで、用例や解説を読んでも、練習問題をやっても、やっぱり分からない。昨年もコースの中に2回出てきたが納得しないうちに終わってしまった。あっちの例とこっちの例とどう違うの?どうしてこの場合はこれじゃいけないの?これと、あれの違いは何なの?…で、これを読むとあなたの英語が変わる!という釣り文句にしっかり釣られて読み始めた。どーれ私の英語変えてもらおうじゃないか(でかい態度)。ところであのー、文中に何度も出てくる第5文型ってなんのことだっけ。と、調べる。…あ、このこと?忘れてました、文型の公式。やっぱりダメかしらね?

_ 1)SV、2)SVO、3)SVC、4)SVOO、5)SVOC

〈読み始め〉David Almond/"The Fire-eaters"/Hodder

_ ああ目に優しい、頭に易しい。でも初っぱなから、「ちょとごむーん」(プークマ)のシーンがあって、おえっと言いながら通過した。アーモンドは、全体のメッセージが、と言うよりむしろ、読んでいる途中経過が好きで、散文詩のような雰囲気や言葉づかいなど、全体の醸し出すものが気に入っている。

旅の絵本 V スペイン編

_ 『旅の絵本』の新刊はいったい何年ぶりでしょう。うわっ、2ちゃん絵本板に「【安野光雅】旅の絵本〜物語の探索〜 」スレッドがあるー!マターリみようっと。

イチジクの田楽

_ E・recipeと言うのをブックマークしてあって、それを見て実際に作ることはほとんどなくても、時々ヒントを得たり写真を楽しんだりしている。そこで今日見たのがイチジクの田楽である。イチジクは、大好き!ことにスーパーで売っているような大振りでちっとも甘くないのじゃなくて、庭に植わっている小振りな実の、ねっとりしたのに限る(がなかなかない)。このイチジクの田楽って、なに?むしろアケビの料理を思い出すのだけれど、うーん試してみようかどうしようか、激しく悩むレシピである。

2003.0917(水)

〈読み中〉David Almond/"The Fire-eaters"/Hodder

_ 今日の昼休みは郵便局に行ったのであまり読めず。

_ この作品はガーディアン賞のショートリストに入っているとのこと。10月4日に発表。アーモンドのサイトにこの作品について作者自身が語った文章がある。

2003.0919(金)

この頃の購入本

_ 長野まゆみ/『三日月少年の秘密』/河出書房新社
オドエフスキー他/『ロシア・ソビエトSF傑作集 上』/創元SF文庫
ベリャーエフ他/『ロシア・ソビエトSF傑作集 下』/ 〃
カリンティ他/『東欧SF傑作集 上』/ 〃
ネスヴァードバ他『東欧SF傑作集 下』/ 〃
マレー・ラインスター/『ガス状生物ギズモ』/ 〃
テッド・チャン/『あなたの人生の物語』/ハヤカワ文庫SF
山内史子/『英国ファンタジー紀行』/小学館
川上紳一/『全地球凍結』/集英社新書

_全地球凍結』!ファンタスティック!創元の復刊は、当時手を出さなかったものなので(ギズモ以外)、本屋でだいぶ逡巡して三遍回ったがやっぱり買い込むことになった(同じようなものを同じくらい抱え込んだ若い人を目撃)。おまけにレジで、ムーミンのシリーズのトートバッグが飾られているのを見つけてしまい、定番スナフキンか、渋くニョロニョロか、それともポットから顔を出しているミイか、ムーミンとスナフキンとミイの揃い踏みか、さんざん悩んで、一番インパクトの強いミイを買ってしまった。キャンバス地に紺色の絵柄で、なかなかシンプル(1800円@リブロ池袋)。

よろこんで掃除の予定変更(庄屋ではない)

_ あした、クレヨンハウスで開催される高楼方子の講演会に行くつもりだ。ちょっと予習をしておかなくちゃ。ほんとうは家中の掃除をするつもりだったのだけれど、急に講演会の開催を知ったものだから。

_ ヒラマドさん経由のhttp://human2.2ch.net/test/read.cgi/male/1060856259/6に、共感というか大笑いというか。本1冊床から拾って1点でしょ、25点なんて軽い軽い(でもしまわなきゃいけないのか)。そのスレのおかげで「25個片づける癖がついたので、片づけるモノがなくなってしまった」と言う趣旨の投稿には、25個片づけるということ自体が目的になってしまい目的を失ってボーゼンとしている姿が浮かび、一抹の悲哀さえ感じるけれど、揶揄抜きでそういうマメな癖がつきたいものだ。いや真剣に。

_ 以前読んだ新聞の投稿かなにかでは、子どもの学校で牛乳パックのリサイクル活動を始めたが、どうしても何枚とかを持って行かなくてはいけないと子どもが言うので、半ば無理に牛乳を買ってきて飲んではパックを持って行く羽目になったというのがあった。ペットボトルも然り。この人は、ちゃんと子どもに活動の意味を説明できなかったのだろうか?まあありがちな話。「ボランティア」のリサイクル活動が、実は回り番かつ義務で、ご遠慮しますというと陰口をたたかれるとかも。

2003.0920(土)

高楼方子講演会@クレヨンハウス

_ 朝起きたらしっかり雨。11時半過ぎにクレヨンハウスに着いて当日券を買ったが、すでに12番であった。開演の4時近くに当日券購入者が入場を許されたときには会員優先のため前の方はすでに大体埋まっていたが、幸いに前から2列目の席が空いていたのでとりあえず確保してトイレに行き、戻ってきてよく見たら、講演者席の真ん前だった。ラッキー。無心ってこうして時に小さな幸運をもたらしてくれる。もう一つ嬉しかったのは、終了後会場外でエレベーターを待って居られた高楼方子さんが、たまたま通りがかって目があった私の顔をご覧になって、「あれ、どこかで…。」と(昨年末の講演会で、一番前の席に座っていくつか質問をしたのを)覚えていてくださったこと。私は、春先だったような気がしていたのだが、12月だったのね。

_ いつものユーモアはいくぶん影を潜め、というのもことに『ルチアさん』のことを、思いを込めて、言葉を選びながら、真摯にお話しされたため。それを含め1時間半の時間では新刊を語るのに全く足りず、時間いっぱいとなって質問の時間がなかったばかりか、大阪では行われた『もりのがっしょうだん』の朗読も割愛されてしまい、本当に残念。

_ へんてこもりシリーズの新作が11月に出ること(刷り見本を持って居られた)、講演ではおっしゃらなかったが、のはらクラブの冬の巻もこの冬には出ること、などがこれからの予定だそうだ。(この項追加するかも)

思わぬ雨

_ 今日はもともと、掃除と、根津神社のお祭りに行く予定で、雨というのは全く予想外だった。昨日まであんなに暑く晴れていたのと、これまで何年もほとんどお祭りの両日ともこんな雨に祟られるというようなことがなかったためである(多分)。予定では次男を連れて11時にクレヨンハウスでチケットを買ったあと、食事して根津、一旦次男を家に帰して4時にクレヨンハウスにとんぼ返り、だったが、いざ根津に着いてみたら雨脚は強くなり風も出てきた。御輿も出ないし露店も閑散としているしで、全然祭の雰囲気もなく、一応お参りと射的とベビーカステラのあとはつい白山の大成堂へ…。次男が講演会に一緒に行く、一緒に入れなくても本やおもちゃのところで1時間半待っていてもいい、と言い出したので、数度意志確認のあと再び一緒にクレヨンハウスへ戻ったのであった。しかし思えば、梨木香歩@クレヨンハウスの時も雨、前回の12月の高楼方子の時も雨、だったので、今日も雨かもと言うのは予想しているべきだったのかもしれない(ただしその前の1月の高楼方子@クレヨンハウスはとてもいい天気だった)。それにしても、何とも散々な9月の陽気。あす昼頃娘が成田に帰ってくるのだが飛行機大丈夫かしら。

購入本

_ たかどのほうこ/『もりのがっしょうだん』/教育画劇
たかどのほうこ/『へんてこもりのコドロボー』/偕成社
たかどのほうこ/『へんてこもりのなまえもん』/偕成社
フィリップ・プルマン/『花火師リーラと火の魔王』/ポプラ社
ますむらひろし/『カリン島見聞記 上』/ポプラ社
ますむらひろし/『カリン島見聞記 下』/ポプラ社

_花火師リーラと火の魔王』は、昨年4月に読んだ"The Firework-Maker's Daughter"の邦訳。ポプラ社のこのシリーズの装幀は、どうも徳間(以前の福武)の児童書の装幀によく似ている。上4冊はクレヨンハウスで、ますむらはamazonで。

2003.0921(日)

〈読み中〉川上紳一/『全地球凍結』/集英社新書

_ 全く門外漢なので難しくてよく理解できないけれど、とっても面白いっ!大胆で、美しい仮説とその検証の必要性を、真摯に説明している。話し言葉にやや近い言い回しが使われ、要所要所の専門用語にはルビが振られて、著者の「この研究のワクワクをぜひ伝えたい!」という思い、この主題を本当に楽しいと思って追っているのだなあと言うことがひしひし伝わる。が、地球の地軸と公転軸が90度傾いていると、赤道付近が最も寒冷化する、など理解しにくい。だって地球が焼き串に刺した丸い肉団子なら、やっぱり太陽に一番じりじりあぶられている赤道付近が温度が高そうに見えるでしょ。けれど大気の流れや海水の循環があるから、そうじゃないんだってえ。世の中にはいろんなことがあります。

_ この中に出てくる今では全然珍しくない「プレートテクトニクス」だが、高校の地学でかなり新しい知見としてこれを習った時の定期テストで、とあるクラスメートが問題用紙をめくった途端に「出たっ!プレートテクトニクスだっ!」と叫んで、教室中大爆笑の渦。なーつーかーしーい!

ウォーターボーイズ

_ 昨日、出演者の32人の特訓をめぐる特番を見た。うーんやるじゃん。本当に本番まで4段櫓は出来なかったのか。ドラマでは写らなかった、4段櫓成功後の彼らの感極まったガッツポーズ。そのあとはもう、もらい泣きというより共感の涙だった。来年1月21日にDVD(ビデオ)化されるそうである。

娘帰国

_ 台風が心配だったが、ともかくも帰国。殆ど無一文の娘を迎えに次男と成田に行ったのだが、この雨では、展望台も大して見る気にならず、ぽつりと次男「つまんなかったね…」。でもマンUのユニフォームをおみやげに貰って一挙にご機嫌のご様子。

2003.0922(月)

ネムー発売延期

_ 大塚製薬のネムー、もう発売されているはずなのに一向に見ないと思ったら、いつの間にか発売延期に。もともとよく眠れすぎて仕方ないたちではあるが、この半年ほどリズムが不調に感じているので、興味あったのだけれど。確かに過剰宣伝とご指導受けても仕方ないかも知れない。早く発売してくれないかしら。

_ ちなみに、今日は休みを取ったのだが、一旦起きたあと、朝の9時から2時過ぎまでぐっすり眠り、それでもまだ眠い状態。

川上紳一/『全地球凍結』/集英社新書

_ まだここで述べられている「全球凍結仮説」は、確立した学説として承認されているわけではなく、他の学説との間で広い視野からの検証をされなくてはならない。新しい知見が新しい学説を生み、さらにそれが新しいデータを要求する。これらのたゆまぬ連鎖と統合から、地球の歴史についてさらに驚くようなことが分かって行くのであろう。取り上げている時間軸も長ければ(数十億年)、空間的にも広い(地球の表層、深海、内部、大気圏、そして太陽系からさらに外へ)ので、テーマそのものがいかにも壮大。検証にはもちろん生物学も巻き込むから、科学全体の総結集が必要のようだ。現在の科学全体の状況を概観する一つの良い手がかりとも言える本だと思う。

たかどのほうこ/『もりのがっしょうだん』/教育画劇

_ 今年5月の新刊。ある時編集者の人たちとお酒を飲んで、いい気になってあることないことないことないことしゃべりまくった翌日、「しまった!あんなこと言わなければ良かった!」といたく後悔しても始まらなかった、のをきっかけに出来たお話とのこと。そうか!なかなか反省の心がよく現れています、とくにオチに。よほど後悔が深かったのでしょう。絵は飯野和好だが、なんと雑誌の仕事以外で動物を描いたのはこれが初めてだそうだ。この動物たちなら描いてみたい、と気に入ってくれて嬉しかったとのお話。

たかどのほうこ/『へんてこもりのコドロボー』/偕成社
たかどのほうこ/『へんてこもりのなまえもん』/偕成社

_ これらは新刊ではないが、せっかく間もなく新刊が出るのなら手に入れておこうと思って。コドロボーは小さい泥棒ではなくて、子泥棒。以前「コートロ、コトロ」のやまんばが出てくる絵本があって何かと思ったら、それは「子(を)盗ろう」で、とても怖いのだ。このコドロボーも名の響きは可愛いけれど怖いのよ〜。なまえもんはいろんな名前を集める仕事をしていて、時々名前を集めるために、名前の持ち主を食べに出てくる。食べた名前がいかにして本に書かれるか、なまえもんの透視図に吹き出した。絵もたかどのほうこ。

頂き本

_ 百寿者研究会ほか編/『百歳百話』/日東書院

_ 知り合いが編集にかかわっていた関係から頂いた。百寿者(百歳以上のお年寄り)から聞いた貴重な記録を、いずれは百話にしたいという思いを込めて、この本にはまず24話が収録されている。

2003.0925(木)

PC不調

_ この数日、突然IEが止まってそのまま凍り、Ctr+Alt+Delも全く効かないということが次第に頻繁に起きるようになった(まだWinMe)。ついに昨日から、何であれフォルダを開くと、真っ白いウィンドウが開いて、そのまま凍り付くと言う症状が出るようになった。電源を切って立ち上げ直すと、大抵は、メイルソフトやOffice系をはじめとしたアプリケーションは問題なく動いている模様。でもこれで回復したかと期待してフォルダ(マイドキュメントとか)を開こうとすると、また凍ったままになる。何回に一回かは、ちゃんと動くが、動く時の方が回数的には少ない。これ何だろう(;.;)

_ いっそ完全にイカれる前に、安いDell(WinXP)でも買って、機嫌を取りながら少しずつ中味を移行して、その後は今使っているのをバックアップか何かに使うことにしようか、それとも新しいマシンは買わずに今のにWinXPを上書きするだけにしようか、などと考え始めた(さすがにMeの上書きは選択肢にない)。ちょっと費用はかかるが、一遍にあれこれいじる時間はどう考えてもないから、今の中味を少しずつ引き継げる前者のほうがいいかな、などと思ってメンテナンスマンに「どっちがいいと思う?」と訊いた。すると「XPは嫌いだから、OSを変えるなら2000でしょう」と言う。しかしMeから2000への移行は、上書きが出来ず新規インストールと同じになるので、それはいやだと答えた。すると敵さんの言い草はこうだ。「意見が聞きたいと言うから言ったのに、いやだと言って聞かないなら相談も何もないでしょ。好きなようにすれば!(ツン!)」。ワタシは切れましたね。「あー勝手にしますとも。勝手に新しいのをネットで注文するからいいよ!(以上無言でキレたのである)」そして知らん顔してトイレに行き、「王様の耳はロバの耳」をやって来た。ちょっと違う気もするが、まあいいや。しかし無言の啖呵も空しく、哀しいかな、ネット注文しようにも頼みのIEもネスケも、どういうわけかこの後は二度と立ち上げることが出来るまでに回復せず、寝なくてはいけない時間になってしまったのである。

_ 今日も数回立ち上げ直したりしてやたらに時間を食い、現在はなんとか一見普通に動いているところ。およよ、せっかく慣れたこの環境だというのに、しかもどの道を選んだとしても、一番いじりたくなかったn-diary関係はもう一回設定し直しか〜。泣きたい。

_ とか言っている間に、23日にはサイト開設5周年を迎えていたのであった。

〈読み中〉安達まみ/『くまのプーさん 英国文学の想像力』/光文社新書

_ 山崩れを起こした中からつい手にとってそのまま読み始めた。もう何年も実際には殆ど読んでいないが、プークマは私にとってのオールタイムベストの一つなので、ひとつひとつそうだそうだと思いながら読んでいる。

2003.0926(金)

いすがし すぎかえれない(ク.ロ.)

_ 何とかの法則ではないが、用事は重なるときは重なるもの。午後の2時間ほどの間に印刷物の入稿や校正のために3人違う業者が来、どれがどれやら。さらにお客は来るは、問い合わせ電話は来るは、それらがまたうまい具合に一つが終わると次が、と示し合わせたように現れるので、異様に効率がよいと言うべきか。しかもバックグラウンドでとある資料数百件発送の封筒づめ。何故すべてが一時に集中するんじゃ?しかもドーナツの差し入れがあって一口食べようとした瞬間に、とか、「はあ、やっと一息!よっしゃ、みんなにおいしい烏龍茶を入れて進ぜよう!」と茶葉を取りいだしましたるその瞬間、とか、何故に〜。こうして休む間もなく働いたのに、やっぱり週末だからきっちり片づけようと思うと7時を回ってしまった。あすは次男の運動会なのに、あさっては職場関係の試験なのに、だから今日こそ早く帰ろうと思ったのに、ホラここでも何とかの法則恐るべし。

お弁当

_ 明日は多分晴れ曇りらしいから、次男の運動会のためお弁当作りだ。それどころか水曜までのお弁当は;

_ 土(運動会)、月(土曜の代休)、火(通常授業、給食の食材発注の関係でお弁当)、水(都民の日)

_ 土曜が雨で運動会が日曜に順延の場合
土(午前授業)、日(運動会)、月(土曜の代休)、火(日曜の代休)、水(都民の日)

_ 土、日とも雨の場合は、運動会は木曜日以降に延期(!)
土(午前授業)、日(午前授業)、月(土曜の代休)、火(日曜の代休)、水(都民の日)

_ 月曜は取り残した夏休みの消化のため私も休みを取ったのでお弁当なしだが、都民の日は学童保育に行くためお弁当が必要だ。こんなに何日も連続お弁当とは、給食代返してくれと言いたい(いやもちろんお弁当の日の分は取らないのだけど)。土日雨じゃなくて良かった。もし延期になってまた木、金が雨だったらどういう予定になるのだったのだろう。お弁当はともかくとしても、家族のほうだって平日ではなかなか見に行けないよね。とは言いつつ、連れ合いはなんと明日仕事の予定を入れてしまいまったく見に行かないのだ。昨年も一昨年も似たようなもの。今年は間違いなく年度初めにちゃんと1年の予定表をコピーして渡したというのに、それでもスケジュール表にチェックを入れておかないとは、3人目にはやっぱりたいして関心ないのかねぇ、と、文句よりも嘆息の域。

_ 「運動会だからとせっせとお弁当作ったって、あんた方ちっとも食べないのよね、甲斐がなかったわ」と言うと長男があっさり「そうだね。」と言って笑う。「何でよ〜、せっかくいつもリキ入れて作ったのに」「だって、運動会だよ。そんなに食べられないでしょう、ハハハ」もうほんとに食の細い(遅い)子だったから仕方ないのだけど、はァ、次男も同じあるいはそれに輪をかけているから、またまた甲斐がないのだ。おまけに私自身が朝が大の苦手というのもあるから、ほんとにお弁当作りには気力が萎える。毎日早起き・お弁当作りのお母さんがた尊敬します。

購入本

_ 久し振りに近くの本屋をのぞきに。最近とんとご無沙汰してしまって、ネット書店と池袋に出たときにリブロ、旭屋ばっかり。ちゃんとこの店のお得意さんをやりたいのだが、昼休みを惜しむように読書の時間に当てているのでなかなか足を延ばせないのだ。済まぬ。

_ 『芸術新潮10月号』/新潮社
『SFマガジン11月号』/早川書房

_ 『芸術新潮10月号』の特集は「橋本治がとことん語るニッポンの縄文派と弥生派」である。連載の「ひらがな日本美術史」も全然読んでいない。完全にオーバーフローです。『SFマガジン』は今号が秋のファンタジー特集かと思ったら、次号だった。今号は宇宙SF特集。毎号書評のつまみ読みだけであとは積ん読なのでこれまた済まぬ。

2003.0927(土)

願ったりの運動会日和

_ 期待通り、いや注文してもこうはいかないような、おあつらえ向きの運動会日和となった。何とかやりくりしてお昼まで空けてくれた連れ合いと長男とで見に行く。娘は残念ながらガッコ。出席を取られるらしい。さて80m徒競走は出走順1番の1コース、あれっ、やたらに速い子がいるな、と思ったら次男だった。ぶっちぎりの1着。3,4年のリレーでは3年のアンカーで、4年に引き継ぐ役だ。3位で引き継いだが、おおッ息子速いぞ、一人抜いて、さらに4年にタッチするときにはほぼ抜かすところまで追い上げた。ところが次の4年、全然ダメじゃん、引き継ぐなり元の木阿弥でまた3位に〜。棒引きではおやおやっ、あっという間に一人で1本引きずって陣地に戻ってきたぞ。はやーい!でもチームとしては負けた。団体演技は縄跳びを使ったダンス。次男、意外に縄跳びヘタだということが判明。長男に、特訓するよう厳命した。最終的に次男の赤組は小差で負けてしまったけれど、彼としては自分の役割は思う存分果たして満足のご様子。なにせ一日戸外にいるにはこれ以上ないという気持ちのいい陽気だったから。

_ この小学校は、「学校の森」と称して、このあたりとしては割合ゆったりした敷地に、様々な木々をたくさん植えており、観覧席も多くの部分が木陰になっている。今日は本当に爽やかで、風の具合もそよそよと丁度いい按配で、戸外にいるのが実に心地よい。しかし一歩日向の特に舗装された道に出ると意外に暑く感じられ、土と木陰の素晴らしさを久し振りに実感した。あまりに気持ちがよくて家の中に入るのがもったいなく、終了後もその辺を一回り散歩しちゃった。

2003.0928(日)

ほっと一息

_ つ、疲れた。午前中、職場の試験だったのである。普段あまり持たない鉛筆を2時間も握りしめてもっともらしい文章をでっち上げたので、きっと明日は右腕が筋肉痛になっていることだろう。字がとっても下手になっていることに改めて気付く。いかに普段キーボードに頼っていることか。論文試験の準備自体は、延期になった運動会とだぶって受験できなかった昨年に準備したものを下敷きに、1日前になってあわてて今年の要項を睨んでテキトウに書き直したのみ。正確に言えば前の晩の12時過ぎから始めた。これで受かったら笑っちゃうよね。

_ 大して準備に時間を費やしたわけではないが、やはり、「今年こそは受けなさいよね!」とか「絶対に受験してね!」とか、事務の人たちに言われていたので、気分的にはプレッシャーであったが、とにかく終わった!この間は英語の一連のチェックテストも終わったし、運動会も気持ちよく終わったし、娘も無事帰ってきて学校が始まった。母についても、今日はあっちのデイサービス、今日はヘルパーさんの訪問、あすはこっちのデイサービス、と、それぞれの連絡帳を毎朝用意するだけでも何が何やらだったのが、先日のグループホーム入所によりなくなった。これで、ずっといわば変則的な生活が続いていたのがやっと常態に復したという感じだ。実際には大して何が変わったというわけではないのだけれども。

_ これで読書に身が入るというのならいいのだけれど、必ずしもそうではないのは、誰のせいでもない。

購入本

_ ギルバート・アデア/『閉じた本』/東京創元社
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ他、ピーター・へイニング編/『魔法使いになる14の方法』/創元推理文庫
レオポール・ショヴォ原作・山本夏彦翻譯/『年を経た鰐の話』/文藝春秋

_年を経た鰐の話』は何年か前に福音館から出た出口裕弘訳の大判ので持っているが、もともとそれを買うきっかけの一つが、山本夏彦が昔々それを訳して、しかし臍曲がりだから頼まれても復刻しないのだと自分で言っていたことである。自分が死んだら好きにしろとも言っていたが、その通り臍曲がり爺さんの没後にこうして復刻された。復刻と言うからには当時の装幀をなぞっているのだろうか。

2003.0929(月)

Science Museum@London

_ こ、これは何ですか?アジアへも巡回とか書いてあるけど。うーむ映画に使ったあれやこれやの、巡回展(ニュージーランド発)らしい。ジブリ美術館みたいに、日時を決めてチケットを予約するらしい。それにしてもロンドン価格は高い。大人11.95ポンドはおよそ2000円強だ。英国で面白いのは、色々なチケット類での週末価格が、平日より安いものが結構あること。これも週末価格が9.95ポンドだって。

ことし最後の夏休み

_ 次男が運動会の代休なので、それに合わせて9月いっぱいまでに消化しないと無駄になってしまう夏休み残り一日を取った。こんなに良いお天気、どうしよう?上野方面とか、多摩動物園でフラフラするのもいいなと思ったが、上野動物園や博物館関係は月曜休みだし、多摩も今ひとつ気が乗らない。そうだ、軽井沢行こう!と突然思い立つ。次男も、「新幹線?自転車借りよう!」とご賛同。

_ 到着したら11時過ぎ、何と言ってもまずあてどなくフラフラしようと、自転車を借りて、あそこの角ここの角と別荘地の裏のほうをのんびり散策する。裏の方は人気もないから次男も行ったり来たり両手放しをしたり、一人で何かと競争したり。風は北寄りで、木陰は肌が冷えるような涼しさだ。開けたところに出ると思わず「あったかーい」と言ってしまう。軽井沢はけっこう湿度が高いのだが、さすがに今日はからりとして心地よいことこの上ない。それにしてもこの日差し、この風、この匂い、どこかを思い出す…としばし首を傾げた。そうだ、昨年娘と行ったイギリスの湖水地方が、まさにこんな陽気だった。野尻湖や軽井沢は、その昔日本に来た西洋人が、故郷の景色を彷彿とさせると言って好んで避暑に来たのが始まりと聞いているが、たしかに今日のような透き通った空気と陽光、木々の匂いなら、懐かしさを感じただろうと初めて実感した(つもり)。昔のサナトリウムの跡地近くの、ある昔風の別荘の前を通りがかったら、ピアノの音色が流れてくる。さほど流暢ではないが、つっかえつっかえと言うほどの初心者ではない、それもあきらかにアップライトの音色である。そろそろ調律した方がいいかな、という感じの。あまりにも木洩れ日と風、家のたたずまい、音色と曲想がしっくりしていたので、自転車を止めて、次男の写真を撮るといいながらその家のみの写真も何枚か撮ってしまった。「火垂るの墓」の終盤で、ある家から埴生の宿の歌が流れてくるシーンがあるが、ちょっとあんな感じ。

_ 帰りは4時59分のあさまに乗り、いつのまにか親子で爆睡。帰宅したら7時少し前であった。確かに、片道2時間弱で、朝9時過ぎに出発しても丸6時間滞在時間があるのだから有り難い。私は、義母の家もその実家も至近距離に新幹線が出来たりしたせいもあって新幹線(とか高速道路)反対派ではあるのだけれど、恩恵はちゃっかりと受けているというこの図々しさ。

_ ところで、某クレープ屋さんで、紅茶党の私が珍しく飲んだコーヒー、紙コップだったのにもかかわらず、これも珍しくとーってもおいしかった!豆のせいというより淹れ方のせいだとのこと。やや深煎りの豆をコーヒープレスという器具で入れたもので、コーヒーの粉がすこし混じっていて、コクがあるのだ。ペーパーフィルターなどではコーヒー豆の油分がフィルターに吸着されてしまうが、この淹れ方だと吸着されずに出てくるので、コクのあるものになるのだそうだ。コーヒー豆の匂いは大好きでついスタバに引き寄せられるが、実際には注文するのはいつもチャイかフラペチーノという私であるが、このコーヒーはホントにおいしかった〜!

_ 悲しいお知らせ、旧道の上の方の通称「近藤長屋」が、今シーズンで取り壊しになり、なんと!!跡地は新しい持ち主によって結婚式場になるのだと!!なんでやー!あんまりだ!また軽井沢郵便局隣のベルコモンズも、3月いっぱいで店子が総入れ替えになり、すべて飲食店になると言う話。しかも、もしかするとここも結婚式場関係になる可能性があるとも聞いた。もう軽井沢もおしまいだね。20年ほど前の清里の惨状を思い浮かべてしまった。恐ろしくてもう何年も足を向けていないが、清里は今どうなっているんでしょうね。軽井沢も前からずいぶんひどいが…。ところで上のリンク先などでは「やぶそば」や「ちもと」などもまとめて近藤長屋と言っている。「閉店のお知らせ」や「閉店セール」の貼り紙があったのは「やぶ田」のある建物だけだった。「ちもと」でお団子を食べたときに「近藤長屋は取り壊しなんですか」とちらっと訊いたら「なんかねえ。そうらしいですねえ」というひとごとのような返事だったのだけれど、正確にはどこまでが近藤一族の持ち物なのだろう?あそこ全部が取り壊しとなると、それはかなりつらいことで、旧道は一挙に魅力を失う。だってそのすぐ裏手のテニスコートへ通じるひっそりした細い通りが小川と交差するあたりは、旧道近くの一番の気に入りの場所なのだもの。

2003.0930(火)

金木犀

_ この春に、職場の良く通る場所にあった金木犀が無慈悲にも切られてしまったので、今年の気候不順に金木犀がどう反応したかわからずにいた。8月の末に早くも咲いたという話も聞いたので、もしかしたら今年は出会い損ねたかも、とがっかりしていた。毎年9月も下旬になると、運動会の練習にちょうど重なるように金木犀が香り出すと決まっていたが、なぜか今年はそれもなかったのである。ところが、まさに運動会の終わった晩に、近所のたまにしか通らない道を通りがかったら、あの懐かしい香りが、まるで木のところまで無数の細い細い糸が繋がっているかのように、私の鼻を捉えるではないか。やっと咲き始めたところだったのである。昨日はうちの4階のベランダのほぼ真下にある金木犀も、一足遅れて香りだした。

_ 今日も朝から晴れやかな空で、かなり気温が低く思わずぶるぶるっと震えてしまうほどだ。日が高くなるに連れ、雲も一掃するような風がつのって、遠くの山々がよく望めるようになった。足元ではいくつもの小さなつむじ風が、桜の落ち葉を集めては吹き散らしている。これですっかり季節は秋となったのである。

〈読み中〉ダイアナ・ウィン・ジョーンズ他、ピーター・へイニング編/『魔法使いになる14の方法』/創元推理文庫

_ 一昨日の夜から読み始めて、いま最後から二番目のプルマンの短編に差しかかったところ。キース・ロバーツのアニータなんかは、魔法使いに入れてもらえないのかしら。

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ニムの木かげの家
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最終更新
2003.10.01 00:24:29