2009年3月28日

南アフリカのAIDS

幻影随想さんより。アフリカの風土病だったAIDSが爆発的に世界に広まった背景には、アフリカの開発があって”キンシャサハイウェイ”という道路が整備されたために、人の交流・移動が進んだためだという話を読んだことがある。エボラウィルスについての話だったか。しかしそれも今やとんでもないことになっているのだな。

俺はコペンハーゲン・コンセンサスが絶対だとは思わないが、地球温暖化対策が人類の一番の課題であるかのような、そしてそれに対する批判を議論せずに封じ込めるような(言い換えると宗教的な刷り込みに近い)今の論調には大きな違和感を持っている。CO2削減などと言う事にどれだけ意味があるのか、みんな定量的に理解しているのか?それに対する費用対効果を理解しているのか?きわめて情緒的に考えているんじゃないのか。”人の命を救うことの意味”はさておいて、南アフリカのAIDS対策の方がはるかに安い費用で効果を上げられることは明白であるが、なされていないことをもっと考えた方がよいだろうね。

日本の「○○ちゃんを救う会」が億単位で募金を集めて、外国の移植手術を待つ子供達を金の力で押しのける一方で、ワクチンがないために死んでいく膨大な数の子供達。これに対するのと同じ様な違和感がある。

一言で言うと「お金の使い方、間違ってんじゃねーの?」と言うもんだがね。ま、俺個人の金じゃないからなあ。CO2削減も募金も善意の集合体なんだろうけど、「地獄への道は善意で敷き詰められている」と言う警句を思い出すのである。

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2009年3月26日

三度目の雲仙旅行

三連休に三度目の雲仙旅行をしてきた。初めて春に行ったのだ。またまた雲仙観光ホテルに泊まりました。いつも行くたびに進化しているこのホテルは大好きです。今回はお土産がちょっと充実していた。前回は秋のお彼岸に行ったのだが、飛び石連休でシーズンオフだったためか、えらく空いていたのである。今回は三連休のためか良く客が入っていた。慶賀の至りである。今回の旅行は残念なことに、風邪のためかみさんの調子が悪く、ハイキングが出来なかったのである。まあ、一人でダム湖の周りを一周はしてきたのだが。しかしご飯はちゃんと食べていたのである。たいした食欲なのである。

今回はJALの株主優待券で長崎空港まで飛んだ。JMBのサファイアになって、というか即JGCに入ったので、その後初めてのJAL旅である。国内線のサクララウンジには初めて入る。ANAのSignet(ANAラウンジになったんだっけ?)と比べてどうかというのはよく分からん。ま、似たようなものか。かみさんは牛乳が缶入りだけなのが不満の模様。俺は青汁のあるANAがいいかな。しかしJALのCAはやはり年齢が高い印象。なんか怖いよね。そこら辺はANAがやっぱりいいかなあ。

到着して雲仙観光ホテルの改良点その二として、メンバーシップのハーフティンバークラブというのを始めたこと。期間限定でサービスてんこ盛りである。ミニバー使い放題だし。家族風呂も二回使いました。いやあ、リラックスできるわ。ここの温泉は加水なんだが、元が濃いせいか全く問題ない、と言うか一番好きだわ、ここのお湯。

着いた日に仁田峠まで車で行った。ちなみにここは有料道路なんだが、4月1日から無料になるのね。途中の展望台からは、普賢岳の溶岩ドームが良く見える。ただし雲が出てきて仁田峠駐車場は真っ白で何も見えず。雲の中は寒いし。ロープウェイぐらい乗ろうかと思ってたが断念する。ホテルに戻って風呂を浴びてから食事。かみさんの調子を考慮して和食にする。またまた美味しいね。春なんで秋とは食材も違って。菜の花や竹の子、蕗の薹をあしらった料理も風情がある。良い気持ちで就寝。そうそう、部屋も今回は今までと違う、ちょっと広めの部屋で快適だった。

翌日は天気も回復し、仁田峠のロープウェイに乗って上から眺望を楽しむ。有明海から橘湾までぐるりと見える。さらにクリアだったら阿蘇山まで見えるらしい。しかし上の方は結構冷える。海岸際の小浜温泉とはずいぶん気温が違いそう。ウグイスがまだ下手くそなさえずりを聞かせてはいたが。

午後はかみさんを部屋に残して一人で出かける。どうも風邪の調子が良くないのだった。ダム湖の周りを一周したが、山裾では鳥の声も聞こえずむしろ道路の方で鳥の声が良く聞こえた。観察したのはウグイス、ホオジロ、コゲラ、キンクロハジロ、シジュウカラなど。実はホテルの部屋で鳥の声が聞こえるから、窓を覗くとシジュウカラとヤマガラが囀っていたりした。出かけるまでもなかったか。

晩飯は今度は洋食。仏蘭西で食べる仏蘭西料理より美味いなあ。相変わらずナプキンが可愛い。和食の時は着物のように畳んでいるのだ。ワインも良心的価格で、白と赤のハーフボトルを一本ずつ頼んだのだが、フルボトル一本ぐらいの値段で頼めたのだ。

帰りの日は大雨で、渋滞してしまったせいで有田に行くのが遅れてしまい、かみさんの好きな深川製磁には30分強しかいられなかった。ちょっと次回はよく考えないと行けないなあ。熱がありながら、それでもしっかり買い物はしていたね。

と言うわけでちょっとコンディションには恵まれなかったが、新たな魅力も感じたのであった。また行くぞ。

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2009年3月8日

Perfumeとベートーヴェン

金曜の夜はかみさんとクラシックのコンサートへ。東京都交響楽団によるベートーヴェンの英雄と皇帝。前半と後半でまるで響きが違うのでびっくり。ホールの一番後ろの席だったのだが、前半はピアノがどんと前にあったためか、音が反響音ばかりだったのが、後半良い音になった。ピアノが邪魔だったのかねえ。隣の席のおっさんがちょっとあれな人だったために、全く集中できなかったのは不運。聞いていた位置のせいか、クラシックの録音について考えてみた。

ポピュラーミュージックのコンサートとは対照的に、オーケストラを聴く場合にはほぼ生音を聞いていることになる。一方CDなどで聞く場合はどうかというと、マイクで音を拾うわけで、このセッティングによって聞こえ方は変わってくるわけだ。今回のコンサートでも一番後ろの席というのは、楽器の直接音より壁に跳ね返ってくる反響音が多いわけで、もやもやした音の固まりが聞こえてくるという印象。楽器一つ一つの分離が悪い訳ですな。しかしロックバンドなんかは分離された音をPAでミックスして流すわけで。

そこでDTM的手法でクラッシックの録音をしたらどうなるか?と思ったのだ。各パートをサンプリングした音で重ね合わせていけば、オーケストラの演奏もパソコンだけで出来るんだろうな。新人作曲家にとってはとても役に立つだろう。すでにやってるんだろうけど。クラシックは再現芸術などと言うが、人件費という側面から見ると、全て生でやると言うのは費用的に厳しいものなあ。作曲のみに興味がある人にとってはもう解決策があるということだろう。

さらにそれをCGとかビデオとかと組み合わせてライブパフォーマンスにすると言うのもありだろう。そうすればオーケストラの人間を見るのではない、別のコンサートもありでは?と思う。ここまで来るとPerfumeのコンサートまで後一歩と言うことかと思う。テクノロジーの進歩は表現形態の変化を促し、本質を見る角度を変えていく。Perfumeにおいては即興的なものはMCに集約され、楽曲は決められたものである。しかしダンスのクオリティとMCでコンサートは紛れもなく生ものになっている。ものの見方が変わるねえ。

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