月別履歴(タイトル抜粋)

2002年 10月
2002年 09月
2002年 08月
2002年 07月
2002年 06月
2002年 05月
2002年 04月
2002年 03月
この本は私に会うために(1)
律儀(3)
なんちゃって矢印(6)
ピンクの肋を解体します(10)
世田谷区立下馬幼稚園(17)
「路程」は写っていなかったのか?!(19)
『落ち穂拾い』(22)
フラジャイルに「千夜千冊」の1/2(26)
実はワカメさん(29)

2002年 02月
スタイルの速度。音/映像/文字(1)
0020202の本棚(2)
『オードリーとフランソワーズ』(4)
『紙魚の手帳』12号(7)
東京駅。どっち側に降りて本屋に行くか(9)
本のことなら憶えてるが...(12)
行方不明新聞折本公開捜査(13)
佐伯俊男(14)
『ユビュ王』にくそったれ!ってそのまんまな...(16)
その穴のさきにあるもの(17)
家庭の医学と専門書の断絶を埋めるもの(20)
ジャリなら自転車こぎこぎ冷し中華を(21)
図書館のちょっと無理矢理(26)
送料に限って言えば(27)
月が最近(28)


2002年 01月
あけましておめでとうございます(1)
腹ぺこタイシ(4)
ランクアップした二百円のおみくじ(7)
方角が悪いんです(12)
カタログに載るモノ(20)
お、い〜ぞ〜(21)
冬もボサノヴァ(23)
ぽんぽこたぬき工作(26)
図書館はうるさいのだった(27)
『ナージャの村』(31)

2001年 12月
皆やさしくってヨ(1)
『寄席の脚光』(4)
無理して本屋でバイトすな(5)
大踏切書店でイッパイ(8)
いらないものばっかり残るのよ(13)
ママゴトやっといてよかった(17)
sold out 通知(22)
「2001年宇宙一瞬旅」(25)
不吉な夢もなんのその(26)

2001年 11月
愛犬は0.5(4)
自分で勝手に無理してグチる茶番(5)
どこのどいつ(6)
ひとの書棚を覗くのは楽し(9)
「広告としてのイラスト」(11)
かき×かぼす=マンゴ(13)
どこで区切って無駄と言う?(15)
「学校どこ?」(16)
岡ノ上鳥男様 田辺茂一(20)
おかえりのスケ本登場(26)
webで本をめくりたいひとはいないでしょう(30)

2001年 10月
bookbar4楽天ブックス開店(01)
鉄の扉「絶版」で幽閉された本の脱獄幇助(02)
本コ子雑誌、即物的体験を池袋リブロで(05)
おれなら桜を植えに行く(08)
眼の日は啓祐堂で眼のコヤシをいただく(10)
ライブ辞書を作るゾ(15)
新聞折本第八号(17)
製本-花ぎれの固定(18)
NONを見よう(19)
実感トハ恥ナリ(20)
透明酒は...(21)
となりの客はよく肉食う客だ(22)
わたらせ渓谷(27)


2001年 09月
意の外(01)
これを読んだら呪ワレル(03)
葉書文庫本(04)
均一つながりの本と新聞(05)
広辞苑、外に連れ出し運動(08)
平まどかのベルギー製本留学記(09)
コソコソするのはなぜ(17)
グリコのポーズ、やってみて(18)
それ、名前なんですけど...(19)
あどべんちゃブラリ(25)
オノ・ヨーコと朝日新聞(26)
温寿司(28)
まじ秋(30)


2001年 08月
横顔ばっかの金魚(03)
『チェブラーシカ』(04)
クモの糸をどう使うか(09)
人工雨、日本編(11)
空中金魚(13)
防ぐのが礼儀(14)
炭化菜種降りしきる花火大会(18)
屋久島の森に(28)
宇宙人と妖怪(30)


2001年 07月
くだらナイ→すまナイ(02)
やっと処分したっていうのに(03)
「ドキドキ」を見て体の頼りなさを (05 )
観本旅行(06)
おでかけには「じろう」を(1)
『ラッチョ・ドローム』(12)
いってきますじろう問題(15)
これは本なのですか(16)
「本は傷んだら修理すればいい」(17)
「うまい」か「おいしい」か(19)
エーッ○エーッ○エッ○ホイ○ッ○(23)
新聞折本第三号(25)
ネコとシャクシとキミと(26)
自由カラは逃走できない不自由(29)
夏はこれからだってば(30)


2001年 06月
ダダ書房店主に惚れる(04)
日焼けサロンじゃあるまいし(07)
製本アトリエ記11 (08 )
図書館には何を探しに行くか(10)
『ミリオンダラー・ホテル』(13)
人間を本に変える銃(14)
スクラップ帳をスクラップ(16)
死を待たずにとる魚拓が失うもの(17)
辞書である前に本でもある(20)
さくらんぼの味(24)
ああやっぱジンセイって(27)
金魚部第二回秘宝展(28)
図書館オチの古本(30)


2001年 05月
SPACE ODYSSEY(06)
新入部員は銀魚(09)
製本アトリエ記10 (10 )
「本コ」誌第一期終了につき(15)
never 金魚(16)
日に月に媚びず。(19)
ベストセラーがバカバカしくなっちゃって(20)
新聞を3回折って本にする(21)
『地獄の黙示録』(24)
新聞本の祖父は「くそ」と詩をかく(26)
「言葉はサーファー」説(27)
ナはテイをアラワスか(28)
祝いの席には花火か蜘蛛か(31)


2001年 04月
言いそびれ(04)
宅配から机配へ(06)
金魚部、無念(07)
一般市民ですけど(12)
書肆啓祐堂誌「黄金の馬車」(16)
切手詰め本(18)
「五点支え法」実験装置(19)
東京国際ブックフェア2001(21)
花ぎれ、できた(23)
おかえりのすけ事件2(24)
『ツバル』 (25)
探し選び奪う退屈(28)
ぶらりの卒業(30)


2001年 03月
カフェでふと(01)
日記の積み重ね(06)
忘れてはならない直感。(10)
「荒俣まぼろし堂」最終目録(11)
『キャラバン』(13)
『あらかじめ失われた恋人たちよ』(14)
ナヲナノレ(16)
記憶はひとの身体に間借りして(18)
後ろからやってくる(23)
夢は誰がみているか(25)
第一回金魚部秘宝展極秘開催(26)
図書券の使いかた(27)
閉店間近に耳ダンボ(31)


2001年 02月
窒息おかえりのすけ(01)
恐縮は笑い飛ばす(04)
他人様の土俵で燦然と輝いてしまうNIKE(07)
ダダな漢字(12)
へん平時代(15)
雨の筋に傘は目盛る(18)
『シュリ』(20)
タエコ・リズム(22)
NONでシールを貼ってもらおう!(23)
プロ紙に敬意を表した本(25)
ウリポな文学者の皆様へ(26)
万能web出版(28)


2001年 01月
初詩集『心配の速度』(06)
4×4 = 8 vs 365-6=358(08)
図書館ホテル(10)
中村文庫(14)
発禁と戦い、秘められた名作を(19)
" BOOK BLESS YOU. "(24)
ダイヤル・ビーチへ行こう(31)


2000年 12月
缶詰文庫(01)
星の王子さまが観た星空(05)
砂時計のくび(14)
目論書本(18)
新聞折本プロジェクト(20)
金魚部に西洋の旦那が(22)
環太平洋的に詩集(27)


2000年 11月
『グロリア』(02)
同級生が有名人になってしまった場合の卒業文集(03)
真空凍結乾燥機を入れてくれ(05)
がっくり(06)
カンガルーとおやじ(12)
吹き出し、開放(13)
銀杏書房(16)
『ラテンアメリカ光と影の詩』(20)
いかに多くの「思わずできたもの」(22)
おかえりのすけ事件(23)
「いんちき」とは何かを『桂離宮』に識る(24)
なかったことに(26)


2000年 10月
度忘れの度合い(31)
『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』(28)
本の系統樹(23)
「もいました。」(22)
『馬的思考』、一冊置いとくヨ(21)
疲れた筒(20)
分別快楽(18)
プラスチック部(12)
『ガタカ』(11)
『キカ』(03)


2000年 9月
はみだす飛び出し絵本(25)
文庫本をローンで買いたい(20)
めくるめく書籍目録の誘惑 (19)
『ポール・ボウルズの告白』(14)
みんな平らになりたい (13)
『ひかりのまち』(08)
9月1日はパタフィジックに(01)


2000年 8月
虚言僻を伴う脳の病気の後遺症の証拠(08)
あなたの信頼に背くわたし宣言(11)
「シツレイ」の効果(16)
『モジュレーション』(17)
bookmark 4とbook bar 4 (20)
@(24)


2000年 7月
目玉に食塩水を~(04)
「今日」あたし、ダメかも。(05)
些細な気まずさの克服(09)
" code " のバッグ(15)
電気スタンドマン(18)
地図通りだ!(30)


2000年 6月
共感しなくちゃいけない脅迫(03)
期待のかたち(05)
「頭痛いので休みます」(06)
人サマのリサイクルをする葬儀やのバイオ度(12)
バービーの脚が指に(15)
ゴダール『映画史』(16)
合理的なプロレタリヤ医学(21)
『ミラクル・ペティント』(26)
『フルスタリョフ、車を!』(29)


2000年 5月
TOTOの味噌汁(15)
『エグジスタンズ』(24)
『棺桶の中で宙返り』(28)
『足にさわった女』(29)


2000年 4月
万年青春映画の恐怖(05)
死因を調べてもらう料金(07)
凸=H2cm、 20×20でいこう(20)


2000年 3月
『スリーピー・ホロウ』(07)
さぶいぼセンテンス(10)
実感のリロード(16)
セルフ・パブ『共生虫』(28)
『ストレイト・ストーリー』(30)


2000年 2月
生まれ変わったらmusicianになる(13)
泡の中身(15)
人が言わないことを否定する(16)
plastic book(21)
接続語の「ぶっちゃけた話」(23)





2000年7月

2000.07.30■地図通りだ!
初めて飛行機の窓から地上を見たときや、例えば男鹿半島の高台からそのくびれを見たとき「地図通りだ!」と感動したひとは多いんじゃないか。私は今も、地図を見て「いいねぇ行ってみたいねぇ」地点を探し、その現場を歩いて地図通りの地形を確認する観光がおもしろいなぁと思っている。
犬吠埼から長崎鼻へ。
波、強風、熱射。しかし尖端まで行かずにはいれないのでビールを飲んで勢いをつける。そう、ここは、南と北にばっちり向かい合うところ。さきっぽの、そのさきっぽの岩にくだける波を見ながら、地図で見る境界はこのどこの部分なのかと思って立ちすくむ。
荒波に打ち寄せられた溶岩の破片がまん丸で、遭難者の慰霊碑は風に乱れる。スケッチに訪れる客を泊めるホテルのそばでは、そこに淡々と暮らす「地」の家族が、ビニールプールと水道水シャワーで遊ぶ。私達は食事をする時間もなく帰路に着くが、あの地図の一角のためにくたくたになった肌と足の実感で満喫感にみちみちてしまい、檜のティーバスでいい気分になる。


2000.07.27■「その音」を聴くヒトが造るモノ
水上勉氏が、パソコンについて聞かれて言ったこと。
「道具という言葉は、道にそなわるということで言い得て妙だ。木も草も道具も、それぞれの音を平等に持っていると考える。音があるということはぬくもりがあるということ。パソコンも音を持つ。新しい音である。幸福とは言えないかもしれないが、やはり何か響き合うものがある。その音に耳を傾けることが大切だ。」
パソコンについて、過剰な拒絶は不思議。石やハサミの延長で、わたしたちが便利を追求して創意工夫をして造ってしまったかわいい道具は、使って使ってその方向性の舵をとっていくのは当然だろう。
ルリユールというニンゲンが担う技術も、たくさんの素材がそれぞれ持つ良さに耳を傾けることで成り立つ作業だ。われらが製本のオヤカタこと栃折久美子氏も、いつだってその時代の道具の音を聞いてきたひとり。例えば編み針を手にした約40年前なら、あっと言う間にこんな具合。「その」音を、聴け。
2000.07.26■腹をわった蝉の前を抜き足差し足。
今夜うちの西側の窓の網戸に、せみがとまっていた。遠くで聞こえる花火の音を探ってぐるぐる回ってて見つけた。ところで以心伝心というのを美徳と考えますか?私は全然そう思わないのでせみにはせみっぽくとりあえず声をかける。
(ミンミンか?ジージーか?)と一瞬たじろぐが、あまりにもオープンに腹をみせて眠っているその脳天気さに、ウウ思いやりの以心伝心!で見守ってしまう。が、(明日の朝までそこにいろヨ)と、あっという間にやっぱり以心伝心なんてあり得ないことを体現して抜き足差し足。気侭の折り合い。
蝉といえば空蝉(?)、空蝉といえば空中線書局(?)、というように気侭に折り合って「come on a booky! 」で紹介してきた空中線書局さんをまとめてアップしたので御覧あれ。触りたくなるよ。
2000.07.25■まずさ調整
キューサイの「まずい!」青汁は、無農薬のケール100%がうたいもんくであったが、昨年は不作だったので、こっそり215tもキャベツを替わりに使っていたらしい。いったいその間、苦味はどうしていたのか?なにしろまずいことが一つの売りだから、それをないがしろにするわけにはいかない。「こんなもんか?」「いやいやもうちょっと」などと、うまい具合にブレンドして会議で検討しながら調整したんでしょう。
じゃぁいったいスタンドで「くぃ〜まずい!!」って一気飲みしていたひとたちは気付かなかったのか?ということだが、300円のハンバーガーが500円になったら怒るが、逆の場合は品質を疑う前に喜ぶのに似て、おいしいものがまずくなるとすぐ文句言うが、まずいものがおいしくなっても気付きにくいだろうなぁ。
2000.07.21■「もりもりむきむき」では表現しきれないのだ
志の輔さんの月例公演を聞いた、楽しかった、笑った笑った。その幕間(という表現が適切かどうかわからないが)に、ラジオアナウンサーが読む当日のニュースに合わせながら踊る(ジェスチャーパフォーマンスとでも呼ぶのかな)ノブさん(だったと思う)というひとがまためちゃくちゃおもしろくて涙なみだであったのだ。
この日のニュースは、何度も速報で地震ねたが入るが、一応メインはサミットだ。クリントンが遅れたと言えば「くりん!」ところげる風、ブレアがしゃべったと言えばぶるぶるっと「ぶれる」風、で、森がどうしたと言えばなぜか「阿呆ズラをしばし」という具合(全て敬称略)。彼の芸風からすれば、もり、とくればもりもりムキムキマンみたいなジェスチャーがあっておかしくないのに、そうではなく、またそうでないことが爆笑を生むという、皮肉なようなぜんぜん皮肉でない素直な現実に素直に笑った暑い一夜。
2000.07.18■電気スタンドマン
通産省電子技術総合研究所と富士電機などメーカー10社共同で、柔らかい太陽電池シートを開発した。晴れの日に衣類に縫い付けて外を歩けば携帯電話やらなんやらの充電に使えるというわけ。
さあ晴れたら歩け歩け。どんどん溜めて電気スタンドマンになるのだ。奥さん、お安くしておきますワヨ。
2000.07.17■スペィシーなボンド
木工用ボンドといえば黄色に赤のキャップのあれ、っていうのが日本での相場じゃないだろうか。これはコニシ株式会社というところがつくっており、あくまでカタカナの「ボンド」で登録商標らしいことを初めて知る、失礼しました。
広告によると、1953年に「冷たいニカワ」として大ブレイク。そして1957(昭和32)年、日本初の家庭向け木工用ボンド誕生。この年はソ連が世界初の人工衛星打ち上げに成功しており、世はなにしろ宇宙ブーム。スペィシーなデザインがいろいろ出たわけだが、このときのボンドのパッケージもまたまたスペィシーでかっこよいよい。ラグビーボールをシャープにした、みたいな。これ、リバイバルしたら買う、よく使うし。
2000.07.16■双眼鏡をちょうだい
うちはひさしが稼動式なので、それを閉じれば窓際に寝転んで夜空を眺めることができる。今晩の皆既月食は、後半をうつうつぼんやりだらだらと、しかし光り輝く瞬間は偶然にもしっかりと立ち会うことができた。寝転ぶ位置を少しづつずらしながら、弱い視力を苦心しながら、「今動いているのはいったい誰?」と視界の全てに問う。
手軽な双眼鏡があればいいなぁ。いつかCSの通販でいいやつが安く出ていたが「なんと!このたびは大サービスで......」星座早見表とねころびハンモックがくっついてくるという。聞けばこの手のものはなんでもそうなのね。押入用引き出しを2つ欲しいと思っているのに「なんと!このたびの大サービスで」同じ値段であと2個ついてくる。
こういうことをサービスと言い、こういうことが買い物のモチベーションとなり、こういう無駄を含んだ消費が拡大することで廃棄や買い換えでさらに何十にも倍増するのだ!!ってのが誰かのどこかの高尚な理論ナノですか?
お父さん、昔からちっちゃな双眼鏡があってよく交互に覗いたネ。家を出るとき革の入れ物だけこっそり持ち出してしまったけど、あの中身はいつか私に頂戴。それまで双眼鏡はいらない。
2000.07.15■" code " のバッグは擦り切れるまでぐるぐる回る
坂本龍一、後藤繁雄らがやっているcodeの季刊誌『unfinished』創刊号が届く(詳しくは code へ)。codeは会員制で本は宅急便で届くが、通販用の赤のマジックテープがかわいいキャンバスバッグに入ってくる。受け取ったらその場で中身を出し、着払い伝票がついているのでそれと一緒に袋を宅急便屋さんに渡す。一回の配送につき本の送料(500円)は注文者が、袋の返送料はcodeが負担し、このバッグは破損するまでこうしてcodeからの宅配用に使われることになる。
手間と梱包材が無駄とは思っても、宅急便の梱包はどうしても過剰になるもんだ。 code と佐川急便の提携がキャンバスバッグの方法を生んだらしいが、面倒なことだったに違いない。今度その選択を支えていくのは読者だ。そしてさらに良い方法、良い紙面が生まれてくるだろう。係わり合う全ての人の思いが、その商品の価値(値段)を決めていく当たり前の姿が浮かびあがる。
2000.07.11■おててをつなぐ
金正日総書記が、在米韓国系ジャーナリストの文明子氏のインタビューにこたえた、という記事に、ふたりが仲良く手をつないで出てきた写真が載っていた。それぞれの文化の違いで挨拶の仕方が違うように、手を繋ぐということの持つ意味も異なるとは思いつつ、ゴメンネ金さん文さん、どうもとっちゃんボーヤがお姉ちゃんとおててつないで仲良しこよしに見えて可笑しかった。
ところで私達日本人はなんの疑問ももたずに、「おててつないで」と口ずさみ、それは例えば二人が手をつなぐから「お手手」でしょと思う。でも「お手、洗った?」とか「お目、痛いの?」ではなく「おてて、洗った?」や「おめめ、痛いの?」というふうに使うことを考えると、「おててつないで」は一人で右手と左手をつなぐ状態をさす幼児語としても認められていいような気もする。
2000.07.09 ■些細な気まずさの克服
高輪台駅で地下鉄を降りると、前につえをついてホームでぐるぐる回っているひとがいる。行く先を、見失ったらしい。地下鉄を降りた私には、そのひともたぶん降りて改札への道行きを探しているんだと思った。
そのとき彼は、今にも動き出そうとしている地下鉄に近付く。危ない!と腕をとる。たぶん中年のそのひとの二の腕は、驚くほどやわらかくすべすべしている。が、すかさず彼は閉まりそうなドアの中に入っていく......そうか、探していたのは乗り口だったんだ......。おせっかいでよけいな危険をよびこんだ私は、気まずく階段をのぼる。
様々な、危険おせっかい優しさの全てを覚悟して街に出る彼らに比べたら、私たちは驚くほどささいなことをいろいろ気にし、しかもそのほとんどが思い込みによっていることにハッとして、気まずいと感じたときの誰かの視線が実は誰でもないことを確認してさっぱりと表に出た。梅雨の中休みはいじょ〜〜〜に暑い。ここでミ〜〜〜ンミンとか鳴いててくれればふっきれるのも早いのに。ありがとう、蝉、今年もがんがん鳴いてくれ。
2000.07.06■ 一日の始まりは希望に満ち満ち・・・
昨日の感想文を読んで笑ってしまった。私は「一日の始まりは、爽やかでなければならない」というドグマにとっぷりつかっているらしい。 これは小学生のころ夏休みに毎朝ラジオ体操にでかけ、「新しい朝がきた、希望の朝〜だ」と6年間歌い続けたせいだと思う。
一日の始まりは朝でなくてもい〜じゃないかと言っていながら、一日の始まりは希望にみたされていなければならない!従って、気分がどんよりから爽やかに切り替わるような感じがする15時ころを一日のはじまりにしょう、という、中途半端な発想によるものであったのでありました。失礼。
2000.07.05 ■「今日」あたし、ダメかも。
7時半に目覚ましが鳴り、8時半にはシャワーを浴びる。という平日モードが今朝も回転しはじめたのに、なんと湯沸かしのガスのスイッチがはいらない......そう、故障である。それだけなのにめちゃくちゃ腹がたつ。すごく忙しい感じになってすごい不潔な感じになって、勝手に苛立って(今日は一日、ダメかも......)がよぎる。そのとおり、今日は一日、なんてことないことがなんてこといかないダメな日だった。
起きたら一日が始まるというのは間違いだ。別にそこで区切ることはない。私の場合は15時くらいがメンタルオハヨーコール鳴り鳴りタイムだ。今はもう、「ダメかもしれない今日」ではないので爽やかな夜だよ、イライラしてごめんね。
2000.07.04■目玉に食塩水をいれて太陽電池のチップいれて空気いれて。
イリノイ州の医師たちが30日、色素性網膜炎のためにほぼ失明状態にある3人の患者に、シリコン・マイクロチップを移植することに成功。このチップは、光を電気的パルスに変換する約3500のちぃ〜ちゃな太陽電池が含まれていて、それが、損傷した光受容体に代わって機能する、というもの。
手術の手順をかいつまむと。
まず眼の白い部分に穴を開け、そこから眼の中心部にある粘性物質を吸い込んで除去して代わりに食塩水を注入する。次に、網膜に超微細な開口部を開 け、液体を注入して眼の裏側から網膜の 一部分を持ち上げてチッ プを取り付ける空間を作る。チップを入れたら、その上の網膜を閉じ、眼の中心部に空気を注入して、網膜を人工シリコン網膜の表面に密着させて切開部分を閉じる。空気の泡は再吸収され、1〜2日以内に眼の中で作られる液体がこれに取って代わることになる......って。
専門家にはどってことない記述なんだろうが、素人にはミラクル×ポエティック
2000.07.03■雨宿りしていた雫が落ちる
ものすごい豪雨と雷でした。ガーッのゴーッのピカピカダダダのガガガのザーッの。出かける用事さえなければ雨を見ているのは楽しい。 雨上がりはいろんな匂いがほわぁ〜と浮き上がってくる。そして葉っぱからは雨宿りしていた雫がぽたぽた落ちて、また次の循環のために土に潜っていく。
関富士子さんの個人詩誌 " rain tree " の合本をアップしたので見てね。関さんが落とす雫を目撃して、それを綴じる悦楽作業。