月別履歴(タイトル抜粋)

2002年 10月
2002年 09月
2002年 08月
2002年 07月
2002年 06月
2002年 05月
2002年 04月
2002年 03月
この本は私に会うために(1)
律儀(3)
なんちゃって矢印(6)
ピンクの肋を解体します(10)
世田谷区立下馬幼稚園(17)
「路程」は写っていなかったのか?!(19)
『落ち穂拾い』(22)
フラジャイルに「千夜千冊」の1/2(26)
実はワカメさん(29)

2002年 02月
スタイルの速度。音/映像/文字(1)
0020202の本棚(2)
『オードリーとフランソワーズ』(4)
『紙魚の手帳』12号(7)
東京駅。どっち側に降りて本屋に行くか(9)
本のことなら憶えてるが...(12)
行方不明新聞折本公開捜査(13)
佐伯俊男(14)
『ユビュ王』にくそったれ!ってそのまんまな...(16)
その穴のさきにあるもの(17)
家庭の医学と専門書の断絶を埋めるもの(20)
ジャリなら自転車こぎこぎ冷し中華を(21)
図書館のちょっと無理矢理(26)
送料に限って言えば(27)
月が最近(28)


2002年 01月
あけましておめでとうございます(1)
腹ぺこタイシ(4)
ランクアップした二百円のおみくじ(7)
方角が悪いんです(12)
カタログに載るモノ(20)
お、い〜ぞ〜(21)
冬もボサノヴァ(23)
ぽんぽこたぬき工作(26)
図書館はうるさいのだった(27)
『ナージャの村』(31)

2001年 12月
皆やさしくってヨ(1)
『寄席の脚光』(4)
無理して本屋でバイトすな(5)
大踏切書店でイッパイ(8)
いらないものばっかり残るのよ(13)
ママゴトやっといてよかった(17)
sold out 通知(22)
「2001年宇宙一瞬旅」(25)
不吉な夢もなんのその(26)

2001年 11月
愛犬は0.5(4)
自分で勝手に無理してグチる茶番(5)
どこのどいつ(6)
ひとの書棚を覗くのは楽し(9)
「広告としてのイラスト」(11)
かき×かぼす=マンゴ(13)
どこで区切って無駄と言う?(15)
「学校どこ?」(16)
岡ノ上鳥男様 田辺茂一(20)
おかえりのスケ本登場(26)
webで本をめくりたいひとはいないでしょう(30)

2001年 10月
bookbar4楽天ブックス開店(01)
鉄の扉「絶版」で幽閉された本の脱獄幇助(02)
本コ子雑誌、即物的体験を池袋リブロで(05)
おれなら桜を植えに行く(08)
眼の日は啓祐堂で眼のコヤシをいただく(10)
ライブ辞書を作るゾ(15)
新聞折本第八号(17)
製本-花ぎれの固定(18)
NONを見よう(19)
実感トハ恥ナリ(20)
透明酒は...(21)
となりの客はよく肉食う客だ(22)
わたらせ渓谷(27)


2001年 09月
意の外(01)
これを読んだら呪ワレル(03)
葉書文庫本(04)
均一つながりの本と新聞(05)
広辞苑、外に連れ出し運動(08)
平まどかのベルギー製本留学記(09)
コソコソするのはなぜ(17)
グリコのポーズ、やってみて(18)
それ、名前なんですけど...(19)
あどべんちゃブラリ(25)
オノ・ヨーコと朝日新聞(26)
温寿司(28)
まじ秋(30)


2001年 08月
横顔ばっかの金魚(03)
『チェブラーシカ』(04)
クモの糸をどう使うか(09)
人工雨、日本編(11)
空中金魚(13)
防ぐのが礼儀(14)
炭化菜種降りしきる花火大会(18)
屋久島の森に(28)
宇宙人と妖怪(30)


2001年 07月
くだらナイ→すまナイ(02)
やっと処分したっていうのに(03)
「ドキドキ」を見て体の頼りなさを (05 )
観本旅行(06)
おでかけには「じろう」を(1)
『ラッチョ・ドローム』(12)
いってきますじろう問題(15)
これは本なのですか(16)
「本は傷んだら修理すればいい」(17)
「うまい」か「おいしい」か(19)
エーッ○エーッ○エッ○ホイ○ッ○(23)
新聞折本第三号(25)
ネコとシャクシとキミと(26)
自由カラは逃走できない不自由(29)
夏はこれからだってば(30)


2001年 06月
ダダ書房店主に惚れる(04)
日焼けサロンじゃあるまいし(07)
製本アトリエ記11 (08 )
図書館には何を探しに行くか(10)
『ミリオンダラー・ホテル』(13)
人間を本に変える銃(14)
スクラップ帳をスクラップ(16)
死を待たずにとる魚拓が失うもの(17)
辞書である前に本でもある(20)
さくらんぼの味(24)
ああやっぱジンセイって(27)
金魚部第二回秘宝展(28)
図書館オチの古本(30)


2001年 05月
SPACE ODYSSEY(06)
新入部員は銀魚(09)
製本アトリエ記10 (10 )
「本コ」誌第一期終了につき(15)
never 金魚(16)
日に月に媚びず。(19)
ベストセラーがバカバカしくなっちゃって(20)
新聞を3回折って本にする(21)
『地獄の黙示録』(24)
新聞本の祖父は「くそ」と詩をかく(26)
「言葉はサーファー」説(27)
ナはテイをアラワスか(28)
祝いの席には花火か蜘蛛か(31)


2001年 04月
言いそびれ(04)
宅配から机配へ(06)
金魚部、無念(07)
一般市民ですけど(12)
書肆啓祐堂誌「黄金の馬車」(16)
切手詰め本(18)
「五点支え法」実験装置(19)
東京国際ブックフェア2001(21)
花ぎれ、できた(23)
おかえりのすけ事件2(24)
『ツバル』 (25)
探し選び奪う退屈(28)
ぶらりの卒業(30)


2001年 03月
カフェでふと(01)
日記の積み重ね(06)
忘れてはならない直感。(10)
「荒俣まぼろし堂」最終目録(11)
『キャラバン』(13)
『あらかじめ失われた恋人たちよ』(14)
ナヲナノレ(16)
記憶はひとの身体に間借りして(18)
後ろからやってくる(23)
夢は誰がみているか(25)
第一回金魚部秘宝展極秘開催(26)
図書券の使いかた(27)
閉店間近に耳ダンボ(31)


2001年 02月
窒息おかえりのすけ(01)
恐縮は笑い飛ばす(04)
他人様の土俵で燦然と輝いてしまうNIKE(07)
ダダな漢字(12)
へん平時代(15)
雨の筋に傘は目盛る(18)
『シュリ』(20)
タエコ・リズム(22)
NONでシールを貼ってもらおう!(23)
プロ紙に敬意を表した本(25)
ウリポな文学者の皆様へ(26)
万能web出版(28)


2001年 01月
初詩集『心配の速度』(06)
4×4 = 8 vs 365-6=358(08)
図書館ホテル(10)
中村文庫(14)
発禁と戦い、秘められた名作を(19)
" BOOK BLESS YOU. "(24)
ダイヤル・ビーチへ行こう(31)


2000年 12月
缶詰文庫(01)
星の王子さまが観た星空(05)
砂時計のくび(14)
目論書本(18)
新聞折本プロジェクト(20)
金魚部に西洋の旦那が(22)
環太平洋的に詩集(27)


2000年 11月
『グロリア』(02)
同級生が有名人になってしまった場合の卒業文集(03)
真空凍結乾燥機を入れてくれ(05)
がっくり(06)
カンガルーとおやじ(12)
吹き出し、開放(13)
銀杏書房(16)
『ラテンアメリカ光と影の詩』(20)
いかに多くの「思わずできたもの」(22)
おかえりのすけ事件(23)
「いんちき」とは何かを『桂離宮』に識る(24)
なかったことに(26)


2000年 10月
度忘れの度合い(31)
『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』(28)
本の系統樹(23)
「もいました。」(22)
『馬的思考』、一冊置いとくヨ(21)
疲れた筒(20)
分別快楽(18)
プラスチック部(12)
『ガタカ』(11)
『キカ』(03)


2000年 9月
はみだす飛び出し絵本(25)
文庫本をローンで買いたい(20)
めくるめく書籍目録の誘惑 (19)
『ポール・ボウルズの告白』(14)
みんな平らになりたい (13)
『ひかりのまち』(08)
9月1日はパタフィジックに(01)


2000年 8月
虚言僻を伴う脳の病気の後遺症の証拠(08)
あなたの信頼に背くわたし宣言(11)
「シツレイ」の効果(16)
『モジュレーション』(17)
bookmark 4とbook bar 4 (20)
@(24)


2000年 7月
目玉に食塩水を~(04)
「今日」あたし、ダメかも。(05)
些細な気まずさの克服(09)
" code " のバッグ(15)
電気スタンドマン(18)
地図通りだ!(30)


2000年 6月
共感しなくちゃいけない脅迫(03)
期待のかたち(05)
「頭痛いので休みます」(06)
人サマのリサイクルをする葬儀やのバイオ度(12)
バービーの脚が指に(15)
ゴダール『映画史』(16)
合理的なプロレタリヤ医学(21)
『ミラクル・ペティント』(26)
『フルスタリョフ、車を!』(29)


2000年 5月
TOTOの味噌汁(15)
『エグジスタンズ』(24)
『棺桶の中で宙返り』(28)
『足にさわった女』(29)


2000年 4月
万年青春映画の恐怖(05)
死因を調べてもらう料金(07)
凸=H2cm、 20×20でいこう(20)


2000年 3月
『スリーピー・ホロウ』(07)
さぶいぼセンテンス(10)
実感のリロード(16)
セルフ・パブ『共生虫』(28)
『ストレイト・ストーリー』(30)


2000年 2月
生まれ変わったらmusicianになる(13)
泡の中身(15)
人が言わないことを否定する(16)
plastic book(21)
接続語の「ぶっちゃけた話」(23)





2000年9月

2000.09.29 ■クリーニングの日
今日は「929」でクリーニングの日なんだそうだ、まあ許そう。ドライクリーニング法はフランスの染色屋のお手伝いさんがこぼしたランプの蒸留油がテーブルクロスを脱色したことをヒントに偶然うまれたんだそうだ。そういえば数年前に観た『ドライ・クリーニング』はフランス映画で、田舎のクリーニング店に居候する青年が店のオーナー夫婦とそれぞれイケナイ関係をもってしまうというものだった。その奥さんがミュウミュウだった。ミュウミュウといえば『バルスーズ』がよかったけど『読書する女』もよかったなぁ。


2000.09.28 ■公衆電話の時間切れ「ぶー」音に郷愁を感じるかどうかの踏み台
躁鬱で何度めかの入院をしている友人がまた病院から電話してくる。毎度のことで極端な話ばかりをくり返す。こっちは極めて普段の話をするが、どうせ聞いちゃいないから会話にならない。一方的に100円分語られて、薬で口がまわらないとか言ってレロレロ、ぶっとんだ話を聞かされて、だけど私はなにもできないし、それでもヤツにとっては電話することがなにかの気休めになるんだろうかとか、考えてもしょうがないことを考えてしまう。
昔は本の話もよくした。だいたい反対の読み方をした。『豊饒の海』とか言えば、当時の会話の思い出話がすぐさま始まる。今の話をしたがらない。昔話の次は未来の話。「おれにはマハラジャ王のような暮らしが待っている」と。そんなこと言われると「いいね〜招待してよ」ととっさに言ってしまう。気の効いたことを言えない単純さにあきれる。祈るしかない。電話につきあうしかない。そう言いながら、公衆電話の時間切れ「ぶー」音に郷愁を感じる最期の世代だったかも、と気付く。そういう場合ではないのに。

2000.09.27 ■古本屋の商品を揃えるために本を買うのではないけれど
古本を処分しようと古本屋に持ち込んでも、ほとんど買い取ってもらえない。読みながらついつい角を折ってしまうからだ。古本屋に売るために本を買うわけじゃないし、代わりに付箋を貼るってのもヤボいからまぁしょうがないね。
引き取ってちょーだいコール用の古本屋さんHPをしるしておきます。
ブックオフ宅本便センター〜集荷無料、状態の良いものじゃないとダメ。
ブックマート〜某チェーン店より平均3倍以上高価買取!がウリ。わたし的にはここのurlのつけかた(ブタマンne.jp/~ウー!)のほうが気になる。
たもかく〜本と森の交換がキャッチフレーズ。もっといろいろありマス。

2000.09.26 ■ほめられてウレシイ場合
風邪薬を買いに行く。定番の『麦門冬湯』と、眠くなっては困るので『デイタイム』と名付けられた総合かぜ薬にしてみる。実直そうな薬局のひとに、自分の症状を話して選んだ薬を見せる。「ああ、いいですねぇ。この秋の風邪にぴったりの組み合わせです!」
ほめられた。洋服屋でこんなことを言われた日には私は即退場するが、薬局でのおホメは高橋尚子ばりに素直に聞いてしまう。お兄さんはビタミン剤のサンプルを三つもつけてくれ、私は風邪の早期完治の予感でいっぱいになる。
2000.09.25 ■はみだす飛び出し絵本
日立製作所の15d広告。本が開いている。左は日本のレストランの写真、右はアメリカ(かな)の広大な農場の写真。開くと飛び出る絵本のしくみで、左からはレストランの支配人風の男、右からは農場経営者風の男が飛び出して握手している。遠く離れていてもヒタチのITサポートシステムが見事にお助けいたします、と。
問題は、この飛び出す絵本が不完全であることなのだ。この本を閉じると、二人のおじさんは見事に頭が飛び出てしまう。飛び出す絵本を使い古すと折が甘くなって閉じてもはみ出てしまうことがあって、これって結構不快、子供のときはただ悲しくなったもんだ。この広告、撮影用に現物を作ったのか合成なのかは知らないが、関係者はそのささやかな悲しみを知らないひとたちなんでしょうナ。はみ出るような仕事をしますというこの公言は完全アウト、でも日経掲載だからいいのか...。もっと絵本で遊びましょう、今年は子供読書年。

2000.09.24 ■同じ時代に生きて偶然に出会った人ばかり
風邪をひいてせっかくの休日がフイになる。そういえば毎年この時期に風邪ひくなぁと思う。体が身を呈して私に暦を教えてくれてるんだろう。
朝からオリンピックの女子マラソン。高橋尚子のことならなんでも聞いてクレ。彼女の一挙手一投足に周囲はいろんな意味を探すが、彼女にとっては自分の日常なのでなんてことない。そんな彼女の「今の時代に生きて監督と会えたことに感謝」という言葉に10年以上前のことを思い出す。
バイト先のおじさんだった。そのときすでに70歳位、若いシュウに囲まれてピアノを弾いたり酒を飲んだりの毎晩。「君たちと僕は同じ時代に生まれてきたんだ、さぁ一緒に喜びを!」こんなじぃさんと私が同じ時代にあるって?当時は馬鹿馬鹿しいと思って聞き流していた。
そういえば自分が知ってる人は皆、同じ時代に生きて偶然にも会った人たちばかりだもんね。過剰な意味付けは不要だけど、それぞれの一生の棒線が偶然にも接触したことには、手を合わせて向き合っていたい。昨日ここで書いた『ダイヤル4』という詩には、そうした響きも含んでいる。ほら今この瞬間も、もしかして共鳴、もしかして反発しておりまショウ?

2000.09.23 ■頭のなか以上の再現に(よかったね)と。
私は少し詩を書くが「人は誰でも詩人」の域だ。なにか気になるテーマが浮かぶと寝てもさめても頭のなかにうろうろ。その漠然としたイメージのところどころの文脈を文字にし、〆きりを目前にしてそれをどんどん削ってつじつま合わせしている次第。かのポール・ボウルズは『シェルタリング・スカイ』を撮ったベルトリッチに対して「映像でなんか頭のなかを表現できるわけがない」とバロウズを前に言い放ったケド。
詩の表現媒体として紙とは違うweb的なものを試している。今日アップした『ダイヤル4』は、実はもう4ヶ月もflashであれこれやっていたが、こうしたいという形があるものだからなかなか完成しなかった。限界を感じ『おかえりのすけ』の生みの親でもあるe~no氏に「こんなんであんなんで」と製作を頼む。しばらくしてこんな感じ?と返事。「.....!!!!」
まさにそんな感じ、いや、それ以上の感じがモニターに拡がっているではないか。
なんとイキイキと動き回る『ダイヤル4』。かたかた回るダイヤルに(よかったね)と声を掛ける。

2000.09.22 ■つかの間の埃なき静寂を
うちの近所の古本屋は行くたびに漫画が侵食してくる。しょうがないのは承知だが、こっちは逆にだんだん足が遠のいてしまった。久しぶりにのぞいたら、いつのまにか建て替えをしてすっかりきれいに広くなっている。半分以上は漫画だがそれでもあるじ好みの本の場所もしっかり確保されていて、机の上にはノートパソコンも。
買い取った本の一時保管場所も別に確保したらしく、以前ならそこかしこに山と積まれていた本はなくて、真っ白な壁も見えている。スピーカーも替えて今夜は清原のホームランの音が響いている。あるじは整髪ばっちり、グレイのポロシャツで一心に画面を覗き込む。さああるじよ、つかのまの埃なき静寂を楽しみタマエ、またたびたび立ち寄らせていただくとしよう。

2000.09.20 ■文庫本をローンで買いたいと申し出るようなヒトのレベルは何か
日本興銀、第一勧銀、富士銀のみずほファイナンシャルグループが中心になって設立するインターネットの仮想商店街『エムタウン』が12月からスタートするが、書店としては岩波書店と角川書店が出資。これまでもいろんなバーチャルモールが登場したが、ここの特徴は(1)金融と物販の融合によってモール内の代金即時決済ができる専門取扱い支店を作ること(2)買い物をしたときにそこでローン審査やときによっては融資審査を受けられることらしい。
そうね、決済が楽そうだから岩波文庫や角川文庫はここで買おっか、せっかくだからローンでも申し込んでみる?でもそんなことしたらエムタウンによる人物評価レベル「Fー」とかつけられて、それに見合った広告操作されて、いつのまにかすっかり身ぐるみエフマイナス的人間になってしまわないように注意しよーね。

2000.09.19 ■めくるめく書籍目録の誘惑
子供の頃、大きな図書館や本屋に行くとどきどきしてトイレに行きたくなった。少し大きくなって古本屋街を歩き始めた頃もやっぱりどきどきしてすぐ喫茶店に入った。もうちょっと大きくなって国内外の新刊や古書の目録を見るようになると、やっぱりどきどきしてトイレに駆け込んだ。トイレに入ったってそうそうたいそうなものは出てこないけどね。
リブリアリテさんから目録『FDE(エフデ)』をいただく。フルクサス、戦後の前衛美術と関係評論、展覧会図録、神原泰氏、山名文夫氏関係がずらり、二つ折りで定型封筒にぴったり入るきれいな黄色の洋紙に並ぶ。通しナンバー/書名/押さえのきいた紹介/サラリと並ぶ4〜5桁の数字。封筒はこれまたきれいな青、端正なオーダーシートや宛名シールもあいまって、書籍目録を丹念にめくるドツボな喜びをさらに増長させてしまう...。これからも楽しみにしてマス。
関係分野に興味のあるかたは是非チェックされたし。ホームページも充実しているが、やっぱり目録を延々めくりながら頭ダンボで時々トイレの快感は、また別ものではないダロか。
ちなみにリブリアルテさんは、本好きに大きな話題をもたらした『SD』2000年8月号の本の特集を監修された金澤さんが主宰。この内容についてはまた後日。

2000.09.18 ■本のすみわけが進む
吉本興業とネット通販の本屋さんがオンデマンド出版を12月から始め「よしもとインディーズ・ブックス!」というHPで注文を受けるそうだ。「新進作家の小説や研究者の専門分野の著作を扱う」というが「第一弾は大脳生理学の大島清氏と料理研究家の辻義一氏」という、どこがインディーズ?
くだらないけど売れてしまうタレント本はわざわざ出版社に儲けさせないでこういうところでがんがん売られていくんじゃないだろうか。失言暴言、撤回訂正、回収差換え、反論出版、臨機応変迅速対応...ぐるぐるドロドロ.....芸能レポーターという職業のかたが何人いるのかわからないがその数だけは最低部数確実に売れるだろうし、なにより興味のないひとの目につきにくくなるとするなら、それはとてもよろしいですナ。

2000.09.17 ■虹のところまで
ぽったりとしたかわいい本棚が出来て御機嫌、小雨のすきにベランダで休憩していたら東の空に大きな虹が。ここからでは右半分しか見えないので、マンションの一番東の廊下まで行って全体をみる。
小学生のときにこんなはなしがあった。「虹が出ました、虹のところまでみんなで行ってみることにしました、しかしどんなに走ってもたどりつきません....」この話の最後はどうだったんだっけカナと考えながら、電気グルーブの『虹』を聞き、3年前のどしゃぶりの " rainbow2000 " を思い出して瑞々しい地球に感謝しつつ、名古屋の友人の洪水日記を読み、乾かない洗濯物をアイロンで強制乾燥させ、はみ出てしまう本の取捨選択をしてビニールでくるみ、明朝のゴミ捨ての準備を万端にする。

2000.09.15 製本アトリエ記(02)フィセル仮止め++レベル16++やりなおし編
実はこの作業は、この製本法が「パッセ・カルトン」と呼ばれるゆえんの大切な作業。本文をかがったときに一緒にまきこんだフィセルと呼んでいる麻ひもを、表紙にする厚紙(カルトン)にくっつける(パッセ)のだ。
かがって左右にはみ出たフィセルは5cmくらいに切ってあるので、その端をノリで固める。表紙の土台になる厚紙にはフィセルを差し込む穴を開けておく。フィセルのノリが乾いたら差し込みやすいように斜めにカットし、フィセルの根元を水で濡らしてぼさぼさをまとめ、あらかじめ開けておいた穴に差し込みながらフィセルの水分が厚紙にうつって膨らんだところをかなづちでキンキンのがんがんにたたいて平らにするーという一連の作業で、フィセルを表紙厚紙にしっかり密着させるのだ。いったん乾かし、様子をみて再度たたいて平らにし、フィセルを固めたノリを、りかちゃん人形の髪をとかすようにほぐしてふさふさにする。子供時代の遊びの感覚が思わぬところで発揮されて喜ぶ(ただしこれはまだ仮止め)。

この作業のキンキンがんがんいう音は、定盤のうえで金づちを使うことによる。アトリエの人は皆その過程を知っているからなにも文句はいわないが、知らないひとが聞いたら驚く。知っていたり思いが及べばなんだって我慢できる。騒音とはなにか!を考える社会の現場でもあるのダ。

2000.09.14 ■『ポール・ボウルズの告白ーシェルタリング・スカイを書いた男ー』
監督/ジェニファー・バイチウォル 1999(原題 Let It Come Down The Life of Paul Bowls)

詳しくは配給のアップリンックのページをご覧いただくとして。
ボウルズの異邦人ぶりは憧れや非難の的。彼自身はそうして距離をおかれることでできた一人の時間を、全て耳を澄ますことに費やして楽しんできたんだろう。

モロッコの方言で話す語りべに12年ぶりに会って聞く話を、ボウルズが翻訳するシーンが出てくる。「翻訳するときは何も考えなくていいが、その声を良く聞いて語り手の思いをつかまなければならない」とボウルズは言う。また、恋人であった画家ヤクービは一作描き終えるごとにその前で、音を魂を吹き込むために10分間フルートを吹く逸話を話す。「気に入ったね」と笑う。あるいは『シェルタリング・スカイ』のなかには、上掛けがずれた黒人の青年の躰を見つめるシーンがでてくる。「それは美しくて、まるで子供だ」
小説は全て推理小説である、とも言う。こうして耳を澄まして生活の全ての推理を楽しむボウルズの姿は、あまりに羨ましすぎて、変人と呼んで遠ざけたくなるのかもしれない。

ベルトリッチの『シェルタリング・スカイ』にも触れて「あれは早くローマに帰りたかったんだろ。ラストが最悪」とバロウズに話し、「映像でなんか頭のなかを表現できるわけがないよ」とも。
あるいは自分のセックスについてあまり語らないことをバロウズに指摘されると「なんでもかんでも表現することはないんだ、そう教えられてきた」と答える。そんなことは非難されることじゃないし、特別になにか理由があってそうしているわけでもない。物足りなくてもっと語ってほしいと思うなら、それを人に望まずに自分で想像すればいいじゃないか、といわんばかり。

ラストシーンは、語り終えて視線を落とし、インタビュアーに終わりを促す感じで瞳をあげる。どう?もういいだろ、あとは勝手に推理してくれよ、そのほうが、きっとおもしろい。

2000.09.13 ■みんな平らになりたい
なぜか昨日は名古屋の友人から早朝電話で起こされ、すっかり目がさめてしまったので新聞を見ると名古屋が記録的な洪水にみまわれている(電話の用件は洪水とは全く関係なし)。朝日の天声人語の話題は雨、だがなんと最後は「アメアメフレフレ母さんガァ〜」で締められている。原稿締め切りが何時なのかわからないが、それにしても最悪のタイミング.....。今朝の天声人語には早速昨日のおわびが。
今朝の日経には一面に小さく「ビル、元気。」の広告。(ビル・ゲイツの音にかけてるんだろう)くらいに思って企業詳細を見ると名古屋のビルメンテナンスの会社。そうです、名古屋のビルディングは「元気?」なんて気軽に話し掛けられてる場合じゃないっていうのに、そもそもこの中区の会社こそ元気に仕事ができる状態なんだろうか。
私のすまいは川崎だが、今もたまに硫黄の匂いがしてくる、三宅島から。私達がいつも横になって休みたいように、山も海も、みんな平らになりたい。

2000.09.12 ■好みのオンライン・ブック・サービスに自分の外商担当を持つ
アマゾン・ドット・コムが日本進出を年内にくりあげた。仕入れは大阪屋に決めたらしい。競合サイトとしてはブックワンBOL.japanがあげられるだろう。BOLはスティーブン・キングの新作『ライデイング・ザ・ブレット』の独占販売を目玉にスタートしたばかりだが、その目玉以外は記事の書き方や構成が既存のwebmagazineに似ていたりしてオリジナリティや本に対する思いが匂ってこない。そういえば、BOL全体のトップページには各国のBOLへのバナーがあるが、日本だけ「JAPAN 日本」ってなってんの。
bk1はコラムや特集が充実している。9月オープンの電子文庫パブリについても連載しており、関係書籍案内のフォローも確実。私はまだどちらからも買ったことがないので実際の使い勝手についてはまだ何とも言えないが今のところ断然bk1に軍配。本が好きなスタッフが集まっている感じが伝わるから、これが一般のポータルサイト化して散漫にならないことを強く望みます。送料&代引手数料無料キャンペーンは今月いっぱいで終了ですヨ。
消費者としてはそれぞれが自分の好みのサイトを一つキープし、いわゆる「myBOL」や「mybk1」を入り口にしていくことになる。昔の百貨店の外商部のようだが、その担当者は、それぞれ消費者が、そのサイトと一緒に育てていくというわけですね。

2000.09.11 ■雑誌の変調に終焉モード
雑誌というのはだいたい創刊ゼロ号からの最初の数号がおもしろい。勢いがあったり突出したセンスのひとがまとめていたり捨て身だったり横暴だったり。それがいつのまにか習慣化して中身が変わり、そのうえ読み手である自分の好みも変わっていくから、ずっと同じ雑誌を買い続けることはめったにない。
比較的あまり抜けずに読んできたものにNTT出版の「intercommunication」(季刊)がある。今月で34号。で、特集が「IT 革命/ITベンチャー」ときた。え、なにをイマサラと思いつつインコミだからなんか独特な切り口で読ませてくれるんだろうと買う。電車で開く。「........」半年前の週刊ビジネスマン雑誌を彷佛とさせる内容。
後ろを見ると、ICCのギャラリーが改装のために10月から半年休館、その間インコミは続けるというがおそらく大きくその中身が変わっていく前兆なんだろう。買ってしまって売り上げに一つカウントされるだけで、この気持ちが編集部に伝わらないのが残念なので、せめてここでしゃべらせてもらいました。長い間楽しませてもらってありがとう、と、今日は終焉モードだな。

2000.09.10 ■捨てモードの日の本棚とビール
昨夜からなぜか劇的に「捨てモード」に突入。今日なら今まで捨てられずにいたものがなんだって捨てられる。というわけで大掃除。空いたところに本棚をおくことにした。
近所に家具屋があるので行ってみる。本棚なんかいろいろあるだろうと思ったら、ない。通信販売で売るようなヤツか妙な装飾付きで量が入らないヤツばかり。近くの in the room や無印にも行ってみるがどこも同じですっかり疲れ、ないもんだなぁとビアホールに立ち寄る。「やっぱ最後はハンズでしょう」と腰をあげ、厚手の板をぴっちりサイズでカットしてもらい、金具も揃えて来週の組み立てに備える。
どうせこうなるんだから最初っからハンズに行けばいいものを、あわよくばと思って歩き回り一日が過ぎてしまう。ビールがおいしかったから、いっか。

2000.09.08 『ひかりのまち』マイケル・ウィンターボトム
16mmフィルムで撮影したものを35mmのシネスコにブローアップ、あらあらしくドキュメンタリータッチでロンドンの日常が描かれる。この映画の話題性のひとつは音楽のマイケル・ナイマン、でも私にとってはそれが大きなネック。ナイマンが嫌いなわけではない、グリナウェイとのコラボレートは圧巻と思う、が、この作品に関しては(この音がなければ....)です、意外性という価値観を付加したとしても。
一夜遊びながら明日の仕事が気になってひとりで帰るナディアが、バスの中でふと涙ぐむ。わけもなくそういう時ってあるカモ、と思っているときに、いかにもそれを盛り上げるような期待感もりもりなピアノをがんがん流されたら、そりゃあシラっとしますよ。もちろんその逆のひとが多いから話題なんでしょうけど。とにかくそんな具合。 映像刺激が今にもある共感をうみだそうとするときに、音がそれを(ありふれた感覚〜)とよこやりをいれる感じ。それがねらいなの?
そいうえば『ひかりのまち』の原題は『Wonderland』、邦題クサし。監督を知らなければ観ない種類の映画。ちなみにこの監督の作品では媚びのない『バタフライ・キス』が一番良い。

2000.09.07 製本アトリエ記(01)丸みだし++レベル16++やりなおし編
いきなりだが週に一度通う製本アトリエ話開始。
今私はパッセ・カルトンという方法での製本の二期目に入っていて、かがりを終え本の背の丸みだしをやっている。かがった背をはさんで30kのかなづちでどんどんたたいて扇子のように拡げ、それをさらにぐいぐい押し固めて美しい丸い背を作るという作業だ。本というのは紙で出来ているわけだが、ゆるぎない確固とした丸背を形成するためには、その理想状態をつくるのに折れうる部分は完全に折ってしまい、その状態で固定してしまうのだ。
作業は親のカタキ!状態で金づちを使って折丁を痛めつける。紙は強いし柔軟で、どんなに華麗な扇形をイメージしたってそのとおりにはならないし、またそのままではいないものだ。というわけで本日の私の作業は、前回完璧にやったつもりの丸みだしが時間を経て紙も乾いて具合も変わり、厳しいセンセイの目にも触れて「ちょっとこれはやり直しでしょ」と満場一致の判決を得て見事に逆戻り。行きつ戻りつこうしてやり直して始めて作業の意味を体感できる...と穏やかに解釈できるのも、全てマヴォのおかげです。


2000.09.06 ■ 寄り道確信犯
bookbarのことを昨日書いたばっかりだが、ついさっき「bookbar」で検索してこのページに『間違って』来てしまったひとがいた。日に日にwebサイトは増え続けているが、見たいページにいきつくのはなかなか難しい。いくつ言葉を重ねてもはずしだすとどんどん別の深みにはまっていったい何を探していたのかがわからなくなるし、くだらないページばっかり!と憎まれ口をたたくことも、アル。でもそれは本屋で立ち読みしながら思わぬ本に出会うのに似てほとんど寄り道確信犯、自分の小さな目的を超えて、めくるめく拡がりに触れるのはやっぱり楽しい。
ちなみに検索サイトから私のページへは「本の作り方」というキィワードでくる人が一番多いが、その人たちは果たして寄り道を楽しんでくれているカナ。
話題はぜんぜん違うが月刊『太陽』が12月号で休刊だそうです、1963年創刊。

2000.09.05 ■ book cafe でなくbook bar
テレビ朝日でやっている本についての番組「ほんパラ!関口堂書店」というのがあって、その番組が期間限定で東京表参道に「book bar」というのを始めたんだそうだ。その番組を私は見たことがないのでよくわからないが、もともとあるレストランを借り切って、番組で紹介した本を並べて自由に見ながら飲み食いしましょう、というものらしい。行ったことのあるかたがいたら教えてください。ウチもbookbarだし、一回のぞいてみよう、イマテキにはbookcafeとなるところをあえてbarにしたいきさつを聞いてみたい気がするのです...。

2000.09.04 ■うるさいからいやになる
昨日は騒々しかった。18機編隊ヘリコプターがブルブルバタバタ飛びまくり、その時は防災訓練とは思わなかったので三宅島がたいへんなことになったのでは?と一瞬思う。そうでないことはじきわかったが今度は火事のサイレンだ。開け放った窓から強い西風が吹き込んでいて、気のせいか焦げ臭い匂いが漂ってくる。夕方になってわかったことだが、すぐ近くの多摩川で枯れ草が五時間にもわたって燃えていたようだ。
一昨日は「暑いからいやにな」り、昨日は「うるさいからいやにな」ったが、今日は涼しくて爽やかでいやになる言い訳もなく、観念してさくさく行動する。

2000.09.02■暑いからいやになる
「アジアってさ〜」「アジア音楽・映画ってさ〜」って、日本人は日本人でアジア人ではないような話し方をしていることがある。妙だなぁといつも思う。 1960年代の日本のドキュメンタリー番組をNHKでみる。「これぞ日本人」と思うが、その頃の洋画に出てくるおきまりの日本人を見ると「これって日本人の恥だワ」とか言って笑う。
私は日本人だが、アジア人だと名乗るほど強くないような気がするし、日本人が日本人として輝いていた頃とは違うような気がするし、でも眼鏡にカメラの野暮天じゃないと思ったりして、かといって地球人だなんてどっかのインチキ広告みたいなことは言わないが、なんだかとてもいいかげんなニンゲンのようでいやになる。暑いから、きっとなんでもすぐいやになる。


2000.09.01■9月1日はパタフィジックに
9月1日といえばアルフレッド・ジャリの誕生日。ジャリの生れた1883年を紀元にパタフィジック暦は始まって、2000年のこの日、私は久しぶりにHPを整理して何度目かのリスタートをかける。別にそれがどうってことはないけれど、そうか、9月1日か.....と思ったもので。パタフィジックについては『フォーストロール博士言行録』に詳しいのでどうぞ。