月別履歴(タイトル抜粋)

2002年 10月
2002年 09月
2002年 08月
2002年 07月
2002年 06月
2002年 05月
2002年 04月
2002年 03月
この本は私に会うために(1)
律儀(3)
なんちゃって矢印(6)
ピンクの肋を解体します(10)
世田谷区立下馬幼稚園(17)
「路程」は写っていなかったのか?!(19)
『落ち穂拾い』(22)
フラジャイルに「千夜千冊」の1/2(26)
実はワカメさん(29)

2002年 02月
スタイルの速度。音/映像/文字(1)
0020202の本棚(2)
『オードリーとフランソワーズ』(4)
『紙魚の手帳』12号(7)
東京駅。どっち側に降りて本屋に行くか(9)
本のことなら憶えてるが...(12)
行方不明新聞折本公開捜査(13)
佐伯俊男(14)
『ユビュ王』にくそったれ!ってそのまんまな...(16)
その穴のさきにあるもの(17)
家庭の医学と専門書の断絶を埋めるもの(20)
ジャリなら自転車こぎこぎ冷し中華を(21)
図書館のちょっと無理矢理(26)
送料に限って言えば(27)
月が最近(28)


2002年 01月
あけましておめでとうございます(1)
腹ぺこタイシ(4)
ランクアップした二百円のおみくじ(7)
方角が悪いんです(12)
カタログに載るモノ(20)
お、い〜ぞ〜(21)
冬もボサノヴァ(23)
ぽんぽこたぬき工作(26)
図書館はうるさいのだった(27)
『ナージャの村』(31)

2001年 12月
皆やさしくってヨ(1)
『寄席の脚光』(4)
無理して本屋でバイトすな(5)
大踏切書店でイッパイ(8)
いらないものばっかり残るのよ(13)
ママゴトやっといてよかった(17)
sold out 通知(22)
「2001年宇宙一瞬旅」(25)
不吉な夢もなんのその(26)

2001年 11月
愛犬は0.5(4)
自分で勝手に無理してグチる茶番(5)
どこのどいつ(6)
ひとの書棚を覗くのは楽し(9)
「広告としてのイラスト」(11)
かき×かぼす=マンゴ(13)
どこで区切って無駄と言う?(15)
「学校どこ?」(16)
岡ノ上鳥男様 田辺茂一(20)
おかえりのスケ本登場(26)
webで本をめくりたいひとはいないでしょう(30)

2001年 10月
bookbar4楽天ブックス開店(01)
鉄の扉「絶版」で幽閉された本の脱獄幇助(02)
本コ子雑誌、即物的体験を池袋リブロで(05)
おれなら桜を植えに行く(08)
眼の日は啓祐堂で眼のコヤシをいただく(10)
ライブ辞書を作るゾ(15)
新聞折本第八号(17)
製本-花ぎれの固定(18)
NONを見よう(19)
実感トハ恥ナリ(20)
透明酒は...(21)
となりの客はよく肉食う客だ(22)
わたらせ渓谷(27)


2001年 09月
意の外(01)
これを読んだら呪ワレル(03)
葉書文庫本(04)
均一つながりの本と新聞(05)
広辞苑、外に連れ出し運動(08)
平まどかのベルギー製本留学記(09)
コソコソするのはなぜ(17)
グリコのポーズ、やってみて(18)
それ、名前なんですけど...(19)
あどべんちゃブラリ(25)
オノ・ヨーコと朝日新聞(26)
温寿司(28)
まじ秋(30)


2001年 08月
横顔ばっかの金魚(03)
『チェブラーシカ』(04)
クモの糸をどう使うか(09)
人工雨、日本編(11)
空中金魚(13)
防ぐのが礼儀(14)
炭化菜種降りしきる花火大会(18)
屋久島の森に(28)
宇宙人と妖怪(30)


2001年 07月
くだらナイ→すまナイ(02)
やっと処分したっていうのに(03)
「ドキドキ」を見て体の頼りなさを (05 )
観本旅行(06)
おでかけには「じろう」を(1)
『ラッチョ・ドローム』(12)
いってきますじろう問題(15)
これは本なのですか(16)
「本は傷んだら修理すればいい」(17)
「うまい」か「おいしい」か(19)
エーッ○エーッ○エッ○ホイ○ッ○(23)
新聞折本第三号(25)
ネコとシャクシとキミと(26)
自由カラは逃走できない不自由(29)
夏はこれからだってば(30)


2001年 06月
ダダ書房店主に惚れる(04)
日焼けサロンじゃあるまいし(07)
製本アトリエ記11 (08 )
図書館には何を探しに行くか(10)
『ミリオンダラー・ホテル』(13)
人間を本に変える銃(14)
スクラップ帳をスクラップ(16)
死を待たずにとる魚拓が失うもの(17)
辞書である前に本でもある(20)
さくらんぼの味(24)
ああやっぱジンセイって(27)
金魚部第二回秘宝展(28)
図書館オチの古本(30)


2001年 05月
SPACE ODYSSEY(06)
新入部員は銀魚(09)
製本アトリエ記10 (10 )
「本コ」誌第一期終了につき(15)
never 金魚(16)
日に月に媚びず。(19)
ベストセラーがバカバカしくなっちゃって(20)
新聞を3回折って本にする(21)
『地獄の黙示録』(24)
新聞本の祖父は「くそ」と詩をかく(26)
「言葉はサーファー」説(27)
ナはテイをアラワスか(28)
祝いの席には花火か蜘蛛か(31)


2001年 04月
言いそびれ(04)
宅配から机配へ(06)
金魚部、無念(07)
一般市民ですけど(12)
書肆啓祐堂誌「黄金の馬車」(16)
切手詰め本(18)
「五点支え法」実験装置(19)
東京国際ブックフェア2001(21)
花ぎれ、できた(23)
おかえりのすけ事件2(24)
『ツバル』 (25)
探し選び奪う退屈(28)
ぶらりの卒業(30)


2001年 03月
カフェでふと(01)
日記の積み重ね(06)
忘れてはならない直感。(10)
「荒俣まぼろし堂」最終目録(11)
『キャラバン』(13)
『あらかじめ失われた恋人たちよ』(14)
ナヲナノレ(16)
記憶はひとの身体に間借りして(18)
後ろからやってくる(23)
夢は誰がみているか(25)
第一回金魚部秘宝展極秘開催(26)
図書券の使いかた(27)
閉店間近に耳ダンボ(31)


2001年 02月
窒息おかえりのすけ(01)
恐縮は笑い飛ばす(04)
他人様の土俵で燦然と輝いてしまうNIKE(07)
ダダな漢字(12)
へん平時代(15)
雨の筋に傘は目盛る(18)
『シュリ』(20)
タエコ・リズム(22)
NONでシールを貼ってもらおう!(23)
プロ紙に敬意を表した本(25)
ウリポな文学者の皆様へ(26)
万能web出版(28)


2001年 01月
初詩集『心配の速度』(06)
4×4 = 8 vs 365-6=358(08)
図書館ホテル(10)
中村文庫(14)
発禁と戦い、秘められた名作を(19)
" BOOK BLESS YOU. "(24)
ダイヤル・ビーチへ行こう(31)


2000年 12月
缶詰文庫(01)
星の王子さまが観た星空(05)
砂時計のくび(14)
目論書本(18)
新聞折本プロジェクト(20)
金魚部に西洋の旦那が(22)
環太平洋的に詩集(27)


2000年 11月
『グロリア』(02)
同級生が有名人になってしまった場合の卒業文集(03)
真空凍結乾燥機を入れてくれ(05)
がっくり(06)
カンガルーとおやじ(12)
吹き出し、開放(13)
銀杏書房(16)
『ラテンアメリカ光と影の詩』(20)
いかに多くの「思わずできたもの」(22)
おかえりのすけ事件(23)
「いんちき」とは何かを『桂離宮』に識る(24)
なかったことに(26)


2000年 10月
度忘れの度合い(31)
『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』(28)
本の系統樹(23)
「もいました。」(22)
『馬的思考』、一冊置いとくヨ(21)
疲れた筒(20)
分別快楽(18)
プラスチック部(12)
『ガタカ』(11)
『キカ』(03)


2000年 9月
はみだす飛び出し絵本(25)
文庫本をローンで買いたい(20)
めくるめく書籍目録の誘惑 (19)
『ポール・ボウルズの告白』(14)
みんな平らになりたい (13)
『ひかりのまち』(08)
9月1日はパタフィジックに(01)


2000年 8月
虚言僻を伴う脳の病気の後遺症の証拠(08)
あなたの信頼に背くわたし宣言(11)
「シツレイ」の効果(16)
『モジュレーション』(17)
bookmark 4とbook bar 4 (20)
@(24)


2000年 7月
目玉に食塩水を~(04)
「今日」あたし、ダメかも。(05)
些細な気まずさの克服(09)
" code " のバッグ(15)
電気スタンドマン(18)
地図通りだ!(30)


2000年 6月
共感しなくちゃいけない脅迫(03)
期待のかたち(05)
「頭痛いので休みます」(06)
人サマのリサイクルをする葬儀やのバイオ度(12)
バービーの脚が指に(15)
ゴダール『映画史』(16)
合理的なプロレタリヤ医学(21)
『ミラクル・ペティント』(26)
『フルスタリョフ、車を!』(29)


2000年 5月
TOTOの味噌汁(15)
『エグジスタンズ』(24)
『棺桶の中で宙返り』(28)
『足にさわった女』(29)


2000年 4月
万年青春映画の恐怖(05)
死因を調べてもらう料金(07)
凸=H2cm、 20×20でいこう(20)


2000年 3月
『スリーピー・ホロウ』(07)
さぶいぼセンテンス(10)
実感のリロード(16)
セルフ・パブ『共生虫』(28)
『ストレイト・ストーリー』(30)


2000年 2月
生まれ変わったらmusicianになる(13)
泡の中身(15)
人が言わないことを否定する(16)
plastic book(21)
接続語の「ぶっちゃけた話」(23)





ほぼ隔週このページの抜粋+/-αをメルマガ『おかえりのすけです。』として発行。詳しくは上記画像をクリックしてちょうだい。

2001年01月31日

■ダイヤル・ビーチへ行こう
飛行機雲がきれいに見えた。飛行機も船も地球面に沿って移動しているはずだが、飛行機は反重力的にふぅわぁっと遠ざかり、船はずくずくと音もなく中心に向かって沈んでいくように見える。そのあいだに棲むってことはとてもささやかでかつ底なく寛いなぁとくらくらしてくる。でも大丈夫、地球がわたしを引っ張ってるから。
その域をスポンジ境界、その立ち位置をダイヤル・ビーチと呼んでいる。さぁあなたも。


2001.01.29 ■ぴったりくっつきたい
酔っぱらって暴れた詫びに友人からもらった空色の革のブックカバーをした文庫本を持って電車に乗り込んた。普段は、いわゆるカバーは全部はずして裸で本を持つのだが、そういうわけで、ひとしきり読み終わった本は裸のまま棚に戻され、カバーはどっかにいってしまい、カバーが見つかったときには裸のなかみが棚に埋もれて...ということもある。
電車の中で立ち読むときはいわゆる5点支えの法をとるわけだが、カバーをしているとそれがずれてきてわずらわしいのだ。ところがこの空色カバーは、革であるからずれないし、持つ手にもしっくりなじむ。そうか、結構いいな、この感触。革カバーって、ありカモ。
問題は、汎用性を課されるためにサイズがぴったりといかないってことだ。ベロのようにして調整するものもあるがそれはわずらわしい。少なくとも天地サイズははみでないものを選びたい。ああなんて、わたしたちは本とぴったりくっつきたいのダロウ。。。
2001.01.28 ■無駄なことなどあるモノカ
創るべきものが決まって材料を捜しに出かける。「こんなようなあんなようなもの」だ。めぼしいところをうろつくが「そんなようなもの」はなかなかない。普段なにげに見ていると(いいな)と思っていたものも、実際に捜して見ると(違うんだよなー)。結局なにひとつ見つからないままくたくたになってビールを飲む。今日って無駄な日?いや、なかなかないってことを知るための、貴重な一日。
2001.01.26 製本アトリエ記(07)〜花ぎれ編み準備
装幀家の中島さんにお願いしていたてんぷらができてきた。「てんぷら=天プラ」とは本文の天をプラチナ箔装飾することで「てんきん=天金」の応用編ってとこ。
天の処理が済んだら次は花ぎれ。ここは色を遊びながら糸で細かく編んでいく楽しい行程だ。手法はいろいろあるがオーソドックスな方法でいこう。二段編みなら二色が交互に規則的に出るようなもの、三段編みなら最大七色までの配色を楽しめるものができる。
二本の芯を配してそれに糸を巻き付けていく。二段編みの場合は綿棒の棒の部分を芯として使う。「先に耳掻きなどをして十二分に使い込んでしまいましょう」という順子先生の指導により、ひとまず耳掻き。綿棒の両端の綿の部分は使わないからだ。
その芯を、本の背の丸みに合わせて弓なりに曲げ、向かって左から右の方に絹糸で花ぎれを編んでいく。編みながら時々本の背に糸を通した針を突き刺して押さえる。このときに天の部分にみだらに触れると、せっかくの天プラがだいなしになってしまう。さて配色はどうする?
アトリエ記(06)はこちら
2001.01.24 ■" BOOK BLESS YOU. "
先日予約しておいた" war and peace in the global village " を、ブックモビールで移動しながら路上で書籍販売する「旅するブックストアー」ことM&CO.TRAVELING BOOKSELLERSにとりにいく。
路上だからこの季節は寒い、それでも立ち読みはじめたらとまらない、この車ごと家に持っていってしまいたい、いやそれよりこの車の下に隠れ、主の目を盗んでは抜群の棚揃えの本たちと戯れていたい...。
Mcluhan と Fiore のこの本は翻訳も出ているがとうに絶版になっていたのではなかったか?いい本を買えてとてもうれしいが、さらにうれしいのは買った本にかけてくれるオリジナルゴムバンドにある " BOOK BLESS YOU. " M&CO.TRAVELING BOOKSELLERSさんが折にふれて発する このことばは、本を愛するひとへの最高の言葉。愛おしさにあふれて、またこの言葉が聞きたくなる。ありがとう!
2001.01.23 ■注文
昨今都心に高層住宅がばんばんできてきた。最近見た広告は最上階の2フロアーを吹き抜けにして共有スペースにするというもの。企画自体は珍しいものではないがそのイメージ写真にちょっと注目。
「ヨーロッパの古い図書館をイメージして大人がくつろげる落ち着いたスペース」みたいなつもりなんでしょう、左側の壁一面が本棚で螺旋階段付き、ソファやカウンターがゆったりと配置され、大きな窓からは想像を絶する三日月が見えている....。
自分の住むマンションにこれだけの本棚があったら気分いいなぁ。遮光フィルム貼って個人ロッカーとして使えるならなおいい。きっと居住者の古本を受け入れるっていうんだろうけどこういうのは予想以上に集まらなかったり集まり過ぎたりするだろうなぁ。この作りからすると子供は御法度か。子供だったらさんさんと陽を浴びて絵本を拡げて寝転びながら友達と読むのは楽しいだろうし、これだけの眺望ならやっぱり友人が来た時にここでパ〜っと騒ぐのがなにより楽しいよなぁ、だから本棚は地下とか屋根裏とかに『薔薇の名前』的に作ってくんない?
2001.01.21 ■たてよこ併走中につき
横組の辞典が次々と出ている。ある編集部はそれを、辞典は「読む」のではなく「情報をひく」ものであるという方針によると説明、実は予想以上に売れているらしい。
このことを朝日新聞1/19(夕)が取り上げていて、そこで「 戸田ツトム氏は『横組みは目に触れたときに屈折しにくいのでより早く誤解なく効率よく言葉の意味を読み取るのに良く、縦組みは読む側に自由度を残す』とし、『横組みにするのは、身体性を捨てろ、といわれているよう』と批判的」と紹介している。
なんとなく戸田氏の本意がそのまま伝わっているように思えないのだが、読み手としても作り手としても、よきにつけあしきにつけこれまでの慣れによって気付かなかったものや忘れていたものにぶちあたり、快不快を感じて行動を起こしている状態は心地よい。議論するのも大切だろうけど、この件についてはせっかく試行錯誤の時代に生きているんだから、自分でいろいろ体験しておきたいと思います。
2001.01.20
■大雪サマに相談したい
たろうの家にもじろうの家にも静かに雪が降りてきた。空を仰いで、真っ白で柔らかくて優しそうな明るい雪の流れに、体を吸い上げてもらう。
15年振りにドカドカ北のほうで降ってるらしいが、もういい加減にしてはどうかという相談がしたかった。雷サンや台風サンの顔はなんとなく見たことあるが、大雪サンの顔はいまひとつイメージがわかなくて心構えに気合いが入らず、ただただ、こまかい雪に濡れて寒くなってしまう。
2001.01.19
■発禁と戦い、秘められた名作を文化人に解放するアソカのマークはユニークで
1952年発行、渋井清著、アソカ書房出版の『秘版浮世絵艸紙 歌磨』come on a booky! に追加。これは booky! 13『タウト全集第一巻 桂離宮』と同じ鎌倉の古書店で購入。箱以外は状態がとてもよく、「アソカ通信」始め付録もきれいにはさんであった。
他の雑誌に寄稿しようとしていたが進行が遅いのでアソカで出してもらった、校了後火事にあい全部やり直した、などの逸話もふんだんに読み取れるが、限定番号901を手にしたものの総発行部数が不明、どうでもいいことなんだけど気になってしまう。
ここのマーク(飛脚が走っているような三本脚ぐるぐる風車的)は独特で愛らしい。数年前のCIブームとかいうヤツでいろんな企業が赤と青と緑のマークを作ってましたけど、おかげさまでそういうのをみるとあぁあの頃もしかして調子コいてた?ということがわかって便利です。ドットコム名もそういう匂いがする。
2001.01.18 ■O型便座カバー問題
カバーやネットは嫌いなので極力使わない。トイレもそうだ。カバーは使わず便座は電気でほどほどに温めておき、そのほうがこまめについでに掃除ができる。
この状態と、便座カバーを買ってちょくちょく洗濯することの熱量の比較はどうしたらいいのかよくわかんないが、思い立って便座カバーを買った。
早速コンセントを抜いてカバーをセットするが、なんか、すごい、難しい。うちの便座のカタチにはどう考えても無理な気がするのだが、トリセツにはOKと書いてある。実はもうトライ三晩目、諦めるか、成すまでやるか、とりあえずメーカーに文句でも言ってうさをはらすか。ってことで結局カバーは無駄になり電気ほかほかに戻るように誘導されそうでシャク、ぴったりのかっこいいの、作ろっか。
2001.01.17 ■目覚め
朝、どんなふうにして貴方は起きる?
六年前、私はいつものように7時半にセットしたCDの音でうだうだ目覚め、新聞をとってカフェオレを飲み、シャワーを浴びて家を出た。すでに動いている近所の商店街から流れるラジオがなんとなく騒がしいとは思ったがさして気にせず、電車に乗って40分、会社についてすぐにうけた電話でたいへんなニュースを知る。時計は既に10時。
それいらい目覚まし時計で起きるなりテレビをつけるようになった。朝7時半ともなるとすでにニュースはゆるゆるの芸能ネタで(寝たほうがいい)と言わんばかり、それでもやっぱりあの日の衝撃が大きすぎたので、そうか、そういうときのために日々こういう番組はあるのかと思い直すと妙に優しい気持ちになって慣れてくるもんだ。
私にとっての117は、商店街に流れながら聞き取れなかったラジオの音。音はいつでも響いていて、それを判別してるのはただただ聞くひとの意志のみと体感した日。
なにはともあれ、今朝も手を合わせる。おはよう、だから明日も、ゆるゆるの最新ニュースの雑音のなかで目覚める。
2001.01.16 ■位牌の柄
「位牌や卒塔婆にきれいな筆文字がかけないお坊さんが増えてきた」ので、ナビタスという会社がそうした寺院向けに「位牌に崩し文字を転写するシステム」を開発したそうだ。ワンセット100万円台で年間100台の売り上げを見込む、とある。
どこの誰がリサーチしたのか知らないが、(それ、欲しい)と例え思ったとしてもお坊さん業界はまず「しつれいダ」と抗議しときましょう。これがエスカレートしたら遺言でオリジナルな色柄や書体を転写することになっておばけ屋敷の小道具も華やかに変わってゆくのだろうか。タブーに挑戦したつもりなんだろうけど、なんか無理してるよなぁって感じがする。
2001.01.15 ■偶然にも!
某商店街の飯島書店で、「無限ポエトリー」の創刊号(昭和51年)を買う。「無限」という高級雑誌的なものがあったのは聞いていたが、その「詩」版、しかもその創刊号で状態も良く、安く、さらに駅前商店街セールで安く、なによりこの雑誌の広告が気に入ってしまった。NSK(日本精工)、関東電気工事、九州電力、金鳥、西鉄、北海道電力、東京電力、輸送機工業、日本触媒化学、日通、東洋プライウッド、ヤンマー他。
ほんとのところは知らないが、こういう内容の雑誌にはおよそ不釣り合いに思える企業郡、きっと制作サイドに誰かお金持ちのかたがいたんだろうくらいに思うが、NSKだけは見逃せない事情が私にはあるのだった。
次号『gui』にはベアリングについて書いていて、そのきっかけは、地道に確実に超低速サブミリナルに広告するNSKのベアリング写真にあった。それで私はこの創刊号を買い、そして歩いた先の、久しぶりで訪れた家具やでいい椅子に会い、偶然にもセールで安く買う。
こういうのは「偶然にも!」と言ってついついひとに言いふらすが、別になにひとつ偶然なんてないように思う。でもとにかくうれしいので、それをさらに倍増させるには「偶然」をつかうのが便利なので使う。
2001.01.14 ■ 中村文庫
中村亨(とおる)氏が40年かけて収集してきた図工の教科書コレクションが横浜美術館にある。明治4年の「西南指南」をはじめ2000点近くの資料を、氏が昭和62年に美術館に寄贈したものだ。詳細はwebで見れるが、臨画と呼ばれる、手本の絵を脇においてそっくり写す方法については、中村氏のお父様が氏の小学校時代の絵を画帳に綴じて大切に保管していてくれていたものと当時の教科書を見比べながら、楽しく知ることができる。その画帳が、いいのだ、なにより、実に。
2001.01.12 ■ 86年前の「あのね」
金曜日の朝日新聞に「あのねー子どものつぶやき」という投稿欄があるそうだが、それに似たものが『明治の家庭』(明治38年創刊の主婦向け雑誌)という雑誌に「天真爛漫」というタイトルであったという。
当時の編集部は「お子供の好記念品となります。気さえ付けば無限に有ります」と投稿を呼び掛け、毎号3、4人分が掲載されたらしい。こんな具合に。
---:おいおい:隣の四つになる武夫さんが遊びにおいでだから、お母さんの名は何と聞いてみると「おいおいです」と答えられたのには恐れ入りました。---
これは古書収集を趣味にする千葉の長谷川貞雄氏が持っていた大正4年の同誌からの抜粋で、実に86年前の「あのね」だ、と。
貴方の今日の「あのね」は話した?そして誰かの「あのね」に気付いた?「あのね」ってやっぱり、甘え語じゃないように思う。
2001.01.11 製本アトリエ記(06)
ここまで(アトリエ記(05)参照)きたらあとは、表紙をどうするかが決まらないと作業は何も進まない。というわけで、このアトリエ記も長らく書けなかった。
まずは自分がどうこの本を装幀したいのか、次にそれが「本」としての用をより良くかつ美しくなすべきカタチをなしうるのか(ここのアトリエは、装幀を単独で工芸美術とするような指向が全くないってとこもイイ)、そして自分の技量とのバランス、最後はデザイン・素材・色・時間・根性など多くの要素のプライオリティの決定...。
休憩と相談のなかからようやくその道行きが見えてきた。決めたらあとは、できるだけやる、しかしあきらめも大事、お願いすることもかなり大事、アレ?今日は j クラス渡辺さんの半革装3册完成のめでたい日だからそういうことで。
2001.01.10 ■図書館ホテル
あたくしちょっと世間の雑事を逃れてホテルで静かに本を読みたいときがあるノと言うまでもなく、旅先の宿で自分の好きなジャンルの目新しい本があったらそれはそれは楽しいでしょう。と思っていたらありました、Library Hotel
ニューヨーク。フロアごとに本のカテゴリーを分類、それを各部屋ごとに細かくわけて部屋の名前にし、そのジャンルの本をそれぞれ2〜30册常備、かつ、カフェやフロント、サンルームや暖炉ラウンジにも本棚があり、テラスでも読めるようになっていると。いいねぇ。
ちなみに一番人気は、文学フロアのエロティック部屋、本に興味のない客のためにビデオの貸し出しもあるという完璧なオチ付き。
2001.01.09 ■お年玉企画は毎年リスタート
今年のお年玉は2001円入れてあげた。去年は「札より玉がいい」と言うので巾着袋に入れてあげた子だ。「どうして2001円なのか、わかる〜?」って威張りたかったのに、横から母がネタをばらして台無し。しかし彼はとてもいい子だ。「え、じゃぁ今度は2002円、その次は2003円、その次は2004円.....うわぁ...」と、年々増え続けるお年玉に超わくわく目玉キラキラ、というよりクラクラしてたね、彼。
とっても太っ腹で大金持ちで夢を運ぶ叔母さんになれてうれしい。だけど去年は合計 2000円あげて、この企画は一年前からすでに始まっていたことに誰も気付かなかったから、たぶん来年もまた完全リスタートだと思う。毎年太っ腹叔母さんで喜べるから、いっか。
2001.01.08 ■4×4 = 8 vs 365-6=358
一辺4cmの正方形の面積は?と聞かれて、とっさに8平方センチメートルと答える子供が増えたんだそうだ。問題だけに慣れてしまい、面積の概念を想うことなしに答えようとするからと言うが、それと全く逆のことをやるひとたちもいる。
昨日までで2001年の365日のうちの7日が過ぎて、あと残りは358日ということになっているが、ワタシてきにはそのうちの一日は「なかったこと」になっているので、365-(7-1)= 358(単位:日)という計算が成り立っているのだ。まぁそういうことです。
2001.01.06 ■心配の速度
初詩集『心配の速度』についての頁をアップしたので見てね。
2001.01.04 ■初富士へのお願い
久しぶりに雪〜!な山形の正月を過ごして新幹線で東京に戻る。3時間の流れる車窓からは、吹雪、雨雪、ぼたん雪、ちらちら雪に曇り空、うとうとして気付いたときには夕焼けが建物に眩しく反射していた。乗り換えて、多摩川に穏やかにのぞく富士山に、まずは明けましてのおめでとうを言うが、雪はきれいだしおもしろいし温暖化は心配だけど、どうか両親の過剰な負担にならない程度の雪であってくださいと、思わず見事に勝手な願いを口走ってしまう。
2001.01.03 ■あけましておめでとうございます
本年もよろしく