月別履歴(タイトル抜粋)


2002年 10月
2002年 09月
2002年 08月
2002年 07月
2002年 06月
2002年 05月
2002年 04月
2002年 03月
この本は私に会うために(1)
律儀(3)
なんちゃって矢印(6)
ピンクの肋を解体します(10)
世田谷区立下馬幼稚園(17)
「路程」は写っていなかったのか?!(19)
『落ち穂拾い』(22)
フラジャイルに「千夜千冊」の1/2(26)
実はワカメさん(29)

2002年 02月
スタイルの速度。音/映像/文字(1)
0020202の本棚(2)
『オードリーとフランソワーズ』(4)
『紙魚の手帳』12号(7)
東京駅。どっち側に降りて本屋に行くか(9)
本のことなら憶えてるが...(12)
行方不明新聞折本公開捜査(13)
佐伯俊男(14)
『ユビュ王』にくそったれ!ってそのまんまな...(16)
その穴のさきにあるもの(17)
家庭の医学と専門書の断絶を埋めるもの(20)
ジャリなら自転車こぎこぎ冷し中華を(21)
図書館のちょっと無理矢理(26)
送料に限って言えば(27)
月が最近(28)


2002年 01月
あけましておめでとうございます(1)
腹ぺこタイシ(4)
ランクアップした二百円のおみくじ(7)
方角が悪いんです(12)
カタログに載るモノ(20)
お、い〜ぞ〜(21)
冬もボサノヴァ(23)
ぽんぽこたぬき工作(26)
図書館はうるさいのだった(27)
『ナージャの村』(31)

2001年 12月
皆やさしくってヨ(1)
『寄席の脚光』(4)
無理して本屋でバイトすな(5)
大踏切書店でイッパイ(8)
いらないものばっかり残るのよ(13)
ママゴトやっといてよかった(17)
sold out 通知(22)
「2001年宇宙一瞬旅」(25)
不吉な夢もなんのその(26)

2001年 11月
愛犬は0.5(4)
自分で勝手に無理してグチる茶番(5)
どこのどいつ(6)
ひとの書棚を覗くのは楽し(9)
「広告としてのイラスト」(11)
かき×かぼす=マンゴ(13)
どこで区切って無駄と言う?(15)
「学校どこ?」(16)
岡ノ上鳥男様 田辺茂一(20)
おかえりのスケ本登場(26)
webで本をめくりたいひとはいないでしょう(30)

2001年 10月
bookbar4楽天ブックス開店(01)
鉄の扉「絶版」で幽閉された本の脱獄幇助(02)
本コ子雑誌、即物的体験を池袋リブロで(05)
おれなら桜を植えに行く(08)
眼の日は啓祐堂で眼のコヤシをいただく(10)
ライブ辞書を作るゾ(15)
新聞折本第八号(17)
製本-花ぎれの固定(18)
NONを見よう(19)
実感トハ恥ナリ(20)
透明酒は...(21)
となりの客はよく肉食う客だ(22)
わたらせ渓谷(27)


2001年 09月
意の外(01)
これを読んだら呪ワレル(03)
葉書文庫本(04)
均一つながりの本と新聞(05)
広辞苑、外に連れ出し運動(08)
平まどかのベルギー製本留学記(09)
コソコソするのはなぜ(17)
グリコのポーズ、やってみて(18)
それ、名前なんですけど...(19)
あどべんちゃブラリ(25)
オノ・ヨーコと朝日新聞(26)
温寿司(28)
まじ秋(30)


2001年 08月
横顔ばっかの金魚(03)
『チェブラーシカ』(04)
クモの糸をどう使うか(09)
人工雨、日本編(11)
空中金魚(13)
防ぐのが礼儀(14)
炭化菜種降りしきる花火大会(18)
屋久島の森に(28)
宇宙人と妖怪(30)


2001年 07月
くだらナイ→すまナイ(02)
やっと処分したっていうのに(03)
「ドキドキ」を見て体の頼りなさを (05 )
観本旅行(06)
おでかけには「じろう」を(1)
『ラッチョ・ドローム』(12)
いってきますじろう問題(15)
これは本なのですか(16)
「本は傷んだら修理すればいい」(17)
「うまい」か「おいしい」か(19)
エーッ○エーッ○エッ○ホイ○ッ○(23)
新聞折本第三号(25)
ネコとシャクシとキミと(26)
自由カラは逃走できない不自由(29)
夏はこれからだってば(30)


2001年 06月
ダダ書房店主に惚れる(04)
日焼けサロンじゃあるまいし(07)
製本アトリエ記11 (08 )
図書館には何を探しに行くか(10)
『ミリオンダラー・ホテル』(13)
人間を本に変える銃(14)
スクラップ帳をスクラップ(16)
死を待たずにとる魚拓が失うもの(17)
辞書である前に本でもある(20)
さくらんぼの味(24)
ああやっぱジンセイって(27)
金魚部第二回秘宝展(28)
図書館オチの古本(30)


2001年 05月
SPACE ODYSSEY(06)
新入部員は銀魚(09)
製本アトリエ記10 (10 )
「本コ」誌第一期終了につき(15)
never 金魚(16)
日に月に媚びず。(19)
ベストセラーがバカバカしくなっちゃって(20)
新聞を3回折って本にする(21)
『地獄の黙示録』(24)
新聞本の祖父は「くそ」と詩をかく(26)
「言葉はサーファー」説(27)
ナはテイをアラワスか(28)
祝いの席には花火か蜘蛛か(31)


2001年 04月
言いそびれ(04)
宅配から机配へ(06)
金魚部、無念(07)
一般市民ですけど(12)
書肆啓祐堂誌「黄金の馬車」(16)
切手詰め本(18)
「五点支え法」実験装置(19)
東京国際ブックフェア2001(21)
花ぎれ、できた(23)
おかえりのすけ事件2(24)
『ツバル』 (25)
探し選び奪う退屈(28)
ぶらりの卒業(30)


2001年 03月
カフェでふと(01)
日記の積み重ね(06)
忘れてはならない直感。(10)
「荒俣まぼろし堂」最終目録(11)
『キャラバン』(13)
『あらかじめ失われた恋人たちよ』(14)
ナヲナノレ(16)
記憶はひとの身体に間借りして(18)
後ろからやってくる(23)
夢は誰がみているか(25)
第一回金魚部秘宝展極秘開催(26)
図書券の使いかた(27)
閉店間近に耳ダンボ(31)


2001年 02月
窒息おかえりのすけ(01)
恐縮は笑い飛ばす(04)
他人様の土俵で燦然と輝いてしまうNIKE(07)
ダダな漢字(12)
へん平時代(15)
雨の筋に傘は目盛る(18)
『シュリ』(20)
タエコ・リズム(22)
NONでシールを貼ってもらおう!(23)
プロ紙に敬意を表した本(25)
ウリポな文学者の皆様へ(26)
万能web出版(28)


2001年 01月
初詩集『心配の速度』(06)
4×4 = 8 vs 365-6=358(08)
図書館ホテル(10)
中村文庫(14)
発禁と戦い、秘められた名作を(19)
" BOOK BLESS YOU. "(24)
ダイヤル・ビーチへ行こう(31)


2000年 12月
缶詰文庫(01)
星の王子さまが観た星空(05)
砂時計のくび(14)
目論書本(18)
新聞折本プロジェクト(20)
金魚部に西洋の旦那が(22)
環太平洋的に詩集(27)


2000年 11月
『グロリア』(02)
同級生が有名人になってしまった場合の卒業文集(03)
真空凍結乾燥機を入れてくれ(05)
がっくり(06)
カンガルーとおやじ(12)
吹き出し、開放(13)
銀杏書房(16)
『ラテンアメリカ光と影の詩』(20)
いかに多くの「思わずできたもの」(22)
おかえりのすけ事件(23)
「いんちき」とは何かを『桂離宮』に識る(24)
なかったことに(26)


2000年 10月
度忘れの度合い(31)
『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』(28)
本の系統樹(23)
「もいました。」(22)
『馬的思考』、一冊置いとくヨ(21)
疲れた筒(20)
分別快楽(18)
プラスチック部(12)
『ガタカ』(11)
『キカ』(03)


2000年 9月
はみだす飛び出し絵本(25)
文庫本をローンで買いたい(20)
めくるめく書籍目録の誘惑 (19)
『ポール・ボウルズの告白』(14)
みんな平らになりたい (13)
『ひかりのまち』(08)
9月1日はパタフィジックに(01)


2000年 8月
虚言僻を伴う脳の病気の後遺症の証拠(08)
あなたの信頼に背くわたし宣言(11)
「シツレイ」の効果(16)
『モジュレーション』(17)
bookmark 4とbook bar 4 (20)
@(24)


2000年 7月
目玉に食塩水を~(04)
「今日」あたし、ダメかも。(05)
些細な気まずさの克服(09)
" code " のバッグ(15)
電気スタンドマン(18)
地図通りだ!(30)


2000年 6月
共感しなくちゃいけない脅迫(03)
期待のかたち(05)
「頭痛いので休みます」(06)
人サマのリサイクルをする葬儀やのバイオ度(12)
バービーの脚が指に(15)
ゴダール『映画史』(16)
合理的なプロレタリヤ医学(21)
『ミラクル・ペティント』(26)
『フルスタリョフ、車を!』(29)


2000年 5月
TOTOの味噌汁(15)
『エグジスタンズ』(24)
『棺桶の中で宙返り』(28)
『足にさわった女』(29)


2000年 4月
万年青春映画の恐怖(05)
死因を調べてもらう料金(07)
凸=H2cm、 20×20でいこう(20)


2000年 3月
『スリーピー・ホロウ』(07)
さぶいぼセンテンス(10)
実感のリロード(16)
セルフ・パブ『共生虫』(28)
『ストレイト・ストーリー』(30)


2000年 2月
生まれ変わったらmusicianになる(13)
泡の中身(15)
人が言わないことを否定する(16)
plastic book(21)
接続語の「ぶっちゃけた話」(23)





2001年12月27日
ヤリタイコトガアルノニデキナイ。ワケナイ
「平まどかのベルギー製本留学記」は第三回を迎えてついにベルギー上陸。だけどそこでまず試験を受け、それに合格しなければ滞在することはできないのデス。到着して薄曇りのブリュッセルの空を見ながら一瞬いろんな不安がよぎるもそれにかかずらわっている暇もなく、合格することを前提にして様々な準備をこなしていく平さんの様子はこちらからどうぞ。
やりたいこと、やると決めたことがはっきりしていると、失敗したらどうしようとかなんとか考える暇は確かにないよなぁ。ヤリタイコトガアルのにデキナイというのはまぁほとんどあり得ない。
2001.12.26
不吉な夢もなんのその
朝電話に出たら「あーよかったー」と言われた。悪夢に目覚めた友人からの電話。
大海原に漕ぎ出した船が嵐にあい、私はそれに乗っていたんだという。友人たちが集まってダイジョブカと心配しながらやがて誰ともなく私の詩をよみはじめ、次第に皆が声を合わせて朗読してくれたんだという。友人はそこまでしか話さなかったが、たぶんその声が届かなくて船は彼方に消え...ってな感じで彼女は電話してくれたんだろう。
フキツ...とも思うがそれよりも、自分の書いた詩を皆が声を合わせて読んでくれてるシーンを思っていいなぁとしばしひたる。考えたこともなかったもん。ありがとネ。
2001.12.25
2001年を劇的に終えるための一瞬旅の道連れ
1999年には死ぬんだと思って余命何年と指折り数えつつ、2001年頃には宇宙に行けるかもと漠然と思い、すでにこれだけでつじつま合わない子供時代を過ごした人は?ハイ私。で、あっさり1999年を過ごし2001年もなんとか元気にやり過ごそうとしてるわけですが、おかえりのすけがそれはまずいんじゃないかと、もうチッと劇的に2001年を終えるべきではないかと言う。ってことで、「2001年宇宙一瞬旅の巻。」をおかえりのスケ本に並べたので見てね。
2001.12.24
格好良くなってね
『レオン』という雑誌が、ベネトンと協力して作ったロゴマーク入りのゴミ袋を付けている。ボランティア特集号ってことだそうで「ボランティア活動がおしゃれと同じくらい格好良いことだと気付いてほしい」んだそうです。?????だなぁと思って見ていると、もてるオヤジになるには!とか、欲しいのは金よりセンス!とか、とってもオチャメな雑誌であります。がんばって格好良くなってね。編集部のみなさまは『sumus』などもお読みになったほうがいいと思う。
2001.12.22
sold out 通知
「いうたらあかんディクショナリ(下)」、在庫分も含めて売り切れました。
(上)掲載号(1977.6)もありますが、今貸し出し中なのです。こっちには木目調面白文庫専用棚を作りましょう頁もあってすばらしいのです。いずれ作りたいと思っています。こちらからご覧になれます。
2001.12.21
楽してんのがバレちまいました
お蕎麦やさんの7人分の出前盆(食後だけど)を持ったら、たいへんなことになった。近所のうまい寿司屋さんで昼御飯を食べ、昼はオヤカタ一人でやってることを知ってすごいたいへんだなーと思った。
きちんと焼いた卵を最後につまみながら、インチキマージンとりを職とするひとが無理矢理おシゴト作るのに振り回されることが多々あるからそうでないものに過剰に反応しちゃうのカシラ、と、我が身をさしおいて思って「すごいねぇ...」とひとしきり言ったら、「最近楽してんじゃないの?」と言われ、絶句。
2001.12.20
スクールバスの眼鏡屋さんを呼べ!
皆さん、目はイイですか?私は悪いです。
小6の冬頃から急に悪くなって初めて眼鏡を買うときはなんだかうれしく、その後数年間は実害なくまぁ洒落とのギリギリの線で眼鏡をかけてきたが、今や免許は要眼鏡、枕元にはまず眼鏡でフー...。日常的となると眼鏡はヒジョーに大事、似合い具合とかけやすさを満たす一本のフレームに出会うのは、とても難しい。
東大門眼鏡の2号店は、アメリカのスクールバスを改造した移動式の眼鏡店(詳細はこちら)。年末にお披露目をやるのでついでのあるかたはちょっと見てみて。お客さんの要望が、この業態をどんどん拡げていくことになると思う。なにしろこのバスのなかで数分で眼鏡が安く完成しちゃうわけです、貴方なら、どう使う?夜にはバーになるというウワサも。
2001.12.19
コビがヤなだけなんだけど
頻繁に「疲れた」とか「たいへん」とかいうひとは結構いて、そのワケを聞くほどに益々唖然としてどうにも反応ができないことが多いのだが、だからと言って私がいろんな意味で「強い」ということではないことは、例えば朝の電車中貧血や腎盂腎炎の初期症状をいまだ回避できないことからもわかる。つまり、それは強さではなく鈍さなんだけど、少なくともそれ以外のキモチによるコビだけは嫌いってことで、イチローも新庄もすばらしい、だけどイチロー苦手新庄ガンバレという微妙な浮遊感はこのことをうまく言い表している!と今思ったんだけど、どお?
2001.12.18
手芸の真髄
xixiangに教えてもらって「下田直子『NEEDLE WORK』展」を見に行く。毛糸布ビーズボタンリボンetc.を駆使して作られたバッグやセーターが並ぶ。細かなパーツや裏地に至るまで、そのテクニックやセンスに感嘆して一周、一個一個にそれぞれ含まれていそうな「お話」に向きあいにもう一周、そして(欲しいナ...でもほとんど赤丸ポチ付だ..)ともう一周。
編地で文字をつくってアップリケしたものにシックな金魚ビーズがチロっとついてたやつとか、どうしたらこんなふくよかに丸!っとした形がつくれるんだろう...なものとか、どれもこれもスバラシイ。なんというか、すごく自然。素材も技術もこれでもかこれでもかと使い込んでいるのに、頑張って作りました見てくれなマシーあたくし作家ヨな匂いが全くない。もちろん、手芸教室的どんよりもたもたア〜ラ奥様臭は皆無、つまり第三者の眼を介在させず、気持ち良さを即感じさせてしまうバッグたちなのだった。お母さまに教わって楽しかった子供のころの気持ちが、いまでもいつも涌いているかたではないかと勝手に思う。私はこの夏から「アミエ(編み絵)」ってのを始めたんです、だから特に興味深く見させてもらいました。
同展は南青山のDEE'S HALLにて22日(土)まで。下田氏の本は『モチーフ・バッグ』『ハンドメイドバッグ』(お、これらは撮影:日置武晴氏ですナ。どうりで手芸本のもったり感がない)など多数。
2001.12.17
おママゴトをやっといてよかった
特別注意を払ったことがなかったので、丸ごと空いてしまったこのビルがいったいナニモノだったのか全然思い出せない。ひとけがなくなると、建物はがくんとボロくなる。 その奥には別の新しいビルが建ち始めている。せっかく空いたビルがあるんだから新しいのつくんないでこっちに入っちゃえばいいのに、ひとさまはそんなことは絶対しないのであった。
山川の自然の曲線のなかに道路や線路がまっすぐあるのを空から見てた誰かが、その直線具合があまりにもいじらしいと言っていた。
寺田寅彦は『柿の種』のなかで、汽車に乗ってまっすぐ行ってはガクン、またまっすく行ってはガクンとカーブしながら、線路に沿うた昔のままの街道のうねうねはいかにも自然で優美でなつかしいと眺めていた。
全くひとさまのやることはいじらしくて、いじらしくていやらしくて、あまりにイジラシすぎてトホホとしか言いようのない茶番が多い。嫌いだったけど、子供のころオママゴトをやっといてよかった。ああオママゴトかと、とりあえず笑えるからよかった。
2001.12.13
そうそう、いらないものばっかり残るのよ
古本屋さんに本を引き取ってもらったひとが棚を見て言う。「いらないものばっかり残るなぁ、見事に」
こんなときヒトは遠くを見つめながらテツガクテキなことを言うもんだ。まぁある意味その通りなのでそうですねぇとあいづちをうち、いらないものってヨドヨド残って停滞するんですよねぇ、など追い討ちをかけて黙す。なんつって油断させて、私は棚をなめまわしてスバラシイ本たちを連れて帰るのです。イェ〜イ!
2001.12.11
最初っから逆
おばさま団体登場。7人くらいぞろぞろ歩いて邪魔。と。
「あら、こっちじゃないんじゃないかしら?」「そうねぇ、違うみたいねぇ」
「あらごめんなさ〜い。わたしったらいっつも逆に行っちゃうのよ。逆ね、逆」
と、先頭きってたおばさんがぐるりと向きをかえて、皆またぞろぞろついていく。
じゃぁ最初っから思ったのと逆に行けばいいんじゃないかときっといつも言われているんだろうけど、それはそれでいつもうまくいかないんだろう。ごくろうサマデス。
2001.12.10
客は心の中で願フ
最寄り駅近くの古本屋はこじんまりしていて立ち寄りに手頃である。ここ数年余りにも漫画とビデオが増え続けるので遠のいていたんだが、昨年くらいからまた店主好みの棚が復活してきて楽しいのであった。
近くの家電屋が潰れた後に古本屋ができると店主からきく。この地域に数店あるわりと大きいとこだ。場所が駅から遠いからなんてことないでしょ、と言ったら、イヤイヤ最近漫画が全然だめでね、うちなんか狭いし、子供たちは自転車で動くからああいう大きいとこに行っちゃうと思うんだよね、と大層心配顔である。
数年前に建て替えたこの店、そうかそうだよ、この柱と棚あたりは子供たちのニギリゼニでできたのカナと勝手に感慨深く撫で、しかしこの際ガキんちょはそっちの店にまかシてこっちは店主好みの本をどんどん増やしておくれなマシつぶれない絶妙な程度でネと、客ドモは心の中で願フ。
2001.12.09
描(書)き続ける力
日曜の朝、「日曜美術館」の時間につい目覚めてしまう。ちょっと恥ずかしい。今朝は守屋多々志氏の膨大な絵日記だった。それを一枚づつ裏打ちする場面が出てきて、実に楽しそうだった。一日最低一枚は完成するこの「絵」は、自ら裏打ちして完成なんだと言う。
そういえば作家の眉村卓氏はここ数年、これまでのたくさんの作品とは全く趣の違う内容で一日三枚の原稿を毎日書いている。(新聞折本14号を見てね)
どちらも、毎日やるんだと自分で決めて、言ってみれば勝手にやり続けている。なんて自由なんだろうと思い、ヒトが持つ描(書)き続ける力に感動してしまう。ヒトっていいかもと、思ってしまう。
2001.12.08
大踏切書店でイッパイやりませんか
昔住んでいた小田急線沿線のある駅に久しぶりに降りたら、駅はでっかくて二階になってて、すっかりさまがわりした商店街はコンクリの匂いでいっぱい、駅前には新しい古本屋もできていた。当時あの線は高架じゃなかったので、あかずの踏切りにほとほとカンベンシテクレヨ...なこともあったけど、カンカンカンカン、あのときの不快や不便、それはやっぱり今もどこかの誰かが別なカタチで感じているんだろうなと思う。
第一回古本小説大賞(「彷書月刊」主宰)受賞作品「大踏切書店のこと」は、そんな踏切り近くの本屋兼居酒屋のお話。今夜のような北風ピューピューな夕方には、ちょいとイッパイといきたいところだ。新聞折本15号は、大賞受賞の石山氏、こちらからどうぞ。
2001.12.06
みんなで仲良くやってユキます
金魚部へのご入部、続々いただいているのになかなかご紹介追い付かずすみません。言いわけするつもりはありませんが言いわけになってあまりあるほど楽しいライブ映像を見つけたので、皆さんもどうぞ。『ほぼ日刊イトイ新聞ー今日も金魚は』です。
そう、当金魚部にはイキている部員がいない。だが、空中金魚というあだな、金魚という名前の鯛、金魚人、などは居り、ちょっといいかげんすぎるのではないか、という声もあがっている。まぁあまり考えずにみんなで仲良くやってユコウと思う。
2001.12.05
無理して本屋でバイトすな
かつて玉砕されて以来、ブックオフに本をノウヒンしたことはなかったが、久しぶりに電話していろいろ話してみると皆いいコばっかで驚く。キミらははっきりと◯◯店の(アルバイトの)◯◯でございますと名乗る教育を受けてきちんと応対し、そのきちんと具合がワルイけど気持ち悪く、まぁそのへんはかいつまんだとしても、え、あなたこの本知らんのじゃない?この著者シランのかいな!コラあんた本好きなんかいな!!ということが客にバレるくらいなら、そんな無理して本屋でバイトすんの、やめたほうがいい。そのキチントさはマックさんなどで最高に適正を評価してもらえると思うマジ。
2001.12.04
『寄席の脚光』1950/監督:A.ラットゥアーダ、F.フェリーニ
一本花をつったてた帽子が似合うなんて、後にも先にも金輪際そりゃあジュリエッタ・マシーナしか居ませんヨ。やっぱ、最高ですな。
(1)ベルギーの振り付け師が必死で段取りつけるより、ケッコが追い出された宿屋のおやじを起こすために変える声色のほうが、(2)レストランのイセエビの◯×△料理より、別荘でむしゃぶりついてたハムとチーズとワインと生パスタが、(3)どんな大劇場でのレビューより、石の街に響くトランペットやフラメンコ、加えてウルサイ!と怒鳴る声の劇場が、(4)科学を超越した印度人ってことで電球割って食べて奇人変人を芸にしてるおじさん、普段酔っぱらってピアノ弾いてギター弾いて口笛吹いてるときが滅茶苦茶カッチョ良いではないか、などなど。(1)〜(4)全て映画に登場しているまんま、各項、前者より後者がなんたって楽しくてイーねさすがフェリーニ!!いぇ〜い、だけどこれはラットゥアーダ先輩監督のもとでどこをどう二人が分担したかという問題云々...はまぁ評論家さんにお任せして、見終わればもうニッコニコでジュリエッタばりに目玉くりくりですよ。
京橋のフィルムセンターで開催中の「イタリア映画大回顧」での一本、二ヶ月もあるからなんとかなると思ってると後悔するからチェックしときましょう、そう、既に私も会期半ばで大後悔。なお2,500円のカタログ、作品紹介にライターのカンソウ入り過ぎて???な部分多く正規カタログとしてはバランスが悪い。
2001.12.03
「領収書いただけますか」
お仕事でなにかを買うときは皆、レジでこうお願いしますね。いっぽう、こんなもん経費で落としときゃいーんだよというジンセイのひとは「領収書クレル?」あるいは「領収にシテ」とか言いますね。
普通のレシートは、つい溜ってごみになるからもらわないことが多いんだけど、古本屋ではなるべくもらってその本にすぐ挟んでほっておく。どこでいつその本を見つけていくらで買ったのか、どーでもいーんだけどこれがまぁ結構ダイジというかウレシイわけです。
自由が丘の東京書房はたびたび寄るが、ここ十年だけでも品揃えがずいぶんうねうねと変わったと思う。ちなみにここのレシートの文言はとってもいい。「読み終えた本買います」
パチパチパチパチ。
2001.12.02
皆やさしくってヨ
某ハイヤー会社が決算でコメントしてたけど、企業の利用が半減してるので今は狂牛病対策で深夜までお仕事しているお役人さんたちがタノミなんだそーです...。
つい最近までオレサマは運転手つき車で通勤してたんだ、オマエラとは違うんだ知っとんのか、的おじさまが、満員電車で押されてムッとしてたので、アラこういうところでは皆譲りあって優しい気持で乗り合うのよ、ということを態度で教えてあげました。早く慣れて優しいきもちを取り戻すんだぞ、おっさん。
2001.12.01
全然違ってたとしても、そう思って
ジョージ・ハリソンが亡くなった。ありがとうとかお疲れさまでしたとか僭越言って手を合わせる。大ファンのレコスケくんは、さぞガックリきてることだろう。だいじょぶか?(by友人おかえりのすけ)
ジョン・レノンが射殺されたのも12月だったのをやっぱり思い出してしまう。その日わたしは学校から帰ってすぐに友達の電話で知ったのだった。茶の間のテレビはNHKのゆるいニュースが流れていて、じいちゃんの晩酌のあったかい匂いがしていたんだけど、長電話してお母さんが呆れて上着を持ってきてくれたとても寒い夜だった。
その年の夏ぽっくり死んだ友だちの状況にまだ蒙昧してたからなお解らず、解らないということにぼーっとイライラしながら延々と続くラジオの追悼番組を聴いていたら、これはずいぶん遠いコトだと感じてきた。哀しいし惜しい。だけど、誰かが死んでそのことで泣けてきちゃうのは、その人を思い遣ってんじゃなくて、自分がこんなに依存して哀しいのかと驚いたりその人を失ったことを言い訳にしようとしたり、そんな自分を露呈するだけみたいダと思った。
死んだらそのひとは終わりなのか。今考えてもそれはそうとは思えないので、死はやっぱり、残ったひとが自分に寄せて考えるためのできごとみたいに思う。
そうすると、某地での葬式泣き女という仕事とか、感情表現は形式だと言ってあっさり泣いてあっさり笑うのも、そうかそれってちっともへんじゃないなーと思ってきたのだけれど、まぁ全然違うかもね。
とりあえず、もうとうにあっちにいったじいちゃんに、また偉大な若きミュージシャンが行くよと教えてあげた。