月別履歴(タイトル抜粋)
2002年 10月
2002年 09月
2002年 08月
2002年 07月
2002年 06月
2002年 05月
2002年 04月
2002年 03月
この本は私に会うために(1)
律儀(3)
なんちゃって矢印(6)
ピンクの肋を解体します(10)
世田谷区立下馬幼稚園(17)
「路程」は写っていなかったのか?!(19)
『落ち穂拾い』(22)
フラジャイルに「千夜千冊」の1/2(26)
実はワカメさん(29)

2002年 02月
スタイルの速度。音/映像/文字(1)
0020202の本棚(2)
『オードリーとフランソワーズ』(4)
『紙魚の手帳』12号(7)
東京駅。どっち側に降りて本屋に行くか(9)
本のことなら憶えてるが...(12)
行方不明新聞折本公開捜査(13)
佐伯俊男(14)
『ユビュ王』にくそったれ!ってそのまんまな...(16)
その穴のさきにあるもの(17)
家庭の医学と専門書の断絶を埋めるもの(20)
ジャリなら自転車こぎこぎ冷し中華を(21)
図書館のちょっと無理矢理(26)
送料に限って言えば(27)
月が最近(28)


2002年 01月
あけましておめでとうございます(1)
腹ぺこタイシ(4)
ランクアップした二百円のおみくじ(7)
方角が悪いんです(12)
カタログに載るモノ(20)
お、い〜ぞ〜(21)
冬もボサノヴァ(23)
ぽんぽこたぬき工作(26)
図書館はうるさいのだった(27)
『ナージャの村』(31)

2001年 12月
皆やさしくってヨ(1)
『寄席の脚光』(4)
無理して本屋でバイトすな(5)
大踏切書店でイッパイ(8)
いらないものばっかり残るのよ(13)
ママゴトやっといてよかった(17)
sold out 通知(22)
「2001年宇宙一瞬旅」(25)
不吉な夢もなんのその(26)

2001年 11月
愛犬は0.5(4)
自分で勝手に無理してグチる茶番(5)
どこのどいつ(6)
ひとの書棚を覗くのは楽し(9)
「広告としてのイラスト」(11)
かき×かぼす=マンゴ(13)
どこで区切って無駄と言う?(15)
「学校どこ?」(16)
岡ノ上鳥男様 田辺茂一(20)
おかえりのスケ本登場(26)
webで本をめくりたいひとはいないでしょう(30)

2001年 10月
bookbar4楽天ブックス開店(01)
鉄の扉「絶版」で幽閉された本の脱獄幇助(02)
本コ子雑誌、即物的体験を池袋リブロで(05)
おれなら桜を植えに行く(08)
眼の日は啓祐堂で眼のコヤシをいただく(10)
ライブ辞書を作るゾ(15)
新聞折本第八号(17)
製本-花ぎれの固定(18)
NONを見よう(19)
実感トハ恥ナリ(20)
透明酒は...(21)
となりの客はよく肉食う客だ(22)
わたらせ渓谷(27)


2001年 09月
意の外(01)
これを読んだら呪ワレル(03)
葉書文庫本(04)
均一つながりの本と新聞(05)
広辞苑、外に連れ出し運動(08)
平まどかのベルギー製本留学記(09)
コソコソするのはなぜ(17)
グリコのポーズ、やってみて(18)
それ、名前なんですけど...(19)
あどべんちゃブラリ(25)
オノ・ヨーコと朝日新聞(26)
温寿司(28)
まじ秋(30)


2001年 08月
横顔ばっかの金魚(03)
『チェブラーシカ』(04)
クモの糸をどう使うか(09)
人工雨、日本編(11)
空中金魚(13)
防ぐのが礼儀(14)
炭化菜種降りしきる花火大会(18)
屋久島の森に(28)
宇宙人と妖怪(30)


2001年 07月
くだらナイ→すまナイ(02)
やっと処分したっていうのに(03)
「ドキドキ」を見て体の頼りなさを (05 )
観本旅行(06)
おでかけには「じろう」を(1)
『ラッチョ・ドローム』(12)
いってきますじろう問題(15)
これは本なのですか(16)
「本は傷んだら修理すればいい」(17)
「うまい」か「おいしい」か(19)
エーッ○エーッ○エッ○ホイ○ッ○(23)
新聞折本第三号(25)
ネコとシャクシとキミと(26)
自由カラは逃走できない不自由(29)
夏はこれからだってば(30)


2001年 06月
ダダ書房店主に惚れる(04)
日焼けサロンじゃあるまいし(07)
製本アトリエ記11 (08 )
図書館には何を探しに行くか(10)
『ミリオンダラー・ホテル』(13)
人間を本に変える銃(14)
スクラップ帳をスクラップ(16)
死を待たずにとる魚拓が失うもの(17)
辞書である前に本でもある(20)
さくらんぼの味(24)
ああやっぱジンセイって(27)
金魚部第二回秘宝展(28)
図書館オチの古本(30)


2001年 05月
SPACE ODYSSEY(06)
新入部員は銀魚(09)
製本アトリエ記10 (10 )
「本コ」誌第一期終了につき(15)
never 金魚(16)
日に月に媚びず。(19)
ベストセラーがバカバカしくなっちゃって(20)
新聞を3回折って本にする(21)
『地獄の黙示録』(24)
新聞本の祖父は「くそ」と詩をかく(26)
「言葉はサーファー」説(27)
ナはテイをアラワスか(28)
祝いの席には花火か蜘蛛か(31)


2001年 04月
言いそびれ(04)
宅配から机配へ(06)
金魚部、無念(07)
一般市民ですけど(12)
書肆啓祐堂誌「黄金の馬車」(16)
切手詰め本(18)
「五点支え法」実験装置(19)
東京国際ブックフェア2001(21)
花ぎれ、できた(23)
おかえりのすけ事件2(24)
『ツバル』 (25)
探し選び奪う退屈(28)
ぶらりの卒業(30)


2001年 03月
カフェでふと(01)
日記の積み重ね(06)
忘れてはならない直感。(10)
「荒俣まぼろし堂」最終目録(11)
『キャラバン』(13)
『あらかじめ失われた恋人たちよ』(14)
ナヲナノレ(16)
記憶はひとの身体に間借りして(18)
後ろからやってくる(23)
夢は誰がみているか(25)
第一回金魚部秘宝展極秘開催(26)
図書券の使いかた(27)
閉店間近に耳ダンボ(31)


2001年 02月
窒息おかえりのすけ(01)
恐縮は笑い飛ばす(04)
他人様の土俵で燦然と輝いてしまうNIKE(07)
ダダな漢字(12)
へん平時代(15)
雨の筋に傘は目盛る(18)
『シュリ』(20)
タエコ・リズム(22)
NONでシールを貼ってもらおう!(23)
プロ紙に敬意を表した本(25)
ウリポな文学者の皆様へ(26)
万能web出版(28)


2001年 01月
初詩集『心配の速度』(06)
4×4 = 8 vs 365-6=358(08)
図書館ホテル(10)
中村文庫(14)
発禁と戦い、秘められた名作を(19)
" BOOK BLESS YOU. "(24)
ダイヤル・ビーチへ行こう(31)


2000年 12月
缶詰文庫(01)
星の王子さまが観た星空(05)
砂時計のくび(14)
目論書本(18)
新聞折本プロジェクト(20)
金魚部に西洋の旦那が(22)
環太平洋的に詩集(27)


2000年 11月
『グロリア』(02)
同級生が有名人になってしまった場合の卒業文集(03)
真空凍結乾燥機を入れてくれ(05)
がっくり(06)
カンガルーとおやじ(12)
吹き出し、開放(13)
銀杏書房(16)
『ラテンアメリカ光と影の詩』(20)
いかに多くの「思わずできたもの」(22)
おかえりのすけ事件(23)
「いんちき」とは何かを『桂離宮』に識る(24)
なかったことに(26)


2000年 10月
度忘れの度合い(31)
『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』(28)
本の系統樹(23)
「もいました。」(22)
『馬的思考』、一冊置いとくヨ(21)
疲れた筒(20)
分別快楽(18)
プラスチック部(12)
『ガタカ』(11)
『キカ』(03)


2000年 9月
はみだす飛び出し絵本(25)
文庫本をローンで買いたい(20)
めくるめく書籍目録の誘惑 (19)
『ポール・ボウルズの告白』(14)
みんな平らになりたい (13)
『ひかりのまち』(08)
9月1日はパタフィジックに(01)


2000年 8月
虚言僻を伴う脳の病気の後遺症の証拠(08)
あなたの信頼に背くわたし宣言(11)
「シツレイ」の効果(16)
『モジュレーション』(17)
bookmark 4とbook bar 4 (20)
@(24)


2000年 7月
目玉に食塩水を~(04)
「今日」あたし、ダメかも。(05)
些細な気まずさの克服(09)
" code " のバッグ(15)
電気スタンドマン(18)
地図通りだ!(30)


2000年 6月
共感しなくちゃいけない脅迫(03)
期待のかたち(05)
「頭痛いので休みます」(06)
人サマのリサイクルをする葬儀やのバイオ度(12)
バービーの脚が指に(15)
ゴダール『映画史』(16)
合理的なプロレタリヤ医学(21)
『ミラクル・ペティント』(26)
『フルスタリョフ、車を!』(29)


2000年 5月
TOTOの味噌汁(15)
『エグジスタンズ』(24)
『棺桶の中で宙返り』(28)
『足にさわった女』(29)


2000年 4月
万年青春映画の恐怖(05)
死因を調べてもらう料金(07)
凸=H2cm、 20×20でいこう(20)


2000年 3月
『スリーピー・ホロウ』(07)
さぶいぼセンテンス(10)
実感のリロード(16)
セルフ・パブ『共生虫』(28)
『ストレイト・ストーリー』(30)


2000年 2月
生まれ変わったらmusicianになる(13)
泡の中身(15)
人が言わないことを否定する(16)
plastic book(21)
接続語の「ぶっちゃけた話」(23)





2001年10月31日
2001111
ああまたひとつきが終わってしまったのだなぁとはっきり実感できるのは、手帖やカレンダーを替えるときだろう。なにか行動を伴わないとしっくり体に入ってこないような気がする。このコーナーは月ごとに一ページにしているので月に一度は整理をするわけだが、こういう作業も実感の糧となるわけだ。
で、20日の「透明なお酒」のとこなんですけど、あのときは梶山季之の『せどり男爵数寄譚』 にでてくる透明「せどりカクテル」のことを話そうと思っていたのに、どっかずれて言い訳で終わってますね。カクテル製造機と言えば『うたかたの日々』、シャルル・ベルモンの映画版(1968)はそそりますね。とまたずれたので今月はここで終わろう。明日は2001111です、日付け記入を間違わないようにしましょう。
2001.10.30
では問題です
アケビってありますね、今旬ですね、それ、どうやって食べますか。答えは数日後。
2001.10.29
なれなれしいヤツら
君が死んだと電話をもらいました。育ちも学歴も頭も良くてついでに仕事も良くできてお世話になった。だけどその暮らしかたや仕事のでき加減その全てが君の歳にはそぐわないおっさん仕様でよくそう言ってバカにしたけど、これからはもう君は老けないのでいずれ追いつくはずだからその頃にまた会おう。
帰りの電車で、八尋さんが死んだ話をしている若者がいた。新聞で知っている三井物産の昔の社長のことでしょう。大学が一緒なんだか物産の関連会社に勤めてるのかなんだか知らんけど、やひろさんもねーとかなんとか言ってささいなきっかけをつかんで身近ぶってアホか。君もいろいろ言われてたヨ、死に急いだとか、運と灰汁の強さは違うとか。可笑しいね。さよなら。
2001.10.28
ひっくりかえんなくてとてもよかった夕飯
今日は雨で風邪もひいたので、ちびまるこちゃんを見ながらきのう足尾で買ってきた四方竹ときのこでつくった炊き込みご飯を食べたウマイウマイ。
まるこ一家は紅葉狩りにでかけたが渋滞にみまわれ意気消沈、じゃぁ弁当でも食べよっかとおかあさん大提案、うわぁい!もつかの間、まるこ、まるで漫画のようにひっくり返して台無しにする。かわいそー。私は改めて足尾のほうを向いてゴチそうさまでしたを言う。
2001.10.27
わたらせ渓谷
わたらせ渓谷に行く。時々団体と同席して、あれ?テレビでもミてんのかしら的効果音のあらしにクラクラするが、いなくなるのもまた同時なので一瞬にして静寂がやってくる。紅葉を見るためにひたすら人かきわけて感嘆の声を揃えるおばさんたちは、私の知らない戦争の哀しさを体験しているんだよねと思いつつ、蒙昧した視線にはやっぱり同調することができない。もう少し、みんな言い訳することを辞めればいいのにと思う。言い訳なんかせいぜい自分が聞くだけなのに、だからみな必死の形相になって観光するから、そのスポットしか見えないんでしょう。
紅葉は美しく秋の水はサラサラと足下をかすめ、静かに寝そべればもうそれだけで夕暮れを迎えてもよかった。だけど今回は、道すがらみた家々にも使われていた銅をこの大地から採ったひとたちの現場を見ておきたかった。
足尾銅山のほんの一部をくぐって出ると観光客の足は去っていた。町の理髪店の叔父さんは6時で閉店し、今日のタオルを洗濯してパンパンと道ばたに干し始め、わたしはそのなんとも言えない店構えを写真におさめたくてチャンスを待つが、あっさり消灯して彼は一日の仕事を終える。
諦めて駅に向かう。常連のおっちゃんとおねえちゃんがワンマンーカーのあんちゃんとめちゃくちゃしゃべっててちょっと不安、「お客さん寒く無いですかー」など響く一両が桐生に向かう。途中から乗ってきた青年は今夜のデートのために携帯電話で親に嘘つき、彼女とは相老で待ち合わせていることがすでに全車両にバレていて、キメのいでたちにしてはダサいその具合がなんだかまたオウエンしたくなる風情で、23時頃、彼は今頃楽しく遊べているかなと言う。
どこにどう出かけてもどこまで行っても誰かが暮らしていて、いつだってとても遠い気分になる。だからいつもなぜだか戻ってくるささやかなポイントが、誰か知らないひとが見たらそういうことなのねと思って大事になる。そんな気分にひたってさあ降りようかと思うころ、出口の向こうであんちゃんが、寝ゲロぶちまけ絶好調なのであった。

2001.10.25
製本アトリエ記(13)〜背貼り

前回、花ぎれを固定した。次は背の部分にちょっと厚めの紙を貼り、それを適度にヤスリがけしながら凹凸をなくす作業にはいる。
背の幅よりちょ〜っぴり狭い幅、天地は本体+各10mmくらいの大きさに紙を切り、貼りやすいようにまるめて(寿司を巻くようにして)おく。背にニカワを塗り、まるめた紙を重ねて貼るわけだが、このとき、紙のうえからノリをたっぷり塗って、ノーマル・ヘラを使ってごしごしこすりながらぴったりと密着させる。この場合のたっぷりノリは、フロッタージュのときと同様、すべりをよくするためのもの。
ニカワとノリがしっかり乾くまで、しばらく待ちましょう...とまあこんな具合で、製本作業には乾かす時間ってものが随所に必要となる。この時間を効率良く使うために数冊同時進行させるのがプロ、この時間を休憩及び構想タイムとするのがアマチュアリズムの真髄。どちらもそれぞれにヨロシ。
2001.10.24
■必然の泡が浮いて割れて偶然ダワネと言う
またまたあれとこれとそれとなにがとたんに合致してなんともまぁ奇遇なことですネとうれしくなる。一個一個はただ日常的に関係しているだけだし、同じような興味を持っていれば同じようなところをうろうろするわけだからいつなんどきどこでどう出会ってもちっともおかしくはないのだが、それでもやっぱりそれがふぃっと来てかちっと点で重なることは、うれしいしありがたいしだいじだなぁと思う。
必然はいつも潜伏していて、ぽかっと浮かんだときそれを偶然ダワネと言うのだろう。どんよりよどんだところには、泡のひとつも浮かない。
2001.10.22
■となりの客はよく肉食う客だ
内容的には(それはどーかなー)だが、タイトルが金魚部だったのでピックアップ。「狂牛病と巨大化金魚との関係」(WritingSpace/池田@ママさん)。
なお金魚部には、海洋堂さんからセイタイガクテキに正しく美しいランチウABさんが入部。また、エマニュエル一家さんの入部により、次回部会議題決定してますので部員さんたちはキチンと見ておくように。
2001.10.21
■透明酒は無骨な硝子によく似合うのだ
コンビニで急に「ちょっと熱燗でもいっとく?」ということで日本酒を買う、紙パックだけど。ちろり(って言うんだっけ?)で温めてチビチビ。
そういえばアキ・カウリスマキの映画にはよくガバガバお酒を呑むシーンが出てくるが、なぜかいつも旨そうなのであった。『白い花びら』では農家の主人がウォッカを大瓶からどぼどぼついで酔いつぶれ、『愛しのタチアナ』でも瓶ごと一気飲みしていた。たまたま今夜やってた(12ch)『寅さんシリーズ』でも、一升瓶を卓袱台に載せて冷やでぐいぐい飲む森繁が出ていたがこれまた旨そう。
マタマタ〜シカマめ...と思ったアナタ、これは別に量の問題ではない、たぶん装飾のない無骨な瓶とかグラスが、透明のお酒にはとってもよく似合うんだと思った次第です。
2001.10.20
■実感トハ恥ナリ
初台の the doors での「ケルアック・トリビュート・ビートニク・2001」に行く。詩の朗読は好みがわかれるから、逃げ出したくなる時間もあったけど、ムロケン、ロバート・ハリス、ビデオ参加の佐野元春各氏らの圧倒的な言葉の力に、かっこいいなぁと思う。
実感することがいかに普段なされていないか。その言葉が自分の実感によるものでないと、恥かしかったり気を衒ったりして聴くひとにばれてしまう。だけどそれを恐れず逃げずに繰り返していかなかったらそれがまた実感につながらないなんて、実感トハ恥ナリああツラいなぁ。
四時間近くいろいろあったけど、圧巻は「戌井昭人(いぬいあきと)&鉄割アルバトロスケット」。「けんちゃん曼陀羅」ってのが出てくるんですけどね、あれ欲しいなぁ。またもー腹が笑っちゃって死にそうでだめです。

ムロケンさんたちが「heartbeat」誌創刊号に寄せた文をご参考まで。「heartbeat」には私も時々書いてます、どこかで見かけたらめくってみてね。

2001.10.19
■NONを見よう
奥成達資料室にある幻の雑誌『NON』、詳細はこちらを御覧いただきたいが、その実物をもしかしたらラッキーだったら渋谷の古本バー、「NON」で見れるかもしれません。このふたつ、たまたま名前が同じだっただけでなんら因果関係はないんだが、なんというかわさわさと集まる空気感ははからずもおんなじかもしれない。
ずいぶん前にここの棚で見つけていた本が奥のほうに隠れていたのを発見したので、ああこれは私が来るのを待っていてくれたのだわネと、大きなしかし愛おしい勘違いをして買って帰る。とてもいい本のなのでいずれ come on a booky! するから待っててね。
2001.10.18
■製本アトリエ記(12)〜花ぎれの固定
プレスから出して、貼り付いているのりひき紙をびりびりやぶってヤスリをかけておく。机の上に本を立ててまっすぐ立てばOK。次は花ぎれの固定。
1)花ぎれを編んだときに背に通した針穴部分にノリをいれておく。穴の埋めるつもりで。
2)手締めプレスに本をまっすぐにはさむ。
3)花ぎれの表になるほうににじみ出ない程度のボンドを、花ぎれの裏側の下段部分に竹串を使っていれる。
4)フィセル用の糸をほぐして梳き、花ぎれの下段部分のくぼみにちょうどおさまる程度の太さにして入れ込む。左右にスリスリとよくひいて天や横からマジマジながめ、花ぎれがきちんと本体に収まってわぐりんと美しい弧を描くように、ヘラで押したり寄せたりナンダリして形を整える。
5)縦:40mm(花ぎれを背に留めるために刺した針穴まですっぽりかぶり、本体から5mmくらい出る長さ)、横:背幅+10mm程度に、横目にとった和紙を手でちぎってノリをいれ、花ぎれを留めた背の部分に左右によくひきながら貼る。
6)プレスからはずし、筆でニカワを少しとってその和紙の上にポトと落とし、指先で塗り伸ばす。花ぎれが透き通って見えるくらい。花ぎれを今後の作業から守るためにニカワで薄く膜をつくる感じ。これから先は、本は必ず板にはさんで重しをのせること。さぁ次はだ〜いすきなヤスリがけだわ。
2001.10.17
■日本人が最も輝いていた頃
日曜日(たぶん)の夜にNHK総合でやっている、戦後の日本のいろんなドキュメンタリーの再放送はいい。数百年の後に、「日本人」というものの歴史を俯瞰するヒトが見たら、きっとその時代の「日本人」がもっとも輝いていたと解説するんじゃないかと思う。 それぞれが必要にせまられてなんとかせねばと行ったバラバラの工夫、それがうみだす猥雑さ、この主体性こそ暮らしの楽しみ、あの時代にはそれが遍在していたのでした。
さて新聞折本第八号は、「オレの夢は紙芝居屋になることなんだ」と延々言っている(今も)久保さん号です、ので見てね。新聞折本のことを「ああ、あのゴミみたいなやつね」とヌカした、イケナイひとでもある。
2001.10.15
■うひうひ待ち望む間に
あれくれいそれくれいと、鮨握る一級おやじに挑戦的に頼み挑んで満腹、なんてことは滅多にできないわけで、今日は出前でもとる?というときには、うめだかたけだかしらねーけどよーやっぱすしはまつだろーと、松、お願いします。
好きなネタは先に食べるかそれとも後か。至福の時間を待ち望むワクワク感にひたる派のわたしは後で食べます。さて金魚サブレだが、わたしがうひうひ待ち望んでいる間に、しびれ切らして自爆してしまった。その金魚サブレことBENKEI入部顛末をどうぞ。そうねぇ、そういうリスクが、ワクワク感の真相なんでしょう。
2001.10.15
■今日は「ま行」の日、ライブ辞書を作るゾ
池袋リブロで「広辞苑、外に連れ出し運動・今日は『ま行』の日」やってます。『本とコンピュータ』誌が置いてあるあたりにたぶんぶらぶらぶらさがっているはず。赤い表紙の「ま行」誌を見つけたら、どうぞあなたの頭のなかにある、ま行ではじまる言葉を落書きしてください。どんな言葉でもOK、あなたなりのその言葉の辞書的説明を書き加えてくれたらもっとうれしい。
この「運動」はこれからいろんなところに出没予定、いずれ全部の「行」がそろって、いろんなひとのイマの言葉が並ぶライブな辞書をめざすのであります。
2001.10.14
■あふれんばかりの幸せを両手に
原っぱは気持良い。とりあえず寝転んで空をあおぎ、周囲の草花をぷちぷち摘めば、草相撲やケムケム遊びが自然とはじまる。
少しまえ、東京世田谷の砧公園でやはりぷちぷちちぎっていたら、お、四つ葉ではないかしめしめしあわせがやってくるのねと喜んで起き上がると、その周囲はなんとしあわせだらけなのであった。
「柏崎刈羽原子力発電所の敷地見学をしたときに、四つ葉のクローバーをたくさん発見して両手に幸せをたんまりもって帰りまシタ、DNAの損傷による突然変異らしいけどね」という話を聞いて思い出したのだった。(原発の敷地内なら納得するけど、砧公園内っていうのはどうも納得いかないなー)と、根拠もないくせにそいういう区別をした自分が可笑しい。
五十年後、四つ葉のクローバーが持つ意味は、どうなっているんだろう。
2001.10.12
■一個の玉の表面で
たった一個の豊かな玉に、わたしたちは皆で入れ代わり立ち替わりわずかの年数づつくっついて「生きている」と言う。
あいつは悪いやつかもしれんが、あいつが吸う空気を汚してきたのはわたしたち自身なので、善×悪とか敵×見方とか、そういう対立するものとして見ることがどうしてもできない。
この春、『カンダハール』のモフセン・マフマルバフ監督は、バーミヤンの仏像は破壊されたのではなく恥で倒れたのだと言った。あのとき(うまいこと言うねー)と私はチャラチャラ思った。こういう無知が、空気を少しづつ濁らせていく。そして、知ってて知らんぷりするエライひとたちに惑わされて、わたしは自分が知らないことを忘れていく...。
山本芳幸氏の『カブール・ノート』はNO.9を重ねた。実感を重ねて得られた視点とは、こんなにも強いものかと思う。
2001.10.10
■眼の日は啓祐堂で眼のコヤシをたんといただく
去年までは体育の日だった今日だが、今年からはそうでもなくなったので眼の日ですねってことでいいだろう。あいにくの雨だから、コヤシとなるイイモノをたんと眺めて慰労いたしましょうか。ということで、東京・高輪の書肆啓祐堂が『黄金の馬車』第三号を発行。bookbar4のタンクギャラリーも連載中、web版に組み変えたものをこちらにアップしたので見てね。
なお啓祐堂HPでは、湯川書房の本と指月社の限定本を特集中、車谷長吉『抜髪』、白洲正子『比叡山回峰行』、白石かずこ『四つの窓』他が並ぶ。部数限定のためすぐになくなってしまうといううわさの『黄金の馬車』誌と合わせて、啓祐堂店主御夫妻のお話を聞きながら、ゆっくり多くのかたに御覧いただきたい。
2001.10.09
■インチキ野郎に「史」を語らせるのはやめよう
欲しいというヒトの気持ちが、モノを動かす原動力だ。だから「読みたい」というキモチが集まって始めて本は売れるのだと思いつつ、それがそのまま受け取られることは意外と少ないんじゃないだろうか。
おまけに販促やマーケ、あるいは研究とか言ってインチキ野郎たちがいい気になって網をかけるから、細やかなひとつひとつが見えなくなる。そんなやつらが残した資料を参考に、またまたそんなやつらが記述を残すと、見事な物語が史実となってしまうのだった。新聞折本第七号は、読書史というくくりのなかでそこんところにマッタをかけた永嶺号。
貴方が今日読んだ本が面白かったら、とりあえずそのことをどっかに書き記しておいてね。ひとつづつの読書の状況と感動が重なって始めて、「史」として記されるべきものだから。いつかどこかの誰かが、貴方のその感動を読み知ることでショウ。
2001.10.08
■おれなら桜を植えに行く
このテロをなくすために、いったい私たちはなにをどうしたらいいのだろう。「空爆反対と言ってるが、じゃぁキミならどうするか」と問われると、マスメディアで知りうる程度をさんざひけらかしたあげく言い放つ答えの頼り無さに、自分でがっくりしてしまう。
と、彼は言う。
「おれなら桜を植えに行くね」
「私も行く」と、言った。
2001.10.05
■本コ子雑誌、即物的体験を池袋リブロで
先月発売の『本とコンピュータ』誌は子雑誌をなかに抱えたカタチで第二期をスタートさせたが、確かに私も実物を見るまでは、分冊された小冊子がくっついてくるような気がしていた。理想はそうでもゲンジツはなかなかそれを許さない、ならばそれを期待していたひとがそのように作ればよいのです。ということでやってみたので見てね。
今週末から池袋リブロさんで、『本とコンピュータ』誌の近くにこの実物をブラブラぶら下げてくださるとのこと、子雑誌が、確かに産まれたのだなぁという即物的体験を貴方も!
2001.10.03
■free and unrestrained な、金魚
この前うちで着物つながり宴をやったとき、金魚部新入りさんが連れられてきた。よっぽど動画にしよーかと思ったけど、こいつだけひいきすんのもどーかと思い、食前食後の二枚でご紹介したので見てね。まぁ実物と対面したら圧倒されます、まちがいなく。
2001.10.02
■鉄の扉「絶版」で幽閉された本の脱獄幇助=「絶版」のクリック先をつくる
書籍のデータはずいぶん揃って便利になったが、気になる作家の「絶版」の文字にあたると、どんづまり感を持つことはないだろうか。たかが出版社の事情に振り回されてがっかりするのは、なんだかしょぼい。こんなのはどうだろう。
例えば一人の作家(A)の本を、個人的に直接話し合いできる位置にある誰か(B)が、できうるかぎりフォローする。そして「Aの資料室」が、「Bのプライベート・サイト」として公開される。Aのことを探すひとは必ずやA資料室に行き当たり、絶版の本を知る手段を得る......。
AとBの信頼関係さえしっかりしていれば、その資料室から一般書店や古書店へのリンク、AもしくはBの蔵書からの販売や貸し出しなど、いろんな方法で探す人に提供できるだろう。現在web上にある「絶版」という文字が、各作家の「資料室」にリンクする、という景色を私は思った。

おりしも、あまりに増殖してcome on a booky! コーナーで顰蹙をかっていた奥成達関連本に手を焼いていたので、まとめて「奥成達資料室」として試してみることにした。どんどん増えて収拾がつきそうにないし、システムの問題で理想形には当分行き着かないことがわかったので、誤字脱字もはばからず、まずは皆さんをお誘いするための足掛かりとして見ていただけたらうれしい、ということでオープンしちゃいました。

えらそーな「絶版」をやっつけちゃいましょう、というか、「絶版」という鉄の扉をつくったのは誰なんでしょう。そこに幽閉されてきた本たちの脱獄に、みんなで手を貸しませんか。


2001.10.01
■bookbar4楽天ブックス開店案内
別に明日本屋にでかければそれですむ話なんだけど、夜中にどーしてもその本が買いたくなっていてもたってもいられないときってないですか。紳士淑女のミナサマがそんなときに利用するオンライン本屋のひとつに、bookbar4楽天ブックスもぜひおひとつどうぞ。皆様にはお馴染みの「おかえりのすけ」が、例のユラユラ踊りをしてお出迎えいたしマス。いまなら送料無料、アラお得だわ。
bookbar4でチラチラ登場する本の実物を、できるだけ多くの方々に見ていただきたいなぁと始めたことの一つで、普通の書店で扱っているものはこちらから検索できるようになりました。それ以外のものをどうやって多くの方々に見ていただくか、ボチボチやっとりますのでどうぞ末永くおつきあい下さいまし。