月別履歴(タイトル抜粋)

2002年 10月
2002年 09月
2002年 08月
2002年 07月
2002年 06月
2002年 05月
2002年 04月
2002年 03月
この本は私に会うために(1)
律儀(3)
なんちゃって矢印(6)
ピンクの肋を解体します(10)
世田谷区立下馬幼稚園(17)
「路程」は写っていなかったのか?!(19)
『落ち穂拾い』(22)
フラジャイルに「千夜千冊」の1/2(26)
実はワカメさん(29)

2002年 02月
スタイルの速度。音/映像/文字(1)
0020202の本棚(2)
『オードリーとフランソワーズ』(4)
『紙魚の手帳』12号(7)
東京駅。どっち側に降りて本屋に行くか(9)
本のことなら憶えてるが...(12)
行方不明新聞折本公開捜査(13)
佐伯俊男(14)
『ユビュ王』にくそったれ!ってそのまんまな...(16)
その穴のさきにあるもの(17)
家庭の医学と専門書の断絶を埋めるもの(20)
ジャリなら自転車こぎこぎ冷し中華を(21)
図書館のちょっと無理矢理(26)
送料に限って言えば(27)
月が最近(28)


2002年 01月
あけましておめでとうございます(1)
腹ぺこタイシ(4)
ランクアップした二百円のおみくじ(7)
方角が悪いんです(12)
カタログに載るモノ(20)
お、い〜ぞ〜(21)
冬もボサノヴァ(23)
ぽんぽこたぬき工作(26)
図書館はうるさいのだった(27)
『ナージャの村』(31)

2001年 12月
皆やさしくってヨ(1)
『寄席の脚光』(4)
無理して本屋でバイトすな(5)
大踏切書店でイッパイ(8)
いらないものばっかり残るのよ(13)
ママゴトやっといてよかった(17)
sold out 通知(22)
「2001年宇宙一瞬旅」(25)
不吉な夢もなんのその(26)

2001年 11月
愛犬は0.5(4)
自分で勝手に無理してグチる茶番(5)
どこのどいつ(6)
ひとの書棚を覗くのは楽し(9)
「広告としてのイラスト」(11)
かき×かぼす=マンゴ(13)
どこで区切って無駄と言う?(15)
「学校どこ?」(16)
岡ノ上鳥男様 田辺茂一(20)
おかえりのスケ本登場(26)
webで本をめくりたいひとはいないでしょう(30)

2001年 10月
bookbar4楽天ブックス開店(01)
鉄の扉「絶版」で幽閉された本の脱獄幇助(02)
本コ子雑誌、即物的体験を池袋リブロで(05)
おれなら桜を植えに行く(08)
眼の日は啓祐堂で眼のコヤシをいただく(10)
ライブ辞書を作るゾ(15)
新聞折本第八号(17)
製本-花ぎれの固定(18)
NONを見よう(19)
実感トハ恥ナリ(20)
透明酒は...(21)
となりの客はよく肉食う客だ(22)
わたらせ渓谷(27)


2001年 09月
意の外(01)
これを読んだら呪ワレル(03)
葉書文庫本(04)
均一つながりの本と新聞(05)
広辞苑、外に連れ出し運動(08)
平まどかのベルギー製本留学記(09)
コソコソするのはなぜ(17)
グリコのポーズ、やってみて(18)
それ、名前なんですけど...(19)
あどべんちゃブラリ(25)
オノ・ヨーコと朝日新聞(26)
温寿司(28)
まじ秋(30)


2001年 08月
横顔ばっかの金魚(03)
『チェブラーシカ』(04)
クモの糸をどう使うか(09)
人工雨、日本編(11)
空中金魚(13)
防ぐのが礼儀(14)
炭化菜種降りしきる花火大会(18)
屋久島の森に(28)
宇宙人と妖怪(30)


2001年 07月
くだらナイ→すまナイ(02)
やっと処分したっていうのに(03)
「ドキドキ」を見て体の頼りなさを (05 )
観本旅行(06)
おでかけには「じろう」を(1)
『ラッチョ・ドローム』(12)
いってきますじろう問題(15)
これは本なのですか(16)
「本は傷んだら修理すればいい」(17)
「うまい」か「おいしい」か(19)
エーッ○エーッ○エッ○ホイ○ッ○(23)
新聞折本第三号(25)
ネコとシャクシとキミと(26)
自由カラは逃走できない不自由(29)
夏はこれからだってば(30)


2001年 06月
ダダ書房店主に惚れる(04)
日焼けサロンじゃあるまいし(07)
製本アトリエ記11 (08 )
図書館には何を探しに行くか(10)
『ミリオンダラー・ホテル』(13)
人間を本に変える銃(14)
スクラップ帳をスクラップ(16)
死を待たずにとる魚拓が失うもの(17)
辞書である前に本でもある(20)
さくらんぼの味(24)
ああやっぱジンセイって(27)
金魚部第二回秘宝展(28)
図書館オチの古本(30)


2001年 05月
SPACE ODYSSEY(06)
新入部員は銀魚(09)
製本アトリエ記10 (10 )
「本コ」誌第一期終了につき(15)
never 金魚(16)
日に月に媚びず。(19)
ベストセラーがバカバカしくなっちゃって(20)
新聞を3回折って本にする(21)
『地獄の黙示録』(24)
新聞本の祖父は「くそ」と詩をかく(26)
「言葉はサーファー」説(27)
ナはテイをアラワスか(28)
祝いの席には花火か蜘蛛か(31)


2001年 04月
言いそびれ(04)
宅配から机配へ(06)
金魚部、無念(07)
一般市民ですけど(12)
書肆啓祐堂誌「黄金の馬車」(16)
切手詰め本(18)
「五点支え法」実験装置(19)
東京国際ブックフェア2001(21)
花ぎれ、できた(23)
おかえりのすけ事件2(24)
『ツバル』 (25)
探し選び奪う退屈(28)
ぶらりの卒業(30)


2001年 03月
カフェでふと(01)
日記の積み重ね(06)
忘れてはならない直感。(10)
「荒俣まぼろし堂」最終目録(11)
『キャラバン』(13)
『あらかじめ失われた恋人たちよ』(14)
ナヲナノレ(16)
記憶はひとの身体に間借りして(18)
後ろからやってくる(23)
夢は誰がみているか(25)
第一回金魚部秘宝展極秘開催(26)
図書券の使いかた(27)
閉店間近に耳ダンボ(31)


2001年 02月
窒息おかえりのすけ(01)
恐縮は笑い飛ばす(04)
他人様の土俵で燦然と輝いてしまうNIKE(07)
ダダな漢字(12)
へん平時代(15)
雨の筋に傘は目盛る(18)
『シュリ』(20)
タエコ・リズム(22)
NONでシールを貼ってもらおう!(23)
プロ紙に敬意を表した本(25)
ウリポな文学者の皆様へ(26)
万能web出版(28)


2001年 01月
初詩集『心配の速度』(06)
4×4 = 8 vs 365-6=358(08)
図書館ホテル(10)
中村文庫(14)
発禁と戦い、秘められた名作を(19)
" BOOK BLESS YOU. "(24)
ダイヤル・ビーチへ行こう(31)


2000年 12月
缶詰文庫(01)
星の王子さまが観た星空(05)
砂時計のくび(14)
目論書本(18)
新聞折本プロジェクト(20)
金魚部に西洋の旦那が(22)
環太平洋的に詩集(27)


2000年 11月
『グロリア』(02)
同級生が有名人になってしまった場合の卒業文集(03)
真空凍結乾燥機を入れてくれ(05)
がっくり(06)
カンガルーとおやじ(12)
吹き出し、開放(13)
銀杏書房(16)
『ラテンアメリカ光と影の詩』(20)
いかに多くの「思わずできたもの」(22)
おかえりのすけ事件(23)
「いんちき」とは何かを『桂離宮』に識る(24)
なかったことに(26)


2000年 10月
度忘れの度合い(31)
『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』(28)
本の系統樹(23)
「もいました。」(22)
『馬的思考』、一冊置いとくヨ(21)
疲れた筒(20)
分別快楽(18)
プラスチック部(12)
『ガタカ』(11)
『キカ』(03)


2000年 9月
はみだす飛び出し絵本(25)
文庫本をローンで買いたい(20)
めくるめく書籍目録の誘惑 (19)
『ポール・ボウルズの告白』(14)
みんな平らになりたい (13)
『ひかりのまち』(08)
9月1日はパタフィジックに(01)


2000年 8月
虚言僻を伴う脳の病気の後遺症の証拠(08)
あなたの信頼に背くわたし宣言(11)
「シツレイ」の効果(16)
『モジュレーション』(17)
bookmark 4とbook bar 4 (20)
@(24)


2000年 7月
目玉に食塩水を~(04)
「今日」あたし、ダメかも。(05)
些細な気まずさの克服(09)
" code " のバッグ(15)
電気スタンドマン(18)
地図通りだ!(30)


2000年 6月
共感しなくちゃいけない脅迫(03)
期待のかたち(05)
「頭痛いので休みます」(06)
人サマのリサイクルをする葬儀やのバイオ度(12)
バービーの脚が指に(15)
ゴダール『映画史』(16)
合理的なプロレタリヤ医学(21)
『ミラクル・ペティント』(26)
『フルスタリョフ、車を!』(29)


2000年 5月
TOTOの味噌汁(15)
『エグジスタンズ』(24)
『棺桶の中で宙返り』(28)
『足にさわった女』(29)


2000年 4月
万年青春映画の恐怖(05)
死因を調べてもらう料金(07)
凸=H2cm、 20×20でいこう(20)


2000年 3月
『スリーピー・ホロウ』(07)
さぶいぼセンテンス(10)
実感のリロード(16)
セルフ・パブ『共生虫』(28)
『ストレイト・ストーリー』(30)


2000年 2月
生まれ変わったらmusicianになる(13)
泡の中身(15)
人が言わないことを否定する(16)
plastic book(21)
接続語の「ぶっちゃけた話」(23)





ほぼ隔週このページの抜粋+/-αをメルマガ『おかえりのすけです。』として発行。詳しくは上記画像をクリックしてちょうだい。

2001年04月30日

■ぶらりの卒業
ぶらり旅の残念なところは心残りが生じることである。ガイドなし予定なしであるから、ふと見つけたポイントでも、時間やおなかの都合で立ち寄れない場所がでてくる。で、あるとき、その心残りを埋めるぶらりに出かける。
今回の外せないポイントのひとつはフェリー乗り場の手前のラーメン屋であった。まずは確実に刈り取って、そして馴染みのコースをなぞりながらぶらりする。
フェリーのなかで大学生の集団と隣り合わせになる。一瞬、ここはファミレスかと思った。ずっと食べて喋っている。男の子もいるが「船でビール飲むと酔っちゃって」って、別の意味でおはなしになんない。外にはパナマ籍のタンカー、どしゃぶりの海の中を行くのはなんだか旅度が高い。
どうも土地勘ができてしまっているらしく、乗り物の乗り継ぎなどが非常に段取よく進んでしまってなんとなく物足りない。このルートは、「ぶらり」卒業だ。


2001.04.28 ■探し選び奪う退屈
HONDAの15段広告。
詳しくないので定かではないが40年前のWGPで初優勝したときの「無骨なオートバイイ」を、前輪下からあおった粗い写真がでっかく。「これからも、レースを愛する気持ち、挑戦を愛する気持ちでは誰にも負けないホンダであることを、ここに誓います。」
写真がなにしろいい。ホンダが今どんな車を作っているのか私は良く知らないが、おーホンダやってくれよと思う。先日テレビでみたダットサンの印象にもだぶるが、メーカーはやっぱり作り手の想いがなによりの粋。
わざわざなにかを作らなくても無事に暮らせる世の中、探したり選んだりに奔走するひとたちの話はとても退屈だが、車のメーカーもちょっと前は客を探したり選んだり奪ったりばっかで退屈だったもんね。
2001.04.26
■内藤さん
となりの部屋のお姉さんは「内藤さん」で、会えばこんにちわを言う。時々酔っぱらって帰ってくるのが、階段をあがる独特な足音でわかる。きのうの夜集合ポストを見たら、302号室の内藤さんのところが、「内藤」から「N . N (^ . ^ )」に変わっている。その微笑み、気になる...。
2001.04.25
■『ツバル』 (1999/ドイツ/監督:ファイト・ヘルマー)
モノクロで撮って後から着色/40年代のライト使用/航海に出る幻想シーンはカラー切り絵/書き割り(たぶん)の風景にカメラ前だけに落とす雨/ほとんどどしゃぶり/字幕なし、不要/温水プール/受付のマルタはボタン好き/ボタンをガムで貼りつけた鳥のオブジェ/最後はボタンを付けたコートを着て/始めて外に出たアントン、その日のために隠していた靴の履き心地/信号の合図は帽子をかぶる男、僕も帽子をかぶらなきゃ/プロトコルの用紙、「とてもひどい」は「ー(マイナス)!!」と書く/カールの威厳はスイムベストで/膨らませたベッドをエヴァに/ダッチワイフ/地球儀柄の丸い灯り/丸い窓からエヴァの寝顔/穴/双眼鏡/冒頭の鳥/お札の裏は白/ピストン専門店/入場者数を記録したノート/ツバルの場所を地図にチェック、その頁を破く、奥にある本にはさむ/皆なに食べてんだろ/そう言えばアントンがエヴァに流した瓶の中身はなんだったんだろ。
ストーリーは『ロスト・チルドレン』的。エヴァがプールで、イルカみたいになつっこい動きをする金魚と戯れ泳ぐところは美しい。金魚鉢が高級でないことは、プールサイドのタイルの上に置いたときのガツッという音でわかる。
アントン演じるドニ・ラヴァンは『ボーイ・ミーツ・ガール』から16年も経つが、裸足が似合ってでっちりな体型は今だ健在、船から海に飛び込むシーンなどは、ああ鍛えてるなぁ、と。
エヴァの下着の匂いをかぐアントン。帰宅してCSをつけたら『ピアノ・レッスン』でベインズがエイダの上着の匂いをかいでいた。久しぶりに見たが、子供に切った指を届けさせたりエイダはどこだ!と迫ったり胸の痛むシーンがこんなにあったんだね。『ツバル』も『ピアノ・レッスン』も最後は船でお出かけ、目指すところに、着きましたか。
2001.04.24
■おかえりのすけ事件2
前回のおかえりのすけ窒息事件については、多数の目撃証言をありがとうございました。おかげさまで無事解決し、おかえりのすけも再び安穏な暮らしをしばし楽しんでおりましたが、またまた事件が。熱い、と言うのです。助けてください。
2001.04.23
■製本アトリエ記 ( 09 ) 〜花ぎれ、できた
花ぎれを編み終えた。糸の配色を考えること、力があまりいらないこと、ホコリっぽくないことなどで作業的にはとても好きなんだが、今回はきっちりいかず何度も編み直してしまった。
ギターの弦を、本の背の丸み+αの長さで2本(太さが少し違うもの)用意し、あらかじめ指先で、本の背に合わせてわぐりんと丸みをつけておく。それを芯にして7本の絹糸を巻き付けていくが、編むのは1本の糸、残りの6本を三段編みの一番下の芯にし、配色を考えながら糸を持ち替えて編んでいく。そして時々本の背の部分に針を使って糸を刺し込んで花ぎれを留めるわけだが、この刺し位置と糸の引き具合が難しく、うまくいかないと三段目がばらばらになって美しくないのだ。
こういう編み方であるから、計算して段取りよくやればシンメトリーな柄は可能である。インスピレーション(私的解釈=場あたり)を愛す私としてはランダムな柄が好きなのだが、一回くらい計算された美を追求してみよう、ということでやってみたのだがやっぱ辛かった。「シンメトリーにしたい」と自分で言っておきながらそれを目算でやろうとして「うまくいきません!」と先生に挙手したら「青1巻、水色2巻...って数えてメモるんでしょーが」と呆れられた、トーゼンである。製本アトリエ記 ( 08 ) はこちら
2001.04.21
東京国際ブックフェア2001
1)農文協のブースは小学校の実験室みたいな楽しさがあるが、今年はなんといっても「おむつをしたチャボ」。見た目の可笑しさ、というか、辛くないのかなぁ邪魔じゃないのかなぁということばかり気になって展示の主旨を見落とした。
2)デジタルパブリッシングフェアのブースではなにしろ少部数出版関連が目立つ。すでに価格合戦に入り安さ速さのためにはフォーマット化が必須なわけだが、そのあまりにも横並びなダサさにやっぱこうなるしかないのかナ...と思う。プリコは「個人書店」のなかでオプションとして和綴じ/10冊で80,000円(綴じ代のみ)/納期一ヶ月、を提案していたが、今のレベルのオンデマンドの質感に和綴じは無理があるよなぁ...。
3)4/17 で述べた、凸版の「トッパン・セキュリティタグ・システム」を探す。大型コピー機的印刷機がしつらえてありタグがプリントされて出てくる。が、新聞(日経)の記事内容とは違って、表紙の背の裏部分についている。「あれ?ここなんですか?」と聞くと「ええそうなんです、新聞、間違って書いたんです」。しばし雑談するがなかなか苦戦しているようだ。もちろんサンプルを貰う。「これ、2円のアモルファスですよね」「ええ、2円の」。こういうコトはうれしい。
4)ブース的に目立ってたのはコニカビジネスマシンと住友金属システムソリューションズのebook-print.com。色とりどりのアクリルで本を模した飾りが美。こちらは、「一册からの印刷、配送」ではなく、あくまで「デジタルコンテンツを愛蔵版として持つための特別な一冊を提供する」サービスにするそうだ。結果的には同じことかも知れないが、コンセプトとしては好感を持つ。当 " webscraps " も、そういうココロガマエでシステム抜きお手軽私家版で作ったもの。この方向には、本が持つ、書物らしさのひとつが残っていくんじゃないか。

2001.04.19
■「五点支え法」実験装置
実験のための様々な器具は皆美しくて大好きだ。必要のために考え尽くされたぎりぎりの姿だからだろう。だからこそ時とともに変わっていき、その変遷がまた別の美しさをうむ。
当ラボにも、あこがれの実験装置が登場。詳細はこちらをご覧いただくとして、もうすでに装置2号案が、 " xixiang " から提案。これがねぇめちゃくちゃ可笑しくて私おかげでず〜〜〜〜っとニヤニヤ。この装置が巷にあふれ電車のなかでも使われるようになったら... と想像すると、満員の不快もブッとんでしまいます。
2001.04.18
■切手詰め本
ネーミングが不粋で恐縮だがわかりやすいことを最優先に名付けました、小野さんが、さっさっさーと、用を満たすために粋を尽くしてつくってくれた一種のミニ本のこと。きっと彼女は、開くとき、めくるとき、みつけたときの読み手の歓びが手に取るようにわかっていた。そして読み手は見事にそのとおりを何度も何度も繰り返すのである....。
2001.04.17
■万引きできませんよ
凸版印刷がユニチカと共同して、磁気に反応するアモルファス金属製のタグを開発。それを、目につかないように本の裏表紙の裏側に貼り込んで製本されている本をもし精算しないで出たら「ブー!」だよ。
タグ一枚2円、初年度売上げ見込みは5億と凸版。本のバーコードやISBNは制作側にも読者側にも邪魔で不粋、その二の舞いでタグをべたッとはりつけるわけにはいかないよね、そこらへんの苦心がいい。でもこういうのって出版社サイドが率先して負担するわけないからどんなふうに導入されていくのか楽しみ。
2001.04.16
■書肆啓祐堂誌「黄金の馬車」vol.2
東京高輪にある古書店啓祐堂さん発行の冊子(発行人 : 杉本光生、編集人 : 岩田和彦、造本 : 間奈美子、表紙装画 : 山下陽子、敬称略)で、bookbar4のタンクギャラリーを始めさせていただいている。杉本夫妻のもとに集う年齢職業さまざまの本好きの方々が書いているが、店主である杉本さんの「折口信夫博士講議ノート発掘記」は、「黄金の馬車」の歩みとシンクロして特に興味深い。
掲載したタンクの関連ページがあるのでチョっとのぞいてみてチョーだい、馴染みのかたにはチョー簡単だと思うけど。
2001.04.14
■45ドルの笑顔
スマイルマークの創作者ハーベイ・ボール氏は、あのマークの商標登録をしないまま、79才で先頃なくなった。そもそも1963年、保険会社からの依頼で報酬45ドルを受け取って描いたものだという。
百万ドルの笑顔や一万ボルトの瞳というのは聞いたことあるが見たことはなかったが、45ドルの笑顔は何度も見たからソラでも描ける、かけないひとはいないだろう、ご冥福を祈ってさぁあなたもスマイリーをノウトにひとつ。
2001.04.13
■取り戻すモノ
その1) ゴールドマンサックスが始めた株式の夜間取引サービス名は「ムーントレード」、わかりやすくていい。新聞広告は30段で、左に月面の丸、右に丸囲みのチャートと、これまたわかりやすい(すぎるけど)。問題は取扱銘柄の数、まずは300以上からというから今後に期待。
その2)日産のブルーバードシルフィという車は、グリーン税制による減税額が日本のガソリン車のなかで最高の54000円なんだそうだ。車を持っていないのでそういう税制があることも私は知らなかったのだが、その広告がすごい。子供が車を描く時に雲のような排気ガスをつけることがあるが、その応用。
草原を颯爽と走るシルフィ。しかし周囲は灰色一色である、ヨヨ...。が、その車が走ったあとは、マフラーから出てくる魔法の排気ガスのおかげで草原は色を取り戻すのであった...という図。そう、灰色のココロに取り戻すモノは、54000円。
2001.04.12
■一般市民ですけど
帰宅してテレビをつけたらニュースステーションに自民党総裁選に立候補した4人が出ていた。ビールを飲みながら聞いてたけどイライラしてきたので消す。
勝ち目もないのになぜ立ったのか、その裏にはなにがあるのか、負けたらどうするのか、つまんないこと執拗に聞くから、肝心のそれぞれの政策についての質問をするとキャスターとしての無知無理解ぶりのあげ足とられて、ちっともこっちの楽しみにならない。「一般市民は下世話なことに興味があ」ってその「市民の視点から」番組を作っているとか言うんでしょうけど、別にマスコミのかたから一般市民呼ばわりされて気をつかっていただかなくても、結構です。
2001.04.11
■疑問
新ショップオープンの案内が出ている。「手作り料理とお酒のみせ○○」。まぁだいたい見当はつくのだがじゃぁいったい手作りでない料理ってどんなんだろう。
創作料理とか無国籍料理っていうのもかねがね疑問、創作と言うからには至極クリエイティブなメニューいっぱいなのか、無国籍とわざわざ言うくらいだから食べているとモー一体今世界のどの国にいるのかわかんなくなっちゃうような演出があるのか。まぁそうは言ってもまぁだいたい見当はついてその見当はまぁほとんど当たってだからほとんど行かないのだが、こういうのは過剰広告にならないのか、今のところなりっこないのは消費者が黙っているからだ、こういういいかげんなことにはガンとしてわたしたちは立ち向かわねばならないのだ、とは全然思わないけど当たり前の疑問には慣れないようにいたしましょう。
2001.04.09
■無視
1995年に創刊されたオンライン・マガジン『teleparc』が3月で休刊になったようだ。最初のころはサブカル丼エンタメふりかけも珍しかったが、より情報ポータル的に変わってから利用したことはない。老舗だから惜しいなぁと思うが、特徴がなくなって散漫で、おもしろいことが書いてあるにしても探すのが面倒なつくりなどネットには一番不向き、ポータルポータル、って騒いでたひとたちがいたけどそういう根拠なくペラペラ言うひとたちは無視しなければいけません。
2001.04.08
■デアイである
桜の花びらふぶく下北沢の端の古書店で高橋新吉の『胴体』 (1956) を見つける。六千円か、高いなぁ、と、じっくり読んでにやにや笑う。
欲しいモード高揚するも六千円は高すぎるのではないかと悶々、店主にちょっと聞きたいのだが、彼はあまりにもじっと座っているので話しかけにくい。店内は静かで、客が入っては出、入っては出、誰もレジに寄らないまま何回転かしていて、私は、他の本を手にしては『胴体』へ、他の本からまた『胴体』へを繰り返す。
店主の後ろの扉の裏から鳥(?)の声がして、彼は扉を開ける。BGMのCDが終わる。馴染みの客が入ってきて「少しもってきたヨー」と本をレジ前に置く。狭い店内が急に騒がしくなり、(なんかちょっと、違うかも)という根拠のない予感でそのまま店を出る。
気になって古書のサイトを探る。買っとくべきっだったかもしれない。かといって、出直して買うというのとは違う。そういうものだ。
2001.04.07
■金魚部、無念
3月後半に入った金魚部新入部員の紹介アップ。思えば初めて、命ある部員の姿が記録されたわけだが、その彼と同時入部の一家を拉致した彼女は、かつて金魚部にたいして「あれ、金魚が部活やってる部で、人間入れないじゃないですか。無念でなりません」という、殿堂入りの名言をあっさりはなったひとである。そう金魚部とは、入部が極めて困難なのである。
2001.04.06
■宅配から机配へ
産経新聞社が今年8月をめどに「産経新聞」と「夕刊フジ」のネット配信を始めるそうだ。宅配とほぼ同じ時刻に配信、専用ブラウザで表示、料金は通常の購読料より安く、 ページ単位の課金も用意、と。今後他社続々追従するだろうが、ブラウザは全新聞共通にしてね。期待して待ってよう。
宅配の販売所の行く先が気にはなるが、「販売所が強い基盤を持つ地域にはこのサービスを提供しない」んだそうだ。よほどなにか強いモノがそこ(近畿地方だそうです)にあるんだろうがその地域に住む希望者にははなはだ迷惑な話。
2001.04.05
■桜に似合う鳥
今年の桜はあっという間にさよならだったが、花見っていうとソメイヨシノばかりが桜みたいな感じだ。先週相模湖近辺に行ったらぼんやりとした春山に山桜がちらほらあって、とてもいい風景だなぁと思った。
エドヒガンなど樹齢五百年以上の古典桜と違ってソメイヨシノは明治時代に東京で作られた新しい種なわけだが、それでいてあの莫大な量を占めるソメイヨシノの、必死で爆弾な感じがときに邪魔になる。
子供は大人ほど桜を認知しないとも聞くが、確かに子供のころは桜といえば写生大会かアメリカシロヒトリ、写生大会だって手作りの画板を首にかけることやお弁当がうれしかっただけで、美しく咲いていただろう桜のことはぼんやりとも覚えていない。
花が散り初め葉っぱの緑と幹の黒が目立ってくる頃のソメイヨシノはなかなかいい。ついでに言えば、桜には実はカラスがよく似合う。
2001.04.04
■言いそびれ
昔、お世話になりながら生意気ばっかりで迷惑かけたかつての上司が亡くなって半年、年末のお別れ会をまとめた冊子が届く。巻末には、私がお会いする前に発表していた私小説の一篇が添えられていて、当時私が反抗的になったことへのひとつの答えがそこにあってガクゼンとしてしまう。今思えばあまりにもささやかな抵抗、だけど若い時の知ったふうなインチキ良い子はやっぱ気持ち悪い、とすると人と人とのつきあいには時間というものの役割が結構大きいな〜と思う。
彼女の書いた一篇を本のかたちにまとめてお身内のかたにお送りしよう。
金も何も、同じひとと授受をくり返すことはあり得ない(注:借りた金は覚えている限り返すよ)。いただいたものへの感謝をご本人に伝えられないのは悔しいが、その一人の人を通じて全ての他者から得られたものとしか考えようのない状況に直面することはたびたびある。ほんとにねぇ、なかなか言えないありがとうって、ある。
2001.04.03
■十四の心
『トークdeナイト 田口ランディ・聴くことの時代』というイベントのなかで司会の鎌田東二氏(宗教学者)が、
「聴くという字は、耳へんに、十四の心と書きます」
「十四歳の感受性で、言葉を音を受け止めることが、聴くということなのです」
と話していてよかった、と聞いた。
十四の心、のところまで聞いて(おぉなになに)と思ったが次の十四歳の感受性でってとこでコケた。私が期待した十四と違っていたのだった。皆さんはどうですか。
2001.04.02
■企業の名前
4月は企業の合併やらなんやらの告知が多い。
その一)旧協栄生命保険がジブラルタ生命となって心機一転しました、と知らされた。ジブラルタ。Gibraltar。ジブラルタルじゃないか。バンド名だと " Air " を " エール " 、 " radio head " を " レディオヘッド " とカタカナ書きするが、なんだはっきりジブラルタルっていってよと言いたくなる。面白いのはここのマーク。ジブラルタル海峡風景。「フロンティア精神で」とうたっているが、誰がみてもこれは断崖絶壁、背水の陣をひいてガンバルってしゃれのきいたいかした勇気...。
その二)三井住友銀行。英語はSMBCでsumitomo mitsui banking corporation なんです。日本語は三井を先に、英語は住友を先にという気遣いなのかもしれないが、たぶんこれは名字「三井」、名前「住友」なので英語だと逆になったのではないでしょうか。でも中学校の英語の教科書では " My name is Yamada Hanako. " とするように変わってきたって言うしナ...。
2001.03.31
■閉店間近に耳ダンボ
閉店時間真際の古本屋にいると数字がよく聞こえてくる。
(1)近くの第一号店から(たぶん)かかってきた電話を受けた二号店のバイト君が「あ、お疲れです。いやぁ後半伸びましたよ、ロクゴ、いきました」。ロクゴ、六万五千円デスカ、30坪強くらいだろうか、SF系専門古書店。
(2)郊外の老舗古書店、HPを最近作ってその反応を店長がチェックしにきた。「注文は?」「10件くらいですね」「いくら?1万ちょっと?」「あ、結構高めのやつが出ましたから2万はいってますよ」「あっそう」「注文はこれだけですけど問い合わせはすごいですよ、さっきまで高瀬さん、ずっとやってましたもん」
へぇそうなんだと耳ダンボだ。
2001.03.30
■真っ白な一ページ目をどうしてくれる?
日本製紙と大昭和製紙が合併してスタートした(株)日本ユニパックホールディングが、束見本みたいな無地の本の1ページ目を開いた写真に「1ページ目の抱負。」とコピーをつけた広告を新聞数紙に載せた。ところがある新聞で、その真っ白なはずのページにしっかり裏映りしちゃってちっとも真っ白じゃない。
広告の担当者はヤバい。だろうが、読み手としてはとても面白かったです。しかし、世界の一流企業を目指すのはいいけど、なに屋さんだがずいぶんわかりにくいお名前ですね。
2001.03.28
■雫の落ちる速度
関富士子さんの詩誌、" rain tree " no.11~no.15 の合本完成(正しく言えば年末に出来ていたがなかなかお渡しできなかった、昨日もニアミスで渡しそびれてしまったので郵送しよう...)。表紙は雫がしたたり落ちる図のコマ送りをやっているが、記録を続けて見るとその速度の曖昧さが考えようによってはリズムをうんでおもしろい。 " rain tree " は既に19号を迎えている。私は勝手に一緒に遊ばせてもらって、ありがたいといつも思う。
2001.03.27
■入学祝いの図書券の使いかた
ブックオフでは図書券が使えるが、約560あるチェーン全体で年間売上約300億円のうち図書券による販売は3億円弱だそうだ。受け入れた図書券は金券ショップで換金。
そもそも図書券は出版社や取次、書店の共同出資による日本図書普及が発行していて、加盟書店から加盟料として2万円を取り、従って加盟店以外の使用は認めていない。去年の8月からブックオフに対して使用中止を求めているが、現在もその結論は出ていないんだそうだ。
だいたい把握するとそれはちょっとお行儀が悪いんじゃない?になりそうだが、それをダメだとする法令はまだないし利用者としては大喜びなので、業界内でよしなにどうぞ、としか言えないけど、なにごとにつけ風穴開け師はやっぱりすごい、なにしろそのひとの言動によって今まで当たり前と思って見過ごしていたことが明らかになるのだから、となると、私は普段ブックオフは売りも買いもほとんど利用しないのだけれどブラボー!を言おう。
2001.03.26
■第一回金魚部秘宝展極秘開催
皆様こんばんわ。実は金魚部、表記秘宝展開催しました。詳細はこんなとこで述べられませんのでこちら御覧下さい。で、私好きなのは、こういう秘宝的体験、その体験による実感、実感の累積、その追体験への感謝とイイフラシ。そう、黙ってはおれないのです、なにしろ金魚の魚拓云々でなにそれかれこれソレソレ。