月別履歴(タイトル抜粋)

2002年 10月
2002年 09月
2002年 08月
2002年 07月
2002年 06月
2002年 05月
2002年 04月
2002年 03月
この本は私に会うために(1)
律儀(3)
なんちゃって矢印(6)
ピンクの肋を解体します(10)
世田谷区立下馬幼稚園(17)
「路程」は写っていなかったのか?!(19)
『落ち穂拾い』(22)
フラジャイルに「千夜千冊」の1/2(26)
実はワカメさん(29)

2002年 02月
スタイルの速度。音/映像/文字(1)
0020202の本棚(2)
『オードリーとフランソワーズ』(4)
『紙魚の手帳』12号(7)
東京駅。どっち側に降りて本屋に行くか(9)
本のことなら憶えてるが...(12)
行方不明新聞折本公開捜査(13)
佐伯俊男(14)
『ユビュ王』にくそったれ!ってそのまんまな...(16)
その穴のさきにあるもの(17)
家庭の医学と専門書の断絶を埋めるもの(20)
ジャリなら自転車こぎこぎ冷し中華を(21)
図書館のちょっと無理矢理(26)
送料に限って言えば(27)
月が最近(28)


2002年 01月
あけましておめでとうございます(1)
腹ぺこタイシ(4)
ランクアップした二百円のおみくじ(7)
方角が悪いんです(12)
カタログに載るモノ(20)
お、い〜ぞ〜(21)
冬もボサノヴァ(23)
ぽんぽこたぬき工作(26)
図書館はうるさいのだった(27)
『ナージャの村』(31)

2001年 12月
皆やさしくってヨ(1)
『寄席の脚光』(4)
無理して本屋でバイトすな(5)
大踏切書店でイッパイ(8)
いらないものばっかり残るのよ(13)
ママゴトやっといてよかった(17)
sold out 通知(22)
「2001年宇宙一瞬旅」(25)
不吉な夢もなんのその(26)

2001年 11月
愛犬は0.5(4)
自分で勝手に無理してグチる茶番(5)
どこのどいつ(6)
ひとの書棚を覗くのは楽し(9)
「広告としてのイラスト」(11)
かき×かぼす=マンゴ(13)
どこで区切って無駄と言う?(15)
「学校どこ?」(16)
岡ノ上鳥男様 田辺茂一(20)
おかえりのスケ本登場(26)
webで本をめくりたいひとはいないでしょう(30)

2001年 10月
bookbar4楽天ブックス開店(01)
鉄の扉「絶版」で幽閉された本の脱獄幇助(02)
本コ子雑誌、即物的体験を池袋リブロで(05)
おれなら桜を植えに行く(08)
眼の日は啓祐堂で眼のコヤシをいただく(10)
ライブ辞書を作るゾ(15)
新聞折本第八号(17)
製本-花ぎれの固定(18)
NONを見よう(19)
実感トハ恥ナリ(20)
透明酒は...(21)
となりの客はよく肉食う客だ(22)
わたらせ渓谷(27)


2001年 09月
意の外(01)
これを読んだら呪ワレル(03)
葉書文庫本(04)
均一つながりの本と新聞(05)
広辞苑、外に連れ出し運動(08)
平まどかのベルギー製本留学記(09)
コソコソするのはなぜ(17)
グリコのポーズ、やってみて(18)
それ、名前なんですけど...(19)
あどべんちゃブラリ(25)
オノ・ヨーコと朝日新聞(26)
温寿司(28)
まじ秋(30)


2001年 08月
横顔ばっかの金魚(03)
『チェブラーシカ』(04)
クモの糸をどう使うか(09)
人工雨、日本編(11)
空中金魚(13)
防ぐのが礼儀(14)
炭化菜種降りしきる花火大会(18)
屋久島の森に(28)
宇宙人と妖怪(30)


2001年 07月
くだらナイ→すまナイ(02)
やっと処分したっていうのに(03)
「ドキドキ」を見て体の頼りなさを (05 )
観本旅行(06)
おでかけには「じろう」を(1)
『ラッチョ・ドローム』(12)
いってきますじろう問題(15)
これは本なのですか(16)
「本は傷んだら修理すればいい」(17)
「うまい」か「おいしい」か(19)
エーッ○エーッ○エッ○ホイ○ッ○(23)
新聞折本第三号(25)
ネコとシャクシとキミと(26)
自由カラは逃走できない不自由(29)
夏はこれからだってば(30)


2001年 06月
ダダ書房店主に惚れる(04)
日焼けサロンじゃあるまいし(07)
製本アトリエ記11 (08 )
図書館には何を探しに行くか(10)
『ミリオンダラー・ホテル』(13)
人間を本に変える銃(14)
スクラップ帳をスクラップ(16)
死を待たずにとる魚拓が失うもの(17)
辞書である前に本でもある(20)
さくらんぼの味(24)
ああやっぱジンセイって(27)
金魚部第二回秘宝展(28)
図書館オチの古本(30)


2001年 05月
SPACE ODYSSEY(06)
新入部員は銀魚(09)
製本アトリエ記10 (10 )
「本コ」誌第一期終了につき(15)
never 金魚(16)
日に月に媚びず。(19)
ベストセラーがバカバカしくなっちゃって(20)
新聞を3回折って本にする(21)
『地獄の黙示録』(24)
新聞本の祖父は「くそ」と詩をかく(26)
「言葉はサーファー」説(27)
ナはテイをアラワスか(28)
祝いの席には花火か蜘蛛か(31)


2001年 04月
言いそびれ(04)
宅配から机配へ(06)
金魚部、無念(07)
一般市民ですけど(12)
書肆啓祐堂誌「黄金の馬車」(16)
切手詰め本(18)
「五点支え法」実験装置(19)
東京国際ブックフェア2001(21)
花ぎれ、できた(23)
おかえりのすけ事件2(24)
『ツバル』 (25)
探し選び奪う退屈(28)
ぶらりの卒業(30)


2001年 03月
カフェでふと(01)
日記の積み重ね(06)
忘れてはならない直感。(10)
「荒俣まぼろし堂」最終目録(11)
『キャラバン』(13)
『あらかじめ失われた恋人たちよ』(14)
ナヲナノレ(16)
記憶はひとの身体に間借りして(18)
後ろからやってくる(23)
夢は誰がみているか(25)
第一回金魚部秘宝展極秘開催(26)
図書券の使いかた(27)
閉店間近に耳ダンボ(31)


2001年 02月
窒息おかえりのすけ(01)
恐縮は笑い飛ばす(04)
他人様の土俵で燦然と輝いてしまうNIKE(07)
ダダな漢字(12)
へん平時代(15)
雨の筋に傘は目盛る(18)
『シュリ』(20)
タエコ・リズム(22)
NONでシールを貼ってもらおう!(23)
プロ紙に敬意を表した本(25)
ウリポな文学者の皆様へ(26)
万能web出版(28)


2001年 01月
初詩集『心配の速度』(06)
4×4 = 8 vs 365-6=358(08)
図書館ホテル(10)
中村文庫(14)
発禁と戦い、秘められた名作を(19)
" BOOK BLESS YOU. "(24)
ダイヤル・ビーチへ行こう(31)


2000年 12月
缶詰文庫(01)
星の王子さまが観た星空(05)
砂時計のくび(14)
目論書本(18)
新聞折本プロジェクト(20)
金魚部に西洋の旦那が(22)
環太平洋的に詩集(27)


2000年 11月
『グロリア』(02)
同級生が有名人になってしまった場合の卒業文集(03)
真空凍結乾燥機を入れてくれ(05)
がっくり(06)
カンガルーとおやじ(12)
吹き出し、開放(13)
銀杏書房(16)
『ラテンアメリカ光と影の詩』(20)
いかに多くの「思わずできたもの」(22)
おかえりのすけ事件(23)
「いんちき」とは何かを『桂離宮』に識る(24)
なかったことに(26)


2000年 10月
度忘れの度合い(31)
『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』(28)
本の系統樹(23)
「もいました。」(22)
『馬的思考』、一冊置いとくヨ(21)
疲れた筒(20)
分別快楽(18)
プラスチック部(12)
『ガタカ』(11)
『キカ』(03)


2000年 9月
はみだす飛び出し絵本(25)
文庫本をローンで買いたい(20)
めくるめく書籍目録の誘惑 (19)
『ポール・ボウルズの告白』(14)
みんな平らになりたい (13)
『ひかりのまち』(08)
9月1日はパタフィジックに(01)


2000年 8月
虚言僻を伴う脳の病気の後遺症の証拠(08)
あなたの信頼に背くわたし宣言(11)
「シツレイ」の効果(16)
『モジュレーション』(17)
bookmark 4とbook bar 4 (20)
@(24)


2000年 7月
目玉に食塩水を~(04)
「今日」あたし、ダメかも。(05)
些細な気まずさの克服(09)
" code " のバッグ(15)
電気スタンドマン(18)
地図通りだ!(30)


2000年 6月
共感しなくちゃいけない脅迫(03)
期待のかたち(05)
「頭痛いので休みます」(06)
人サマのリサイクルをする葬儀やのバイオ度(12)
バービーの脚が指に(15)
ゴダール『映画史』(16)
合理的なプロレタリヤ医学(21)
『ミラクル・ペティント』(26)
『フルスタリョフ、車を!』(29)


2000年 5月
TOTOの味噌汁(15)
『エグジスタンズ』(24)
『棺桶の中で宙返り』(28)
『足にさわった女』(29)


2000年 4月
万年青春映画の恐怖(05)
死因を調べてもらう料金(07)
凸=H2cm、 20×20でいこう(20)


2000年 3月
『スリーピー・ホロウ』(07)
さぶいぼセンテンス(10)
実感のリロード(16)
セルフ・パブ『共生虫』(28)
『ストレイト・ストーリー』(30)


2000年 2月
生まれ変わったらmusicianになる(13)
泡の中身(15)
人が言わないことを否定する(16)
plastic book(21)
接続語の「ぶっちゃけた話」(23)





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2001年06月30日

■図書館オチの古本
図書館の本は保護のために樹脂フィルムが貼られているが、そのおかげでリサイクルに手間がかかるので焼却処分することが多かったんだそうだ。廃棄本は年平均一館あたり7500冊(昨年222館を調査、同社による)もあるというから結構な量である。
このたびTRC(図書館流通センター)はトーメン、日通(出版流通に対して意志の見える仕事が続いている気がする)と組み、それらを本の配送に使う段ボールとして再利用する事業を七月から開始、図書館側の費用負担は一箱(約20kg)あたり680円(配送とリサイクルを合わせて)という。果たしてこれまでの焼却処分費用と比べてどうなのか不明だが、そういえば図書館オチの古本ってあるけどそういうのはこっそり業者さんが売っててその分処理代をおまけなんてことしたこともあったのかも、そういうことのないように、全部処理したことの証書を発行するんだそうです。
堂々と図書館オチ古本として流通させるのもありだと一読者としては思うが、いずれにせよ中途半端なことは野暮いので、いい事業だと思う。


2001.06.28 金魚部第二回秘宝展
世に博覧強記なる人多くあり、すごいなぁと感心するもその空間の広さに圧倒されてひたすら目眩、ヤッパ適当に区切ってもらって手に持てるくらいの本などにまとめてもらったほうがコチトラにはありがたいことよと思う。
今回は、松井佳一氏の二冊、鈴木克美氏の一冊に合わせて南方熊楠の文章を読む。ちょっと報告が長くなってしまいましたが、金魚を「珊瑚樹魚」と称して見世物にした話なども登場ゆえ最後までご覧いただくと愉しさ倍増。ご協力いただいた皆様に多謝。
2001.06.27
■ああやっぱジンセイって楽しいかも
『猪谷六合雄スタイル』(イナックスブックレット)を京橋のイナックスブックギャラリーで買う。この書店好きですが袋が、ね...。ギャラリーとも共用していて必然性があるの?丈夫で持ちにくくて「なるべく率先してもらいたくない書店の袋ナンバー1」永年受賞中。
さてこの本。オリンピックのメダリストでもある猪谷千春氏の父でもある六合雄氏の暮らしが、多くの写真とともにコンパクトにまとまっている。多趣味で器用は御存じのとおり、編み物、家、キャンピングカー、読書台(寝そべって読む台)、日記帳、写真、ネガ整理袋、三角机、などなどなどなどまぁよくもまぁ全くこのおじいちゃんたらあきれるほどだけどこういうひとを見ているとああジンセイってやっぱたのしいかもととても思ってしまう。
2001.06.26
■あなたは半分、わたしは二倍
だいたい物心ついたころから既に、自分の半分の歳のひととは会っているわけだが、のきなみ半分の人達に囲まれふと考えてぞっっっっっっとしてしまった。考えてもどうしようもないことは考えないたちだけど、なんだかなにかをハズしたような忘れたような、もどるんじゃなくてやりなおしたい、とか、そんなぽっかりとした気分が襲ってくるが、なんどやりなおしても同じことを思うんだろうし、そんなことより暑くてことさらビールはうまいので、ケッコウケッコウとうなずく。
2001.06.25
■野暮い着物にはサラバ
夏だけは浴衣など着ていっぱしの日本人気取りをしたくなる。世界でいちばん着物が似合うっていうのに、いつの頃からかわたしたちはそれを自ら拒絶してしまった。もったいないなぁばかだなぁ。なぜでしょう。着物が絢爛豪華で野暮くなって、かっこいいと思えなくなったこともひとつの理由。洋服の台頭にすねたかひらきなおったか、粋とか洒落を無視して「着物」ってモノをブンカというショウバイにしようとしたからでしょう。
共感する紳士淑女の皆さんと声を合わせて「もったいないなぁばかだなぁ...」を合唱する頁はこちら

2001.06.24
■さくらんぼの味
さくらんぼは食べはじめると止まらなくて困る。今年の産地の雪はどうだったっけなぁなど思いながらばくばく食べて、食べ過ぎたなぁなど思うのも梅雨の季節の情緒ってもんだ。さくらんぼと言えば山形でしょう。あっちゃんちもみきちゃんちも、おいしいさくらんぼを大切に育てている。やっぱ一番でしょう、な「佐藤錦」という品種は、大正元年に山形県東根市の佐藤栄助氏が交配して育成したもので、昭和三年に東根市の中島天香園が命名。
というわけで今年おすそわけできなかった皆さんゴメンね。また来年。お気軽手軽にモノを食べることに慣れちゃうと、キアロスタミの『桜桃の味』を満喫できなくなりますもの...

2001.06.22
■便利で気軽でスルスル〜
きのうあんなこと(↓)を考えてたら今日有料メルマガの案内が届いた。「まぐまぐ PREMIUM」という、メルマガの老舗「まぐまぐ」がこの夏から始める配信サービス。無料のメルマガは無料だけあって、常識さえわきまえれば発行にあたっての審査はさほど厳しくない。しかし有料となれば話は別、発行者とはもちろん、読者と配信会社の関係だってシビアになるに違いない。
今わたしがとっているメルマガたちもいずれ有料になるのだろうか。そうなったらどうするのだろう。便利や気軽にうつつを抜かしていると、なんでもかんでもそのまま身体をスルーしてることすら忘れる。コラ金ハラエヨなぞ喝入れてもらって、そんなことで自分のプライオリティを思い知るくらいが丁度いいのかも。
うんちすら、ただスルーして出てくるのではない。しっかり搾り取られてくたくたになり、すっかり茶色になって出てくるんだものえらいな〜。神は細部に宿るのか、フラクタルは万能ナノか。
2001.06.21
■耳にコガネムシが入ったらどうする?
答えは、小泉内閣メールマガジン2001/06/21号の[大臣のほんねとーく]私がタケノコ医者であったころ(坂口厚生労働大臣)の中に。[らいおんはーと〜小泉総理のメッセージ]はちょっとしょぼくて、それに対応させたあとがきもそれはどーかな〜だったんだけど、厚生大臣の話は続きが読みたくなるほどでした。
このメルマガは別として、いいメルマガにはわかりやすい形で直接お金を払って御礼できたらいいなといつも思う。とはいえ、じゃぁカンパしましょうと年間購読料ということで振込むこともあったが手数料がかかったりしてなんだかあまりいい感じがしないし、じゃぁ広告とっているメルマガならそれを見てあげればいいとは思うが全然興味ないことだったりしてこれまたさらにいい感じがしない。読み終わってああよかった!と思った瞬間にボタンをオンすれば、それでなにかメルマガ通貨みたいなものが加算されるようなのが一番納得できる。まぁとりあえず読んだら「ありがとう」くらい言えばいいのに、これすらなかなかできない自分がモドカシイってとこですけど。
2001.06.20
■辞書である前に本でもある
英語を習い始めた頃だろうか、辞書を片っ端から憶えていって憶えた頁は食べてしまうスゴイ人がいる、というウワサを聞いて嘘でしょーと思ったがうそだろう。
「広辞苑」の編者として最新版の第五版にも名前が刷られている新村出氏とその御子息猛氏のドキュメンタリー番組を見る。どの言葉を入れようか、どの語源説を採用しようか、文字数は締め切りはと最後まで大所帯のチームで議論が続く。
広辞苑だって、辞書である前に本なんだよなぁと思い知る。気付いたときには棚の奥に鎮座マシます完璧かつ最後の砦的辞書!であったが、たかだが四十数年前にできた一冊の本なんだよね。
猛氏の柩には広辞苑が入れられ、真っ白な灰になりながら形状はそのままに残っていたという、即物的でシツレイですけどアンゼルム・キーファーな。当時担当していた編集者が今だに愛用しているという第一版の広辞苑のボロっぷりがgood。対象がなんであれ、創ることに無心な方々の話はたまらない。ニンゲンは工夫を重ねてナンボです、無心を知らずに居るならば、それはとても哀しいことだ。
2001.06.19
■免許証落とさず返済もせず
住宅ローンを組もうとして皆断られ、あさひ銀行だけがOKだったという知人が二人いる。偶然にせよ、あさひ銀行さんはそういうポジショニングを極めているのかなぁと思っていた。
そのあさひ銀行が、貸し倒れの回避のため個人行動を分析するシステムを導入するそうだ。債務者の返済状況、督促への対応や会話などを蓄積し、過去に回収できなかった事例と比較して類似点の有無を調べ、返済の見込みや取り立ての方法を割り出すんだそうだ。
免許証を二回以上なくした人は返済の確率が低いという統計があるとかで、逆算して免許証の番号から要注意債務者が割りだせるなぞ言っとります、「免許は落とさず返済もせず」をモットーに、統計とやらのカーブに反撃しましょかネ。
2001.06.18
■淡々金魚
金魚にどんなイメージを持ちますか。赤っぽい着物でひとを惑わすゆらゆらりな動きをする遊女、ってのは昔のはなしで、室内魚のジャンルで席巻する熱帯魚の高級感や難しさにあって、かえってそのお手軽ぶりやお間抜けかげんがよろしい。贅と奇を尽くす方面は別として、餌としての飼育も別として、その間で淡々と普通にイキル金魚のことだ。金魚部にまた新入りさん。「淡々と普通にイキル」姿をどうぞ。
2001.06.17
■死を待たずにとる魚拓が失うもの
きれいに魚拓をとるのは結構難しいんだそうです。
釣り好きの化学メーカー伏見(兵庫県三田市)の社長兄弟が開発した魚拓専用紙「ギョタックル」は、釣った魚の表面の水分を軽くとり、その上に1、2分押しつければOKというもの。魚拓をとるときは魚のぬめりをとるために酢を使うと聞いたことがあるが、このぬめりに含まれるタンパク質と反応するニンヒドリンを和紙に含ませたのだそうだ。キャチアンドリリースの流れにも合って結構売れているらしいが、紫外線で色が変わるので保存にはコピーをとるんだって。これが45年前にできていたら金魚の魚拓も金魚の死を待たずにできてたネ、でも気合いが一時に凝縮されたあの風合いは無理、便利になれば必ず何かを失うのデス。
2001.06.16
■スクラップ帳をスクラップする楽しみ
久しぶりに不要の本を抜き出す。なにかの資料で買ったものばっかりだナア...どうぜ終われば古本屋さんへと思っているのに、つい癖で角を折るからいけない。
うちの本棚はかつての九龍寨城と誰かに言われたけど、お古の棚や板を重ねて本棚にしてあるのでどうしたって雑然としているのだが、本の位置を変えただけでなんとなくきれいになった気がするのは気のせいか。とにかく前面一列だけでもひとなでして一番下の左奥に並ぶ昔のスクラップ帳まで行き着く。見るたびに(もういらないなぁ)という頁が出てきて、それを抜き取るのが、快感。
しかし年々、スクラップ帳を作らなくなってしまった。コピーとwebの便利、おかげでこの密やかな楽しみを失うことになろうとは。
2001.06.15
■人工雨
韓国では90年ぶりの干ばつというのに、その西のにっぽんは今日もしっとり雨がふりふりありがたいことです。韓国政府の対応のなかで興味をひくのは人工降雨。「雨雲を作るのではなく、作られている雨雲の上に人工的な雨の種を降らし降水を誘導する人工増雨方式」とかで空軍航空機からドライアイスをまくんだって。
子供の頃、父親の洗顔に憧れたものだ。両手にすくった水を顔にあてて、まるで水が顔に吸いついているようで乱れない。真似しても、両手をつたって水がダラダラ流れ、まくりあげた袖をびしゃびしゃにしてしまい、大人はスゴイなと思った。桶に汲んだ湯を丁寧に頭から体に添わせて流せば、表面を這うようにして落ちていくのが気持良いことは、大きくなってわかった。なのにまた朝になると、ジャージャーとシャワーを浴びてしまう。
2001.06.14
■人間を本に変える銃
表記は中原昌也の「物語終了ののち、全員病死」(『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』)に出てくる銃だ。
しょぼい本屋の棚がガラガラなのを見て、そうだ道行くひとを本に変えてそれを並べればいいじゃないか、という場面である。東急大井町線の「緑が丘」という駅の近くにこの本のモデルじゃないかと思うほどの本屋があって、前を通り過ぎるときにこの節を思い出し、隣のひとすれちがうひとをじぃっと見ながら、こいつはあいつはそしてわたしは、その弾に当たったらどんな本になるのだろうと、ニヤリかつゾッとしたのはつい一ヶ月前の雨上がりの夕暮れ。その時本は、人の皮膚を着るんだろうか。
「本の現場」小説編に追加。
2001.06.13
■『ミリオンダラー・ホテル』ヴィム・ヴェンダース
妄想とか幻想ってアホくさ...って言い捨てる人ほど、テレビとか雑誌とかですっかりマスの妄想の構成員になってるんじゃあないでしょうか。ひとりがひとりづづの妄想を抱えてそれが混在するのがミリオンダラー・ホテル。ひとつづつの混在だから渾沌こそすれ穏やかなのがポイント、自称第5(6、か)のビートルズという男の唄などナけてくる。スキナーことメル・ギブソンの過去こそ妄想以上の現実だったり。
裸足のエロイーズは無類の本好き。(留守してても、どうせ本屋にでもいってるんだろう、と思われるだけなのよね...)と一抹の寂しさを覚えるひとは、エロイーズを天使とあがめて風のように歩く裸足の生活をしてみよう、というようなことを「本の現場」映画編に追加。
2001.06.12
■探偵科学冒険作品資料目録
自由が丘の西村文生堂さんの目録が届く。懐かしいポブラ社の名探偵明智小五郎シリーズも並ぶ。海野十三ものもあいかわらずいろいろあるし、どれもこれも見たいものばっかりだ。引越しも済んだようだから、気になる数冊を見に行こう。
西村文生堂さんの目録、というか、このジャンルの本のタイトルが私は大好きなので、後半にずらっと並んだ文字だけをずーっと眺めるのも楽しい。ひとつ可笑しいと、次も、その次も次も次も全部可笑しくなって、ニヤニヤが声になって怪しいヒトになるので深呼吸だ。『小さなルミ子』『科学と模型』『振動魔』『恐怖の口笛』『謎の叔父さん』『とかげの尾』『シンデレラの片足』......まだまだ続いて今号全1674。
2001.06.11
■駄洒落る
どうでもいいけど政党広告が軒並み大駄洒落大会で鬱陶しい。にっこり笑われても困るけど、どこかのだれかにそそのかされてねこもしゃくしもいっしょにだじゃれってるのはなんだかしょぼすぎやしませんか。
いっぽうタカラ。「ゴジラの肉」「キングギドラの肉」などの缶詰めを売り出すらしい。ひと缶五百八十円(高いナ)、もちろん中味はコンビーフや焼き鳥だけど、こっちはちょっと買ってみたりして、企画者を喜ばしてあげたいね。
2001.06.10
■図書館には何を探しに行くか
私の場合はもっぱら資料のためにさしてつまらない本を借りるか、ベストセラーで読みたいものがあったときに後からゆっくり借りに行く。まぁだいたいそうだよね。ある図書館などベストセラーものばっかり何冊も一度に買い込んで「お客さまの御要望にお応えします!」とか言ってるけどそれってサービスって言うんでショーカ。
日本図書館協会の調べによると2000年度の全国の図書館数は約2600館、資料費は99年度をピークに減少、一館当たりにすると93年度から減る一方とか。初版3000部のうち1000部を購入してもらうこともあったというみすず書房なども不安だろうが、より少なくなった予算でベストセラーばかり入れられてたらこっちもたまんない。
ブックオフの形態には賛否両論あるけど利用者の立場で言えば、よく読まれるものはそーいうトコロに、つまんないけど資料価値はあるよなーというものは図書館さんへと住み分けていただいて、それなりのきちんとした支払いを著者さんにできたらいいんだけど。
2001.06.08
■製本アトリエ記(11)〜フィセルの固定
前回整形したカルトン(表紙の土台)に、改めてホンチャンでフィセルを入れて固定する。
フィセルの毛並みを整えて先っぽにノリをいれ、カルトンに空けてある穴に入れやすいような形にまとめる。ノリが乾いたらフィセルの根元の部分を少し水で湿らせ、カルトンの穴にまっすぐに差し込む。穴の周囲が水分を吸って少しふくらんでいるすきにその部分をカナヅチでガンガン叩いて、穴をふさぎながらフィセルをしっかりはさみこんでしまう。この作業はジョウバンの上でやるので、「ガンガン叩く」のガンガンいう音がめちゃくちゃ耳につ〜んときて、たぶん一番うるさい作業なので周囲のひとたちに、ゴメンヨ、と言う。
よく乾いたら、カルトンの裏側に出たフィセルを短く切り、扇形になるように薄く繊維を開いてノリづけする。カルトンの表側は、フィセルあたっている部分のカルトンの表面を薄く削いで、上から撫でたときに凹凸がなるべくないようにしてノリをいれる。その上にノリひき紙をあててプレス。
2001.06.07
■日焼けサロンじゃあるまいし
うちのベランダには町の八百屋さんにあるような庇(可動式)があるのだが、そこに日中カラスが休憩に寄るらしくて最近糞が落ちている。汚いなぁ。日本の街にはカラスが増えて困りものだが、インドのある地方では猛禽類が減って鳥葬の伝統が危機にあると聞く。これまでは一日で食べ尽くされていたのが何日も放置されて臭いがしゃれになんない、と。
教義には触れないようにして考えらた対策は、(1)巨大な太陽光反射器を遺体に当てる、(2)石灰とリンで骨の分解を助ける、(3)消臭のためにオゾン発生器を設置する、だそうだ。いろいろ考える要素がある話だけど、ひとまず奇妙だなぁと思う。日焼けサロンじゃあるまいし、死体さんもたいへんなことだ。
2001.06.06
■わかりやすくてイヤになる
今日は六月六日、朝から雨が降っている。
ろくがつむいかにあめがざーざーふってきたら、こっぺぱんふたつであっというまにかわいいこっくさんだ。彼は、はっぱでもなく、かえるでもなく、あひるでもない。
ちなみに去年の六月六日は雨ではなかったことがわかる。もし降っていたらこの頁の2000.06.06に、今日書いたことと同じようなことを絶対書いていたはずだからだ。
咲き始めた紫陽花を見て「期待、だよなぁ」とひとりごちるこの頃であるが、それも毎度のことであるのがバレバレである。我ながら、わかりやすくてイヤになる。
2001.06.04
■ダダ書房店主に惚れる
東急東横線日吉駅近くのダダ書房は、一冊90〜180円/一泊二日の貸本屋さんだ。何度か前は通ったけれど入ったことがなかった。古本屋さんは慣れてるけど貸本屋さんは慣れてない、小さい本屋さんみたいだから何も借りずに出るのは気まずいんじゃないか、君はダダをどう思うかね、って質問されたらどうしよう、とか。
店主の岸芳子氏は75歳、30年ここで開業していて、今も午後から夜にかけてはお店に出ておられるという。ご自分の半生を振り返り、好きな本に首までつかって幸せと言いながら、「私達の世代はみな悪人。戦後の焼け跡で、モグラみたいに黙々と働いて、ふと頭をだしてみたら...ひどい社会になっていた。もっといい世の中にするはずだったんですのに...何かを置き忘れた、何か間違ったんです」(6/3朝日新聞日曜版)と語る。
日吉に行ったら今度はきっと、のぞいてみようと思う。
2001.06.02
■ミネラルフェア
ミネラルフェアは楽しい、科学的でも宝飾的興味でもないけど楽しい。立ち止まって隣の客の蘊蓄を聞いたり「ディスカウントプリーズ、イエ〜イ」を言いながら運命のデアイを待つ。今日のマイブームは鉱石が岩にくっついたままの状態のヤツ、だがピンとくるものに出会えず、細工もので金魚部員を拉致する。早速名付けよっかなーと思っていたら横はいりされ、「ミネちゃんとかミネキンコとか考えてんでしょー」と言われてとてもしゃくなので、驚きの名前をつけてから追って紹介させてもらいます。
2001.05.26
■新聞本の祖父は「くそ」と詩をかく
「新聞折本」は新聞を折ってそのまま製本するものだが、ディーター・ロートは1960年代に新聞を使ってアーティスト・ブックを作っていた。時代も違う、目的も違う、クォリティも違う。だけど同じ新聞つながりなので当プロジェクトの祖父と(勝手に)呼んでいる。
エディション・ハンスヨルク・マイヤーから出ているディーター・ロートの「作品集」が埼玉のうらわ美術館に収蔵されていて、9/16まで『コレクションによるテーマ展/見る・読む・触れるアーティスト・ブック展』で無料で見れる。彼の詩集「くそ」はここで初めて見たが、とても、いい。さすが新聞本のおじいちゃんである。
なお国立国際美術館の「ドイツにおけるフルクサス 1962-1994」(6/10まで)で、おじいちゃんが撮った短編映画の上映があるよ。