月別履歴(タイトル抜粋)

2002年 10月
2002年 09月
2002年 08月
2002年 07月
2002年 06月
2002年 05月
2002年 04月
2002年 03月
この本は私に会うために(1)
律儀(3)
なんちゃって矢印(6)
ピンクの肋を解体します(10)
世田谷区立下馬幼稚園(17)
「路程」は写っていなかったのか?!(19)
『落ち穂拾い』(22)
フラジャイルに「千夜千冊」の1/2(26)
実はワカメさん(29)

2002年 02月
スタイルの速度。音/映像/文字(1)
0020202の本棚(2)
『オードリーとフランソワーズ』(4)
『紙魚の手帳』12号(7)
東京駅。どっち側に降りて本屋に行くか(9)
本のことなら憶えてるが...(12)
行方不明新聞折本公開捜査(13)
佐伯俊男(14)
『ユビュ王』にくそったれ!ってそのまんまな...(16)
その穴のさきにあるもの(17)
家庭の医学と専門書の断絶を埋めるもの(20)
ジャリなら自転車こぎこぎ冷し中華を(21)
図書館のちょっと無理矢理(26)
送料に限って言えば(27)
月が最近(28)


2002年 01月
あけましておめでとうございます(1)
腹ぺこタイシ(4)
ランクアップした二百円のおみくじ(7)
方角が悪いんです(12)
カタログに載るモノ(20)
お、い〜ぞ〜(21)
冬もボサノヴァ(23)
ぽんぽこたぬき工作(26)
図書館はうるさいのだった(27)
『ナージャの村』(31)

2001年 12月
皆やさしくってヨ(1)
『寄席の脚光』(4)
無理して本屋でバイトすな(5)
大踏切書店でイッパイ(8)
いらないものばっかり残るのよ(13)
ママゴトやっといてよかった(17)
sold out 通知(22)
「2001年宇宙一瞬旅」(25)
不吉な夢もなんのその(26)

2001年 11月
愛犬は0.5(4)
自分で勝手に無理してグチる茶番(5)
どこのどいつ(6)
ひとの書棚を覗くのは楽し(9)
「広告としてのイラスト」(11)
かき×かぼす=マンゴ(13)
どこで区切って無駄と言う?(15)
「学校どこ?」(16)
岡ノ上鳥男様 田辺茂一(20)
おかえりのスケ本登場(26)
webで本をめくりたいひとはいないでしょう(30)

2001年 10月
bookbar4楽天ブックス開店(01)
鉄の扉「絶版」で幽閉された本の脱獄幇助(02)
本コ子雑誌、即物的体験を池袋リブロで(05)
おれなら桜を植えに行く(08)
眼の日は啓祐堂で眼のコヤシをいただく(10)
ライブ辞書を作るゾ(15)
新聞折本第八号(17)
製本-花ぎれの固定(18)
NONを見よう(19)
実感トハ恥ナリ(20)
透明酒は...(21)
となりの客はよく肉食う客だ(22)
わたらせ渓谷(27)


2001年 09月
意の外(01)
これを読んだら呪ワレル(03)
葉書文庫本(04)
均一つながりの本と新聞(05)
広辞苑、外に連れ出し運動(08)
平まどかのベルギー製本留学記(09)
コソコソするのはなぜ(17)
グリコのポーズ、やってみて(18)
それ、名前なんですけど...(19)
あどべんちゃブラリ(25)
オノ・ヨーコと朝日新聞(26)
温寿司(28)
まじ秋(30)


2001年 08月
横顔ばっかの金魚(03)
『チェブラーシカ』(04)
クモの糸をどう使うか(09)
人工雨、日本編(11)
空中金魚(13)
防ぐのが礼儀(14)
炭化菜種降りしきる花火大会(18)
屋久島の森に(28)
宇宙人と妖怪(30)


2001年 07月
くだらナイ→すまナイ(02)
やっと処分したっていうのに(03)
「ドキドキ」を見て体の頼りなさを (05 )
観本旅行(06)
おでかけには「じろう」を(1)
『ラッチョ・ドローム』(12)
いってきますじろう問題(15)
これは本なのですか(16)
「本は傷んだら修理すればいい」(17)
「うまい」か「おいしい」か(19)
エーッ○エーッ○エッ○ホイ○ッ○(23)
新聞折本第三号(25)
ネコとシャクシとキミと(26)
自由カラは逃走できない不自由(29)
夏はこれからだってば(30)


2001年 06月
ダダ書房店主に惚れる(04)
日焼けサロンじゃあるまいし(07)
製本アトリエ記11 (08 )
図書館には何を探しに行くか(10)
『ミリオンダラー・ホテル』(13)
人間を本に変える銃(14)
スクラップ帳をスクラップ(16)
死を待たずにとる魚拓が失うもの(17)
辞書である前に本でもある(20)
さくらんぼの味(24)
ああやっぱジンセイって(27)
金魚部第二回秘宝展(28)
図書館オチの古本(30)


2001年 05月
SPACE ODYSSEY(06)
新入部員は銀魚(09)
製本アトリエ記10 (10 )
「本コ」誌第一期終了につき(15)
never 金魚(16)
日に月に媚びず。(19)
ベストセラーがバカバカしくなっちゃって(20)
新聞を3回折って本にする(21)
『地獄の黙示録』(24)
新聞本の祖父は「くそ」と詩をかく(26)
「言葉はサーファー」説(27)
ナはテイをアラワスか(28)
祝いの席には花火か蜘蛛か(31)


2001年 04月
言いそびれ(04)
宅配から机配へ(06)
金魚部、無念(07)
一般市民ですけど(12)
書肆啓祐堂誌「黄金の馬車」(16)
切手詰め本(18)
「五点支え法」実験装置(19)
東京国際ブックフェア2001(21)
花ぎれ、できた(23)
おかえりのすけ事件2(24)
『ツバル』 (25)
探し選び奪う退屈(28)
ぶらりの卒業(30)


2001年 03月
カフェでふと(01)
日記の積み重ね(06)
忘れてはならない直感。(10)
「荒俣まぼろし堂」最終目録(11)
『キャラバン』(13)
『あらかじめ失われた恋人たちよ』(14)
ナヲナノレ(16)
記憶はひとの身体に間借りして(18)
後ろからやってくる(23)
夢は誰がみているか(25)
第一回金魚部秘宝展極秘開催(26)
図書券の使いかた(27)
閉店間近に耳ダンボ(31)


2001年 02月
窒息おかえりのすけ(01)
恐縮は笑い飛ばす(04)
他人様の土俵で燦然と輝いてしまうNIKE(07)
ダダな漢字(12)
へん平時代(15)
雨の筋に傘は目盛る(18)
『シュリ』(20)
タエコ・リズム(22)
NONでシールを貼ってもらおう!(23)
プロ紙に敬意を表した本(25)
ウリポな文学者の皆様へ(26)
万能web出版(28)


2001年 01月
初詩集『心配の速度』(06)
4×4 = 8 vs 365-6=358(08)
図書館ホテル(10)
中村文庫(14)
発禁と戦い、秘められた名作を(19)
" BOOK BLESS YOU. "(24)
ダイヤル・ビーチへ行こう(31)


2000年 12月
缶詰文庫(01)
星の王子さまが観た星空(05)
砂時計のくび(14)
目論書本(18)
新聞折本プロジェクト(20)
金魚部に西洋の旦那が(22)
環太平洋的に詩集(27)


2000年 11月
『グロリア』(02)
同級生が有名人になってしまった場合の卒業文集(03)
真空凍結乾燥機を入れてくれ(05)
がっくり(06)
カンガルーとおやじ(12)
吹き出し、開放(13)
銀杏書房(16)
『ラテンアメリカ光と影の詩』(20)
いかに多くの「思わずできたもの」(22)
おかえりのすけ事件(23)
「いんちき」とは何かを『桂離宮』に識る(24)
なかったことに(26)


2000年 10月
度忘れの度合い(31)
『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』(28)
本の系統樹(23)
「もいました。」(22)
『馬的思考』、一冊置いとくヨ(21)
疲れた筒(20)
分別快楽(18)
プラスチック部(12)
『ガタカ』(11)
『キカ』(03)


2000年 9月
はみだす飛び出し絵本(25)
文庫本をローンで買いたい(20)
めくるめく書籍目録の誘惑 (19)
『ポール・ボウルズの告白』(14)
みんな平らになりたい (13)
『ひかりのまち』(08)
9月1日はパタフィジックに(01)


2000年 8月
虚言僻を伴う脳の病気の後遺症の証拠(08)
あなたの信頼に背くわたし宣言(11)
「シツレイ」の効果(16)
『モジュレーション』(17)
bookmark 4とbook bar 4 (20)
@(24)


2000年 7月
目玉に食塩水を~(04)
「今日」あたし、ダメかも。(05)
些細な気まずさの克服(09)
" code " のバッグ(15)
電気スタンドマン(18)
地図通りだ!(30)


2000年 6月
共感しなくちゃいけない脅迫(03)
期待のかたち(05)
「頭痛いので休みます」(06)
人サマのリサイクルをする葬儀やのバイオ度(12)
バービーの脚が指に(15)
ゴダール『映画史』(16)
合理的なプロレタリヤ医学(21)
『ミラクル・ペティント』(26)
『フルスタリョフ、車を!』(29)


2000年 5月
TOTOの味噌汁(15)
『エグジスタンズ』(24)
『棺桶の中で宙返り』(28)
『足にさわった女』(29)


2000年 4月
万年青春映画の恐怖(05)
死因を調べてもらう料金(07)
凸=H2cm、 20×20でいこう(20)


2000年 3月
『スリーピー・ホロウ』(07)
さぶいぼセンテンス(10)
実感のリロード(16)
セルフ・パブ『共生虫』(28)
『ストレイト・ストーリー』(30)


2000年 2月
生まれ変わったらmusicianになる(13)
泡の中身(15)
人が言わないことを否定する(16)
plastic book(21)
接続語の「ぶっちゃけた話」(23)





ほぼ隔週このページの抜粋+/-αをメルマガ『おかえりのすけです。』として発行。詳しくは上記画像をクリックしてちょうだい。

2001年02月28日

■万能web出版
トーハンと凸版印刷の共同出資によるDPSが自費出版支援サービス「万能web出版」開始。テキストデータで納品すると、A6~A4版のソフトカバー製本で著者用に3册。それを同社が運営する「万能書店」及び「Bitway-Booksオンデマンド」に掲載し注文受付して随時販売(1年間。更新の場合は1万円/年)するというもの。パッケージ料金の12〜20万円には、いわゆる校正代等は含まれず、あくまで本人責任。オプションはいろいろ可。
「万能」っていうネーミングがまさにその長所短所を端的に表現。売れもしないし増刷もしないとなるとえらい高い本になってしまう。もちろん内容次第でしょうが、デザインについてはサンプルからの選択だから、webの画面上ではさいころの目が並んでいるようにしか見えないだろうし、「万能書店」さんの紹介のしかたやにぎわいの作り方にとても左右されそうネ。大学の先生などはいいんじゃないでしょうか、テキスト用に。あと企業のHPでwebからのカタログ請求に迅速に対応できるなら便利。
先着30名は半額10万円!誰か試してみませんか。


2001.02.27 ■先端/センタン/尖端
野村アセットマネジメントの広告「決め手は、先端力。」。
本(あじろ綴じなんだな、これが。懐中時計と質感が合わないでしょう)が開いていてそこに云々、しおりが下に置いてあってそこにも云々、右下には懐中時計、針は9時。
「先端力」を示すために時計は9時をさす必然性があったはずだけど、これは朝?夜?まぁ夜なんだろうが、それにしては中途半端な時間。思いきって1時とか3時とかにしとけばよかったのにね。センタンといえば、台湾の「尖端出版」の尖端な本をどうぞ。
2001.02.26 ■ウリポな文学者の皆様へ
ジョルジュ・ペレックの『冬の旅』に登場する本を「本の現場」に拉致!
模倣、剽窃、改作をひるむことなく繰り返し、その正当性を公言しているウリポの代表的作家が描いた本は、空白のままで終わっていた。誰かいませんか?フランス19世紀文学を詳しくするかたなら現代版『冬の旅』を書き込むことができるのでは。ユゴー・ヴェルニエ著『冬の旅』、ゴーストライター貴方、装丁ワタシ。「黒い布で装丁イタシマス」
2001.02.25 ■プロ紙に敬意を表した本
それぞれ皆さんのお仕事のなかで独特な道具がいろいろあると思うが、使い慣れれば慣れる程その道具自体には特別注目しなくなるものだ。私は工場や仕事場を見るのが好き、工具や道具のカタログをもらうのが好き、それはいずれもそれら道具の美しさに惹かれるからだ。
というわけで、それが紙の場合、つまり道具とか素材とか材料などとして使われている紙に「美」を感じて本にしたような数冊をbooky 17しました。『クララ洋裁研究所』と『レイアウト』、おまけで中国子供ノウトと大正農家出納簿。23日に話したNONさんの袋も見れます。
2001.02.23 ■NONでシールを貼ってもらおう!
昨夜絶好調のまま眠ってしまったので補足します。
メトロノーム・ブックスさんが渋谷に古本バー『NON』をオープンしたので立ち寄ったのだった。こじんまりと誰かの家的ない〜感じである、しかも場所がまた渋イ(大ヒント)。ビールを飲みしばし話したあと書棚をナメる。二冊、買う。江口さんはまだ、本が売れた場合の伝票のつけかたを定義していないので適当に書いている。袋、袋...と探す。あ、袋いらないですよ、と言う。普段からカバーや袋はもらわない。いや、ちょっと待って下さい、と探し、きちきちの透明袋にきちきちに入れてくれている。結構キチョウメン?と思いきや。
「いやぁシール作ったからこれ、使いたいんですよねぇ...」
そう、店主は、オリジナルシールを作ったのでそれを貼りたかったのだった。うれしそうである。私もうれしくなる。このいでたちがまたいい感じなので今度その画像を皆様にもお見せしますのでお楽しみに。
2001.02.22 ■タエコ・リズム
興味や価値観の違う土俵のなかで過ごすのは辛い。だけどその解消をひたすら環境に求めてもしょうがない、だって今すでになんらかの優先順位を自分で決めて居るんだもんね、文句言ったってそれ、不毛。
そこまで耐子(タエコと読む。とても耐え忍んでいる状態にあること)してでも守りたいものがあれば、それだけで毎日はかいつまんで楽しい。なにしろ私達は時間の配分もそのままに全てを覚えているわけがなく、傾向として私などは不毛の時間はあっというまにゼロ、だから朝は100%爽やかで呆れる。
今夜も素敵な人たちと会って絶好調になってしまった、この調子で夢のなかだ。また朝がくる、だろう、爽やかに。そして少しどんよりしてビタミンやカルシウムを飲んで耐子タイムをやりすごせば、また暗くなってタエコ解放。すばらしい、リズムって。延々対前年比プラス何パーの「パー」が笑う。
2001.02.21 ■疑問点を明らかにしよう
BNPパリバの広告。「...的確なアドバイスでお客様をサポートします」
(たぶん)パリの町並みのミニチュア写真、パリバ本社(だと思う)のビルにだけ米粒がたくさん降り注いでいる。
疑問1)なんでササニシキやドマンナカじゃなくてタイ米なのか?
疑問2)パリバビルの前に集まっている人達が、降り注ぐ米粒につぶされてるけどそれでいいのか?
疑問3)画面左上奥のビルの屋上のヘリポートのマークが、当bookbar4 のハンコ柄と酷似、事前にヒトコトあってもいいんじゃないか!
以上です。
2001.02.20 ■『シュリ』監督:カン・ジェギュ/1999韓国
去年公開になった『シュリ』。
韓国の情報機関“OP”のオフィスにはいくつもの水槽、そこで飼っていた金魚がたて続けに死んだ。普段なにげなく餌替わりに入れているビスケットのせいかもしれない。そのころ、部内の機密情報が漏れ、互いに警戒する緊張感がみなぎっていた。あるときイ・ ジャンギルが(もしかして、)と金魚を手にとる。ナイフでお腹を切る、なかから盗聴器が出てくる、あいつだ、犯人は...。
この映画はたくさんの金魚の犠牲のうえになりたっておるのです、金魚部としては彼等の冥福を祈らない日はないのだが、彼等の遺影ともいえるような新入部員が加わったので紹介しよう。ちなみに「この手」は2000年エストニア製本国際展で最高賞「金の本」賞に輝いている!
蛇足ですがこの映画、男と女がいろんな意味でいい感じをかもしているとき、そのふたりのまわりをぐるぐる廻るカメラワークが大〜好きで困っちゃいます。液体爆弾CTXは綺麗です。
2001.02.19 ■使えないヤツ
鉛筆一本の写真に「道具を使うのはどうして?」のコピーの広告。www.iBaan.com
昨日の傘の話にも通じるけど道具を使うのは理由があるからで、だから使うひとによってどうにでもなってしまう。鉛筆一本はただただ可能性無限な鉛筆一本。それでどんな絵を描き計算をし、手紙をかき頭をかき、折ったり捨てたり、それは使う人の「現れ」にすぎない。
部下の悪口を言うのが好きな人達がいる。それって部下の優秀なところを見つけられない活かせない上司である自分の無能ぶりを語っているだけに聞こえるんだけど「バカとハサミは使いようっていうけどさーサスガの俺様もあいつは使えないよ」って頓珍漢で可笑しい。貴方が言う「バカ」も「ハサミ」も、可能性が無限なただただそれぞれの「一個」、それを使えないとおっしゃる貴方は退屈で可哀想。パソコンに「使えねぇなー」ってヒスおこすのも同じ、もっと耳を澄ましてごらん。
2001.02.18 ■雨の筋に傘は目盛る
今朝はいい天気。ぽかぽかするからマフラーは置いていこうか。でも風邪がレベル4(バクモンドウトウ)にきてるから巻いていこう。
まぁマフラーならいいが出かける時の小雨にはちょっと迷う。傘をさすのは濡れたくないからだが、たいした雨でもないのになんだが必死に濡れまいとかたくなになるのもどうかと思うし、手当りしだいに傘を買っては置き忘れるのも野暮い。子どものときのめいいっぱいずぶぬれた快感は忘れられないが、仕事に行くのにずぶぬれるわけにもいかないしクリーニング代がかさむだけだし...ってことで、結局その野暮に身をおとしてしまうのだーーつまり傘って、地球にまっすぐ落ちてくる雨の筋に刻む、そのひとのそのときの折合いの目盛りみたいなもんだわね。
「傘の位置」。広重、上村一夫も、きっと雨にずぶぬれていた。
2001.02.17 ■トラも似ている
12日に米セレーラ・ジェノミクス社と国際ヒトゲノム計画チームが発表した、人間の遺伝子の数が3〜4万個であるという推測が反響をよんでいる。ショウジョウバエの3倍程度、ハエのたった3倍だよ、君....という論調で。
「ヒトの遺伝子は10万個以上」との予想がまことしやかになされていたときも、私にはその数の多さの実感も根拠もわからなかったので、ハエの3倍であることに驚く理由がない。ハエもトラもペンギンもカンガルーも、ずいぶんヒトと似ていることのほうがおもしろい。だってこの前見たんです、トラが水飲み場でこっそり入浴するシーン。恐る恐る前足で深さを確かめ、からだを後ろ向きにして後足からしずしずと入り、そして肩までとっぷりつかって目を閉じる...。あれぜったい、ハ〜〜〜ッって言ってる。
2001.02.16 ■すごいことをするひとを撮るカメラマンのすごさ
2003年の完全民営化をめざしているという電源開発の広告写真がいい。今回はアーチ型の池原ダム(奈良)の、コンクリート圧縮強度試験をするひとをとらえた写真。
堤頂の長さは460m、高さは111m、そこにキャットウォークと呼ばれる細い通路がなん本か作ってあり、試験をするにはそこを歩かねばならない。写真はまずそのアーチが美しい、そして、ヘルメットをかぶったアリンコ状のふたりの姿に驚異。だが待て、この写真、どこから撮ってんの?丁寧にも書いてある、「この写真は最上段のキャットウォークから撮りました」!
アクロバットスキーヤーを撮るためにアクロバットスキーをするカメラマンや、カヌー滝下りを撮るために滝から飛び込むカメラマンの番組を先日みたばかりだったので。
2001.02.15 ■へん平時代
私はへん平な顔をしている。
最近のノートパソコンはより薄く軽くがウリなので、広告も横顔が増えてきた。MacのPowerBookG4はチタンでかなりそそられるが、広告では「この質感は広告ではお伝えできません。お店でご覧ください。」とそっけなく逃げ、比べてGATAWayのSOLO3400は「最軽量!」とうたい、「*」マークをわざわざ付して「H13.1.31現在、当社調べ」と謙虚っつーかびびりすぎっつーかうるさいっていうか。
いずれにしても、横顔である、へん平な。ほほほ。
2001.02.14 ■体、がんばる
この冬、始めての風邪をひいた。わたし的には画期的なことである。風邪もひけないくらいどこか体がこっそり不調なんじゃないかと思っていたほどだ。 だいたい順序は決まっている。なんかのどがちくちく→割れるように痛む(風邪ひいた、と言う)→鼻水→鼻をかみすぎて鼻のしたがまっかになる→咳、咳。
正しい対処とは思わないが総合感冒薬よりも一極集中型の薬を飲み継ぐほうが好きで、今はトラネキサム酸から塩化リゾチウムに変えたレベル2にある。
薬を飲むと症状はおさまってありがたい。だけどこの体もからだなりに、ちくちくさせたり鼻水をつくったりまっかになったり熱を出したりしてがんばってるなぁと思うと、むやみにそれをおさめるのも悪いような気がしてくる。「体を休めよう!」って誰かと言い合うのは温かで鬱陶しくもあるけど、必死なからだの対応に耳を向ける静かな時間は、必要かも。
2001.02.13 ■どまんなか海野十三
東京新宿の模索舎にて海野十三の会発行の「海野十三メモリアル・ブック」を買う。これは2000年に没後50年追悼記念出版として同会が1000部刷ったもので、単行本になっていない随筆や初公開の写真など貴重な資料が満載。それらをできるだけ複写原稿としているので、例えば雑誌、例えば新聞記事など、周囲の広告も一緒にみれるのがまた楽しい。こういうことも重要な要素と考えた会は、商業出版社から援助の申し出もあったというが全て断わり、質素でタイセツな感じの良く伝わる冊子に仕上げた。ちなみに外装装訂設計は府川充男氏。
昭和11年『とっぷ』という雑誌の創刊号に「レビュウ掻集記」として「...第一いやに手つ取り早いのに大いに賛意を表した...」などと書いていたりして。我らが日本のSFの祖、、全くすみにおけません。
2001.02.12 ■ダダな漢字
献呈署名入りの本をやむにやまれず処分する場合、それを古本屋さんに持って行くひとはいないだろう。古本屋さんに持って行くということはそこでもういっちょ流通することを前提とするわけだから、贈ってくれた本人もしくはその知人に知られることも充分ありうるからだ。で、ごめんなさい、失礼御無礼をお許し下さいと手を合わせつつ纏め、いわゆるちり紙交換屋さんに出すひともいるだろう。が、これまたしっかり古本市場に持ち込まれることが多いんだそうですからスバラシイ+気を付けましょう(?)...。
ある古本屋で高橋新吉のエッセイ集「禅に遊ぶ」(立風書房/昭和52)を立ち読んでいたらこれがなんと献呈署名本(小山敬三氏あて)、ああ、なんてダダな漢字!的筆圧の強いボールペンでの新吉のサインがある、しかも口絵も描いている、イイ本だ。
さらに宮沢賢治についての部分では「...最近送ってきた或古本屋のカタログに、「国訳妙法蓮華経/宮沢賢治/私家版/元帙入/高橋新吉宛/清六署名入/極美/四万三千円」と出ていた。四十年ほど前に、私の手から離れたもので...記憶にないが、果たして、私の持っていた本か、たしかめてみたいと思っている。...」とある。めぐり、めぐるものだ。
2001.02.11 ■周りがほっとかない
装幀について、それが誰によってなされたのかにはノータッチの古本も多いなか、come on a booky! 『秘版浮世絵艸紙 歌磨』(1952年 )には「装幀/土屋幸夫」と明記してあった。
土屋幸夫氏とは他にどんな本の装幀をしてたんだろう、そんなことが当然気になる。こんなときに便利なのは通称カナブンこと神奈川近代文学館のHP。蔵書の範囲内ではあるが装丁者の名前でも検索できるので、例えば土屋氏であれば『若き日の信長』大佛次郎や『わが文壇紀行』水守亀之助他がヒットする。
ただ残念なのはここのHPがちょっとダサすぎというか見にくいというか。昆虫カナブンでも飛ばして軽やかに私達を目くらまして欲しいところ。どんなにいい内容の本でも装幀がダメなものはダメ、というか、いいものは周りがほっとかないから内容にみあった姿になって残っていくということが、HPにもあてはまっていくことでございまショウ。
2001.02.09 ■味噌汁がこぼれたので『英国伝統の製本術』を観る
おいしいお豆腐の賞味期限が前日だったので夜遅くにお味噌汁を作り、盆に載せて机に置いていた。と、棚からとり出した本が落ちてひっかかり、机の前面が味噌汁滝に。がっくりきたのでもう寝ようと思って最後のメールをみていたら、今夜のテレビの案内が届いている。
NHK総合TV、9日am.1:37〜『英国伝統の製本術』に、製本家で、私が通う製本アトリエの講師もなさっている岡本幸治さんがコメンテーターとして出演、と。
英国ケントのある工房で、年老いた職人さんとお弟子さんのふたりが静かに作業を繰り返す映像からは、その複雑さ精密さ大事さが伝わってくる。しかしプロの仕事というのはなんて軽やかで楽しげなんだろう...。道具はみな体の延長のようだし、そこにまとわる紙やら革やらの素材は道具にぴたりとすいついてくる。この番組を観て多くのひとが興味をもつことだろう、喜ばしいことだ....。
ところで、味噌汁はいい匂いだがこぼれてしまうと臭くなり、うんちになったらもっと臭くなる。今考え中のパッセカルトン本のデザインも、あまり考え続けていつのまにか一線を超えてしまわないよう注意せねば。
2001.02.08 ■週なかのリズム
早寝する両親と電話でゆっくり話すには早帰りしなければならない。昨夜ももしもし言うが母はいない、剣舞に行ってると父が言う、ああそうか、また水曜日に電話しちゃったね。
だいたい水曜日は、今日こそいろいろやるぞと思って寄り道せずに帰宅しがちなリズムの締め日であることを確認する。ってことはあすは木曜か、俄然週末が見えてきた。余裕が出てきてうれしくなり、買いためない方針のオサケの残りをきれいに処分し、次の缶瓶ゴミ収集日のための資源を丁寧に整える。
2001.02.07 ■他人様の土俵で燦然と輝いてしまう
麒麟の淡麗<生>の広告。「こんなにうまいのは、青空のせいですか。」佐々木大魔人が言う。
印刷は全体にマットで青空も美しく、昨年まで暴走していた「ビールの広告は雫が命!」のドグマを脱している。しかしマット過ぎるビール缶は決してうまそうには見えず、そうね、綺麗な青空でも見上げればうまいかも、という結論にいたってしまう。と、佐々木の胸に燦然と輝くナイキのマーク。ナイキは佐々木をスポンサードしてんのか、と思って隣のスポーツ欄を見ると、イチローと談笑する佐々木、の胸にはやはりナイキ。ナイキの一人勝ちだこりゃ。
2001.02.06 ■「有り難う」と漢字で言う
東京銀座のガレリア・グラフィカで開催中の「ながたはるみ展 - 白石かずこ初期詩集「卵のふる街」を描く -」
白石かずこ氏の詩の一行づつにつけられた点描画の数々。わたしは、詩句を読みながら画を観ながら、絵を観ながらことばを詠みながら、やがて一遍の世界を追体験したかのような気分、さらにパーツが勝手に拡張して楽しくなってニヤけてしまいやばいやばい。
昨夜のオープニングパーティでは白石かずこ氏による朗読が! お二人のインスピレーションとイメージとセンスと敬意の交感がギャラリーに溢れ、見ている私達にもその波動が伝わってくる。はるみさんはまるで他人ごとみたいに、すごいね、楽しいね、すごいね、ありがたいね、を繰り返すが、 それは観せていただいた私たちの台詞、あまりにも貴重だったので「有り難うございました」と漢字で言う。
2001.02.05 ■なんだ、
公正取引委員会がこの春に再販制度存廃の結論を出すのに備えて、書店が小売価格を自由に設定できる方式、「部分再版」の書籍を主婦の友社が発行するそうだ。39万部限定、在庫がなくなれば販売終了。書店買い切り。印刷を中国でおこない、書店のマージンを最大35%(通常は25%)確保。
出版物については部分再版と時限再版というのが認められているらしいが、実際に導入する出版社はほとんどなかったのだそうだ。そのシステムの詳細は知らないが、上記のような記事を読む限りにおいては、なんだ、工夫すればいろいろできたんじゃない、と思う。
本は他のものに比べたら格安、書き手への限り無い敬意をいつも感じているけど、例えば日本書籍出版協会の「読者の皆さんへ」などを読むと、再販制度の維持はそういう本好きの思いとは全然関係なさそうだし、随所に時代錯誤な表現があって可笑しい。
2001.02.04 ■恐縮は笑い飛ばす
駅の券売機で隣にいたおばさんに「カード買うの、どうするのかしら?」と聞かれる。私もよくわかんない。二人でひとさしゆびを立てて面をなぞる。と、おばさんが、絵柄になった「カード」ボタンを見つける。「あ、あったわ!ありがとう。すみませんねぇ...」

おととい私は、壊れたカメラをカメラ屋に持っていったのだった。ひとしきり症状などを語った後で「ちょっと待って。念のため」とお店の人が電池を確かめる。そんな初歩的なことはいくらなんでもしない自信満々の私は「それはありえない」と言う。
「電池切れだよ」
「...............スミマセン...」と恥じ入る。
「いや、別にな〜んにもしてないから」お店のひとは淡々とテキパキ笑う。(慣れてる)

ということがあったので。
私もおばさんに「あたし、何も言ってないけどね」と淡々とテキパキ笑って肩を叩いた。おばさんも、ただ、笑う。相手の恐縮は笑い飛ばすに限る。


2001.02.03 ■ありがとうとお金を払う
目当ての本があるときはネット買いすることが増えた。新刊で捜せないものは紫式部などの古書専門のサーチエンジンで。手元に届いて始めて発送元が北海道だったりすることがわかり、梱包に使われる台紙が地元特産物の箱の部分だったりしてまた楽しい。 配達料は高くて525円というところだが、1000円くらいの本だと525円の配送料ってのは高いなぁと単純に思う。
今朝も本が届く。ピンポン音で穴から覗くと(うふぅ〜さむいぃ〜)とひとりごちる配送のおじさん。ドアを大きく開けて風をさえぎって無駄話をしながらサインをする。そういう問題ではないのはわかっているが、このおじさんに配送料を直接払ってありがとうの気分を伝えたくなる。
本来お金はそういう気分のうえになるものだろう。世界に約2000、日本に約30あるという地域通貨の試みは、そういう原点への立ち戻りなんだろう。
今日はどこでお金使ったかな。払う時、ありがとうの気分は満ちていたかな。
2001.02.02 製本アトリエ記(08)〜『青の時代』編
オヤカタの作品を見せてもらいながら表紙の構想を練り直す、というか、わたしがあまりにも自分の技量を鑑みずにこうしたいああしたいと言うのに呆れ、いさめるために見せていただいた、というのが正しい。
なにしろ初めての総革装だからまず革と革をはぎ合わせるときのゴマンとある技術を習得するのが最初だってのに、(なんかかっこよくて見栄えがしてわりと簡単で失敗の目立たない方法)に100%やじるしを向けているのがばればれ。
「デッサンもできずに抽象画を描いて喜ぶようなことをするな」と言われれば「でもデッサンはできないけど抽象画は描けるよ」と言い、「ピカソを見なさい」と言われれば「え、あたし今、青の時代だから」と言う本末転倒な教え子ら。身の程知らず目くらましデザインは野暮イ、ということだけはよくわかりましたけど...。
さて、通称 j クラスの渡辺さんの本をアップしました。本もさることながら、「お人柄」という吹き出しが随所に浮かび上がる御本人の解説文を楽しんでいただきたい。
製本アトリエ記(07)はこちらへ。
2001.02.01 ■窒息おかえりのすけ
ちょっとした雨なら傘なんかささない。雨に濡れるのも、いい。でも真っ白な服を着てたらそうはいかないかな。そう、白は汚れる。
編みぐるみやぬいぐるみの白はタブーだろう。日々の埃や手垢の汚れはクリーピングだ〜てぃだから、目立たないでいてくれればそれですむ。だが白である必然性のあるものは別。
おかえりのすけは透き通るような白肌だという。だから白だ。汚れる。困る、クリーニングには出せない訳があるのだ。しまっちゃおう。でも見えないのは嫌だ 、毎日おかえりを言ってもらわねばならない。じゃぁビニール袋か。そうだな、この際見栄えは二の次でしょう。