月別履歴(タイトル抜粋)

2002年 10月
2002年 09月
2002年 08月
2002年 07月
2002年 06月
2002年 05月
2002年 04月
2002年 03月
この本は私に会うために(1)
律儀(3)
なんちゃって矢印(6)
ピンクの肋を解体します(10)
世田谷区立下馬幼稚園(17)
「路程」は写っていなかったのか?!(19)
『落ち穂拾い』(22)
フラジャイルに「千夜千冊」の1/2(26)
実はワカメさん(29)

2002年 02月
スタイルの速度。音/映像/文字(1)
0020202の本棚(2)
『オードリーとフランソワーズ』(4)
『紙魚の手帳』12号(7)
東京駅。どっち側に降りて本屋に行くか(9)
本のことなら憶えてるが...(12)
行方不明新聞折本公開捜査(13)
佐伯俊男(14)
『ユビュ王』にくそったれ!ってそのまんまな...(16)
その穴のさきにあるもの(17)
家庭の医学と専門書の断絶を埋めるもの(20)
ジャリなら自転車こぎこぎ冷し中華を(21)
図書館のちょっと無理矢理(26)
送料に限って言えば(27)
月が最近(28)


2002年 01月
あけましておめでとうございます(1)
腹ぺこタイシ(4)
ランクアップした二百円のおみくじ(7)
方角が悪いんです(12)
カタログに載るモノ(20)
お、い〜ぞ〜(21)
冬もボサノヴァ(23)
ぽんぽこたぬき工作(26)
図書館はうるさいのだった(27)
『ナージャの村』(31)

2001年 12月
皆やさしくってヨ(1)
『寄席の脚光』(4)
無理して本屋でバイトすな(5)
大踏切書店でイッパイ(8)
いらないものばっかり残るのよ(13)
ママゴトやっといてよかった(17)
sold out 通知(22)
「2001年宇宙一瞬旅」(25)
不吉な夢もなんのその(26)

2001年 11月
愛犬は0.5(4)
自分で勝手に無理してグチる茶番(5)
どこのどいつ(6)
ひとの書棚を覗くのは楽し(9)
「広告としてのイラスト」(11)
かき×かぼす=マンゴ(13)
どこで区切って無駄と言う?(15)
「学校どこ?」(16)
岡ノ上鳥男様 田辺茂一(20)
おかえりのスケ本登場(26)
webで本をめくりたいひとはいないでしょう(30)

2001年 10月
bookbar4楽天ブックス開店(01)
鉄の扉「絶版」で幽閉された本の脱獄幇助(02)
本コ子雑誌、即物的体験を池袋リブロで(05)
おれなら桜を植えに行く(08)
眼の日は啓祐堂で眼のコヤシをいただく(10)
ライブ辞書を作るゾ(15)
新聞折本第八号(17)
製本-花ぎれの固定(18)
NONを見よう(19)
実感トハ恥ナリ(20)
透明酒は...(21)
となりの客はよく肉食う客だ(22)
わたらせ渓谷(27)


2001年 09月
意の外(01)
これを読んだら呪ワレル(03)
葉書文庫本(04)
均一つながりの本と新聞(05)
広辞苑、外に連れ出し運動(08)
平まどかのベルギー製本留学記(09)
コソコソするのはなぜ(17)
グリコのポーズ、やってみて(18)
それ、名前なんですけど...(19)
あどべんちゃブラリ(25)
オノ・ヨーコと朝日新聞(26)
温寿司(28)
まじ秋(30)


2001年 08月
横顔ばっかの金魚(03)
『チェブラーシカ』(04)
クモの糸をどう使うか(09)
人工雨、日本編(11)
空中金魚(13)
防ぐのが礼儀(14)
炭化菜種降りしきる花火大会(18)
屋久島の森に(28)
宇宙人と妖怪(30)


2001年 07月
くだらナイ→すまナイ(02)
やっと処分したっていうのに(03)
「ドキドキ」を見て体の頼りなさを (05 )
観本旅行(06)
おでかけには「じろう」を(1)
『ラッチョ・ドローム』(12)
いってきますじろう問題(15)
これは本なのですか(16)
「本は傷んだら修理すればいい」(17)
「うまい」か「おいしい」か(19)
エーッ○エーッ○エッ○ホイ○ッ○(23)
新聞折本第三号(25)
ネコとシャクシとキミと(26)
自由カラは逃走できない不自由(29)
夏はこれからだってば(30)


2001年 06月
ダダ書房店主に惚れる(04)
日焼けサロンじゃあるまいし(07)
製本アトリエ記11 (08 )
図書館には何を探しに行くか(10)
『ミリオンダラー・ホテル』(13)
人間を本に変える銃(14)
スクラップ帳をスクラップ(16)
死を待たずにとる魚拓が失うもの(17)
辞書である前に本でもある(20)
さくらんぼの味(24)
ああやっぱジンセイって(27)
金魚部第二回秘宝展(28)
図書館オチの古本(30)


2001年 05月
SPACE ODYSSEY(06)
新入部員は銀魚(09)
製本アトリエ記10 (10 )
「本コ」誌第一期終了につき(15)
never 金魚(16)
日に月に媚びず。(19)
ベストセラーがバカバカしくなっちゃって(20)
新聞を3回折って本にする(21)
『地獄の黙示録』(24)
新聞本の祖父は「くそ」と詩をかく(26)
「言葉はサーファー」説(27)
ナはテイをアラワスか(28)
祝いの席には花火か蜘蛛か(31)


2001年 04月
言いそびれ(04)
宅配から机配へ(06)
金魚部、無念(07)
一般市民ですけど(12)
書肆啓祐堂誌「黄金の馬車」(16)
切手詰め本(18)
「五点支え法」実験装置(19)
東京国際ブックフェア2001(21)
花ぎれ、できた(23)
おかえりのすけ事件2(24)
『ツバル』 (25)
探し選び奪う退屈(28)
ぶらりの卒業(30)


2001年 03月
カフェでふと(01)
日記の積み重ね(06)
忘れてはならない直感。(10)
「荒俣まぼろし堂」最終目録(11)
『キャラバン』(13)
『あらかじめ失われた恋人たちよ』(14)
ナヲナノレ(16)
記憶はひとの身体に間借りして(18)
後ろからやってくる(23)
夢は誰がみているか(25)
第一回金魚部秘宝展極秘開催(26)
図書券の使いかた(27)
閉店間近に耳ダンボ(31)


2001年 02月
窒息おかえりのすけ(01)
恐縮は笑い飛ばす(04)
他人様の土俵で燦然と輝いてしまうNIKE(07)
ダダな漢字(12)
へん平時代(15)
雨の筋に傘は目盛る(18)
『シュリ』(20)
タエコ・リズム(22)
NONでシールを貼ってもらおう!(23)
プロ紙に敬意を表した本(25)
ウリポな文学者の皆様へ(26)
万能web出版(28)


2001年 01月
初詩集『心配の速度』(06)
4×4 = 8 vs 365-6=358(08)
図書館ホテル(10)
中村文庫(14)
発禁と戦い、秘められた名作を(19)
" BOOK BLESS YOU. "(24)
ダイヤル・ビーチへ行こう(31)


2000年 12月
缶詰文庫(01)
星の王子さまが観た星空(05)
砂時計のくび(14)
目論書本(18)
新聞折本プロジェクト(20)
金魚部に西洋の旦那が(22)
環太平洋的に詩集(27)


2000年 11月
『グロリア』(02)
同級生が有名人になってしまった場合の卒業文集(03)
真空凍結乾燥機を入れてくれ(05)
がっくり(06)
カンガルーとおやじ(12)
吹き出し、開放(13)
銀杏書房(16)
『ラテンアメリカ光と影の詩』(20)
いかに多くの「思わずできたもの」(22)
おかえりのすけ事件(23)
「いんちき」とは何かを『桂離宮』に識る(24)
なかったことに(26)


2000年 10月
度忘れの度合い(31)
『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』(28)
本の系統樹(23)
「もいました。」(22)
『馬的思考』、一冊置いとくヨ(21)
疲れた筒(20)
分別快楽(18)
プラスチック部(12)
『ガタカ』(11)
『キカ』(03)


2000年 9月
はみだす飛び出し絵本(25)
文庫本をローンで買いたい(20)
めくるめく書籍目録の誘惑 (19)
『ポール・ボウルズの告白』(14)
みんな平らになりたい (13)
『ひかりのまち』(08)
9月1日はパタフィジックに(01)


2000年 8月
虚言僻を伴う脳の病気の後遺症の証拠(08)
あなたの信頼に背くわたし宣言(11)
「シツレイ」の効果(16)
『モジュレーション』(17)
bookmark 4とbook bar 4 (20)
@(24)


2000年 7月
目玉に食塩水を~(04)
「今日」あたし、ダメかも。(05)
些細な気まずさの克服(09)
" code " のバッグ(15)
電気スタンドマン(18)
地図通りだ!(30)


2000年 6月
共感しなくちゃいけない脅迫(03)
期待のかたち(05)
「頭痛いので休みます」(06)
人サマのリサイクルをする葬儀やのバイオ度(12)
バービーの脚が指に(15)
ゴダール『映画史』(16)
合理的なプロレタリヤ医学(21)
『ミラクル・ペティント』(26)
『フルスタリョフ、車を!』(29)


2000年 5月
TOTOの味噌汁(15)
『エグジスタンズ』(24)
『棺桶の中で宙返り』(28)
『足にさわった女』(29)


2000年 4月
万年青春映画の恐怖(05)
死因を調べてもらう料金(07)
凸=H2cm、 20×20でいこう(20)


2000年 3月
『スリーピー・ホロウ』(07)
さぶいぼセンテンス(10)
実感のリロード(16)
セルフ・パブ『共生虫』(28)
『ストレイト・ストーリー』(30)


2000年 2月
生まれ変わったらmusicianになる(13)
泡の中身(15)
人が言わないことを否定する(16)
plastic book(21)
接続語の「ぶっちゃけた話」(23)





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2001年05月31日

■祝いの席には花火か蜘蛛か
銀座のティファニー本店が5周年だという。キティちゃんブームの再来を予知できずに立ち去ったかのようにみえる、「サンリオ」ショップの後に入った店だ。
「すべての人生に祝福がある」と五周年を記念したティファニーの広告は、私がショップのショウウィンドウですっかり蜘蛛と思って(なかなかヤルナ)とほくそ笑んでいたヤツが、実は限り無く花火よりの花であったことを知らされ事件となった。やっぱ、祝いには蜘蛛より花か。


2001.05.30 ■施主本という実験報告書
ここ数日資料で「施主本」をいろいろ読んでいる。施主が、家を作った体験を書いた本だ。
そういえば子供の頃はブロックでお城をつくるのが大好きで間取り図考えるのも楽しくて、いつか自分の家をステキにつくる日がくると当然のように思い、都市設計とかイイナーと思ったけど物理がぜんぜんわかんなくて、大金持ちにでもならない限り必死でローンなんか組んでちゃっちい家を作ってもださいなぁと思うようになっていた。なんでそんなことになっちゃったんだろ...。
ときとして、悪趣味な家よりも、青ビニールや流木で橋の下に作られた家のほうがよっぽど楽しそうに見えるときがある。作り手の工夫とかわくわく感の有無だろう。家づくりだって、所詮たった一度づつのジンセイのなかの、一回づつの実験なんだよね。
一つの実験の結果は必ずや次の誰かの実験に役立ち、それがつながって「方向」が出来てくる。たったひとりで収束したってしょうがないよと施主たちに言われた気がする。まぁとにかく腹をくくって楽しんでるよね、みんな。それが一番。
2001.05.28
■ナはテイをアラワスか
このたびの新入りさんは、フェィちゃんとショユ・キン・サッシーちゃんです。まずは名前からどんな方々なのか想像したうえでご対面くださいマシ。「鳥部」の部室、今度みれるかもヨ。
2001.05.27
■「言葉はサーファー」説
昨日の大相撲千秋楽、優勝決定戦での貴乃花の表情、そして表彰式での小泉総理の「感動した!」の絶叫。いいねぇ、気持いいねぇ。って、相撲が始まってたことなどほとんど関知せずニュースで知っただけのいんちきですケド...。
右膝を傷めていた貴乃花に優勝決定戦で負けた武蔵丸はインタビューにこたえて「思いっきり行けねぇじゃん」と言ったらしい。これまた、いい。そうだよねぇ、よく言った、でもちっともイヤミじゃないだな、これが。いずれも、なにか細かな波動に乗っかってこちらにやってきて、通り過ぎてもまだその波の感覚が体に残るような言葉たち。
田中外相の言葉も良く伝わってくるのだが、ちょっと前に記者会見の席で秘書官を罵倒したシーンを見てからはちょっと??だ。歯止めがきかないヒスの荒波にはねとばされて、サーファーたる「言葉」がすっかりカタナシにされてたもんね。
太陽と波とサーファーは一体なのであります。
2001.05.26
■新聞本の祖父は「くそ」と詩をかく
「新聞折本」は新聞を折ってそのまま製本するものだが、ディーター・ロートは1960年代に新聞を使ってアーティスト・ブックを作っていた。時代も違う、目的も違う、クォリティも違う。だけど同じ新聞つながりなので当プロジェクトの祖父と(勝手に)呼んでいる。
エディション・ハンスヨルク・マイヤーから出ているディーター・ロートの「作品集」が埼玉のうらわ美術館に収蔵されていて、9/16まで『コレクションによるテーマ展/見る・読む・触れるアーティスト・ブック展』で無料で見れる。彼の詩集「くそ」はここで初めて見たが、とても、いい。さすが新聞本のおじいちゃんである。
なお国立国際美術館の「ドイツにおけるフルクサス 1962-1994」(6/10まで)で、おじいちゃんが撮った短編映画の上映があるよ。
2001.05.24
■『地獄の黙示録』(F・コッポラ/1979/アメリカ)
昨夜政府は、ハンセン病訴訟判決で控訴しないことを発表した。もはや私達ができることはあまりにも少ないが、ずいぶん遅れてしまったことを詫びつつホントによかったと思う。原告の方々が総理との面会を終えて「私の言葉が総理に吸い取られるように感じた」と話していたのが印象深い。
たまたまCSでやっていた『地獄の黙示録』で、カーツが言った「裁こうとする気持ちが 敗北につながる」が耳に残る。ハンセン病問題について、自分が所属するものの敗北を認めたくないだけで裁きを避け続けてきた側面は大きいんじゃないか。間違いを間違いでしたときちんと認めたこと、私は日本人としてホッとしました。代表であるところの方々の労にもありがとうを。
ところで、本の現場映画編にも書いたが、『地獄の黙示録』でウィラードが最後に手にしていた本はなんだ?
2001.05.23
■5月22日生まれのひと
横浜のホテルのレストランで打ち合わせをしていた。しばらくして隣の隣のテーブルのカップルに「はっぴばーすで〜」と歌いながらスタッフがケーキを運ぶ。おー誕生日か、と軽く拍手をおくる。で、打ち合わせる。しばらくして隣の女性三人組のところに「はっぴばーすで〜」。おー続きますなぁと笑う。で打ち合わせ。しばらくして奥の上司と部下的四人組のところに「はっぴばーすで〜」。で、またしばらくして....と、4時間の間に6回も祝う。
こっちは関係ないから店のスタッフをからかいながらクスクスものだが、この夜祝いをセッティングしたひとたちは何度も(お、来た来た)とわくわくしながらはずされていたんだよね。誕生日サービスが功を奏して大繁盛とはいえ、どーかなーそれ。まぁとにかくおめでとう。
2001.05.22
■記事のデータのとりかた
日本書店商業組合連合会が昨年調査したところによると、過去一年以内に万引き被害があった書店は全体の87%、被害金額は年間一店平均約70万円(91店からの回答による)だったという。防止のためCDショップのようにゲートを設ける店が出てきた、装置使用料は32,000円/月/ワンセット、出版文化産業振興財団が協力、との記事(朝日新聞夕刊)。
先日の東京国際ブックフェアで見たシステムであろうが、アモルフアスを製本時に貼ることが前提だから、このゲートだけ設置しても書店に並ぶ全ての本に対して効果があるわけではない。それに財団がどれくらい協力してくれるのかわかんないが被害金額の平均と比べても使用料はずいぶん高い。
おそらくこれは「新古書店に売って換金するために盗むひとが増えたのダ!」というデモンストレーションの側面が大きいんだろう。しかし上記連合会とやらの調査はヒドイな。会の名前だけみると全国あまねくまとめてるようにみえるが、年間1000店以上の書店がつぶれているという数字に比してたった91店からしか回答を得られないとは....。実はこのデータの前にもっと極端な数字をこの記事では取り上げているのだが、いいかげんなので無視。
2001.05.21
■新聞を3回折って本にする
新聞折本プロジェクト公式HPがついにオープン!待ちに待った、誰が?ワタシが。
いろいろ意味付けしなきゃなー、でもなんて書けばいいのかなー、を無限ループしていたらどんどん月日が経ってしまいました。気の効いた根拠がもともとないところに無理して言葉を探すのがいかに不毛かということをトキが教えてくれました。でもねぇ、おかしいでしょコレ。だめ?

2001.05.20
■ベストセラーがバカバカしくなっちゃって
中古品リサイクルチェーンのブックアイランドと日本通運が、中古本の買取りサービスを今月にも開始するらしい。HP上にリストアップされたなかに自分が売りたいものがあった場合、連絡すると段ボールと着払い伝票が届き、本を送って買取り成立すれば代価が振込まれる、一册でもOK!(と日経新聞朝刊にはあったが、同日HPではまだそのようなインフォメーションにはなっていなかった)だと。買取り価格は定価の二割以上、五年以内に出版された売れ筋かつ美本が条件と、ブックオフ乗っ取りサクセンに出たが果たして。
個人的には、まずそういう条件のものはあまり読みたくならないし、読みたいものがあった場合は図書館で借りて十分。本を買うのは後々何度か読みたくなると思うからで、だからもともと一回読んでオワリなたぐいのものは買わない。
ベストセラーにならないと本は儲からなくて、だからベストセラー本に皆わさわさ寄ってくるんでしょうが、こういうことがエスカレートすれば作家さんたちもうんざりじゃないのかなぁ。売れる本を書くことがステータスとはもともと思わないけど、それがむしろバカバカしくなっちゃって、逆にコアで変で妙で面白い本が増えていく推進力にもなる予感がして私はうれしいデス。
2001.05.19
■日に月に媚びず。
ナンダロウ氏に教えていただだいた古書店、日月堂(東京/大岡山)に入る。と、間もなく、近所のおじさんが「雨降ってきたよー!」と店主に声。
「ひやかしお断り」の貼り紙には、「何度来てもお好みの本がない、というかたのためにウチは本をそろえるつもりはない」のようなこと(正確な引用ではありませんのであしからず)が書いてある。びしっとして気持ちいい。入って左、昭和前期の商品カタログや観光ハガキの山が楽しい。どこかの誰かが誰かの結婚式のために作ったらしい超ミニ詩集限定版もまぎれてある。塚本邦雄の『ことば遊び悦覧記』があったので、それも合わせて数冊買う。
すっかり雨宿ってしまった。雨上がった町はしっとりと良い色である。電車に乗るのがもったいないので、一駅歩く。

2001.05.17
■返品にはごくろうさまを
書店に持ち込んで本の委託販売を願うことがある。委託であるから期限がくれば精算と返品が待っているわけだが、作り手のほうは置いてもらえることでうれしくなって安心しちゃって、忘れたり忘れたふりをすることがある。これが書店さんにとっては迷惑なのだとよく聞く、確かに、在庫の手間返送の手間あるいはしょうがなくて破棄する手間、いずれも数がたまれば大変だよね...。
納品書を見ながら期限のきた書店に出向いて返品を受取る。今日行った書店は感じがワルいので無駄口たたかず早々に帰る。(いっぱしに汚れてるけど、いっぱい触ってもらったの?)返事はないが、とにかくごくろうさまと言って全身をナデナデしてあげる。

2001.05.16
■ never 金魚
イタリアからおこしのセッケーニさんは、石鹸に包まれたままの入部。
私達が「みずからのうちにも たえずうしなわれつづける 死んだ子供の自分を」棲まわせることで「かろうじでたがいに つながりあっている」(『never girls 』吉田稔美1998 架空社)と書いた吉田さんによる拉致は、生きていて死んでいるまさにneverな金魚であった!
2001.05.15
■「本とコンピュータ」第一期終了につき
「本とコンピュータ」誌が3月で第一期終了、9月から新たに第二期をスタートするという。
実は私は97年の創刊時に手にしたときに(これは批評家とか先生とかブンカジンとか、意味付けをする人のための本だな)と思った。試行錯誤を実際にやるひとが出始めたばかりだっていうのに早速議論されてもなぁ...まぁ私はせいぜいどんなことができるのか試して遊んでオンタイムにやっていこーと思っていた。 書きたいとか造りたいとか伝えたいと思えば、極自然に本とコンピュータとは視野に入ってくる。楽しいことを最大の起動力にしてそこで工夫を続けることが、新しい技術の方向性や場を生んでいくだけだ。
機会あって第一期最終号をじっくり読む。そうか、結構内容変わってたんだ、知ラナカッタ。活き活きとしたイキオイは乱暴で猥雑、そんなものを勝手ながら第二期「本とコンピュータ」誌に期待。
2001.05.13
■それは悲しすぎるワネ
なかなかまとまらないことがあるので寸暇を惜しんで気になっちゃって、「余計」を楽しむ余裕がないなぁ...。でも今夜電車で聞いた会話は印象深く残っているのでご紹介いたしましょう。
「最近ギター弾いてんの?」
「いや、全然。弦もはずしちゃったし」
「ネック、反っちゃうよ」
「んー、でももう弾けないからいいよ。で、君は?」
「たまに弾くけどあまりの下手さにヤになっちゃうんだよね」
「ふ〜ん。で、最近はなに聞いてんの?」
「それがさ...、モームス。我ながら悲しすぎる〜」
それはまことに悲しすぎる。
2001.05.12
■サクサクへのスベはなきや
GOOGLE.NE.JP、これ実はアメリカのGoogleのオフィシャルな日本語版ではなかったのね、知りませんでした。どうも継続の危機にあるらしく、テキスト広告掲載を始めることを検討しているらしい。googleは広告がなくてサクサク進むことがなによりだったわけだが、確かに一体どうやって経費で出てんだろうとは思っていた、便利でありがたいなぁという気持を伝えるすべもなくひたすら恩恵にあずかっていたから残念な話、今同じように残念に思っているユーザーは結構多いのでは?なにかスベはなかったのか。
2001.05.10
■製本アトリエ記 (10 ) 〜表紙カルトン整形
前回で花ぎれを編み終えた。次は表紙の土台になる厚紙、カルトンの整形。
まず、仮入れしていたフィセルを抜いてカルトンをはずす。表紙は、本文の大きさにチリの分(=カルトンの厚み=ミミの高さ)を足したサイズに仕上がって欲しいので、カルトンをこれから弱冠内反りさせることなどをかんがみてすこ〜し余裕をもたせてカルトンを切る。小さくしちゃったらヤバいと思うと、びびって時間がかかっちゃってしょうがない。
最終的には、本全体がやわらかな丸みを手に感じさせるようにしたい。『VISIONAIRE』28 のプラスチックケース的な。そのために土台であるカルトンをやすりで面取りしておくわけ。なんだって土台が大事、だけどそんなことより、これから始まる「やすりぱふぱふはなもそもそ作業」の前哨戦的ジャブに密かに私はヤラれていた。
2001.05.09
■新入部員は銀魚
金魚部への拉致が続きますので先月末から新入りさん古参さんのページを分けた。で、最新部員は「銀魚」( by xixiang ) さん、かつて白っぽい金魚は銀魚と呼ばれていたというがいつのまにかこっちの呼び名はすたれた、が、まぁ見てみて、このコはほんとに銀魚だから...。
ちなみに白い金魚の「白」は、色素のない胞(白色素胞)に光が屈折して白く見せるらしい。純白だったのが次第に黄色っぽくなると薄汚れたように思うが、これはルティンという黄色のカロテノイドが蓄積するためらしい。(鈴木克美『日本人と金魚』三一新書より)
色って、おもしろい。同じ光の、ただ異なるバイブレーション。
2001.05.08
■新入りさんに注意と声援
春なので、新入社員が先輩と営業同行中の会話を耳にすることがある。仕事のだんどりを教えながらさりげなく同僚の悪口をサブリミナルに挿入する先輩には注意しましょう。
いっぽう、今朝立ち寄った郵便局の新入りさんは、学生時代にコンビニバイトイニシエートを体験したんだろう、完璧なコンビニ敬語を窓口中に響かせる。3200円おつりをもらうだけなんだけど「おきゃくさま!まず大きいほうをいっせん、にせん、さんぜん、ひとまずおかえしします、ちいさいほうがにひゃくえんのおかえしです、ありがとうございましたー!」だ。先輩は左45度後方でまぶしそうだかあきれたふうだかで彼を見つめる。元気なのはよろしいではないかと、私も「ありがと、お願いしまーす!」と言う。
2001.05.07
■トップブリーダーを目指しませんか!!
web巡りをしていて、紹介の妙に誘われたりして本を買いたくなるときがある。利用者の便利のために書店バナーを置くサイトも多いが、bk1はもっと積極的なプログラム、「ブリーダー・プログラム」を勧めている。
その心意気に賛同、の意味で私も参加。左上のbk1のバナーがそれ。例えばこのページのそのバナーからbk1サイトにどなたかが行き、さらにそこで買い物をした場合、その金額にあわせてbk1で使える「bk1ポイント」が私に支払われる、というわけ。全ての人が便利を分かち合うところに流れるお金の動きが見えるのは心地良い。
まぁちょっとネーミングがね......「あなたもトップブリーダーを目指しませんか!」なんていきなり言われたら普通はまず敬遠。が、他にもプチbk1と称して様々な活用法を提案しているので少々うさん臭い呼び掛けは置いといてあげまショカ。
2001.05.06
■SPACE ODYSSEY
水戸芸術館で今日まで開かれていたこの展覧会では、マイケル・ライトが99年に出版した写真集『Full Moon』にも収録された写真の展示と、チャールズ&レイ・イームズの『パワーズ・オブ・テン』(77年制作のビデオ版)の上映、そして資料としてケースに展示されたキース・ボークの『コスミック・ビュー』(57年、個人蔵のもの)がうれしかった。オランダで先生をしていたキース氏が何年もかけて40のドローイングも含めて制作したこの本は、現在絶版中なのがまことに残念。
キューブリックの『2001年宇宙の旅』の68年米国初上映時パンフレットもあったが、93年頃に東京で上映されたときのポスターは誤植があってレア殿堂入りしたのではなかったかな。
そういえば数日前、七歳の甥と一緒に飛行機を見ながら「宇宙に行きたいね〜」という話しをしたら「行きたくな〜い、恐いから」と言われたが、米国実業家チトーさんは今日、無事に宇宙の旅から戻ったようである。
2001.05.01
■いつのまに
子供の頃に描いていた将来に対する漠然とした期待像が突然割り込んできて、目の前の現実がすぅ〜っと血の気をひくように暗くなっていくのを感じたことがある。なんか一瞬、あれ、なんでこんなことしてんだろ?????あれ、なになに?というヤツ。
穂村弘さんがどこかで書いていた「スーパーの魚売り場で品定めをしているとき、(いつのまに、こんなに遠くに来てしまったのか)という思いがふと沸き起こって両手で顔を覆ってしまった、けど指の間から全部見てたヨ」状態のライト版か。 私の場合はせいぜい2001年頃には月旅行へ、1999年には死ぬはずだった....って、そもそもが破綻してんだけど。