BOOK BAR 4 > おかえりのすけ宅 > おかえり、あのね。

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2003年1月31日
伊東忠太
伊東忠太展好評につき、2/6まで会期延長した模様。
膨大なフィールドノートに伊東が描いた図のいくつかは、下書きした鉛筆をなぞってインクで清書して、さらに後年、思い出にふけりつつ自ら彩色されたもの。他に日記や絵葉書も多数展示してあって楽しい。
忠太は山形生まれ、山下啓次郎とは帝大の造家学科で同級生だったそうです。
2003.1.30
わからない記念日
今日お誕生日を迎えたみなさんおめでとう。勝海舟、ルーズベルト、長谷川町子、横山ノック、北原照久、石川さゆり各氏もきっと、天で地で祝っていることでしょう。
生まれ出た日と息絶える日。人、ひとりずつに必ずある二つの特別な日は、どちらも本人にはよくわかんないのよね。
2003.1.28
いかがお過ごしで
中学時代の英語の先生とは卒業後もずっと往来が続いていたが、体調壊されてからは賀状だけがあいさつとなった。筆文字が大きく豊かで、右半分が麻痺してからは左手で「にょろにょろ字でごめん」。いっぽう私は筆ペンで「いかがお過ごしでしょうか」と年に一度精一杯書く。
お嬢さんもまた達筆で、2002年の賀状が最期になったことを今日知る。英語ができたわけでもないし部活でからんだわけでもなくまして担任でもなかったのに、どうしていつも近くにいたんでしょうね。
2003.1.27
電気は足りなくありません
「もんじゅ」が初臨界を記録した八ヶ月後にナトリウム漏れの事故がおきたのが95年。今日、「原子炉施設の安全施設は全面的なやり直しを必要としている」と名古屋高裁支部が告げた。
後世にわたって命にかかわる重大な事業なのに、関係者は自分の余生の安全を確信して平気でうそをつく。そこまでして守りたい利権。それを共有する人たち。 電気が足りなくなるって言うけど、どこのどなたがなにを根拠で言っているのか。所詮コンキョあってのことだからたいしたことありません。足りなくなったらみなで寒さにふるえ暑さにあえぎ、足りないものは足りないんだから、それで不公平を体感するしかないでしょう。
電気が必要な暮しをしているようにみえるけど、そもそも無理矢理作ったわけだから足りないって言うのはおかしくないか。ないんだから、最初は。かといって日々の節電などそうそうできません。ほんとに不足したときに、どうやって生き延びるかということでしょう。
2003.1.24
寒いから靴
夏に裸足でアスファルトの道路を歩くのが好きだった。温くてときにグネッとして。大雨の日もいい。
阪神・淡路大震災のときに靴を履かずに飛び出してたいへんだった話を聞いても、瓦礫のうえを裸足で歩くことがどれほど苦痛なのか、実際にはぴんとこなかった。なにしろわたしたちは自分の足を靴に守ってもらい過ぎて、タコやら水虫やら棲まわせるようになっているんだからね。
寒いアフガニスタンでも靴を待つ子供たちがいる。アフガニスタン難民への協力を二年前から行っている東京・大塚のモスク「マスジド大塚」が、八回目の寄贈募集を今日で終えた。次回は三月の予定。好意で送られたものをいかに無駄なく確実に現地のひとに届けるか、そのことを極める同会のやりかたは細かい。協力するんだから手間暇かけないでよとつい思いがちだが、ただ送るのはダメなのです。いったい誰にたいして手間暇かけないでと思ってしまうのか自分でも謎、なんだけど。
2003.1.23
キャラメル包みに輪ゴムでパチンと
書店ではなるべくカバーも袋ももらいませんが、一誠堂書店ではおとなしく、キャラメル包みに輪ゴム留めの包装をじーっと待ちます。同店、創業百年記念特別セールで全品レジにて20%オフ、今月末日まで。
2003.1.22
『チベットの女/イシの生涯』(2000/中国/監督シェ・フェイ)
幼馴染みのサムチュからもらった、ツァンヤンギャツォ(ダライ・ラマ6世)の恋歌の本(歌詞集)。歌の上手なイシは黄色い布にくるんでいつも胸に持ち歩く。ツァンヤンギャツォらしい姿が鮮やかに描かれた美しい冊子。イシはあるときチベットの深い川底にそれを落としてしまう。三十年後、夫ギャツォが亡くなって、高僧となったサムチュに再び会う。彼は新しいツァンヤンギャツォの恋歌の本をイシに渡す。並製本でペラペラの。表紙がそりかえったやつ。
イシはギャツォの亡骸に歌う。その声は穏やかに途切れる。
2003.1.20
「朗読会〜方法詩とその周辺〜」
北園克衛、篠原資明、藤井貞和、新國誠一、藤富保男、田名辺信、中ザワヒデキ、芳賀徹、松澤宥、足立智美、三輪眞弘、他の作品を、新井高子足立智美さかいれいしう日原史絵松井茂三輪眞弘がよんだ。
詩が譜面になるとき。ことばのあいだを感情で埋めない。読み手の身体が楽器。集中した目。まっすぐな声。なにより楽しい。ときに可笑しい(とくに三輪さん)。よい朗読会。
2003.1.19
だって降ったら傘を買えばいいんだもん。
突然の雨。軒下をたどって、店頭にいくつも並ぶ傘を品定めする。へんちくりんな柄やロゴが入ったブランドものよりよっぽどいいものもある。骨の数が多くてきれいな水色の一本を選ぶ。五百円だって。見ればどれもこれも五百円。ダメだよやたらめったら安くものを売っちゃ......って言いながらこうして買うからまた売るのよね。
雨が降れば親切なお店のひとがこうして安い傘をどんどん並べてくれるから、わたしたちは傘を持ち歩かなくなる。貴方のうちには何本傘ある?とはいえ百円ライターと同じで、誰かに貸しもするし誰かのものを借りていたりもして、まぁお互いさま、な面もある。だからもう安く売られる傘やライターや自転車は、このさい誰かの所有物ですという主張を自ら捨てたらどうだろう。
新しく五百円の傘を買うよりも、そのへんにうちやぶれてあるビニール傘をちょいと拝借するほうがいい。そしていつか雨が降ったらその傘をさし、雨があがったところでさり気なく置き忘れる。そして誰かがさりげなく、別の雨の日その傘をさす。さりげなく、さりげなく。
2003.1.16
本が本になるセクシー場面遭遇
機械製本の過程をみせていただく。製本会社はまず印刷会社から受取った刷り本を突き揃え、それぞれの判型にあわせて折りやすい大きさになるように断裁にかける。そのために職人さんが、両手で約百枚単位の紙をうねうねさせて空気を入れては突き揃えることを繰り返す。
突き揃えられた瞬間に本は本になったというべきだろう。職人さんの手首がうむ紙のうねりは、手製本で一冊づつつくるのとはまた別の、まさに百枚なら百冊、それを百人の読者が均しく良質の本として手にするための動きだ。
原稿時代に著者のあたまのなかでひとつながりだったものたちが、印刷時代にそれぞれわかれて複製される。静電気でくっつけられて製本やさんにやってきて、それを再びばらしてあげるのがこの「うねうね」というわけか。人が人、女が女、そして本が本になる瞬間をセクシーと呼ぶならば、まことセクシーな風景よ。
2003.1.14
25×20サイズの美しい切手希望
すっかり遅れた賀状をおくるための切手を買いに行く。数件郵便局をまわったがいい柄がない。記念切手となるとほぼ大きいサイズになるのも不満。字が大きいので絵葉書には小さいサイズの切手を貼りたいんだ。
そういえばスイスで三月に発売される点字付記念切手、大きさはわからないけど美しい。必要からうまれてつきつめたデザインなんだろう。点字の読めないわたしたちは端っこに印刷された「Helvetia 70」を読みます。0.7スイスフラン切手だそうです。
2003.1.12
『太陽の誘い』(1998/スェーデン/コリン・ナトリー監督)
1956年のスウェーデン。新聞に家政婦募集記事を出したオロフは、ひとりで農場をきりもりする朴訥このうえない独身40歳。やってきたのはエレンという美しいひと。やがて二人は恋に。オロフのともだちのエリックはアメ車に乗ってリーゼント、しっかりもののエレンのおかげで、オロフにこれまでとおりの金の無心ができなくなって苛立つ。
夜九時には母親の遺言通りに時計のねじを巻き、白夜をカーテンで遮り眠るオロフ/馬の水浴び/小粒の苺/たびたび映される飛行機/最後のエレンは喪服にもみえる/「万事は繰り返す」/「なにごとも最初がある」/邦題が野暮すぎ。
正月帰った山形は寒かったけど北欧はもっと寒いね。京都のスカンジナビアブックギャラリーでは『北欧映画とミステリーの舞台』ブックフェア開催中とか。『ビッビ・ボッケンのふしぎ図書館』を読んで寝る。
2003.1.10
金魚部屋
大阪・無花果ギャラリーで「金魚部屋展」(3/4〜17)。金魚にまつわる作品をコンテストギャラリーという形式でおこない、来客投票によって決定されたグランプリにはギャラリー無料使用権贈呈だそうです。「応募くださるかた御存じありませんか」ってメールがきたんですけど、「金魚にまつわる作品なら平面・立体・映像等、何でもOKの展覧会」とあるのにわれらが金魚部の部活動そのものは出展対象とはうつらないのだなぁ。
なお当金魚部の部室はフリスビー部の隣にあります。
2003.1.8
16歳って
16歳のアイコルリ子、17歳の沙織路望。あぁなんて甘く弱くせつなく幼いお年頃。
ケン・ローチの『sweet sixteen』は彼の代表作との呼び声高いようだけど、どうも観たあとのドンヨリが今だ抜けない。ドキュメンタリに限りなく近い確かな裏づけによる淡々とした運びに色と音、好きな要素は毎度のごとく揃っているのに。
天体望遠鏡やら双眼鏡、窓ガラスなどからうかがいみていたリアムが最後に海辺に佇む。地球のかたちを考えたら海なんてちっとも恐くないのだが、海は広いな大きいな。『バタフライ・キス』のラストが一瞬だぶったが、携帯電話が鳴ってリアムが生真面目にそれに出たところでこの映画は終わってしまう。『エデンの東』のキャル的好感の持てる不良ぶりがどうも......。
2003.1.7
ドイツで一番、世界で一番
今回で六回目になる「ドイツの最も美しい本展」(印刷博物館P&PGallery)。実用書部門受賞作の医学関係の本、開きのよい『日本刀装金工大辞典』など美しい。“世界で最も美しい本”の「金の活字賞」を昨年受賞した高木毬子氏の『和紙―日本の紙の伝統と文化』も展示。全体に二色刷りのバランスがよく、イラストのシンプルなラインもいい。二冊組で真っ赤な函にはいっているときいていたが、函の展示なしなのが残念。
その高木氏も研修したという柚野手透和紙工房のホームページには、「研修生のレポートを元に」つくられた紙作りの手順が写真つきで出ている。手順記録は、写真とイラスト、両方合わせてみるのがよろし。
ところで本展はドイツの最も美しい本の展覧会、そこで世界で最も美しい本がみれる、というところにもついでに注目しておこう。
2003.1.6
未来工房、四年ぶりに豆本
未来工房、浅田次郎の豆本シリーズを昨年末よりスタート。全六冊刊行予定。
同工房の豆本制作は四年ぶりだという。(ほぼ)日録の「豆本あれこれ」で制作過程をときおり知ることができたが、刊行となってから改めて読むとその思い入れと集中力に頭がさがる。1977年創業、発行点数は150超。
2003.1.5
あけましておめでとう。
今年は賀状が間に合わず失礼。例年になく寒い正月でもあるし、寒中の御見舞いをのちほど申し上げいたします。
実は久し振りに体調壊して不毛な日々。とは言え、焦る余裕もなかったので不毛という自覚も無し。あぁ身体はなんてわたしの味方!なのかどうなのか、ものまねやら紅白やら箱根駅伝ですとかね、`02-`03のテレビものは完璧ですからかかってこい。本年も、よろしく。