アーチトップ
archtop
表板が中央に向かって凸状に盛り上がりふくらんでいること。また、アーチトップギターの略称。
同義語がかなりあるが、代表的なものは以下の通りである。
アーチトップギター
表板アーチトップになっているギターのこと。
アーチトップホロウボディだけではなくシンラインソリッドボディギターに対しても使用されることがあるが、アーチトップギターというと主にホロウボディフルアコピックギターのことの指すようである。
アーチドトップ
arched top
表板が中央に向かって凸状に盛り上がりふくらんでいること。アーチトップと同じ。
特に“表板をプレス加工などでアーチ状に曲げたもの”を、アーチドトップと呼ぶ場合が多いようであり、削りだし加工でアーチ状にしたものはカーブトップカーブドトップと呼ぶことが多い。
アーチドトップギター
アーチトップギターと同じ。
アーチドバック
裏板が中央に向かって凸状に盛り上がりふくらんでいること。ラウンドバック、アーチバッグなどと同じ。
特に裏板プレス加工などでアーチ状に曲げたものの呼び名として使用されることが多い。
アーチバック
裏板が中央に向かって凸状に盛り上がりふくらんでいること。
アーチトップ同様、裏板の中央部がふくらんでいることを示す単語も多く存在する。 ただ、カーブトップはギター用語として使われるが、カーブバックはほとんど使われないようである。
アーティキュレーション
Articulation
音や音群にニュアンス(表情)をつけることで、音群としての形や意味を与える作業のこと。ここで対象となる音群とはフレーズもしくはフレーズをもっと細分化したものである。表情を付けるという表現があいまいな感じがしますが、ザックリ言ってしまうと、音の強弱を変えるとか、音色を変えるとか、音程を揺らすとか、音の長さを変えるとか。音の長さを変えるといっても、4分音符を8分音符にするとかそういうことじゃなくて、音価に対して実際に音が響いている時間を何パーセント位にするかという作業です。
アーティストモデル
あるプレイヤーがいつも使用している楽器のタイプ、種類やモデルのこと。単に使っているというよりはそのプレイヤーのために何かしらの使いやすい工夫がされているはずの楽器の呼称である。もちろん、中には売るために単に名前を借りたようなものもあるようです。
しかし、必ずしも販売されているアーティストモデルと、実際にアーティストが使っているモデルが全く同じように作られているというわけではなく(無論、全く同じものという場合もないわけではないが)、見た目にはそっくり同じデザインで、材料としても同じ種類の材が使われているというものである場合が多いようである。
アームレスト
ギターを構えたときに腕の内側が表板に接触しないために、ギターに右ひじを乗せる辺りに付けられる支持具のようなもの。
アームレスト付きのギターもあるし、後付できるアームレストもある。
アームレストは、「腕の内側が表板に接触しない」ため以外に、ギターのボディエッジに肘の内側が当たって痛くないようにという目的もある。この目的のためにボディエッジを落としたような加工を施してあるギターもある。この加工をコンター加工ベベル加工と呼ぶ。
アーメン終止
サブドミナントコードからサブドミナントマイナーを経てトニックコードに至るケーデンスのこと。
F > Fm > C
また、変格終止と同義語とされることもある。
アーリーギター
early guitar
クラシカルギターのうち、モダンギターより前の時代に作られたギターのこと。バロックギター19世紀ギターの総称
アイボリー
象牙もしくは象牙色のこと。象牙ギターではサドルナットピックの材料として使用される。 1989年 ワシントン条約でアフリカゾウの国際取引はすべて禁止されました。
アイボロイド
象牙風の縞模様の入ったプラスティック系樹脂、つまり人工象牙のことらしい。胴部や指板バインディングに使用されるあの乳白色のやつがアイボロイドとのこと。
アウトテイク
OUTTAKE
映画やテレビの録画の場合にも使用される用語であり、失敗した分の録画/録音を指す。アルバム1枚分を作成するために録音することは RECORDING であり、そのためにアルバムに収録されるはずの曲について、それぞれ数回の録音を行うのが普通であり、その1回の録音のことを TAKE という。その TAKE で失敗したもの、ボツになったものが OUTTAKE である。
亡くなった後にこの OUTTAKE をひっぱりだされてアルバムにされるなんて、あの往年の名演奏家たちは思いもしなかったでしょうね。
アウフタクト
AUFTAKT(独)
日本語では弱起または弱拍のこと。つまり曲が小節の第1拍(強拍)より前の部分で始まること。この前の部分のことをアウフタクトと呼ぶ場合もある。アウフタクトのタクトは指揮棒=タクトからきていると思われます。
関連語: 弱起弱拍強起強拍
アヴェイラブルノートスケール
AVAILABLE NOTE SCALE
AVAILABLE=『役に立つ, 利用できる』の意味の通り、曲中のあるコードに対して利用できる音階のこと。調性やどのようなコードパターン中で使用されたコードかによって、同じコード名コードであっても、アヴェイラブルノートスケールは異なる。
簡単な例を挙げると、Am7に対してドリアンスケールを使用できるシチュエーションは多いが、IIIm7としてAm7が使用されたとき(Key=F)だとフリジアンスケールだし、VIm7としてAm7が使用されたとき(Key=C)だとエオリアンスケールになる。ただ、IIIm7として使われたときでも、IIIm7→VI7というコード進行で使用されたときはドリアンスケールのほうがすっきりくる場合もある。
アヴォイドノート
AVOID NOTE
AVOID=『無効にする』の意味の通り、コードに対して協和しない音あるいはそのコードの特性を打ち消してしまうような音のこと。主にコードトーンと短9度(短2度=半音上)の音か、コードトーン三全音をなす音がアヴォイドノートとされる。但し、ドミナントセブンスについては、どちらの音もアヴォイドノートとはならない。
赤ラベル
1966年から1972年頃まで作られていたヤマハ(日本楽器)製の初期FGシリーズのこと。赤いラベルが貼られていたことからこのように呼ばれるらしい。
アクション
ACTION
日本語では弦高=つまりフレットからまでの間隔(高さ)のこと。低い弦高のことをローアクションという。高すぎるとテンション(の張り)が強くなってプレイアビリティが低下するし、低すぎるとの振動時にフレットに接触することになる。自分で調整することも可能だが、やはり信頼できるリペアマンに頼みたい調整である。
アゴーギク
AGOGIK(独)
フレーズ中に起承転結のようなものを見出して、その情感や感動の変化をテンポの揺れやリズムの微妙な変化といった緩急で表現すること。対して、音の強弱で表現することをデュナーミクという。クラシック音楽において、器楽曲では楽譜上指示のない大げさなアゴーギクが近年は許容されない傾向にある。デュナーミクが演奏者の裁量に任される範囲が大きいことと比較して、アゴーギクの自由度は低いようである。
アコースティック
ACOUSTIC
生音での使用が主たる目的である楽器のみを使用した演奏スタイルの呼称。あるいはエレクトリックの反意語として使用される事が多い。同様の意味を持つ単語としてアンプラグドというものもあるが、アンプラグドギターという言い方はしないようだ。
アコースティックギター
ACOUSTIC GUITAR
ピックアップおよびマイク内蔵の有無にかかわらず、楽器生音による演奏を主としたギターの種類のこと。以下のものが含まれると考えるのが良いようである。
アコースティックポート
ネック近くの側板あたり(ギターを構えたときの奏者の顔の下辺り)の位置に空けられたサウンドホールのこと。サウンドポートともいう。
アコイメ
アメリカのギターアンプメーカーであるアコースティック・イメージ社のこと。
アコギ
間違いなく日本だけで使われているであろうアコースティックギターの略称。私見としては排他的あるいは差別的なニュアンス(仲間的な閉鎖感)を含んだ用語に感じられてしまうので使用しない。それに略する必要性が感じられない。
アコギインスト
アコースティックギター演奏されるインストゥルメント音楽のこと。
足台
ギター演奏時に、ギターを載せる側の足を高くするために足を乗せる台のこと。フットレストクラシカルギターは椅子に座ったスタイルで演奏することがほとんどで、その際にギターは左足に載せます。座った身体の真正面にギターが位置するのが一番演奏しやすいことになります。またギターのヘッド側が高くなるように構える必要もあり、そのためには左足を足台に乗せて、左足の上にギターを載せるフォームになります。
アシッドジャズ
80年代末ごろから、クラブシーンなどでダンスミュージックとして特化したジャズのこと...だそうです。
アジャスタブルサドル
1弦側と6弦側の両方にネジが付いていて、それにより高さを調整できるようなサドルのこと。アジャスタブルブリッジと呼ばれることもある。
アジャスタブルトラスロッド
アジャスタブルロッドの項を参照されたし。
アジャスタブルネックロッド
アジャスタブルロッドの項を参照されたし。
アジャスタブルブリッジ
アジャスタブルサドルの項を参照されたし
アジャスタブルロッド
アジャスタブルロッドとは、アジャスト(調整)可能なトラスロッドのこと。アジャスタブルトラスロッドということもある。これによりある程度のネックの反りを修正することができます。
アジャストカバー
ネックに埋められているトラスロッドの先端がヘッド部で露出しているときにその先端部を隠すための目的で付けられているカバーのこと。トラスロッドカバーアジャストカバーアジャストロッドカバーともいう。
アジャストロッド
アジャスタブルロッドの項を参照されたし。
アジャストロッドカバー
アジャストカバーの項を参照されたし。
当たり
当たり傷のことだが、傷という単語の負のイメージが強いのか「当たり」とだけ称されることも少なくない。その傷が塗装面だけなのか、内部の木材まで及んでいるのかの程度と、当たり or 当たり傷の使い分けについては、全く無関係である。
当たり傷
、他の楽器や家具に接触したことなどでできたへこみ傷のこと。
ピックでできた傷も当たり傷だと思うのだが、何故かピックでできた傷はあまり当たり傷とは言わない傾向にある気がする。
アッシュ
ストラトキャスターテレキャスター、ジャズベースなどの胴部に使用される代表的な木材。ストラトキャスターの場合、アッシュからアルダーに変更になったように記憶している。日本ではタモと呼ばれ、テーブルやイス、家具材などに使用されている。
アッパーストラクチャートライアド
分数コードの一つ。5声以上のコードを上下に分けてそれぞれ表記したもの。あるいは、元コード(またはその転回形)のトップノートルートにしたトライアドを元コードに載せたコードのこと。
アッパーベリーブリッジ
upper belly bridge
ギブソンの旧J-45のようにサウンドホール側が膨らんでいるデザインのブリッジのこと。トップベリーブリッジともいう。
アップストローク
弾き上げる方向のストローク(=を弾く動作)のこと。主に複数のを弾く動作をストロークといい、複数のを高いから低いにかけて弾き上げるストロークアップストロークという。
アップセリング
特売品かサービス品を、より高価な商品または高度なサービスの購買へ誘導する販売方法のこと。マクドナルドの「××円でラージサイズにできます」に代表される。
アディロンダックスプルース
スプルースの種類の1つ。別名 レッドスプルースとも呼ばれ、フラットトップギターの往年の名器でよくトップ材として使用されていた材。近年は希少な材らしい。
後テーマ
ジャズの演奏において曲の終わりに演奏されるテーマのこと。
ジャズの演奏ではテーマをやったあと、ひとり数コーラスづつソロをとっていく。その場合、大抵、 単音楽器 > 和音楽器 > リズム楽器 という順序でアドリブをやって、終わりにドラムとの4バースがはいったりする。4バースでひとしきりもりあがった後でテーマに戻って閉めるのがお約束。そのときの終わりに演奏するテーマのことを後テーマという。
アドリブ
AD LIB
あるコード進行やイメージに対して(それをベースに)自由に即興演奏すること。英語圏ではこのことをあらわす用語として、インプロヴィゼイションを使用することが多い。
アノダイズド
ANODIZED
アノダイズ(anodize)の陽極酸化するという意味から、電気分解で陽極酸化して金属表面に薄膜を作って金属を保護するための工程をこのように言うようである。ナイフのグリップ加工にも使用される。
アノダイズドピックガード
Anodized Pick Guard
アルミの表面を電極処理(アノダイズド 処理)して金色に仕上げたピックガードのこと。ゴールドアノダイズドピックガード
アバロン
ABALONE
あわび(貝)のこと。フラットトップギターでは、主にポジションマーク表板バインディング 部のインレイとして使用されることが多い。特にメキシコあわびが美しく象嵌に使われる。
アプローチノート
旋律フレーズターゲットノートに解決するとき、その直前に使用されるターゲットノートの半音下(あるいは半音上)の音をアプローチノートという。ターゲットノートへの進行を意識させることが目的となるため、音価が短すぎるとターゲットノートを意識させられず、アプローチノートではなくパッシングノートとなってしまう。
関連語:クロマチックアプローチ
アポヤンド
APOYANDO
クラシカルギター奏法における弾弦の種類のひとつ。
を弾いた後に隣のにもたれかかる弾弦のこと。単に弾弦の種類のひとつであって特殊な奏法ではない。それに一部の方々が語っているように不要なものでもない。またアルアイレとの違いは隣のにもたれることではなく弾弦するときの運動の支点がに対して異なるだけである。
甘皮
の根元部分でを保護するように伸びてくる皮膚のこと。読みは「あまかわ」。キューティクルともいうようである。
アマチュア
初心者も含めて、ある程度ギターの経験や知識をもっているが、それを人に聴かせる事で対価を得ていない人たちのこと。
アメ色
透明感のある黄褐色のこと=飴色。無色透明ではない水飴の色。
ギターではトップ焼けの色として、使われることがよくある。
怪しい噂
ギター関係の話題でも、どこまで信じていいのかわからない怪しい噂をときどき耳にします。アディロンダック信仰やハカランダ信仰、エージングやドーミングで音が良くなる…など、さまざまな話があり、UFOの「わたしは見た」と一緒で「わたしは経験した」と言われてしまうと眉唾な話でも一概に「違うでしょう?」とは言い難い。
少なくとも信じている方がいるようなので、「ジョーパスは麻薬施設でギターを覚えた」とか「盲目のギタリスト、ロドリーゴ」みたいにはっきりとウソとわかること以外は、経験上そっとしておいた方がいい。都市伝説みたいなものを心のよりどころにしている悲しい方々の攻撃にさらされるようなので。
アラスカピック
aLaska Pik
フィンガーピックの一つ。普通のフィンガーピックと違い、爪側に本体を装着し先端をと肉の間に挟む方法で付ける。
アランフェス
宮殿の名称として使用されることもあるが、ギター関連で言うとホアキン・ロドリーゴ作曲のクラシカルギター協奏曲である「アランフェス協奏曲」のこと指す。初演はレヒーノ・デ・ラ・マーサ。
クラシック音楽やクラシカルギターを好む方々以外にも知られているであろうギター協奏曲です。といっても、大抵の場合は第2楽章だけを取り上げて、どうのこうのと話題にされていますけど、感想を述べるときはとりあえず全楽章を聴いてみてからがいいでしょう。 あとロドリーゴのことを「盲目のギタリスト」なんて紹介しているのをよく見かけますが、それは間違いです。
アルアイレ
AL AIRE
クラシカルギター奏法における弾弦の種類のひとつ。
を弾いた後に隣のにもたれかからず、空中に向かって弾弦すること。アポヤンドとの違いは隣のにもたれることではなく弾弦するときの運動の支点がに対して異なるだけである。
アルアレイと誤表示しているサイトがかなりある...
アルダー
ストラトキャスターテレキャスター、ジャズベースなどの胴部に使用される代表的な木材。ストラトキャスターの場合、アッシュからアルダーに変更になったように記憶している。表板アッシュメイプルバックアルダーといったツーピースのストラトキャスターもちょくちょく見かける。日本ではハンノキと呼ばれ、家具材などに使用されている。
アルトギター
合奏用のギターで、普通のクラシカルギターより小振りで、完全5度上に調弦する。レキントギターと呼ばれることもある。
アルニコ
アルミニウム&ニッケル&コバルトの合金。アルミニウム、ニッケル、コバルトの頭文字を取って、アルニコと呼ばれる。
アルハンブラの思い出
Recuerdos de la Alhambraは、フランシスコ・タルレガ(F.Tarrega)作曲のクラシカルギター曲。2001年に某TV局の日曜劇場ラブストーリーというドラマ中で香取慎吾が演奏?して、かなり知名度をあげ、もしかしたら禁じられた遊び以上に有名になったかもしれない。モノによってはアルハンブラ(アランブラ)宮殿の思い出と紹介されることもある。
アルペジオ
ARPEGGIO
分散和音そのもの、あるいは分散和音を弾くこと。アルペッジョと書かれることもある。
分散和音そのものはブロークンコードと呼ばれることもあり、アルペジオは現在では奏法を現わす用語として意味合いが強いかもしれない。あるいは奏法としてのアルペジオの拡大解釈により、(分散和音を弾く弾かない関わらず)小指以外の4本指を使って弾く奏法のこと。でも、どうしてアルペジオの擬音がポロンポロンなのだろう。
アルペジオフレーズ
コードトーンの上行または下行で作られたフレーズビバップアドリブにおいては基本となるものであるといっても間違いではないだろう。
アルモニクス
HARMONICS
一般的にはハーモニクスと呼ばれる。つまり倍音そのもの、あるいは倍音を出す奏法のこと。弦長を1/2にするポイントで2倍の周波数(1オクターブ上)の倍音弦長を1/4にするポイントで4倍の周波数(2オクターブ上)の倍音を発生する。
アレンジ
編曲のこと。正確にはアレンジメントである。編曲とは、すでにある曲を違う演奏形態(楽器の構成とか、種類とか)に書き直したり、新たな創作を加えて改作することなどを言う。
アレンジメント
編曲のこと。アレンジの項を参照されたし。
アレンジャー
編曲者のこと。
アンダーサドルピックアップ
ブリッジの中もしくは下にピックアップが埋め込まれていること、アンダーブリッジピエゾインブリッジ
アンダーブリッジピエゾ
ブリッジの中もしくは下に配置されているピエゾのこと
暗譜
楽譜に書かれている曲を楽譜を見ずに(記憶して)演奏すること。元々楽譜上に書かれないアドリブなどのパートは暗譜しているとは言わない。
アンプヘッド
スタックアンプのアンプ部分のこと。
アンプラグド
生音での使用が主たる目的である楽器のみを使用した演奏スタイルの呼称。アンプラグド=つまりプラグインしていないということで生楽器を示す。