カーシャ・ブレイシング
フロリダ州立大学の物理化学教授であるマイケル・カーシャ博士が、ルシアーであるリチャード・シュナイダー氏と考案した力木構造のこと。
ギブソンのマークシリーズに代表されるが、このブレイシングを使用したギターは多くない。近年ではウクレレのブレイシングとして使用されることがあるようである。
カーフィング
KERFING
溝付きライニング(切り込みの彫られたライニング)のこと。カーフドライニングともいう。
カーフドライニング
KERFED LINING
溝付きライニング(切り込みの彫られたライニング)のこと。カーフィングともいう。
カーブトップ
表板が中央に向かって、盛り上がりふくらんでいること。アーチトップと同じ。
カーブドトップ
表板が中央に向かって、盛り上がりふくらんでいること。アーチトップと同じ。
特に表板を削りだし加工でアーチ状にしたものの呼び名として使用されることが多いようである。対して、プレス加工などでアーチ状に曲げたものはアーチドトップと呼ばれる。
カーブドバック
裏板が中央に向かって、盛り上がりふくらんでいること。ラウンドバック、アーチバッグなどと同じ。
特に裏板を削りだし加工でアーチ状にしたものの呼び名として使用されることが多いようである。対して、プレス加工などでアーチ状に曲げたものはアーチドバックと呼ばれる。
カーボン弦
主にフロロカーボンなどを材料としたクラシカルギター用ののこと。ハナバッハやサバレスのアリアンスなどのようにナイロン以外の新素材=カーボンで作成されたが販売されている。ナイロン弦に比べて、さまざまなメリットがあると言われている。
カーリーメイプル
CURLY MAPLE
虎斑の紋様のでているメイプルのこと。同じトラ杢入りメイプルの呼称としてフレイムメイプルがあるが、違いや使い分けはよくわからない。
貝象嵌
白蝶貝やあわび貝などで作られた象嵌のこと。読みは「かいぞうがん」
クラシカルギターフラメンコギターに代表されるナイロン弦ギターには、あまり貝を使った象嵌は使用されないようである。ただ、19世紀ギターやそれ以前のギター族の楽器の中には、今の鉄弦ギター以上にきらびやかな装飾の貝象嵌のものもあったので、どうしてクラシカルギター貝象嵌をしないのかはよくわからない。ただ、ブリッジには貝象嵌が使われることはあるようである。
開放弦
押さえられていない、あるいは押さえられないで鳴らされたのこと。別な視点で見ればを押下せずに発せられた音。アコースティックギターオープンコードをジャカジャカとピッキングして伴奏している(決してバッキングではない)ような人たちの中には、本来そのオープンコードではミュートされるべきまで自由?に鳴らしてしまっている場合がある。そういうことを解放弦とか、(当人たちだけは)快方弦という。
階名
キーがCだろうと、Gだろうと、そのキー根音をドと呼び、その音を出発点とした音階をド、レ、ミ、ファ、...と辿っていく方法を移動ドという。このときのドレミファソラシという音階の各音に付けられた名を階名という。
階名は主にイタリア式(ド レ ミ ファ ソ ラ シ)が使用される。ジャズなどのコード理論でIm7、V7−9のようなのような表記を見かけるが、これも音名ではなく階名であろう。しいていうならばディグリー(度数)式表記とでもいうのだろうか?
カヴァティーナ
CAVATINA
”クラシカルギター界のプリンス”ジョン・ウィリアムスが演奏した映画「ディア・ハンター」のテーマ曲。作曲者はマイヤーズ。映画音楽では同姓同名の有名な作曲家がいるのであの人ギターも弾くんだなんて言う人もいたとか。はじめてこの曲の楽譜を見たときはたしか2重奏だった気がします。あとでソロの楽譜を見てへぇ〜と思ったのですが、つい数年前までほったらかしにしていて練習もしませんでした。やってみると技術的に難しいところは全くないように思えるのですが、やり込んでいくと大変だということに気がつきます。他の人が作曲したカヴァティーナという曲もあるので、マイヤーズのカヴァティーナと紹介されることも多い。確か、結婚式で弾いてほしいギター曲のベスト3に入っていたような気もする(誰に頼むのだろう)。でも、あの映画の内容を考えるとちょっと不向きなような気もします。
カウンターメロディ
対旋律のこと。主旋律を装飾する目的で奏されるメロディ。ポイントは効果的に補佐するような装飾音ということである。つまり、じゃましちゃイカンし、メロディよりでしゃばっちゃイカン。そこがなかなかむずかしいところである。
カウンターライン
同じコードが続く時に、ただなんとなく同じハーモニーを続けて弾かないで、
例) C あるいは Cmaj7 に対して
Cmaj7 > C6
もしくは
C9 > C
といった内声の動きを入れてみること。ダイアトニックアプローチのバリエーションという見方もできる。
掻き鳴らす
弦楽器を弾き鳴らすこと。動詞からギターをイメージできる数少ない日本語のひとつ。掻き鳴らすわけだから、クラシカルギターフィンガースタイルのイメージではなく、やっぱりストリートやステージでフラットピックでジャンジャン(ジャカジャカ?)ならすことを指すのではないか?。いまだにギターを弾くということ、フツーの方々にはこのイメージが強いようで、どんなの歌うの?とか家で弾いて迷惑じゃない?なんて聞かれて閉口することもよくある。
核音
テトラコードの両端である完全4度音程を持つ2音のことであり、そのテトラコードが連結されて作られた音階において、終止感を伴う箇所に使用される音のこと。
「C,D,E,F」のテトラコードにおいてC,Fが核音であり、「G,A,B,C」のテトラコードにおいてG,Cが核音となる。テトラコードは通常2つ連結されて音階として使用されるが、前記の「C,D,E,F」と「G,A,B,C」のテトラコードから構成される全音階において、核音トニックサブドミナントドミナントという重要な音となる。
カシュー塗装
カシューナッツの外殻に含まれる液体を主原料にした油性塗料を使用した塗装のこと。乾燥は遅いが、塗りやすいとのこと。塗装外観が漆に似ているため、人工漆と呼ばれることもあるらしい。また、人工漆による塗装全般を、カシュー塗装ということもある。
カスタム
標準的な仕様を利用者自身の使い勝手に合わせて変更すること。
下属音
音階の第4音のこと。
(key=C)
C  D  E  F  G  A  B  C
サブドミナント
下属調
ある調下属音主音とする長調短調のうち、ある調調性が同じものを下属調と呼ぶ。つまり、CメジャーとFメジャー、AマイナーとDマイナーなど
下属和音
下属音上に積み上げられた三和音のこと。特長としては不安定な響きを持ち、主和音あるいは属和音に進みたくなる。 サブドミナントコード
カタロックス

メキシカン・エボニーあるいはメキシカン・ロイヤル・エボニーと呼ばれる材のこと。特徴的にはエボニーよりもローズに近いとか、ローズよりもっと硬いとか。 マーチン社が自社製のギターローズ指板をカタロックス材に変更したことでも有名。
楽器
音楽演奏のために用いる道具のことであり、弦楽器、金管楽器、木管楽器、打楽器、鍵盤楽器などの総称。
元々、音を出すこと目的に作られたもので、かつ曲を演奏することに使えるものを楽器というようである。そのため、叩いて良い音がするガラス食器や金属機器、あるいは風鈴などは通常、楽器には含まない。
カッタウェイ
ハイポジションを弾きやすくするためなどの理由でギターの肩の部分が切り取られたようになっているデザインのこと。切り取ったあとの残りのような尖った部分をホーンという。
カッティング
ミュートしながらバッキングすること。このミュートしながらというニュアンスが微妙なところで、瞬間的にコードトーンはするような感じで、かつミュートしたバッキングっぽい「ジャ!」というニュアンスも出しつつという言葉で説明にするにはかなり微妙な要素の含まれた用語である。
完全にコードトーンをさせない場合もあり、それはブラッシングと呼ぶ場合が多い。
ガットギター
GUT GUITAR
かつてクラシカルギターガット弦が使われていたことから、ナイロン弦ギターを指す。 テニスラケットのをガットということはあっても、ギター用のナイロン弦ガット弦と呼ぶことはほとんどない。また現代のクラシカルギターガット弦を張って演奏する人もほとんどいないと思われるのに、いまだにこの呼び方だけが使われていることに非常に不自然さを感じる。
個人的には、ガットギターという呼称はもう使わなくてもいいように思っているし、ガットギターという呼び方が格好いいとも思えないのだが、この名称を使っている方々はきっと通ぶっているのだろうから、大目に見てあげましょう。
ガッドギター×
【誤読】ガットギターが正しい。
羊などの腸で作った細い紐はガット(GUT)であって、ガッドではない。なのでガッドギターという呼び方は間違い。
ガット弦
かつてクラシカルギターとして使用されていたであり、原材料は主に子羊の小腸。音色、音質はナイロン弦よりも勝っていたと言われているが、温度/湿度の影響を受けやすいこと、あと耐久性に問題があり、現在も販売はされているものの現在のクラシカルギターにはあまり使用されないようである。
カポ
CAPO
ナットの位置を平行移動させて、ギターの基音を上げることができる道具のこと。カポタストの略称だが現在ではカポ(Capo)のほうが一般化しているようである。
通常ナットは0フレット位置にあるが、3フレットにカポタストをつけるとあたかも3フレットにナットがあるかのように演奏することができる。近頃ではSHUBBKYSERが有名。
カポタスト
カポのこと。カポの項を参照されたし。
カポの方が略称だと思うのだが、近年ではこちらの方の呼び方はほとんど使われないようで海外でもCAPOで通用するようである。
構え
ギターを弾くときの姿勢のこと。良い構えとはギターが安定し、身体がリラックスしていることである。
上駒
上駒枕と同じ。読みは「かみごま」。
本当なら、サドル下駒枕)とブリッジ下駒)のように直接弦に接触する骨棒部分とそれを指示する部分に分かれていれば別なものとして認識されるのだろうが、上駒上駒枕の場合は同じ材質でかつ一体として作られているため、別な部位として区別することはほとんどなく、上駒ナット上駒枕と言って間違いではない。
上駒枕
0フレットの位置にある骨棒のこと。ナットと表記されることが多い。読みは「かみごままくら」。かならずしも固定されているわけではなくて、溝にはめられているだけのものも多いので、を交換するときに気をつけていないといつのまにかズレているときもある。
紙やすり
紙に石やガラスの粉末などが付着されているもので、その付着面でモノを削ったり、磨いたりするもの。ギターの場合、主にを磨くのに使用される。また、フレットを磨くときに使うこともある。サンドペーパー
空ピッキング
ピッキングせずに、空中で素振りのようにピッキングすること。
空ピック
ピッキングせずに、空中で素振りのようにピッキングすること。
そういえば、これに対応する英語名は何なのだろう。
カルカッシ
Matteo Carcassi
19世紀に活躍したイタリア出身のギタリスト、マッテオ・カルカッシのこと。あるいは、彼が弟子のために編集したとされる教則本のこと。いまからクラシカルギターを始めようと思っているとき、最初に取り組むのに最も適した教則本とされています。
カルテット
QUALTET
4重奏のこと
側板
胴部横面の板、つまり表板裏板をつないでホロウボディ構造を構成している板のこと。読みは「がわいた」。「そくばん」ではないので注意。
横板と書かれることもある。サイドも同じ意味。
革ストラップ
革製(もしくは合成皮革製)のストラップのこと。布製のモノに比べるとシンプルなデザインのモノが多いように思える。
関係調
平行調同主調属調下属調といった主調と関係の深い調性関係調という(ベタな説明だ...)。楽典では関係調という表記そのものが使われていないものも多く見かける。同義語として近親調がある。
完全音程
完全1度、完全4度、完全5度、完全8度などの音程。パーフェクトインターバルも同じ意味。
この音程が半音一つ広がると増音程となり、半音一つ狭くなると減音程となる。 増音程から更に半音一つ広がると重増音程となり、減音程から更に半音一つ狭くなると重減音程となる。
完全協和音程
協和音程のうち、完全に調和して響く「完全1度、完全4度、完全5度、完全8度」を完全協和音程という。
関連語: 音程
完全手工ギター
すべて手で作られたギター(オールハンドメイドギター)のことなんだろうが、それがどれほどの意味を持っているのかは不明。工作機械への依存度は、その製作家によって異なるだろうし、高級楽器製作家でも、機械類を好んで多用している人もいるらしいから。
料理道具で考えてみても、泡たて / 手動泡たて器 / 電動泡たて器のどこまでをつかったら手料理ではなくなってしまうのだろうか。
カンパネラ奏法
カンパネラの意味はイタリア語で鐘。なので鐘のようなという意味合いになるのかもしれませんが、ちょっと絵がないと説明しにくい奏法です。それを踏まえて強引に字面で説明をすると『あるが開放で弾かれるときに、それよりも低音に位置するハイポジションで押さえられて、同時にあるいはアルペジオで奏されることで、開放におけるの音程関係と逆転すること』をカンパネラという。