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2004年10月 | ||||||
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_ 夏にさんざんさがして結局ネットで買った食器棚がようやく到着して入れ替え。そのために前日から泥縄で中味を空っぽにするため片づけ。死にそう。いかに貯め込み癖があるかを、改めて反省させられる。いやむしろ自業自得。
_ という時期になって、悩む。実際に切れるのは12月の後半である。担任がいわば通信簿のようなものをつけてくれて、項目ごとの到達度とコメントが書かれていた。こんなものかと思ってみていたら、担当の兄ちゃんが、こういう点はなかなか付かないんですよ、すごーく進歩してるなんてまず先生は書きませんよ、と言う。半分は営業トークとしても、そう言われれば、最近自分でも多少の上達の実感があったので、嬉しくないわけがない。上のクラスに行ってもいいんじゃないでしょうか、とは言われたが、今の先生とウマがあっているので、もうしばらくこのままのクラスを続けることにした。でも先生のほうが契約終了で、3月始めに帰ってしまうんだよね。その後はその時に考えることにした。
_
『驚異の発明家の形見函』の、いわば続編。まあこちらだけでも読めるのだろうが、もちろん前作があってこその物語である。舞台はニューヨークの図書館。司書アレクサンダーは、時代錯誤のような雰囲気の老紳士から、時間外の仕事を頼まれる。
以前『〜エンジニアの形見函』読みながら、私自身エナメル装飾の懐中時計をせっせと検索したのを思い出す。時のかなたから抜け出したみたいな老紳士が、函の空っぽの区画を埋めたがって…我らが主人公が、件の本の読者の多くと同じように、懐中時計を検索して…ウィーンのリングシュトラッセの裏の骨董店とか…あの本の舞台であった頃の重要人物マリー・アントワネットは登場するんだけど…80日間世界一周を彷彿とさせる老紳士の船旅…怪しいエルサレムでの盗難事件…、本に蘊蓄を傾ける図書館の人々を横糸に、老紳士と主人公アレクサンダーの探索が続く。二人の関係はホームズとワトソン、というよりサミュエル・ジョンソンとボズウェルになぞらえられているのだが、哀しいかな、私はこのコンビについては全く知らない。逆に興味を抱いた。
_ 本好き(色々な意味での本フェチ)、検索好きには堪えられない。老紳士の提示した謎と、入れ子のような趣を持つ老紳士の住まい(一種の隠れ家)と様々な細工物の仕掛け、これらは皆互いの隠喩になっている。もうドツボなので、英語で読めてこれらの仕掛けがもっとわかったらなあと本当に残念に思う。原書ではフォントも著者の意図と主人公の意図に沿った特別なものが用いられており、その効果もまたさぞやと推測される。
_ 9月からこちら、日記がひどく歯抜けになっていたのをある程度埋めた。時々記述が前後しているような所もあるのでご容赦。
_ 大好きなロビンフッド!実はこれが、サトクリフの処女作なのだそうだ。強弓のウィル、タック坊主などとも仲間になり、さてこれから一騒動、というところ。
_ 記録していなかったので何が何やら…。
_
小田 光雄/『ヨーロッパ 本と書店の物語』/平凡社新書
アンドレイ・クルコフ /『ペンギンの憂鬱』/新潮クレストブック
ジャスパー・フォード/『文学刑事サーズデイ・ネクスト〈2〉さらば、大鴉』/ソニーマガジンズ
カフカ/『審判』/岩波文庫
カフカ/『カフカ寓話集』/岩波文庫
池内紀/『となりのカフカ』/光文社新書
小池滋/『イギリス鈍行列車の旅』/NTT出版
『Coyote Mo.2 特集 星野道夫の冒険』/スイッチ・パブリッシング
Susanna Clarke 'Jonathan Strange & Mr. Norrell'Bloomsbury Publishing PLC
Allen Kurzweil'Leon and the Spitting Image'Greenwillow
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だぶっているかも
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/『詩人(うたびと)たちの旅』/創元推理文庫
斎藤 貴男 /『「非国民」のすすめ』/筑摩書房
_ カルチャースクールの単発の公開講座。13:30からと16:30の二回あって私は後の方に申し込んだが、これが空き空き。一回目は50〜60人いて大盛況だったそうだが二回目は20数人?がらがらスカスカでお得ー。 出し物の一つはムットーニシアター、これはご本人が「屋台」と称する一見人形劇場のようなもの。ムットーニが中に入って口上を述べるが、屋台には3体の(本当はもっと)かなり大きな人形が仕込んであり、タロットにちなんだ3つのストーリーが語られる。もう一つは「摩天楼2000」。
_ この新機軸ムットーニ・シアターでの彼の役割は、なんなのだろう?ご自分でも言っておられたようにまだわかっていない、模索中なのだろうが、もっと詰める必要がある、また仕掛け(効果)としてもまだまだ改良の余地ありと思った。
_ 「摩天楼2000」では、摩天楼を背にして男女がベンチに座っており、空を太陽と月がそれぞれ巡ってゆく。摩天楼が左右によけるとそこには未来のキラキラ夢のように輝く都市の蜃気楼が…。美しい〜。ところが、この太陽と月の巡りが、普通と逆回りなのである。ムットーニ・シアターのほうのストーリーの一つは「タワー」で、それは時間に関わるエピソードだった。この摩天楼での天体の巡りも、時間が実は逆回りしているという意味深なものが込められているのかと思い、その点を質問したのだが、単に「自分には上手(かみて)は光で下手(しもて)が奈落、闇という感覚があるからで、それ以上の深い意味はありません」とのこと。でもやっぱり北半球在住の我々にすればどう見ても天体現象とは逆で、生理的に違和感があり、彼自身が特別な意味を込めていないにせよ、私は上記のような意味を感じずにはいられない。
_ 丸善・丸の内本店オープン記念「羊皮紙に描かれた中世 〜彩色写本と細密画の世界〜」へ、終業後思い切って足を伸ばして行ってきた。 うわ〜〜ん、と〜っても綺麗だった!!どうやってこんなものが出来たんだろう、これに割かれた労苦と喜びはどんなだったのだろう?本物を手に持ったときのずっしりとした重みは?どんな顔料で描いたのか?等々、飽くことを知らなかった。拡大鏡が欲しかった。ギャラリートークというのがある(あった)とのこと、全くHpでは告知されていないのが恨まれる。知っていたら頑張って行ったのに。最終回は明日2時と5時、行けない。
_ 本体の書店自体は見る時間が取れなかったが、エレベータからみたところ、丸善らしい雰囲気が余り感じられなくて、むしろ没個性的のように感じられた。1階が場所柄からかビジネス関係書だった。また今度改めて行ってみよう。
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カフカ/『城』/新潮文庫
カフカ/『アメリカ』/角川文庫
澁澤龍彦編/『変身のロマン』/学研M文庫
池内紀/『ちいさなカフカ』/みすず書房
安野光雅/『旅の絵本6』/福音館書店
内藤裕史/『中世装飾写本の世界』/美術出版社
_ ロビンが無法者になったいきさつとリトル・ジョンとの出会い、いかに彼の下に圧政に苦しみ自由を求める男たちが集まってきたか。マリアンを助け出し森に迎える顛末。騎士と昵懇になる、など様々なエピソードを綴り合わせる。
_ 獅子心王リチャードが十字軍に遠征している間にその残虐さをイングランド中に振りまいていた王弟ジョンであるが、いよいよリチャードが戻ってきた。ある時ロビンとその配下の揃いも揃って弓の名手たちの元に、彼らの噂を聞いたリチャード王が、修道僧の格好をしてお忍びでやってくる。しめしめもくろみ当たってうまく彼らに捕まった修道僧(じつは王さま)は「王からの言葉を携えてきた」と述べて、彼らから王宮もかくやの饗応を受ける。ロビン一党の素晴らしい弓の腕を目の当たりにした修道僧は「おまえたちはリチャード王に忠誠を誓う者たちか」と確かめ、応との答を得るやいなや、マントをはだけて獅子の紋章を明らかにし、自分こそは国王リチャードであると宣言する。ロビンが真っ先に片膝を付いて頭を下げると、居並ぶ荒くれ者どもも一斉に片膝を付く。 ああ、こういうシーンにぞくぞくしてしまう。
_ お尋ね者であった彼らはリチャード王の赦免を受ける。彼らは森から出てそれぞれにふさわしい場所で暮らし始め、ロビンも城に戻って長い年月が経ち、その間に王も替わりマリアンも死んだ。再び森へ戻りかつてのような暮らしを始める。しかしロビンにも老いが忍び寄る。最後は奸計にかかり、瀉血の最中にそのまま放っておかれて虫の息になったところを仲間に見つかるが、時すでに遅し。リトル・ジョンに抱かれ、最後の弓を放って息を引き取る。彼はむくろとなって森の草地に、湿った土に覆われてしまった。皆の集った草地に、もう暖かい火は燃えない。
_ 四季折々の森や小径の描写が胸が痛むほど美しく生き生きとして、いかにロビンが森を愛し自由を愛していたかがひしひしと伝わってくる。このころのイングランドはどんなにか美しく、そして厳しかったことだろう!うう涙止まらない。
_ イングランドの自然と言えば、昨年の10月末〜ハロウィーンにかけてイギリスに滞在したのだけれど、丁度その時期の、秋から冬に移り変わる、日本とは明らかに違う季節の節目を感じられたのは本当に良かった。『ハロウィーンの魔法』(ルーマ・ゴッデン)で感じたようなその季節の節目の霜と露、落ち葉のかさこそいう音を、肌で、全身で感じたのだ。夜は真冬並みに寒かったし。ほんの短い期間だけど、こういう感覚は得がたい。
_ 深夜に読了。江戸末期の、社会が大変動してゆこうとする時期が舞台の長編。ゆめつげ=夢告、主人公の若い神官・弓月(ゆづき)は夢で占いをする能力を持っている。なんと自分も知らなかったが、神官として古い血筋に連なっていたのだ。あてにならない彼のゆめつげの力は、だんだん暴走していって…。表むきは『しゃばけ』シリーズのような筆致で、飄々として軽いのだが、実はなかなかの力作だ。いいね。
_ 最近ようやくDVDが出たので、何年ぶりかに見た。上の子たちとよくなんべんも見たっけ。これとかロビン・フッドとか、赤毛のアンのシリーズとかも、TVの前で肩くっつけ合って。
_ で、久しぶりに見てまた涙涙…ものすごく泣いてしまった。最初にルースのお兄ちゃんのバディが死んじゃうところでもう滂沱。もうあとは泣きっぱなし(T.T) 時に手を打って笑う。牧師が、娘ルースの恩人イジーのために法廷で証言するとき、「自分の聖書を持ってきた」と言って宣誓する、その証言によってイジーは無罪になる。その「聖書」は実は「白鯨」だったのだが、なぜに「白鯨」?
_ ジェシカ・タンディは、94年に亡くなっていたんですねぇ。今日は持ち帰り仕事があったのに、つい見始めたら止められなくて130分も費やしてしまった。でも見て良かった。
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アルフレッド・ベスター/『願い星、叶い星』/河出書房新社
チャールズ・アダムス/『チャールズ・アダムスのマザーグース』/国書刊行会
DVD:ビッグ・フィッシュ
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11月:ティプトリー・ジュニア『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』
1月刊行予定:プリースト『魔法』
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上記は割に周知されてますね。
でもって
_ 3月刊行予定:マキリップ『影のオンブリア』井辻朱美訳
_ !!!!!!!!万歳!!!!!!!
_ 「ハヤカワ文庫 大人のための ファンタジイフェア」という、現在書店でハヤカワ文庫にかかっている帯の裏表紙側に掲載されています。\(^O^)/
_ この作品が2003年に幻想文学大賞を取ったから、マキリップのしばらくぶりの邦訳として出るかなと思っていたが、「マキリップは出そうだけど翻訳されるのは意外なものになるかも」などという噂を耳にしていたので、ウィンターローズとか昔のものかなと思っていたのだ。 そしたら、新しいほうの作品 'Ombria in Shadow' Ace, 2002, Jan とは、何と嬉しいこと!! 布教の甲斐があった!!というわけではないだろうが、うれしいっ。
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