ニムの木かげの家 日時計 2004. 11月

 
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2004.1102(火)

ロビン・ジャーヴィス /『デットフォードのネズミたち (2) 水晶の牢獄』/早川書房

_ 確かにそれなりに面白いのだけど、登場ネズミが「目にかかった髪をはらって、ベッドから起きだした」とか疲れ切った女の子ネズミオードリーが「いつもとちがってリボンをむすんでいないため、たれさがった栗色の髪が両耳のうしろでやわらかく波打っていた」というような類の記述が時々あるので、この子たちネズミでしょ、どこに髪の毛があるんだ、安易な描写するなよ、とやや興ざめ。どうもそうしたキャラクター造形の安易さが、作品としてのお手軽さ、中途半端さに繋がっているように思える。性格付けもずいぶんと類型的だ。全体としては面白いので、もったいない。

_ 例えば作者自身によるオードリーの姿はこんなふう。なんでネズミに髪の毛…おえ。本の挿絵は作者とは別人(ジョン・シェリー)で、そこではどうなっているかというと、オードリーは何となくちょっとだけ長めの髪があり、いちおうレースの襟はつけている。全体に、作者本人の絵に比べ、外見的な擬人化は避けているとみえる。

_ ミス・ビアンカなんかは長いこと読み直していないけど、どうなんだろう。もちろんピーターラビットでは、動物たちは服こそ着ているが、本物の動物が洋服を着たならこんな風、という姿になっているし、しばしば彼ら、逃げていくときとかに服を脱ぎ捨てちゃうのよね(^-^)/

後半はずいぶんと容赦ない展開に。立つ瀬ないなあ野原のネズミ・ジェンキン。私が抱いた疑問(何もネズミじゃなくてもいいんじゃない? )に、訳者の内田昌之さんも後書きでちょっと触れておられる。

_ あと、小麦畑を作っているのはいったい誰なんだ?と訊いてはいけないのかしら。など、面白いんだけど、なんかあちこちちぐはぐな点が気になるんだよね…。色々設定も甘いと思うし、キーパースンになるか?と思った人物をあっさり死なせたり。とりあえずその3を待つ。

マティス展

_ お昼から無理に休みを取って行ってきた。人出はそこそこ。疲れたよ! 必ずしも年代で作風がはっきりわかるという感じではないように思った。どうして、この絵が描きたかったの?と本人を捉まえて訊いてみたいものがいっぱい。

_ ダンスのシリーズは本当に傑作。色、動き、重み…。曲線の美しさ、色の大胆さ・斬新さが端的に出ているのが、やっぱりジャズのシリーズだろう。

_ この人って、抽象のようでいて決して抽象ではないのね。という言い方が正しいのかどうかわかりませんが、抽象化はしていて、動きや質感・質量の本質を描いてたらああなったのであって、けっして単なる丸や四角やべっかっこう、また色彩によって生み出される効果を描いたのではないと言うこと。

_ 素描での線の伸びやかさ、美しさに目を瞠る。その一方、一つの絵をどんどん描いては描き直し、その変遷が、一見ささっと描き上げたかのように見える絵の下に重層的に塗り込められてもいること。

_ マティスというと脳裏に浮かぶのが、原色にちかい鮮やかでキッパリした色だが、そのなかで時々用いられている微妙なモーヴ色が、本当にきれい。これも、ある年代に集中していると言うわけでもなさそうだ。複雑で一筋縄ではいかないおっさんだわね。

_ あの切り紙作品に良く出てくる、海藻状のモチーフはなんなんだろうね。じっさい葉っぱや海藻としても使われているんだけれど、私最初にそれが気になったとき、生命(力)とか魂とかそういうものの象徴かと反射的に思った。

_ カタログは買わず、
フォルクマール・エッサース/『マティス』/Taschen
『芸術新潮11月号 マティスの冒険』/新潮社
を購入。前者は、年代ごとに概観がよく示されているように見える。

_ 私、皆が好きなゴッホよりゴーギャンが好きなんだが、色の塗り方や多分平面化のせいでなんだかマティスと類似を感じる。うん、マティス展はとってもよかった!なんだかとってもハッピーです。
未見の人は、ぜひ行きましょう!
12/12まで、上野国立西洋美術館

2004.1103(水)

2004世界幻想文学大賞

_ http://www.worldfantasy2004.org/wfcawards.html
http://www.locusmag.com/2004/News/10_WFAWinners.html

_ 全然今年は意識外だったので(^_^;)
お勧めはどれなのかしら。

アンサンブルのサイトから、日本語のを貼っておきます>お借りしますほそいさん

_ 〈長篇部門〉
ジョー・ウォルトン Tooth and Claw
〈ノヴェラ部門〉
グリア・ギルマン "A Crowd of Bone"(Trampoline)
〈短篇部門〉
ブルース・ホランド・ロジャース "Don Ysidro"(Polyphony 3)
〈アンソロジー部門〉
ロザリー・パーカー編 Strange Tales
〈短篇集部門〉
エリザベス・ハンド Bibliomancy
〈生涯功労賞〉
スティーヴン・キング
ゲイアン・ウィルソン

2004.1106(土)

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/『聖なる島々へ』/ 創元推理文庫

_ おーもーしーろーかーったー!!同じデイルマークの中ながら、前作とは登場人物も舞台もちがう。ほんの2歳か3歳のうちから口が立つな>主人公。ああでもそれも彼女一流の伏線なんだ。あまりにまっとうな展開なので、思わず誰か他の人の作品かと思ってしまう。主人公の一人、鼻っ柱の強い姫12歳が、気の染まぬ婚約と引き替えに本物の素敵なヨットを作ってもらう。とりあえずまだ世間知らずの子供なのでそれで一応満足(すり替え)してしまうんだよね。この船の描写が、まるで朝びらき丸を思い出させるのだよ! いわく、船首にほどこされた金色の麦穂の彫刻から、船尾飾りの薔薇色の林檎…船体は青で、船室は白と金色でいろどられ、帆は雪のような純白…。もちろん朝びらき丸とは違うのだけど、ああ、あのナルニアの海で感じたわくわくと潮の香りを目の当たりに思い浮かべるのだ!

_ 途中、1巻目『詩人たちの旅』のキアランが、悲鳴として登場…!この先彼らの運命が交差するだろう予感。さて主人公らが嵐の果てにたどり着いた聖なる島々の民がなんてチャーミングなんだ! そして彼らに力を貸す神々や海の馬など、素敵だ。3巻4巻はどうなるのか待ち遠しい。

DWJ新刊予告

_ 『バウンダーズ』PHP研究所11/8発売予定。いわく「(前略)古城と呼ばれる場所で、不可解なゲームをする“あいつら”に捕らえられ、ゲームの世界に放り投げられてしまうまでは……。鉱山の世界、大神殿の世界、戦場の世界、けだものたちの世界など、ひとつの世界から次の世界へとさまようジェイミーの旅がはじまった。」

_ ふむ、彼女のは、実は結構このパターンだよな。「最高傑作」とあるけど何年の作品だろう。それにしても、うーんまた出版社の内容紹介、嘘じゃないけどホントでもないってかんじか。原作'The Homeward Bounders'読んだ人の感想

_ DWJオフィシャルサイト著作年順のリストによると1981年の作品でした。しかし出版社は節操ないなあ。手当たり次第版権のとれたものを出せばいいって感じ。つまんない商売だと思わないかしらね。愛はないのか愛は。

マキリップ新作情報

_ あーマキリップ読みたい。また来年新作が出るだよ(それまでにバックナンバー読みなさい)。2005/06刊行予定'Od Magic' はい予約しました。

2004.1107(日)

ジャスパー・フォード/『文学刑事サーズデイ・ネクスト』/ソニー・マガジンズ

_ 切れ切れに読んだので非常に時間がかかってしまった。これ本当は一気読みすべき。お勧め!

_ 殺しても死なないヘイディーズをどうやって倒し「ジェイン・エア」の結末をおおかたが望むようにしたか。このハチャメチャのおもしろさ。結末がまたいいじゃない?もうこれは即『サーズデイ・ネクスト2』に突入するっきゃない! でもその前に今の課題図書と思われる『万物理論』を読んでから。

2004.1112(金)

最近の購入本

_ グレッグ・イーガン/『万物理論』/ハヤカワ文庫SF
イアン・ワトスン/『エンベディング』/国書刊行会
オリヴィエーロ・ディリベルト/『悪魔に魅入られた本の城』/晶文社
ウィリアム・テン/『ウィリアム・テン短編集(1)』/創元SF文庫
ウィリアム・テン/『ウィリアム・テン短編集(2)』/
ダイアナ・ウィン=ジョーンズ/『わたしが幽霊だったとき』/東京創元社
ダイアナ・ウィン=ジョーンズ/『九年目の魔法(上)』/東京創元社
ダイアナ・ウィン=ジョーンズ/『九年目の魔法(下)』/東京創元社
ダイアナ・ウィン=ジョーンズ/『バウンダーズ−この世でもっとも邪悪なゲーム』/PHP研究所

2004.1116(火)

◎グレッグ・イーガン/『万物理論』/ハヤカワ文庫SF

_ 7日から今日までかかって、ようやく読了。長かった、手強かった、そして面白かったっ!!最後は加速度的に読書スピードが上がった。いやー、SFでしたあ!どなたさまもみな読むべしです。

2004.1118(木)

購入本

_ 石井 いさみ/『750ライダー』(1)〜(10)

_ 各315円(税込) 大好きだったんだけど、始めの方は読んだことがない。ずいぶん後の方と感じが違うみたい。

2004.1121(日)

ハウル見た

_ ほら、私は経済的だからね、それなりに面白くはあった。でもやっぱり原作とは全然別物。アイデアや設定を借りているだけ、ってかんじ…。ことさらに戦争を出してきているのもしっくり来なかった。

_ タタリ神めいたでろでろがいっぱい。年老いた荒れ地の魔女を「おばあちゃんおばあちゃん」と呼ぶのがどうもね…。やっぱり城の造形が好きではないのが大きい…あの設定の中では。とか、いろいろあるなあ。パンフレットに富士真奈美がコメントを寄せているが、たしかに荒れ地の魔女は彼女でもよかったかも。

_ 飛行機械の造形、光と影、風と雲、背景・風景の美しさ、ソフィが城からのぞき込む地上の水面にぎらっと太陽が反射する一瞬、それこそ心臓を直撃するくらい美しいねえ。いつも宮崎映画はそこがいいのだ。でもお城は(以下略)

_ 宮崎駿は、なにもハウルを「原作」としてそれに捕らわれず、ましてやことさらそうと宣伝せず、たとえそれにインスパイアされたにせよ、これまでの他の作品のようにもっと自由にご自分の物語を繰り広げれば良かったのに。反対にある意味彼の物語になっちゃってる、と言う言い方も出来るんだけどさ。DWJもああまで事前に「原作」「原作」と宣伝されたのでは、もはや何ともコメントできないでしょうよ。ソフィーは全然あんなんじゃない〜〜っ!案山子だって荒れ地の魔女だって(以下大幅に略)

_ ああっ気に入らない。いえ、それなりに楽しみましたわよ、空中散歩のところとか空飛ぶ機械たちとか、流れ星とか、マルクルとか…、でもね!

_ #スチームボーイの画面て、今更ながら美しかったんだなあ。

2004.1123(火)

ジャスパー・フォード/『文学刑事サーズデイ・ネクスト2 さらば、大鴉』/ソニーマガジンズ

_ 面白いし、一気読みしなくちゃこのおもしろさが半減!とは思うんだが、なかなかハカが行かないのは何故(;.;) ちょっとネタが盛りだくさんすぎるのかも。読んでも読んでも終わらない、と言う感はある。

_ 世界の間の森みたいな大図書館が魅力やー。そこで司書をしているチェシャ猫も。ネアンデルタール人たちはちょっと哀しくてチャーミングだし、ミス・ハヴィシャムにはぞっこんだ。ランデン(サーズデイの夫)が「根絶」されたっぱなしで、次作を待て!になっちゃった(--#)風呂敷が広がりすぎちゃってさてどうするの。おとうさんがね…ぇぇぇぇ、ウソ!

紅葉ライトアップ@六義園

_ と言うものに初めて行った。紅葉はまだ少し早くて、きっと日のあるうちの方が彩りが綺麗だったに違いない。結構人が出ていた。

2004.1125(木)

RotKSEE

_ 注文したっ! 【通信販売限定】4枚組+ボーナスDVD「コレクターズ・DVDギフトセット」ミナス・ティリスだよーん。本日正午から発売開始でした。

_ 昨年の二つの塔(ゴラムつき)SEEは注文しそこなっちゃったのだ。あとはサンタさんがプロジェクタを持ってきてくれればいいんだけど、望み薄。ていうか望みなし。

2004.1128(日)

購入本

_ 『SFマガジン1月号』/早川書房
マーク・チャドボーン/『フェアリー・フェラーの神技』/バベル・プレス
ジェラルディン・マコーリアン/『ジャッコ・グリーンの伝説』/偕成社

_ マコーリアンは『不思議を売る男』の人。これはまたグリーンマンなのかな?

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア/『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』/ハヤカワ文庫FT

_ 美しくグロテスクな。真の語り手と枠としてのグリンゴを配した構造は、なぜ? 彼女のえがく宇宙の深みと、この海の深淵とに、一種同質のものを感じる。

軽くて安い! “紙製”のホームシアター用スクリーン

_ これはなかなかいいのではありませんか。3回ぐらい使ったら破けちゃったりしてとか連れ合いは言うけど、そんなことないんじゃない?でサンタさんプロジェクタお願いよ。

2004.1129(月)

落ち葉

_ ある朝、晴れ上がった空を背景に桜の葉がきれいに色づいて、はらはら落ちるさまの美しいこと…玄関前のお掃除のおばさんに「お早うございます、今朝は葉っぱがきれいねえ!」と言いかけたら「葉っぱが」ぐらいのタイミングでお返事が。「そうなのよぉ!いやんなっちゃうわ!掃いても掃いてもあとからあとから落ちるんだからぁ…!」ともろにイヤな顔。

_ けさのお掃除のおばさん同士の会話
「もうすぐね!」
「そうね、もうすぐだわね」
「もうちょっとで終わっちゃうからね」
「良かったねえ〜、もうちょっとの辛抱だ!」
「あはは…」「あはは…」
↑全部落葉するので喜んでる

_ 親の敵みたいに毎日毎日、落ち葉を掃いて掃いて掃きまくっている…。べつに舐めたようにきれいにしなくても…風情ないなァ。

_ たしかに、濡れ落ち葉を踏んでつるっと足を滑らす、という危険なんかもあるけどさ…。ものには程度が…。ブツブツ

2004.1130(火)

_RotKのSEEプレビュー!!

_ かっちぇー

誕生日

_ やっぱりそれなりに自分にとっては節目の日なのだ。次男以外に誰もいなくても(T.T)

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ニムの木かげの家
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最終更新
2004.12.06 21:11:57