ニムの木かげの家 日時計 2006. 2月

 
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2006全トピックス一覧
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2006.0201(水)

TV 戦国自衛隊

_ つい見てしまった。映画は見てないし原作も読んでない。

_ 渡部篤郎は、かなり好きなのだが、あと一歩の所でどこか違う、といつも思う俳優だ。セリフの発音が不明瞭だし。あの憂い顔が罠なのよねえ。秋吉久美子は可愛いなあ。でもこの人も昔からセリフが…。途中で、やたら殺し合いになったので見るのをやめようかと思った。

_ しかしあのロケ現場は須走付近の陸自演習場だよね?むかしジムニーを持っていた頃時々行った(環境破壊?)。

_ で、だらだらと遅くなってしまい、全然ダメじゃんという話。

2006.0203(金)

〈読み中〉『シャングリ・ラ

_ ミーコがアトラスに移ったところまで。中身が濃くて、がーっとは読めない。

_ この今の現実がありあり反映されているので、近未来ではなくて別次元の現在を見ているかのようでドキドキしちゃう。<不安のドキドキ

五嶋龍

_ 7月のリサイタルのチケット取っちゃった。サントリーのステージ上のA席だけど、距離が遠いS席より近い方が生音を聴くにはいいからね。だいたいサントリーじゃでかすぎるのだ。と、ベストセラー本を買わないのと同じような理屈を、ひねた音楽ファンはつけるのさ(^^ゞ

_ 若いときの演奏のみずみずしさは二度とないからそれなりに貴重だと思う。若い頃の生のみどりが聴けなかったのは残念だ。未だに生を聴いたことはないけど。

あぶない食品!?

_ 食卓記 経由

_ あぶない食品
マーガリンとショートニング

_ そ、そうなの?バターの方が身体に悪い、と言って、マーガリンやショートニングが推奨されてきたんじゃないのォ?

2006.0204(土)

美容院とか同期会とか

_ 今日は夕方からン十年ぶりの中学の同窓会(同期会)。べつにいまさらいつもと違うカッコしていく訳じゃないが、いくら何でも髪が伸びすぎてやばい!ので昨夕予約して昼前にカットしてきた。ハイハイ、君は優しいね>次男(しばし考えて「若くなったねママ」)

_ 美容院から出たその足で次男と落ち合って昼食の買い物。昼間のんびり歩くことなど殆どないので、よけいに今日の快晴/ぽこぽこいい具合に白い雲/ くっきりした日差しと寒い風/枝だけのけやきが、目にしみるようだ。池の氷も張ってかなり気温は低いのだが、これは明らかに春。もう冬は底を打って、… あ、そうだ!きょうは立春だものね!春だ春だ!

_ さて英語の予/復習して本読んで出掛けようっと。

_ 私のホームグラウンドは立川だったのだけど、ずっと用もなくて全然行っていなかったので(たまーに通過して、モノレールにも乗ったしルミネだけは寄ったことがある)、ン十年ぶりに駅を降りたら、ここはどこですか状態。昔々「乞食の大将」と言われていた立派なお乞食さんがいたあのころの面影は全然ありませんわ。良く変わったのかと言われると…、何とも言えない。

_ 同窓会ではほんとに卒業以来の人が何人もいて、でも時間が経つといつのまにか昔の呼び名が自然に出てくるのはおかしいわね。亡くなった人あり、行方知れずの人あり、ヤバイ事情で出てこられない人あり…。立川駅南口の区画整理でずいぶん多くの友人宅が立ち退いたりもしたようだ。2次会含めて4時間、あっという間だったわ〜。

_ さんざんヤな思いをさせられた教師がしっかり出席していて、それはある意味懐かしくはあったが、彼に関しては我々はいい思い出は一つもないので、どうしても挨拶はできなかった。じいさんになってずいぶん丸くはなっているようだけど、変わったと言うようではなく、…あいつはどうしても許せん。

_ 同窓会(同期会)は次回3年後、と幹事は言っていたけど、うちのクラスは仲が良かったので(出席人数もダントツで多かった)、来年はクラス会をやろうね!と言って別れた。

2006.0205(日)

ゲーム脳

_ kikulog

_ 川端さんとこの記事からこちらに。うちのガッコも以前水伝にニアミスしてるからそのへん気になるんだよねえ。私自身はゲーム脳そのものは直接読んでませんが。

_ 先頃準備が始まった校庭の一部芝生化は、根付いたら子供が入って遊べるようになる、と一応校長が明言してました。

煙害@同窓会

_ 同窓会は、二次会に9割方参加したという盛会だったのだが、その席での喫煙率の高いこと…!男女とも。うげうげー

_ 帰りは、なんと車で15分ほどの距離にかなり仲良しだった子が住んでいることがわかり、彼女の夫君が車で迎えに来るというので、有り難く便乗させてもらった。とっても助かっちゃったのだけど、私の家まであと5分!と言うところで彼がタバコを吸い始めた(T.T) 車内が暖かかったこともあり、車酔いになりかけちゃって、帰宅したら「うー気持ち悪い〜頭痛い〜(酒酔いじゃないからね!ほとんど飲み食いは出来なかったんだからね!)」とダウンしてしまったのであった。翌朝起きても声はガラガラ鼻はグズグズでそれが半日続いた。

_ 煙害恐るべし。

2006.0207(火)

国書刊行会の刊行予定

_ 国書刊行会Hpから抜粋(2/1更新?)

_ ===========
『澁澤龍彦 書物の宇宙誌』
澁澤龍彦が遺した全蔵書を徹底調査、ファン垂涎の驚愕の蔵書目録。カラーを含めた図版も多数収録した書物のミクロコスモス。ドラコニア王国の心臓部がここに。6月刊予定。予価9000円。

_ 『メモランダ』ジェフリー・フォード/貞奴・金原瑞人・谷垣暁美訳
大きな話題をよんだ世界幻想文学大賞受賞作『白い果実』の待望の続編がついに翻訳。この度は詩人の貞奴さんの手になる邦訳版です。今秋刊行。予価2500円。

_ 『山尾悠子新作』
おまたせしました!! 山尾悠子さんの新作・書き下ろし小説がいよいよ登場。題名・価格ともに現時点で未定ですが(なにしろ担当編集者もまだ内容を知らされていないそうです)、ファンの皆様どうぞ大きなご期待を。

_ 新シリーズ<短篇小説の快楽>
読書の真の快楽は短篇にあり。20世紀にのこされた傑作の数々を再・新発見し<文学のミッドセンチュリー・モダン>をさぐる作家別短篇集シリーズ。秋刊行開始予定。

_ ===========

_ ムヒカ・ライネスもどこかから出して頂きたい。

〈読み中〉『シャングリ・ラ』快調

_ 秋葉原でミーコとモモコが出会うところ。いやあ止まらないやめられない。でも仕方ない、心を残して午後の部再開(T.T)

購入本 1月末から2/3まで

_ スティーブン・ブルースト/『勇猛なるジャレグ−暗殺者ヴラド・タルトシュ』/ハヤカワ文庫FT
アレン・カーズワイル/『レオンと魔法の人形遣い(上)』/東京創元社
アレン・カーズワイル/『レオンと魔法の人形遣い(下)』/東京創元社
Patricia A. McKillip 'Solistice Wood' Ace

_ 他にもあった気がする。でもこの頃はちっともあまり買ってないぞ!

_ あとDVD
「チャーリーとチョコレート工場」 
この前映像特典を見た。
やっぱり素顔のデップさまはほんとに魅力ある…!
ウンパ・ルンパのできるまでが大ケッサクで、彼(ディープ・ロイ)はダンスなんかしたことがなかったらしい。

2006.0208(水)

シャングリ・ラ

_ 終わりましたよ!うっきゃーなんてタイムリーなんだ。

_ 昨晩はつい2時まで(うっかり寝そびれそうでやばかった)、今日は珍しく往復2時間弱の所で仕事だったので車内で、そして帰宅してから残りの5ミリを、とどうしても手放せなくて重いのを持ち運んで読んだ。後に行くにつれどんどん筆のスピードも読むスピードも上がる。

_ しっかしうちの連れあいの大好きなヘ○○ゴンかい。場の持つ力を書き続けている彼にしては当然か。それから確かに、○室ネタは沖縄生まれの彼ならではの特権かもしれない。とはいえ現在のそれと直接関係がある訳じゃないからね。しかし危ないなー。

_ 涼子の登場の代わりにモモコが背景に退いてしまったので、ちょっと残念。繰り返し書かれている母と娘の彼にとっての原型は彼のどういうところにあるのか?それとも彼なりの理詰めで書くとこうなるのか?

_ #こういうインパクトが強いのを読むと、また次に読む本に悩みます。

2006.0209(木)

英語 代役

_ 担当が風邪で休みなので最近他校から移ってきたセンセがピンチヒッター。ところが部屋に入ってみるとコート着て赤い顔をしたセンセがくたっと椅子に座り込んでいて
「ぼくとーってもビョーキで具合悪いからゴメンね。○○も××も風邪で休みで、僕も具合悪いんだけどボスがI need youと言って休めないんだ…。大丈夫、ちゃんと医者に行ってインフルエンザじゃないと言われたから、…休んだらとは言われたけど薬もらって、行ってもいいよと言われたから…咳は出ないからね…でもうつるのを気にしてるだろうから今日はそばに寄らないからね」

_ オイオイ、マネジャーのお兄ちゃん、バイオテロはやめてくれ〜。それにきちんと労務管理しろ、センセ可哀想。レッスンが終わったら「今日はローエナジーでゴメンね…あと今日は2時間あるんだ、ハァ…」

_ それはともかく、この人オーストラリア人だがお母さんが日本人で、小さいときから旅行好きな親に連れられて日本には何十回と来ていて、行ってない県は沖縄長崎鹿児島だけ、と言う。行っただけじゃなくてよく知ってそう。

_ 今日は3人の生徒全員彼と初対面なので自己紹介。SF読むんだよと言ったら、彼はフィリップ・K・ディックが好きと言う。イーガンとかル=グィンとかテッド・チャンとか言ったらしっかり知ってた。えらい。

_ 先週要望したせいか、センセのせいか、今日は発音の直しがあった。

黒装束

_ 私用で、午後から芝公園・メルパルクホール近くまで(どこも寄らずにもう帰ってきた)。

_ 1時半頃に行くときはあまり感じなかったが、3時すぎの帰路、付近の道も、三田線車内も、やったらに黒っぽいコートのおじさんたち(ビジネスマンつうのか)ばーっかりでなんだか気持ち悪かった。座席に座ってる人がみんなそれ、立ってる人もみんなそれ。ふだん日中に地下鉄なんかにあまり乗らないから and場所が場所だからなのかしらね。

_ #私自身は黄色いブルゾンでした。

_ #こういうのをゲゲゲ何だかなーと思う感覚は、生来のものだろうか習得したものだろうか。

アムネジア

_ 不思議な香りと気配の立ち上る作品でした。説明しろと?いやー出来ません。

_ 読んでいると例えば建石修志さんのコラージュなんかを思い浮かべるのだけど、本を閉じた今は建石作品は病んでいないと思う。じゃあこちらは病んでいるのか、ということになるが、作品が病んでいるのではなく、いかに人の精神や時空が、人の精神それ自体によって危うい均衡を保っているか、そういう意味において精神だの世界把握だのはある種の病かも、という方に思いがさまよって行ってしまう。

_ 認識の拠り所になる確かなもの、なんて実は何一つなくて。やっぱり人生は幻想と思いこみでできてるんだ〜と私の脳みそも溶けていく〜

_ #小さいとき、フィンガーチョコレートなどを包んでいる緑や赤の銀紙がとてもとても好きで、消しゴムでそっとこすってしわを伸ばして取っておいたものだ。繰り返し見る夢の中に、それらは気球や飛行船などの空飛ぶ機械の姿で現れるの。いまもその夢を鮮明に思い出すし、フィンガーチョコは味も銀紙も好きで、特に色つきの包装のを選んで食べる。もちろん銀紙を食べるわけではない。

マキリップ'Solistice Wood'

_ 『アムネジア』も読み終わったので、次はマキリップの新刊に!と思ったが、手に取ってみると、主人公Sylvia Lynn…Lynnって、'Winter Rose'?あらよく見ると、本文前に'Winter Rose'からの引用が。実は、なーんだ現代物なの?とこれまで後回しにしていたんだが、もしや後日譚か?で書評さがした↓

_ 引用
A contemporary revisit to Lynn Hall (Winter Rose, 1996), the huge, decaying mansion surrounded by thick woods where the boundaries between our world and the magical Otherworld grow thin.

_ というわけで、実は最初の1/6くらいで放置してある'Winter Rose'を掘り出して先に読むことになった。掘り出すといっても実際にはマキリップは積んだりしないでちゃんと扉付き本棚にしまってあるんだよん(^-^)/

_ #げげ続けて2冊英語かー。あたまも辛いが、目にも辛いワ。

2006.0210(金)

映画「死者の書」

_ 「死者の書」@岩波ホール 2006年2月11日(土)より4月7日(金)まで

_ 公式ページ

_ 高校の現国の熱血教師が、「…釈迢空先生」と非常な尊敬を込めて語るので、その度に生徒の忍び笑いが漏れるのが常であったが、ともかく折口信夫の「死者の書」は私にとっても一種特別な思いのある作品だ。

_ 「した…した…」という、墓所の暗闇に滴る水滴の忘れられない音を思い浮かべながら予告編を見たら、まさに初めにそれが流れてきた(語り:岸田今日子)。ううぜひ会期中に見に行くぞ。

2006.0212(日)

引きこもりの休日

_ 風邪といっても悪化は免れた模様。だが水面下の頭痛と、結構な眠気、腹痛があるので、今日はおとなしく引きこもって身の回りの片付けなど。ほんとはバッタリ寝たいな。

_ 風邪のせいかそれに伴う疲れ目のせいか、McKillipの'Winter Rose'が何だか読みにくくて(一人称のせいもある?)、かわりに短篇集'Flights'収載'Out of the Woods'に手をつけてる。同じマキリップだけど大判のペーパーバックでたかだか12ページなので。とりあえずあんまり見かけも中味もさえないらしいLetaという女性が、森の古い小屋に住み始めた学者の所に家事手伝いに行くところ。
ラファエル前派ね…(amazonの出版社レビュー)。それはむしろKinukoの絵という気もするが、まあそうかな。

映画「死者の書」見た

_ 結局親子とも退屈し切っちゃって、次男を連れて4:30の回に行ってきた。1/3か1/4くらいの入りかな。入るときにホールのおじさんに「あのー、人形劇と言ってもこれは決してお子様の…」と声を掛けられたので「はい、存じております」と返事した。そのあとものを訊いたら大変親切だった。

_ 本編の前に、舞台となる二上山、当麻寺周辺や時代背景・人物を紹介したフィルム(13分)が流されるので予習復習には良い。

_ 中将姫と言われる、当麻曼荼羅を作った人が主人公(南家郎女)。原作では私にはむしろ、墓所の闇で目覚める大津皇子がメインに思えた。

_ 信仰厚い南家郎女が西方の二上山の向こうに巨大な俤人(菩薩の化身)を見、千巻の写経を発願。千巻目を書き終えた日、引かれるようにひとり二上山を目指す。気付くとそこは当麻寺の聖域の中であった。その頃、謂われない罪で数十年前に処刑された大津皇子の霊が露滴る墓の中で甦ろうとしていた。死の直前に見た耳面刀自の面影が彼の執心であった。その執心は今は亡き耳面刀自ではなく、同じように美しい南家郎女を引き寄せることになったのである…

_ 仏教が次第に力を持つこの時代(8世紀)であるが、古来の神々、民間の信仰がそれよりなお深く生きている時代でもある。魂鎮め、魂呼ばい(これらがまた一種神々しく清らかで身のすくむようなものでもある)、強風が吹けば弓弦をひき足踏みをしてなだめる、古来の神々・土地と人が分かちがたく結びつき、そこに仏教信仰が入り込んでいる複雑で流動的な時代だ。仏教信仰と生々しい人の執念との重なり合いの中、ひたむきに「おいたわしや」と、みほとけ/大津皇子に心を尽くし、姿を消す南家郎女。

_ 原作の最後もいつの間にか史実(伝説)のなかに郎女は消えていくのだったか?読んだのは何十年も前なのだが、記憶にあるそれとの齟齬は感じなかった。映画では、決しておどろおどろしいとか怖いとかではないがいかにも黄泉の国につながるような暗い土の匂いのするような部分は、冒頭のみだった。

_ 民俗学的な背景に加えロマンチックでもあるこの小説、私は全集本で読んだけど文庫になってるのね、また読みたいな。

_ アニメ系には大変疎いのであるが、実写では出来ないような、余分な血肉を排して物語のエッセンスを効果的に表していると思った。色彩は唐ふうで明るく、むしろあっけらかんとしていたであろうこの時代のある種のすがすがしさを伝えていると思った。

2006.0213(月)

マキリップ短編'Out of the Woods'

_ McKillip 'Out of the Woods'  短篇集'Flights'収載

_ マキリップの短編。筋があるようなないような、季節の移ろいと魔法がかった出来事を、魔術師の卵の家で家事手伝いをするようになった女性Leta の目から描いたスケッチ風の作品、と思って読み始めると…。彼女の仕事は実入りはいいのだが何とも忙しくて帰宅も夜遅いので、木樵の夫とはほとんどすれ違いになってしまう。彼は「寝ろ」とか「眠い」しか言わないようになってしまった。不思議なことを見聞きしたとどんなに彼に言っても彼は取り合わない。町へ行ってもリボンすら買ってこなくなった。放っておかれたい一方の魔術師の卵もろくに口を利かない。彼女は自分が人の目に見えなくなってしまったのだわと思う…。

_ 森、稲妻、木の葉、光、森の人々、彼女自身の現実との境目に現れる魔法的事物。舞台装置はいつものマキリップ。描いているこの不安げな感情も、確かにマキリップらしく実はモダンなのだと言える。はらはらと落ちかかる枯葉の色も匂いも、実に美しいなあ。そして本当の最後の最後、川を流れる舟を追っていく彼女の姿とその眼前に見える新しい情景に、ガンとインパクトを与えられる。これは彼女自身の心模様の一部を映しているのではと勘ぐる。彼女の作品世界のあり方に、悩みや迷いはないのか、とか。

2006.0214(火)

'Winter Rose'4章

_ 'Winter Rose'でこんな一節がある。森の中から現れた妖精の王子のように思える青年Corbetが、主人公Roisが秘密にしている薔薇の茂みに隠された泉を探り当てて、水を掬って飲んだところ。(4章)

_ He knelt besides the well and thrust both hands into it, drawing water to his mouth, his face, his dusty hair, splashing until his wet shirt clung to him, and the thick rose vines slid over his back as if to draw him deeper into the well.
He pulled himself free and stood finally, wiping water from his eyes, running his fingers through his hair, pushing it back. He saw me staring at him, and smiled a little.

_ 何とも、色っぽい〜。彼は家を建てている最中なので、シャツは汚れて汗くさいのだ。

_ ところで、このごろ外でトイレに行くと、例のエアタオルなどの、温風で手を乾かす機械が設置されていることが多い。にもかかわらず、少なくない女の子たちが、洗ったあとの濡れた手をそのまま髪に持って行き、髪を整え&手を拭いたことにして去っていく。あれって…、汚くね?もう一度洗って拭け(乾かせ)よ!上のようにCorbetがする仕草は美しいけどね!

_ #うちの娘もやる(-.-#)

購入本 2/10、2/14

_ C.S.ルイス/『喜びのおとずれ―C.S.ルイス自叙伝』(amazon:4480421688/)/ちくま文庫
C.S.ルイス//『悪魔の手紙』/平凡社ライブラリー
ブラックウッド、他/『怪奇小説傑作集1 [新版]』/創元推理文庫
竹田いさみ/『国際テロネットワーク―アルカイダに狙われた東南アジア』/講談社現代新書
折口信夫/『死者の書・身毒丸』/中公文庫
四方田犬彦/『「かわいい」論』/ちくま新書

_ いつ読むのか、つうねん。

_ 以前職場で、腹痛で薬を探しに来た10歳くらい年下の女性に陀羅尼助丸(胃腸の薬)を分けてあげたら
「…だ、ら、に、すけ、…まる」
と読んだのでガックリ来た。「丸薬」というりっぱな日本語があるでしょ…。

_ ちなみに「身毒丸」は「しんとくまる」という人名、とは初めて知った(^^ゞ

「死者の書」のみ

_ 昔読んだ全集版(確か二段組みと記憶する)より、字が大きい分だけ取っつきやすく読みやすいように思う。あるいはこちらが当時より少しばかり大人になったのか。

_ 印象としては記憶と同じ。ただし家持らが出てくる街中の様子などは、そういう記述もあったなというおぼろげな印象としてしか、覚えていない。大津の皇子の蘇生や姫との交感、山の向こうに見える巨大な輝く姿、の印象があまりにも強かったからだろう。

_ 当麻の語り部の姥、という古来の伝承をになう語り部がいたのも覚えているけれど、表舞台から消えてゆこうとする語り部としての執念がこのようにあからさまに書かれていたのは全く忘れていた(気付かなかったのかな)。

_ 終わりの文までは覚えていなかったけれど、やっぱりこういうふうにして終わるんだったんだ。

_ 「山越の阿弥陀像の画因」という文も同じ文庫に入っている。「死者の書」の成立の一端を語るものとのこと。こういう文は、作品理解の一助ともなるが、往々にして、作家が「成立事情と自分で思っている」事が語られているだけだったりもするので、そのつもりで読まないとね。

_ 昨日の読売の死者の書映画評は、なんのことはない、原作とこの「山越の〜」からの抜き書き再構成のような気もしてきた。断定しないところが謙虚(違うか)

_ やまとことばも美しいが、それに漢字を当てたことによってイメージと意味が一挙に広がることがすごいと思った。当時の人たちの感性がすごいのか、折口信夫の言葉遣い・漢字のあて方がまた独特なのか。いずれにせよ、漢字の輸入は日本文化にとっていかに大きな出来ごとであったかと思う。

2006.0215(水)

〈読み中〉'Winter Rose'6章/24章

_ ちょびっとずつ味わいながら読んでますが…、
うう、Roseとかleafとか、それだけでツボなんだってば、しかもCorbetが素敵すぎてうう〜。どうなるRois。それに彼が建て直してるLynn Hallみたいな部屋が欲しい。

2006.0216(木)

〈読み中〉'Winter Rose'12章/24章

_ 半分少し前。

_ ほーらやっぱり美しいLaurelが…。彼女は主人公Roisの母代わりの姉で、許婚がおり、野生児Roisとは違って美しく穏やかで家庭的な人。

_ 一人称で語られるのって、意識が勝手にあちこち飛ぶ事が許されるからか、ただでさえ夢まぼろしと入り交じっているかのようなので、まして英語だと余計つかみ所がない。でもそこがまたいいのだけど。

_ #たまには辞書引きましょう。全〜然わかんない単語が羅列されているところもいっぱいある。字面と音の感じで構わずそのまま読んでるが…「今のは何だったんだ?」もしばしば。

_ #先日どこかの英語サイトに「サイベルはYA向けで、マキリップは他に大人向けの作品も沢山書いてる…竪琴弾きとかあれとかこれとか」というようなことが書いてあったので、そうかぁ?と思った。サイベルをそう言うなら、このWinter Roseも、ずいぶん主人公は子供っぽくて、話もよほど「YA」らしいと思うよ。森と葉っぱと薔薇と雪で本当に素敵ですが。

_ #書いてなかったけれど、この話はタム・リンを下敷きにしてるのでしょ、Corbet Lynnの名前を見るまでもなく。11章で、彼を捕まえていたと覚しき森の声が、Roisに、ちりんちりんという鈴の音とともに語りかけるのでした。彼が欲しいのなら、この薔薇の茂みの棘がお前を抱いているように、彼をしっかり抱き留めないといけないのだよ…と。うきゃー

2006.0217(金)

〈読み中〉'Winter Rose'14章/24章

_ ていうことは、Corbetの母親は…?うーむ。タム・リンは正真正銘人間なんだけど…Corbetはそうじゃないかも?

_ うう寒い<話の中は吹雪

_ ところでマキリップご本人は
http://www.patriciamckillip.com/
こんなかんじ
http://www.patriciamckillip.com/Bio/photo2.jpg

煙害 英国行きたい

_ ちょっと遅くなりましたが
「英国のパブ・レストラン、来夏から全面禁煙に」
http://www.asahi.com/health/news/TKY200602160119.html

_ これはつまり、食事を提供するすべての場所、ということかしら。偉いなあ。羨ましい。

_ #ところで、今朝もジローラモが言ってたが「ロンドンの2階建てバスがなくなって淋しい」との認識は間違いです。
旧タイプの、走ってる途中でも乗降できる2階建てバスがなくなった、のであって、決して全部なくなったのではありません。

臓器提供

_ 保険証の裏面に臓器提供意思欄 政管健保で厚労省方針

_ うちらの保険証はまだ被保険者一人に一枚の、旧来の紙タイプだな。
そういえば臓器提供意志カード、以前もらったきり書いてない。書いても、いざ腑分けしてみたら、臓器ぼろぼろで使い物にならないかも(T.T)

_ 臓器提供意志カード
ダウンロード出来るんだ。

忍耐

_ とんかつ茶漬け

_ 今日は次男と2人だけなのでご飯どうしようかなァ、と思ったんだけど、豚ヒレが解凍してあるので↑を作ることにした。

_ 他のおかずやみそ汁、付け合わせのキャベツは全部準備できて、あととんかつ(と言っても炒め揚げ)をするだけ。最前から「今日はなんかすることなぁい〜?」と言っている次男に、カツの衣つけを任せた。




20分以上経つのにまだ出来ない…


忍の一文字



やっと出来た模様

_ 食べた。いけた。ほかにカボチャのいとこ煮とエリンギ・玉子のみそ汁。

_ 次男「これ、グルメだね」
私「なんで」
次男「おいしいから!」
私「…そりゃあアンタが準備したんだもの!」
次男 …(#^.^#)

_神楽坂・翁のかつそばと通じる味だな。うまい。あったかいのと、冷たいのがある。学生の頃にすでに、翁のかつそばとカツ丼ライスは有名だった。

2006.0218(土)

〈読み中〉'Winter Rose'22章/24章

_ 遅々として進みません…と言うより、読んだ時間なりに進んでいるんだけど、話じたいが、いつまでも去ろうとしない冬そのもののように足踏みしている。彼らは皆、現実では冬の寒さと雪に半ば埋もれているし、また呪いをめぐっても雪と氷、森と薔薇、この世界と向こうの世界を、ぐるぐるしている。過去の呪いに縛られた三世代のLynnの男たち、そしてRois自身もじつは過去に捕らわれている。

_ エメラルドの目を持った白フクロウはちゃんと意味あったんだ<絵では黄色い目だけど

_ うーんこんがらがってる話だ…皆が皆、のっぴきならないことになってる。

_ マキリップって、しばしば母親と娘のことを書いている印象があるんだけど。しかもそれが、決して否定的な視点じゃない。登場人物の背景にそれを感じる事が多いだけかも…?

_ どうも足元がスースーするのは、この物語の凍るような雪と風のせい?

2006.0219(日)

オペラ「バヤゼット」@神奈川県立音楽堂

_ 1954年開館とのことで、それにしては大変モダンだったのだろうと思われる。前後の座席間が狭くてちょっと足が…、でもなかなか雰囲気はいいのことよ。

_ オペラ自体は、ヴィヴァルディ作曲で滅多に上演されないものだそうだ。ヴィヴァルディだからどの曲もどの曲も聴かせどころたっぷり、まるでバロック版歌謡ショーみたいで皆大喜び。それにオケが何しろファビオ・ビオンディ+エウローパ・ガランテだからね、エキサイティングでぴちぴちしていて美しい、あんなに歌とぴったり合ったオケ、しかも歌を最大限引き立て、しかもオケ自体も美しい、あんなのを初めて見たよ!歌の面々も素晴らしく、歌唱力あり安心感あり演技力あり。一回公演なので、首都圏のバロックオペラ好きが皆集まったと思われ、間合いのかけ声や拍手もよくて、総体的に大変楽しめるものだった。よかった〜!

マキリップ'Winter Rose'

_ 終わったー!面白かったー!

_ 冬/夏の顔を持つ「彼女」の森の世界での壮絶なシーン。タム・リンの伝説を踏まえて、肉が焼かれて骨が熔けてもRoisは炎を抱きしめ続ける。……終わりがないと思われた厳しい冬はクロッカスとともに急速に緩んでゆく。

_ クライマックスの激しさと、エンディングの静謐さの落差が、いつもマキリップの楽しみどころなのだが、今回も裏切られなかった。しかし薔薇の茂みだけにえらくもつれ合ってるなあ。

_ さて、'Winter Rose'での重要なマジカル・ポイントLynn Hallをめぐる続編らしき'Solstice Wood'にとりかかるぞー。'Winter Rose'でもRoisとその姉Laurelはレースを編んだり(時に謎めいた)刺繍をしたりしているが、'Solstice Wood'は刺繍サークルが出てくるみたいだ。

2006.0220(月)

〈読み始め〉'Solstice Wood'1章終わり/22章

_ 'Winter Rose'の主人公Roisの、ひいひいひいひい…孫たちが登場する。'Winter Rose'から時代を下ること200年ほど、現代である。この世界の時間軸上に'Winter Rose'の世界が存在したとはやや興ざめではある…多分似てはいるがちょっと違う世界だ、と思いたい。

_ RoisはLynn Hallの跡継ぎと結婚し、その「たち(質)」は、この物語の主人公Sylviaの祖父に受け継がれていた。彼がいかにも彼らしい亡くなりかたをしたとの知らせで、長いこと帰るのを避け続けていたふるさと…Lynn Hallへと彼女は帰る。

_ この祖父が待っていたのは、夏至=summer solstice みたい。

_ 後日譚なのだから、いつもと同じKinuko Craftの装画だったら良かったのに、と思った。絵はそれなりだけどすごく地味なんだもん。それともこれから全然違う物語になっていくのかな。表紙下部の模様は、どうやらキーワードらしい刺繍ね。

2006.0221(火)

イバラード 

_ 井上直久インタビュー「星をかった日」

2006.0223(木)

あれもこれも忘れた

_ けさ、私が自分の支度を始める頃にまだ次男がもたもたのろのろしていたので支度にかかるのが遅れ、それはまあホンの数分とはいえ、結果的に読みさしの本を持ってくるのを忘れた。

_ 昼になる直前ハッと思って見たら、昼の食糧も忘れてきてた…どよよーん

_ #財布とケータイは持ってた。

購入本 今日

_ ジーン・ウルフ/『デス博士の島その他の物語』/国書刊行会
ゼナ・ヘンダースン/『ページをめくれば』/河出書房新社

_ 出てすぐではなくちょっと遅めに注文したのにそれまでにマキリップが読み終えられなかった。予定外の2冊だもん(T.T)

2006.0224(金)

前川國男展&クレー展

_ ●前川國男展@東京ステーションギャラリー
大変よかった。私は設計の図面を見てもマンションの間取り図以上のものとしての意味を見いだすことが出来ないのでそれは眺める程度に終わってしまったのが残念。でも写真や模型、解説で、堪能してきた。上野の文化会館、ほんとに好きだー。東京都美術館ももしやと思ってたら、そうだったのね。実際に住んで(仕事して)いる人にとっては、必ずしも使いやすくはないのかも。でも訪ねていく人にとっては本当に素敵。どの建物もほっとするのはなぜだろう。人を拒むような所がないのだ。そしてモダンと言いつつ、やっぱりどこか和なのだよー。いいなー素敵だなーどの建物も魅力的だなー。ワクワクしてしまった。まだ行ったことがない建物にも行ってみたいな。あまりコンクリート打ちっ放しって好きじゃないが、確かにこれは特別。この人のは、はっきりと好きだ。

_ ●クレー展@大丸ミュージアム
混んでいると言うほど混んでなかったし、作品もそれほど多くなく、大変目を惹く、というものもない、とは思った。でもクレーだから。普通に「クレーらしい」ものばかりだったな。ちぇ。でもクレーだから。

_ 初めからずっとやだったのは、年配のおばさん。私がちょっと下がって見ていると、私と絵との直線上に割り込んでじっと動かない。気がつかないのかと思っていると、次も、その次も。むっと来て先に送って見ていると、常に常にそうしているという驚くべき無神経人間であることが判明した。そういう人って、敬遠してもまたなぜか近くに来ちゃうのよね(-.-#)

_ もうひとりハタ迷惑なおじさん。さすがに割り込むことはないが、至近距離でのぞき込み(それはいい)、最後にわ〜〜〜っとでかいあくびをしてしかもその息が…臭い訳じゃないが風が起こる。それをやはり、毎回毎回やる。これも、敬遠してもいつの間にかまた近くにいる。

_ 東京駅地下でやきぐり(比沙家)を買って帰った。

2006.0225(土)

映画/もろネタバレ ナルニア先行上映

_ 予想していたのよりはずっとよかった。なぜかやたらに泣けて困った。

_ 私は小学生の時にナルニアとの幸福な出会いをした人間なので、説教臭いとか何とか、後ではいろいろあるにせよ、基本的にナルニアの素晴らしい記憶がそのまま残っている。

_ 映画では、まず視覚的にはBBCドラマみたいにポーリン・ベインズの絵そのままではない(少なくともそれほどには)。たんすも違うし女の子たちの髪型も違うし、石舞台も全然違う。カーク先生も違う。それが逆に私にはよかった。

_ 話は基本的枠組みはそのままだけれど、やはり「戦争」を表に出している。映画の出だしからまずロンドン空襲の場面。原作では、「空襲を避けて疎開した」だけで済まされているところが、「疎開」の一言の裏にある、子供達の生々しく辛い体験を話の前提として持ってきている。あれから60年以上経っている今の時代の観客にはそういった時代背景が必要と考えたのだろう。だからピーターが「家族を守る」「家族だから」と言っても他のアメリカ映画のように「家族」の言葉が空疎に響かない。またはっきり「戦争から逃げて(疎開して)来たのに、また(ナルニアで)戦争なんて」とスーザンが言う場面もある。またこれは原作でももちろんそうだが、自分のしでかしたことにきちんと向き合って責任をとること、と言う点がきっちり押さえられていた。不必要とも思われる大軍同士の戦闘場面だけれど、しかも(戦いは初めてなのに当然のように)ピーターは強いんだけど、果たさねばならないことには雄々しく全力を持って立ち向かう/ 受けて立つという心根と、古い予言とアスランを心から信じてナルニアを復活させようというナルニアの民の信念が、強く描かれていた。これは男女、年齢を問わず。

_ 古い魔法ともっと古い魔法のくだりや、ジェイディスがなぜ女王と称しているのか、一方アスランとは王なのかそうでないのか、といったあたりは、あれだけでは説明不足だとは思った。特にアスランは素敵とはいえ、さすがに辺りを払うような崇高さ、黄金の波のような豊かさ、咆吼するだけで辺りがビリビリするような荒々しさ、などは当然ないので、ただの偉い王さまなのかな?という感じ。じゃあ4人の人間の王、って一体なに?アスランとどういう関係?と普通思うよね。しかもピーターはハイ・キングと言われるから余計に。

_ ともかく、様々な場面でやたらにぐっと来てしまって…、それは単にイギリスの風景だったり、たんすの中で毛皮のコートの感触が突然ちくちくする針葉樹と雪の感触に変わる瞬間だったり、きつねが石に変えられる瞬間だったり、倒されたエドマンドが力なく横たわりそして奇跡により回復するところだったり、と様々なのだが、これも全く予想外に何度も泣いてしまったので自分でも驚いた。

_ タムナスさんは素敵。一角獣の角は短かったorz。両刀遣いのセントールはかっこよかった!でもスコーピオン・キングに似てた。巨人たちは戦闘が始まるというのに、実際馬鹿みたいに笑ってた。それからジェイディスのお付きの小人は、じつはウンパルンパだった!ほかいろいろ。なお字幕は松浦美奈。

_ そんなわけで、原作とは別物として、意外なことにとても面白かったのだけど、予告編で初めて見たゲドは…、ゲドは、あーもうやめてくれ、ってかんじ。はっきり言ってただのマンガにしか見えない。ううう〜(T.T) 

_ そうそう、「ターキッシュ・ディライト」は、別にアラブの方のほんまもんのそれじゃなくて、やっぱりイギリスのお菓子としての「ターキッシュ・ディライト」だと、私は思ってます。しかし一切れがでかかったなあ。

_ その背に乗せているピーターに「馬」と言われて振り向き「自分はフィリップという名だ」と名乗る馬がいるのだけど、その声をやってる人の名がやっぱりフィリップ。

2006.0226(日)

〈読み中〉Solstice Wood

_ ううーついにのどが痛くなってきた!秋に一度風邪ひいて以来、低空飛行はあれど、はっきりとそれらしい症状にはならずに済んできたのにな。昨日映画館とその後池袋、新宿に行ったのに、帰宅後うがいをし損ねたのがまずかったか。特に鼻うがい(これ私には非常に効果あり)。

_ しかしこのところ全く読んでないので、あと30分だけSolstice Woodを読んで寝る。

2006.0227(月)

〈読み中〉'Solstice Wood'3章途中/22章

_ 文体がいつもと違うので、私にはやや読みづらい。たぶん現代的、と言うのでせうか。いつものこれでもかこれでもかは、(まだ)ない。章ごとに登場人物たちが代わる代わる一人称で語る。

_ Undineという名の妖精じみた女の子が出てきたり(アンディーンというかウンディーネ、だよね)、いきなり森の女王が出てきたり。

白かピンクか

_ リンドグレーンのいくつかの作品(ピッピ系元気爆発じゃない方の)では、桜の花は白くて、代わりにりんごの花が薄ピンクの雲のように咲いています。挿絵など見ても、その光景はほとんど、日本の桜のそれに置き換えてもいいように思えるのだけれど、それは彼女がアメリカじゃなくて北欧(スウェーデン)の人だからだろうか。それとも私がやっぱり日本人の感性でそういう描写・挿絵を見ているに過ぎないのだろうか。

_ 今見ているような桜(特にソメイヨシノ)が咲き誇る光景はたかだか100年そこそこらしいから、日本人の原風景というのも意外に歴史の浅いものなのかも。とは言え、これほどに喜ばれるのも、それ以前からもともと桜が好まれていた証でもあるのだろう。どうしてあの咲き乱れる桜がこれほど心を動かすのか、本当に不思議。

2006.0228(火)

映画「イノセント・ボイス 12歳の戦場」@シネスイッチ銀座

_ 画面ちょっとちっちゃ。映画館のくせに天井のライト部分にも画面がちょっとかぶっていたり、前方の非常口サインや座席の足元ライトがが明るすぎたりで、あんまりいいホールじゃなかったな。

_ 映画の方は…、「ミュンヘン」じゃなくてこちらを見て良かった。非常に残酷、と感じさせる部分は、それほどにはない(やたらな流血とか斬り合いとか)。確かに、夜ごと繰り返される村への銃撃、授業中の学校さえも銃撃戦の舞台にするような全くの非日常等々、もちろん10歳かそこらの少年たちが銃殺される光景、少年たちが「政府軍」に有無を言わせず兵士として引っ立てられていくさま、これらを残酷と言わずして何と言おう。しかしほかの映画によくありがちな血しぶきなどの画像の暴力がないためか、全体に静かな印象で、どちらかと言えば淡々と物語は進む。

_ でも、次第に、体が怒りと哀しみでブルブルとわなないてくる。政府とゲリラの狭間で内面外面とも苦しむ貧しい人々、なぜこんな所にしがみついていなければならないのか?…選択肢がほとんどないからだ。そういう事実に、恥ずかしいことだが我々は気付くのが一瞬遅れる。

_ こういう映画こそ、もっと人の目につくところで上映できたらいいのにね。人は大して入っていなかったが、近くの席で何人か泣いていたのは、明るくなってみたら男性だった。ぜひ時間を作って見に行くことをお薦めする。

ジョン・ハウ展@カナダ大使館

_ 映画の後に、5時半で閉まっちゃうから!と直行したカナダ大使館。駆け込んだエレベータで、待っててくれた人の顔を見てびっくり仰天、ソレはヒラマドさん〜〜何でこんなにどんぴしゃりピンポイントで出会うかな!一生に何度も来ることはないであろうカナダ大使館、二度ともヒラマドさんと一緒、そのどちらも食べ物付き(^-^)/

_ 私はうちにでかいひよこちゃんが待っていたのでレセプションは一足お先に失礼した(入り口のチェックポイントで心込めて「ありがとうございました〜」と言いましたとさ)

_ 肝心の絵は、画集や挿絵などで見るより、色彩(特に緑、青系)の発色がよく、暗色が中心の図柄のものも、画材のせいかあまり濁っていない。そのため全体に透明感を持ったものだった。オークや、バルログなどの暗黒部分であっても。一番気に入ったものは、灰色港からの船出を描いたもの。水平線は球形に曲がっているが、エルフの船団は(一見)空に向かって、つまりガラスの帳の向こうに向かって一直線に航行してゆくのだ(T.T)

_ サイン会に現れたハウ氏はアラン・リーみたいにいい加減ジジイなのかと思っていたら、なんと1957年生まれなのだそうだ。いやー今日は得した。日頃の行いだわね!

_ #しかし今日のレセプション、もっとちゃんと宣伝して欲しかった。そもそもこの展覧会自体、全然話題にもなってませんよね。もっとSFの人も行ってても良さそうだったのに。あーもったいない!

_ 一応クロークはあったのだけど、あとから追加のコートハンガーが1台出てきたのでそちらに掛けさせてもらった。帰り際に見たらクロークに「クロークはセルフサービスです」と貼り紙があったので笑った。むしろ質素と言ってよいビュッフェメニューと合わせて好感。

_ それからこの展覧会担当のキュレーターのおじさんがいい感じでした。壇上での挨拶で、たどたどしい日本語で「ジョン・ハウ、正直。ジョン・ハウ、哲学者。ジョン・ハウ、人気者」等々とその人となりを紹介してくれた。

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最終更新
2006.04.17 00:19:39